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中本 美緒*; 菅野 未知央*; 荻津 透*; 杉本 昌弘*; 谷口 諒*; 廣瀬 清慈*; 川崎 卓郎; Gong, W.; Harjo, S.; 淡路 智*; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 34(5), p.8400806_1 - 8400806_6, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)For an accelerator magnet, a certain mechanical strength is required to sustain against a transverse compression stress due to Lorentz force. A bronze-route NbSn wire with Cu-Nb reinforcement was developed by Tohoku University and Furukawa Electric to enhance the strength against axial tension. The Cu-Nb reinforcement wire also exhibited some indication of strength improvement against transverse compression; however, the details of a reinforcement mechanism for the transverse compression stress have not been clarified. In this study, the internal strains of Nb
Sn bronze-route wires with and without the Cu-Nb reinforcement under transverse compression stress were evaluated by neutron diffraction at BL19 (TAKUMI) in J-PARC. The samples were attached to jig with solder only at the ends and compression was applied at the center of the samples with 30-mm anvil with 5-mm wide and 8- to 15-mm high beam. Since a critical current, Ic of a superconducting wire depends on the three-dimensional strain, internal strain of Nb
Sn along the axial and two orthogonal radial directions were evaluated at room temperature (RT). In the different setup, Ic measurements of the wires under transverse compression stresses were also performed at 4.2 K and 14.5 T. Using 3-mm wide anvil, the transverse compression was applied at 4.2 K or RT. The neutron diffraction results indicated no significant differences in the internal strains of Nb
Sn under transverse compression between the samples with and without Cu-Nb reinforcement, while the Ic measurements showed potential increase in the irreversible stress (
) for Cu-Nb reinforced wires. The reason for this discrepancy was discussed based on the difference in the experimental setups for each measurement.
常盤 欣文; Opletal, P.; 酒井 宏典; 神戸 振作; 山本 悦嗣; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 芳賀 芳範; et al.
Physical Review B, 109(14), p.L140502_1 - L140502_6, 2024/04
被引用回数:2 パーセンタイル:54.05(Materials Science, Multidisciplinary)超伝導体UTeの常伝導状態を
軸磁場に対するエントロピー解析によって調べた。メタ磁性揺らぎ(空間一様、
)による磁場によるエントロピーの強い増加が観測された。この磁場依存性は遍歴メタ磁性の量子臨界性に関するHertz-Millis-Moriya理論によってよく記述される。特に、量子臨界領域の下界は超伝導転移温度
の最小値の位置とよく一致する。この結果は、
の揺らぎが超伝導を強めることを示唆している。
常盤 欣文; 酒井 宏典; 神戸 振作; Opletal, P.; 山本 悦嗣; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 柳瀬 陽一*; 芳賀 芳範; et al.
Physical Review B, 108(14), p.144502_1 - 144502_5, 2023/10
被引用回数:4 パーセンタイル:60.72(Materials Science, Multidisciplinary)-軸磁場下で
-軸方向の電流を用いて測定することで、スピン3重項超伝導体UTe
におけるボルテックスダイナミクスを研究した。驚くべきことに、超伝導状態の深部で、島状の臨界電流の低い領域を発見した。この現象は、ボルテックスのピンニングが弱まった結果と考えられる。特筆すべきは、この領域が最近提案された中間磁場の超伝導相と一致していることである。我々は、中間磁場超伝導状態において非特異的なボルテックスが存在する可能性を検討した。この中間状態では、複数の超伝導成分が混合するためボルテックスの中心部で超伝導の秩序パラメータが完全に消えない可能性があり、それがピニングが弱まる原因になっている可能性がある。
酒井 宏典; 常盤 欣文; Opletal, P.; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範
Physical Review Letters, 130(19), p.196002_1 - 196002_6, 2023/05
被引用回数:19 パーセンタイル:96.00(Physics, Multidisciplinary)=2.1Kのウラン2テルル化物単結晶における超伝導相図を磁気困難軸である結晶
軸方向に磁場をかけて調べた。電気抵抗と交流帯磁率を同時に測定した結果、低磁場超伝導(LFSC)相と高磁場超伝導(HFSC)相が、対照的な磁場-角度依存性をもつことがわかった。結晶の純良性が上がったことにより、LFSC相の上部臨界磁場は上昇したものの、HFSC相が現れる特徴磁場
は、単結晶の純良性に関わらず、15Tと一定であることがわかった。また、
近傍のLFSC相内に、弱い渦糸ピン留め力で特徴づけられる中間超伝導相を示唆する新たな相線の形跡を捉えた。
重田 出*; Oku, Shuta*; 窪田 崇秀*; 木村 尚次郎*; 関 剛斎*; 篠崎 文重*; 淡路 智*; 高梨 弘毅; 廣井 政彦*
AIP Advances (Internet), 13(2), p.025116_1 - 025116_5, 2023/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nanoscience & Nanotechnology)Superconducting properties were investigated in epitaxially layered films consisting of superconductor NbN and half-metallic Heusler alloy CoMnSi(CMS). Temperature dependence of the electrical resistivity
(T) was measured by applying perpendiar magnetic fields to the surface of NbN/CMS films. With the increase of the CMS thickness
, the upper critical field
H
decreased monotonically, but the superconducting transition temperature T
had the minimum of 10.1 K at
5 nm. The T
behavior was in qualitative agreement with the theory of the
-coupling. The pair-breaking parameter
determined by the superconducting fluctuation theory took the maximum at
= 3
5 nm, which would be related to the minimum of
. The experimental results reveal that the superconductivity of the NbN layer in NbN/CMS films is affected by the interplay between the superconducting NbN layer and the half-metallic CMS layer.
