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内田 和杜*; 増田 造*; 原 伸太郎*; 松尾 陽一*; Liu, Y.*; 青木 裕之; 浅野 吉彦*; 宮田 一輝*; 福間 剛士*; 小野 俊哉*; et al.
ACS Applied Materials & Interfaces, 16(30), p.39104 - 39116, 2024/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nanoscience & Nanotechnology)Zwitterionic MPC polymer coatings effectively deter blood coagulation and protein buildup on medical devices. Researchers synthesized MPC copolymers containing a cross-linking unit (MPTMSi) plus one of four hydrophobic anchoring groups (MPTSSi, BMA, EHMA, LMA) and applied them to PDMS, PP, and PMP. These treatments yielded uniformly hydrophilic, electrically neutral surfaces. Protein adsorption tests showed that PMBSi (BMA) best resisted fluorescently labeled BSA, while PMLSi (LMA) was comparatively weaker, although all four coatings minimized platelet adhesion. Further analyses linked these differences in protein adsorption to varying swelling behaviors in water. Indeed, PMLSi absorbed more water, allowing some protein infiltration yet still repelling platelets. When tested under circulating flow to mimic shear stress, PMMMSi (MPTSSi) and PMLSi coatings on PP and PMP demonstrated excellent durability and platelet repellency. Overall, this study highlights how hydrophobic moieties can boost both hemocompatibility and stability of MPC-based coatings, promising improved performance in medical devices requiring low protein fouling, reduced platelet adhesion, and long-term reliability.
Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Gmez-Ramos, M.*; Holt, J. D.*; Hu, B. S.*; et al.
Physical Review C, 109(3), p.034312_1 - 034312_15, 2024/03
被引用回数:1 パーセンタイル:72.68(Physics, Nuclear)理化学研究所RIビームファクトリーにて中性子過剰核Arビームからの1中性子ノックアウト反応実験を行い、
Arのエネルギー準位および分光学的因子を導出した。特に、第一励起状態の
への分光学的因子が大きいことから、始状態の
Arの基底状態において中性子が
軌道を多く占めていることがわかった。これは、中性子数32がよい魔法数として知られる
Caとは異なった性質であり、カルシウムからアルゴンへと陽子が2個減ることで閉殻構造が大きく崩れることが明らかになった。
Li, P. J.*; Beaumel, D.*; Lee, J.*; Assi, M.*; Chen, S.*; Franchoo, S.*; Gibelin, J.*; Hammache, F.*; Harada, T.*; 延与 佳子*; et al.
Physical Review Letters, 131(21), p.212501_1 - 212501_7, 2023/11
被引用回数:12 パーセンタイル:90.93(Physics, Multidisciplinary)Beのクラスター構造を(
)反応を用いて調査した。三重微分断面積が実験的に測定され、Tohsaki-Horiuchi-Schuck-R
pke波動関数の方法や反対称化分子動力学を用いた歪曲波インパルス近似計算と比較した。実験データと理論計算の顕著な一致が確認され、
Beの比較的コンパクトな分子状態を確認した。
近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.
Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08
被引用回数:21 パーセンタイル:95.78(Multidisciplinary Sciences)非常に中性子が過剰な原子核Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核
Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて
Fからの1陽子ノックアウト反応によって
Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、
Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。
Wang, H.*; 安田 昌弘*; 近藤 洋介*; 中村 隆司*; Tostevin, J. A.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Poves, A.*; 清水 則孝*; 吉田 数貴; et al.
Physics Letters B, 843, p.138038_1 - 138038_9, 2023/08
被引用回数:3 パーセンタイル:69.58(Astronomy & Astrophysics)Neからの1中性子除去反応を用いて、
Neの詳細な
線分光を行った。平行運動量分布の解析に基づき、
Neの準位構造とスピンパリティを決定し、初めて負のパリティ状態を同定した。測定された断面積と運動量分布から、N=20とN=28のシェルギャップの消失の証拠となる有意なintruder p-wave強度が明らかになった。束縛状態については、弱いf-waveの可能性のある強度が観測された。いくつかの有効相互作用を用いた大規模殻模型計算では、実験的に観測された大きなp-wave強度と小さなf-wave強度は再現されず、Ne同位体に沿った反転の島への遷移の完全な理論的記述への挑戦が続いていることを示している。
Chen, S.*; Browne, F.*; Doornenbal, P.*; Lee, J.*; Obertelli, A.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; 茶園 亮樹*; Hagen, G.*; Holt, J. D.*; et al.
