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Gubarevich, A.*; 久保 遼太郎*; 有阪 真; 大杉 武史; 吉田 克己*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 63(6), p.667 - 676, 2026/06
被引用回数:3 パーセンタイル:37.36(Nuclear Science & Technology)多核種除去設備(ALPS)で発生する炭酸塩スラリー廃棄物を固定化・固化するため、これらの廃棄物をリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウム相に変換する化学変換プロセスと続いてそれらを緻密化する新しい低温焼結プレス(CSP)技術の導入について検討した。炭酸カルシウム-マグネシウムスラリーの模擬物をリン酸処理してリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムを合成し、CSPを用いて300-500
Cで焼結した。カルシウムとマグネシウムの比率、ストロンチウムの取り込み、および塩化ナトリウムの添加が相組成およびCSPの緻密化に及ぼす影響を調査した。バルクサンプルを作製し、X線回折、走査型電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分光法、およびアルキメデス法を用いて特性評価を行った。これらの結果から、(1)化学変換プロセスによってウィットロカイトとニューベライトが形成され、カルシウムとマグネシウムの比率によってこれらの相の相対的な割合が決定されること、(2)ストロンチウムはウィットロカイトの結晶構造に効果的に組み込まれ、ニューベライトは脱水促進プロセスによって緻密化を促進すること、(3)塩化ナトリウムは化学変換に影響を与えず、最終的な固体生成物には含まれないことがわかった。これらの結果は、炭酸カルシウム-マグネシウムスラリーをウィットロカイト系リン酸塩セラミックスに直接変換し、その後CSPを行うことで安定した固化が可能になることを示しており、この方法がALPS炭酸塩スラリー廃棄物の管理に有望であることを示している。
萩原 大樹; 高久 敦*; 佐川 浩*; 菅野 太志*; 伊藤 あずさ; 安藤 太一*; 市原 正嗣*; 渡辺 勇輔; 小荒井 一真; 加藤 潤; et al.
Proceedings of Waste Management Symposia 2026 (WM2026) (Internet), 7 Pages, 2026/03
Alkaline activated materials (AAMs) are being considered for the immobilization of radioactive materials. The aim of this study was to investigate the possible cesium sorption mechanisms of a metakaolin-based AAM that had been stored at room temperature for an extended period. To evaluate the effectiveness of a radiocesium sorption strategy, cesium sorption experiments were conducted. Subsequently, the solid samples were analyzed using various characterization techniques. The results indicate that cesium was incorporated into micrometer-size fine particles within the AAM. Cs-Na ion exchange occurs within the zeolite framework, involving the Al-O-Si and Si-O-Si bands. Overall, cesium can be effectively sorbed into the AAM that has been stored for several days.
Cantarel, V.; 有阪 真; 山岸 功
Journal of the American Ceramic Society, 102(12), p.7553 - 7563, 2019/12
被引用回数:18 パーセンタイル:54.85(Materials Science, Ceramics)放射性廃棄物固化において、固化体からの水素発生は安全上の主要な懸念事項である。ジオポリマー材で固化する場合、材の多孔質構造中に多量の水が存在するため、水の放射線分解による水素発生が重要な因子となる。本研究では、ジオポリマー材単独またはゼオライト(模擬廃棄物)を含むジオポリマー固化体を、水飽和度と試料サイズを変えて
Co
線で照射し、水素放出量を測定した。試料が塊状でサイズが大きく(円筒形40cm長)かつ水で飽和している場合(円筒形40cm長)の水素ガス放出量は1.9
10
mol/Jであり、粉末試料の放出量2.2
10