淡路 智*; 難波 雅史*; 渡辺 和雄*; 甲斐 英樹*; 向田 昌志*; 岡安 悟
Journal of Applied Physics, 111(1), p.013914_1 - 013914_4, 2012/01
被引用回数:26 パーセンタイル:69.47(Physics, Applied)軸に対して傾いた円柱状欠陥を含むErBa
Cu
O
薄膜の低温高磁場下での臨界電流密度
の
軸相関ピン止めの影響をトランスポート法と不可逆磁場特性B
から調べた。マッチング磁場より大きな高磁場下では温度を下げると臨界電流密度
に対する相関ピンの寄与は著しく減少する。低温においてはマッチング磁場の存在が相関ピンのピン止め力に対する寄与を制限する、というのは最大ピン止め力における相関ピンとランダムピンの比率は不可逆磁場B
の逆数に比例するからである。このことは低温強磁場での相関ピンの効率の低さは、高い不可逆磁場と低いマッチング磁場の結果であることを意味している。低温高磁場での臨界電流密度の改善を行うためにはマッチング磁場の増大を計るかあるいは同じことであるが、強いランダムピンの導入が有効である。
淡路 智*; 難波 雅史*; 渡辺 和雄*; 伊藤 俊*; 青柳 英二*; 甲斐 英樹*; 向田 昌志*; 岡安 悟
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 21(3), p.3192 - 3195, 2011/06
被引用回数:5 パーセンタイル:33.18(Engineering, Electrical & Electronic)重イオン照射したEr123薄膜の磁束ピン止め特性を(
,
,
)特性として詳細に調べた。B//cの
曲線でマッチング磁場がc軸平行で0.3テスラとc軸から傾けたときは1.7テスラに相当するときに2つのピークが観測された。さらに
(
)で
=0
(B//c)のときのピークは、円柱状欠陥によるピン止めに起因するが、磁場増加に伴い一旦減少するが不可逆磁場近傍では増大するようになる。c軸相関のピン止め中心とランダム分布のピン止め中心が協調して働いているモデルを用いると
(B)の二重ピーク構造や
の角度依存性を説明できることがわかった。
伊藤 崇芳; Harjo, S.; 長村 光造*; 辺見 努; 淡路 智*; 町屋 修太郎*; 小黒 英俊*; 西島 元*; 高橋 弘紀*; 松井 邦浩; et al.
Materials Science Forum, 681, p.209 - 214, 2011/05
被引用回数:1 パーセンタイル:51.12(Materials Science, Multidisciplinary)The construction of the engineering materials diffractometer TAKUMI at J-PARC has been finished at the end of March 2009, and user programs have been started since January 2009. We proposed a project research with the title of "Stress/strain effects on industrial superconducting composites", and have carried out several preliminary experiments at TAKUMI. This project research aims to clarify internal strains behaviors in industrial superconducting materials generated due to their processes and/or during uses, and to understand the relation between the internal strains and their superconducting properties. Our interests are in developments of superconducting (NbSn, Nb
Al, etc.) strands and HTC tapes, and in developments of superconducting (ITER and LHC) cables (composing many superconducting strands or tapes and other stabilizing and/or strengthening materials). In this opportunity, we will report our project research status more details.