Physics Letters B, 843, p.138025_1 - 138025_7, 2023/08
被引用回数:6 パーセンタイル:87.41(Astronomy & Astrophysics)Scからの1陽子ノックアウト反応を用いて、
Caと
Caのガンマ崩壊を観測した。
Caでは1456(12)keVの
線遷移が、
Caでは1115(34)keVの遷移が観測された。どちらの遷移も暫定的に
と割り当てられた。有効核子間相互作用をわずかに修正した広い模型空間での殻模型計算では、
準位エネルギー、2中性子分離エネルギー、反応断面積が実験とよく一致し、N=34閉殻の上に新しい殻が形成されていることを裏付けた。その構成要素である
と
軌道はほぼ縮退しており、これは
Caが二重魔法核である可能性を排除し、Ca同位体のドリップラインを
Caあるいはそれ以上にまで広げる可能性がある。
Pohl, T.*; Sun, Y. L.*; Obertelli, A.*; Lee, J.*; Gmez-Ramos, M.*; 緒方 一介*; 吉田 数貴; Cai, B. S.*; Yuan, C. X.*; Brown, B. A.*; et al.
Physical Review Letters, 130(17), p.172501_1 - 172501_8, 2023/04
被引用回数:11 パーセンタイル:90.93(Physics, Multidisciplinary)大きなフェルミ面非対称性を持つ陽子過剰なO原子核からの100MeV/nucleonでの陽子による陽子・中性子除去反応について報告した。この結果は、quasi-freeノックアウト反応、非弾性散乱、核子移行反応を含む複数の反応機構の定量的寄与を初めて示すものである。このようなエネルギー領域では通常無視される非弾性散乱と核子移行の寄与が、弱束縛陽子と強束縛中性子の除去反応断面積にそれぞれ約50%と30%寄与していることが示された。
Elekes, Z.*; Juhsz, M. M.*; Sohler, D.*; Sieja, K.*; 吉田 数貴; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064321_1 - 064321_10, 2022/12
被引用回数:2 パーセンタイル:36.77(Physics, Nuclear)Vと
Vの低励起準位構造を初めて探索した。
Vについては中性子ノックアウト反応と陽子非弾性散乱が、
Vについては中性子ノックアウト反応データが得られた。
Vについては4つ、
Vについては5つの新たな遷移が確認された。Lenzi-Nowacki-Poves-Sieja (LNPS)相互作用に基づく殻模型計算との比較によって、それぞれの同位体について確認されたガンマ線のうち3つが、first 11/2
状態とfirst 9/2
状態からの崩壊と決定された。
Vについては、(
,
)非弾性散乱断面積は四重極変形と十六重極変形を想定したチャネル結合法により解析されたが、十六重極変形の影響により、明確に反転の島に属するとは決定できなかった。
Enciu, M.*; Liu, H. N.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; Poves, A.*; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review Letters, 129(26), p.262501_1 - 262501_7, 2022/12
被引用回数:15 パーセンタイル:83.47(Physics, Multidisciplinary)230MeV/nucleonでの
Caからの中性子ノックアウト反応が
線分光と行われ、
と
軌道からの中性子ノックアウト反応の運動量分布が測定された。断面積は
の閉殻と整合し、Ca同位体での
と
閉殻と同程度に強い閉殻であることが確認された。運動量分布の分析から
と
軌道の平均二乗根半径の差は0.61(23)fmと決定され、これはmodified-shell-modelによる予言の0.7fmと整合した。これは、中性子過剰なCa同位体での
軌道半径が大きいことが、中性子数にしたがって線形的に荷電半径が増える意外な現象の原因であることを示唆している。
小岩井 拓真*; Wimmer, K.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Holt, J. D.*; 宮城 宇志*; Navrtil, P.*; 緒方 一介*; et al.
Physics Letters B, 827, p.136953_1 - 136953_7, 2022/04
被引用回数:7 パーセンタイル:66.88(Astronomy & Astrophysics)中性子過剰核Caでは、新魔法数34が発見されて以来、その構造を知るために多くの実験がなされてきたが、それを超える中性子過剰核の情報は全く知られてこなかった。本論文では、理化学研究所RIBFにて
K,
Ca,
Caの励起状態から脱励起するガンマ線を初めて観測した結果を報告した。それぞれ1つのガンマ線しか得られなかったものの、
Kおよび
Caのデータは、それぞれ、陽子の
と
軌道間のエネルギー差、中性子の
と
軌道間のエネルギー差を敏感に反映し、両方とも最新の殻模型計算によって200keV程度の精度で再現できることがわかった。また、1粒子状態の程度を特徴づける分光学的因子を実験データと歪曲波インパルス近似による反応計算から求め、その値も殻模型計算の値と矛盾しないことがわかった。
Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Chen, S.*; Chung, L. X.*; Duguet, T.*; Gmez-Ramos, M.*; et al.