mol/Jよりも2桁小さかった。測定結果をジオポリマー中での水素の発生、再結合および拡散挙動を考慮したモデルにより解釈した。ジオポリマー中の拡散係数が既知であれば、モデルは水素放出量を水飽和度の関数として再現でき、試料サイズ40cmまでの放出量を予測できることがわかった。
有阪 真
JAEA-Research 2018-014, 27 Pages, 2019/02
福島第一原子力発電所事故で発生する廃棄物管理の一助とするため、土壌成分の中ではセシウムが強く保持される黒雲母を対象に、超音波照射によるセシウム保持能に対する影響を検討した。セシウム水溶液に黒雲母粉末を懸濁させたものを試料として200, 430及び950kHzの超音波を照射した。430kHzの超音波を照射した場合のみ、セシウム保持能が低下する(水相中のセシウム濃度が増加する)ことがわかった。また、今のところ再現できていないが、超音波照射により黒雲母粉末の懸濁状態の安定性が低下したり、照射を停止した後もセシウム濃度が増加し続けたりする現象を一例ずつではあるが観察した。
Cantarel, V.; 有阪 真; 山岸 功
Proceedings of 3rd International Symposium on Cement-based Materials for Nuclear Wastes (NUWCEM 2018) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2018/10
ジオポリマーは、種々の含水量およびゼオライト充填量(0-40重量%)で合成した。ゼオライトA,ジオポリマーおよびそれらの複合体を
Co線源(1.5-2.5kGy/h)で10kGyまで照射した。照射後に水素量をGCで測定し、放射線分解による水素収量を求めた。収量の値から、照射中の水素再結合反応が示唆された。観測された挙動を理解するために実験系をモデル化し、より大きな試料の照射で発生する水素量を試算した。
-rays有阪 真; 渡邉 雅之; 石崎 学*; 栗原 正人*; Chen, R.*; 田中 寿*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1543 - 1547, 2015/02
被引用回数:19 パーセンタイル:76.67(Chemistry, Analytical)不溶性フェロシアン化物は、溶液中のセシウム(Cs)を選択的に吸着する材料としてよく知られている。本研究では、不溶性フェロシアン化物類縁体であるヘキサシアノ鉄酸金属錯体塩(MHCF: M=Fe, Cu, Ni)から成るナノ粒子吸着材を対象に、
線照射に対する吸着材の安定性と
線照射がCs吸着能に与える影響について調べた。50
300kGyの吸収線量の範囲において、
線照射後の硝酸中にFe, Cu、又はNiがわずかながら検出され、吸収線量の増加に伴いそれらの濃度が増加することから、放射線分解の進行が確認された。その際、MHCF中の炭素, 窒素, 水素の組成比は維持されていた。一方、CsのMHCFへの分配係数は充分に大きな値を示し、明確な吸収線量依存性が見られなかったことから、長期の使用に耐え得ると考えられる。
Chen, R.*; 浅井 幸*; 福島 千賀子*; 石崎 学*; 栗原 正人*; 有阪 真; 南川 卓也; 渡邉 雅之; 川本 徹*; 田中 寿*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1491 - 1495, 2014/09
被引用回数:23 パーセンタイル:83.04(Chemistry, Analytical)銅ヘキサシアノ鉄酸のナノ粒子フィルムを開発し、それをシート状のロール電極カラムとすることで、廃液中のセシウムの分離を試みた。電気化学的もしくは化学的に結着する方法と異なり、銅ヘキサシアノ鉄酸のナノ粒子は、よく水溶液中に分散するインクとすることができるため、銅ヘキサシアノ鉄酸を印刷と同じ方法でコーティングができるのが特徴である。本研究では、銅ヘキサシアノ鉄酸をシート状電極にフィルム上にコートした電極カラムを用いて電気化学的にセシウムを吸脱着させ、セシウムを回収することを目的とし、98%のセシウムが回収できることを確認した。
-ray irradiation有阪 真; 渡邉 雅之; 須郷 由美; 小林 久実子*; 金尾 修*; 木村 貴海
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(4), p.457 - 464, 2014/04
被引用回数:3 パーセンタイル:20.28(Nuclear Science & Technology)3価アクチノイドとランタノイドの実用的な分離法の開発に向けて、ピリジンアミドを用いる抽出クロマト法を検討した。カラム分離操作中における硝酸接触や
線照射による吸着剤の性能低下は非常に小さいことが確かめられた。また、カラム分離の際の最適条件として溶離液は5M硝酸、溶離速度は0.1mL/minと決定した。
adsorption
lattice defect sites of Prussian blue filled with coordination and crystallization water molecules石崎 学*; 秋葉 沙依*; 大谷 麻子*; 星 祐二*; 小野 健太*; 松葉 茉優*; 富樫 貴成*; 金井塚 勝彦*; 坂本 政臣*; 高橋 顕*; et al.
Dalton Transactions, 42(45), p.16049 - 16055, 2013/12
被引用回数:216 パーセンタイル:99.60(Chemistry, Inorganic & Nuclear)福島第一原子力発電所の事故を受けて、プルシアンブルー(PB)をベースにした高性能セシウム(Cs)吸着剤を開発するために、PBへのCsイオンの吸着の基本メカニズムを明らかにした。Csイオン吸着能に関して2種類のPBナノ粒子を比較したところ、4Fe
と3[Fe
(CN)
]
から合成された典型的なPB-1では、市販のPB-2よりも効率的に吸着することを明らかにした。この違いが、PB上に形成される欠陥の数で決まることを突き止めることができた。
有阪 真; 渡邉 雅之; 木村 貴海
Radiochimica Acta, 101(11), p.711 - 717, 2013/11
被引用回数:3 パーセンタイル:22.90(Chemistry, Inorganic & Nuclear)高レベル廃液から3価マイナーアクチノイドを分離するために、抽出クロマトグラフ法に適用する抽出剤アルキルピリジンジカルボキシアミド(R-PDA)を合成した。R-PDAをアンバーライトXAD樹脂上に担持することで吸着剤として用いた。調製した吸着剤は、3-5Mの高濃度硝酸条件下において、Am(III)及びEu(III)に対する適度な吸着性能と両者間の適度な分離性能を示した。硝酸との接触による吸着剤の劣化、すなわちR-PDAの吸着剤からの溶出は、R-PDAの側鎖アルキル基を長くすることにより抑制できることを明らかにした。また、Eu(III)の吸着平衡データをラングミュアー等温線モデルにより解析し、その吸着容量を24.2mg Eu/gと決定した。
Chen, R.*; 田中 寿*; 川本 徹*; 浅井 幸*; 福島 千賀子*; Na, H.*; 栗原 正人*; 渡邉 雅之; 有阪 真; 南川 卓也
Electrochimica Acta, 87, p.119 - 125, 2013/01
被引用回数:118 パーセンタイル:94.18(Electrochemistry)銅(II)ヘキサシアノ鉄酸(III)を用いた今までにない電気化学的吸着システムによる廃液からのセシウムの選択的除去法が提案された。このシステムは余分な化学薬品を使用することなく、濾過処理も必要としないセシウムの分離法として利用できる。セシウムの取りこみと脱離は、電気化学的に適当な電位を陽極、陰極間にかけるスイッチングにより制御可能である。バッチ実験の速度論的研究結果は、粒子間拡散方程式によく合致し、急こう配な上昇とそれにつづくプラトーを二段階過程方程式として反映している。他の共存アルカリ金属イオンがあっても、高い分配係数(

5
10
mL/g以上)を与え、効率的なセシウムの除去がpH0.3から9.2までの広い範囲で可能で、放射性廃液処理に有効な方法であると考えられる。
Chen, R.*; 田中 寿*; 川本 徹*; 浅井 幸*; 福島 千賀子*; 栗原 正人*; 渡邉 雅之; 有阪 真; 南川 卓也
Electrochemistry Communications, 25, p.23 - 25, 2012/11
被引用回数:59 パーセンタイル:80.39(Electrochemistry)初めて水分散性銅ヘキサシアノ鉄酸(CuHCF)インクを合成し、そのナノ粒子を放射性廃液からのセシウムを電気化学的に除去するために、電極上にコートした。セシウムの取りこみは陽極と陰極間の電位スイッチにより制御することができた。広いpH範囲(0.2-8.9)で効率的にセシウムの除去が可能であり、放射性廃液処理に有効な方法であることを示唆している。合成されたCuHCFナノ粒子は、簡易印刷法と同様、簡便かつ一様に電極上に湿式コートされるため、低予算でパターンやサイズを実現可能である。これは、大きなサイズの吸着電極をカラム中に作製することで、放射性廃棄物からのセシウムの除去において、連続除去、リサイクル可能な分離法を提示することができることを示している。
香西 直文; 大貫 敏彦; 有阪 真; 渡邉 雅之; 坂本 文徳; 山崎 信哉; Jiang, M.