Physical Review C, 104(4), p.044331_1 - 044331_16, 2021/10
被引用回数:9 パーセンタイル:75.05(Physics, Nuclear)理化学研究所のRIビームファクトリーにて中性子過剰Clの励起状態を
Arからのノックアウト反応によって生成し、脱励起ガンマ線からそのエネルギー準位を測定した。また、陽子ノックアウトの運動量分布から
Clの基底状態が
であることがわかった。その結果を大規模殻模型計算およびいくつかの第一原理計算と比較した。
Cl同位体の基底状態および第一励起状態は、計算で用いた相互作用に敏感であることがわかった。それは、陽子の一粒子エネルギーと四重極集団運動との複雑な結合によるためであると考えられる。
Browne, F.*; Chen, S.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; 緒方 一介*; 宇都野 穣; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; Calvet, D.*; et al.
Physical Review Letters, 126(25), p.252501_1 - 252501_7, 2021/06
被引用回数:11 パーセンタイル:69.72(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所RIビームファクトリーにて、中性子過剰核Scからの1陽子ノックアウト反応によって
Caを生成し、そのエネルギー準位と反応断面積をガンマ線分光および不変質量分光によって得た。その結果を歪曲波インパルス近似による核反応計算と大規模殻模型による核構造計算を組み合わせた理論値と比較した。実験の準位と断面積は理論計算によってよく再現された。
Caの正パリティ状態については、基底状態の生成断面積が励起状態のものに比べて圧倒的に大きいという結果が得られた。これは、
Scでは中性子魔法数34が消滅し
Caではその魔法数が存在するというこれまでの知見と一見矛盾するが、対相関による分光学的因子のコヒーレンスから理解することができる。
Juhsz, M. M.*; Elekes, Z.*; Sohler, D.*; 宇都野 穣; 吉田 数貴; 大塚 孝治*; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physics Letters B, 814, p.136108_1 - 136108_8, 2021/03
被引用回数:6 パーセンタイル:55.29(Astronomy & Astrophysics)(,
)反応と
線分光を用いて
Arの束縛状態と非束縛状態の核構造研究を行った。実験結果と殻模型計算を比較することで、2つの束縛状態と6つの非束縛状態を決定した。
Arの束縛状態を生成する反応断面積が小さいことから、これは中性子数32, 34の顕著なsub-shell closureが存在している確かな証拠と解釈できる。
Yang, Z. H.*; 久保田 悠樹*; Corsi, A.*; 吉田 数貴; Sun, X.-X.*; Li, J. G.*; 木村 真明*; Michel, N.*; 緒方 一介*; Yuan, C. X.*; et al.
Physical Review Letters, 126(8), p.082501_1 - 082501_8, 2021/02
被引用回数:55 パーセンタイル:96.38(Physics, Multidisciplinary)ボロミアン核であり中性子ハロー構造が期待されるBに対する(
,
)反応実験を行った。断面積の運動量分布を分析することで、
と
軌道の分光学的因子を決定した。驚くべきことに、
の分光学的因子は9(2)%と小さいことが明らかになった。この結果は、連続状態を含むdeformed relativistic Hartree-Bogoliubov理論によってよく説明された。本研究の結果によると、現在知られているハロー構造を持つとされる原子核の中で
Bは
および
軌道の成分が最も小さく、
または
軌道成分が支配的であることが必ずしもハロー構造の前提条件ではない可能性を示唆している。
Corts, M. L.*; Rodriguez, W.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Holt, J. D.*; Men
ndez, J.*; 緒方 一介*; Schwenk, A.*; 清水 則孝*; Simonis, J.*; et al.
Physical Review C, 102(6), p.064320_1 - 064320_9, 2020/12
被引用回数:12 パーセンタイル:76.16(Physics, Nuclear)理化学研究所RIBFにおいて、=32同位体である
Arの低励起構造を陽子・中性子ノックアウト反応,多核子剥離反応,陽子非弾性散乱と
線分光によって調査した。すでに知られていた2つに加えて、3
状態の候補を含む5つの状態を新たに確認した。
coincidenceによって得られた準位図は
模型空間での殻模型計算やカイラル2体・3体力による第一原理計算と比較した。陽子・中性子ノックアウト反応断面積の理論との比較により、新たに発見された2つの状態は2
状態であり、また以前に4
とされていた状態も2
であることが示唆された。
Tang, T. L.*; 上坂 友洋*; 川瀬 頌一郎; Beaumel, D.*; 堂園 昌伯*; 藤井 俊彦*; 福田 直樹*; 福永 拓*; Galindo-Uribarri, A.*; Hwang, S. H.*; et al.