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(5), p.473 - 478, 2012/05
被引用回数:67 パーセンタイル:96.94(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所事故由来で降下した放射性Csの化学状態を抽出及び分級により調べた。抽出後に残った放射性Csは、水批により分級された画分よりも大きな雲母鉱物がほとんどない画分に70%以上が存在した。この結果は、雲母鉱物以外の土壌構成物が放射性Csを強く保持している可能性を示している。
-tetraoctyl-3-oxapentane-1,5-diamide in
-dodecane/nitric acid有阪 真; 木村 貴海
Solvent Extraction and Ion Exchange, 29(1), p.72 - 85, 2011/02
被引用回数:56 パーセンタイル:75.80(Chemistry, Multidisciplinary)3価f-元素であるアメリシウム及びユウロピウムの
-テトラオクチル-3-オキサペンタン-1,5-ジアミド(TODGA)を用いた抽出反応に関する熱力学的パラメータ(
,
,
)を決定した。TODGAによるそれらの抽出反応は、オクチル(フェニル)-
,
-ジイソブチルカルバモイルメチルフォスフィンオキサイド(CMPO)やジヘキシル-
-ジエチルカルバモイルメチルフォスフォネート(DHDECMP)によるものに比べ、より発熱的であった。抽出剤による
の違いは抽出剤と金属イオンの結合様式すなわち二座配位か三座配位かの違いに帰結された。また、蛍光寿命の測定から抽出されたユウロピウムの内圏は完全に脱水和され、TODGAやNO
により占められていることがわかった。
有阪 真; 渡邉 雅之; 木村 貴海
Journal of Nuclear Materials, 407(2), p.116 - 118, 2010/12
被引用回数:8 パーセンタイル:46.06(Materials Science, Multidisciplinary)酸性水溶液中での三価アクチノイドとランタノイドの活性炭への吸着について検討した。pH1から4の液性において、活性炭への三価アクチノイドの吸着はランタノイドの吸着に対して十分に選択的であることを明らかにした。また、その吸着選択性は、活性炭の原料,賦活法,比表面積に依存しないことを見いだした。
渡邉 雅之; 有阪 真; 木村 貴海
Proceedings of 10th OECD/NEA Information Exchange Meeting on Actinide and Fission Product Partitioning and Transmutation (CD-ROM), 5 Pages, 2010/00
N,N'-ジアルキル-N,N'-ジフェニルピリジン-2,6-ジカルボキシアミド(PDA)は、ピリジン環に二つのアミド基が結合したものである。この配位子は高い硝酸酸性条件下でアクチノイドに適度な選択性を有する。これを樹脂に含浸させる目的で新規にアルキル基の異なるPDAを4種合成し、アルキル基の長さにより樹脂からの漏出を抑えられることを示した。オクチル基を有するPDAを含浸させた樹脂を用いたカラムクロマトグラフを行い、希土類からの3価アクチノイドの分離について詳細に調べた。
渡邉 雅之; 有阪 真; 木村 貴海
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycle; Sustainable Options & Industrial Perspectives (Global 2009) (CD-ROM), p.1062 - 1065, 2009/09
活性炭,グラファイト,カーボンナノチューブなど、ナノサイズの構造を有する炭素系の材料を用いて、酸性水溶液から、三価アクチノイドと三価ランタノイドとの分離が可能であることを見いだした。本研究では、これら炭素系ナノ材料を用いた、アクチノイドとランタノイドの吸着挙動について明らかにしたので報告する。
by external ultrasound irradiation虎石 貴; 木村 貴海; 有阪 真
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(9), p.1220 - 1226, 2007/09
被引用回数:5 パーセンタイル:35.24(Nuclear Science & Technology)本論文では外部超音波照射による新規なアクチノイドの原子価調整法について報告する。水に対する超音波照射は還元剤及び酸化剤として働く水素ラジカルやOHラジカルの生成をもたらす。これらを利用してアクチノイドの原子価を調整するという試みは以前よりなされていたが、アクチノイドの分離に必要な酸化還元力を得ることは不可能とされていた。われわれは最近、貴金属触媒が超音波によって誘起される化学反応を著しく増強することを発見し、例えば還元が困難とされる6価ウランを4価へと還元することを可能にした。今回、この超音波誘起還元技術をアクチノイド分離プロセスへ応用すべく、3M硝酸中における6価のウラン,ネプツニウム及びプルトニウムの逐次的な還元スキームを開発し、その技術的成立性を確認した。
,
'-dialkyl-
,
'-diphenylpyridine-2,6-dicarboxyamides有阪 真; 渡邉 雅之; 木村 貴海
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.111 - 113, 2007/09
3価アクチノイドのランタノイドからの分離に関して、ピリジンジカルボキシアミド(PDA)を抽出剤とする抽出クロマトグラフィーの有効性を調べた。また、カラム操作の際、抽出剤の溶出(=吸着剤の劣化)がしばしば問題となるため、側鎖のアルキル基の長さが異なるブチル-PDA,オクチル-PDA,デシル-PDA,ドデシル-PDAを用いて実験を行い、溶出に対する側鎖の影響も併せて調べた。Am(III)及びEu(III)の硝酸溶液からPDA-吸着剤への分配係数(
)をバッチ法で測定し、それらの吸着挙動を調べた。どのPDAを用いた場合も、Am(III)とEu(III)の
は、水相の硝酸濃度の増加に伴いともに増加した。一方、それらの吸着挙動は側鎖の長さにはほとんど依存しなかった。Am(III)/Eu(III)間の分離係数(=
(Am)/
(Eu))は、オクチル-PDAで約7、デシル-PDAで約8と両元素を分離するには十分な値を示した。また、抽出剤の溶出は、側鎖の長さが長くなるにつれて抑制されることを明らかにした。
永石 隆二; 有阪 真; 木村 貴海; 北辻 章浩
Journal of Alloys and Compounds, 431(1-2), p.221 - 225, 2007/04
被引用回数:49 パーセンタイル:86.37(Chemistry, Physical)イオン液体(IL)中でのユウロピウムEu(III)イオンの配位状態とその物理化学的挙動を解明するため、負イオン(bis(trifluoromethanesulfonyl)imide=tfsi)と正イオン(イミダゾリウム又はアンモニウム)から構成される疎水性IL中で、Eu(III)の分光及び電気化学特性を水分量の関数として調べた。分光学的研究では、発光寿命から決定したEu(III)の内圏水和数の増加とともに、Eu(III)の配位子場の非対称性を示す発光スペクトルのピーク強度比が減少した。水和数9の場合Eu(III)がIL中で水和イオンのような分光特性を示すこと,水和数9未満でtfsiイオンがEu(III)への内圏配位と励起Eu(III)の消光に関与することを明らかにした。電気化学的研究では、Eu(III)/(II)の酸化波又は還元波を測定し、水溶液での結果と比較して、ピーク電位の正側へのシフトとピーク電流の減少をIL中で確認した。これらは、Eu(II)が水溶液中に比べ安定に存在できること、IL中でのEuの動きがILのイオン対により阻害されることを示す。