Physical Review Letters, 124(21), p.212502_1 - 212502_6, 2020/05
被引用回数:18 パーセンタイル:75.04(Physics, Multidisciplinary)中性子過剰核Fの構造が(
)反応で調査した。
軌道の分光学的因子は1.0
0.3と大きいが、一方で残留核である
Oが基底状態である割合は約35%,励起状態は約0.65%であることが明らかになった。この結果は、
Fのコア核
Oは基底状態とは大きく異なり、
Oの
軌道に陽子がひとつ加わることで
Oと
Fの中性子軌道が相当に変化していると推測される。これは酸素同位体ドリップライン異常のメカニズムである可能性がある。
Corts, M. L.*; Rodriguez, W.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Holt, J. D.*; Lenzi, S. M.*; Men
ndez, J.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; Poves, A.*; et al.
Physics Letters B, 800, p.135071_1 - 135071_7, 2020/01
被引用回数:34 パーセンタイル:95.80(Astronomy & Astrophysics)ガンマ線分光による=40同調体である
Tiの分光学研究を
V(
,
)
TiをRIBFで行った。今回初めて測定された
と
の遷移はTiの基底状態が変形していることを示唆した。これらのエネルギーは近傍核の
Crや
Feと比較して大きく、したがって四重極集団運動が小さくなっていることが示唆される。今回の結果は大規模殻模型計算によって良く再現される一方、第一原理計算や平均場模型では今回の結果は再現されなかった。
Chen, S.*; Lee, J.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; 茶園 亮樹*; Navrtil, P.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Raimondi, F.*; et al.
Physical Review Letters, 123(14), p.142501_1 - 142501_7, 2019/10
被引用回数:60 パーセンタイル:93.02(Physics, Multidisciplinary)Caでは中性子魔法数34が現れると考えられているが、その直接的な実験的証拠を得るため、
Caからの中性子ノックアウト反応
Ca(
)
Caによって生成される状態を理化学研究所のRI Beam Factoryによって調べた。基底状態および2.2MeVの励起状態が強く生成され、1.7MeVの励起状態の生成量は小さかった。
Caの運動量分布から、基底状態および2.2MeVの励起状態は
軌道の中性子を叩き出して得られた状態であることが明らかになった。DWIA計算によって得られた分光学的因子から、
Caは
軌道がほぼ完全に占有された閉殻構造を持つことが明らかになり、中性子魔法数34の出現が確実なものとなった。
森田 圭介; 鈴木 英哉; 松村 達郎; 高橋 優也*; 大森 孝*; 金子 昌章*; 浅野 和仁*
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.464 - 468, 2019/09
高レベル放射性廃液(HLLW)には種々の長半減期核種が含まれており、地層処分における環境影響を低減させる観点からマイナーアクチノイドと長寿命核分裂生成物(LLFP)を分離し核変換することが望ましい。原子力機構と東芝はHLLWからLLFPであるSe, Zr, Pd及びCsの分離法を開発した。我々は新規ヒドロキシアセトアミド型抽出剤-ジドデシル-2-ヒドロキシアセトアミド(HAA)を用いたHLLWからのZrの抽出挙動について詳細に検討を行った。HAA抽出系はZrに高い選択性を示し、抽出序列はZr
Mo
Pd
Ag
Sb
Sn
Lns
Feであることを確認した。また、抽出化学種をZr(HAA)
(NO
)
(HNO
)
と同定し、ミキサセトラを用いた連続向流抽出によって模擬HLLWからZrとMoが定量的に抽出可能であることを実証した。
佐々木 祐二; 森田 圭介; 伊藤 圭祐; 鈴木 伸一; 塩飽 秀啓; 高橋 優也*; 金子 昌章*; 大森 孝*; 浅野 和仁*
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference (GLOBAL 2017) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2017/09
高レベル廃液中のPd, Zr, Se, Csは長半減期核種のPd-107, Zr-93, Se-79, Cs-135を有している。高レベル廃液から除去し、核変換により処分することで、環境負荷低減に役立てることができる。これら元素について、PdはMIDOA, NTAアミド、Csはクラウンエーテル、ZrはTODGA, HDEHP, Seはフェニレンジアミンで抽出可能である。それぞれ元素の回収条件について検討した成果について述べる。