飯垣 和彦; 坂場 成昭; 川路 さとし; 伊与久 達夫
Transactions of 16th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-16) (CD-ROM), 7 Pages, 2001/08
原研は、高温ガス炉技術基盤の確立と高度化,高温工学に関する先端的基礎研究の実施を主目的として、HTTRを建設し、1998年11月10日に初臨界を達成した。HTTRの原子炉格納施設は、原子炉格納容器(CV),サービスエリア(SA)及び非常用空気浄化設備から構成し、減圧事故時等に外部へ放出する放射性物質の量を低減する役目を担う。このため、CVには漏洩率、SAには機密性、非常用空気浄化設備にはSAの負圧維持,ヨウ素及び微粒子の除去効率並びに起動時間を規定している。CV漏洩率試験では、1次冷却材Heに適応するため、原子炉冷却材圧力バウンダリを閉鎖したまま試験を実施する従来の軽水炉等とは異なる新しい試験方法を確立し、規定値を満たすことを確認した。試験の結果、減圧事故時に外部へ放出する放射性物質の量は所定値内に低減することができるといえる。
齋藤 賢司; 本間 史隆; 尾又 徹; 青野 哲也; 川路 さとし; 川崎 幸三; 伊与久 達夫
Proceedings of International Topical Meeting on Nuclear Plant Instrumentation, Controls, and Human-Machine Interface Technologies (NPIC&HMIT 2000) (CD-ROM), 8 Pages, 2000/00
HTTR(高温工学試験研究炉)は熱出力30MW、原子炉出口冷却材温度が最高950高温ガス炉であり、1999年9月から出力上昇試験を行っている。HTTRの計測制御系は、計装系、制御系、安全保護系から成り立ち、原子炉を安全に運転するために高い信頼性が要求されている。本報告では、HTTRの計測制御系の設計について述べるとともに、系統別・総合機能試験、出力上昇試験で得られた計測制御系の特性試験の試験結果について発表する。
橘 幸男; 國富 一彦; 本谷 浩二*; 沢 和弘; 竹田 武司; 七種 明雄; 川路 さとし; 伊与久 達夫
JAERI-Tech 98-027, 74 Pages, 1998/07
高温工学試験研究炉において、非核加熱で1次ヘリウムガスを昇温する試験を実施中に、スタンドパイプ内雰囲気及び1次上部遮へい体の温度が想定以上に上昇した。スタンドパイプ内構造物の一部構造変更を行い再度昇温したところ、温度は大幅に低下したが十分ではなかった。そこで追加の昇温防止対策について検討し、仮設の対策を施し確認試験を実施した。本報告は、追加昇温防止対策、確認試験結果、確認試験に関する解析結果等についてまとめたものである。定格条件での1次上部遮へい体最高温度は、試験結果の直線外挿では約100C、有限要素法解析では約85
Cとなり、別途実施している遮へい体の含水量の測定結果とあわせて、定格運転時の遮へい性能を確保できる見通しを得た。
坂場 成昭; 飯垣 和彦; 川路 さとし; 伊与久 達夫
JAERI-Tech 98-013, 152 Pages, 1998/03
HTTRの原子炉格納施設は、主冷却設備、補助冷却設備等を配置する原子炉格納容器(CV)、1次ヘリウム純化設備、1次ヘリウムサンプリング設備等を配置するサービスエリア(SA)及び非常用空気浄化設備から構成し、1次冷却設備の二重管破断事故(減圧事故)時等に外部へ放出する放射性物質の量を低減する役目を担っている。このため、CVには漏洩率、SAには気密性、非常用空気浄化設備にはSAの負圧維持、ヨウ素及び微粒子の除去効率並びに起動時間を規定している。これら規定した事項を、原子炉格納施設の系統別機能試験として燃料装荷前に確認した。CVの漏洩率試験では、1次冷却材がヘリウムガスであるHTTRに適応するため、原子炉冷却材圧力バウンダリを閉鎖したまま試験を実施するという従来の軽水炉等とは異なる新しい試験方法を確立し、規定値を満たすことを確認した。また、SA及び非常用空気浄化設備の機能試験では、所定の性能を発揮することを確認した。原子炉格納施設の機能試験の結果、減圧事故時等に外部へ放出する放射性物質の量は所定値内に低減することができるといえる。
馬場 治; 國富 一彦; 川路 さとし; 田中 利幸; 塩沢 周策; 大久保 実
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 2, p.281 - 287, 1996/00
大洗研究所では、1997年の初臨界を目指してHTTRの建設が進められている。HTTRの原子炉圧力容器、中間熱交換器等の主要機器は、既に現地に搬入され、1996年には単体機器試験、1997年前半には機能試験が予定されている。HTTRは、原子炉出口冷却材温度が、850Cと950
Cの2種類と中間熱交換器の運転・休止の組み合わせによる計4種類の出力運転モードと高温ガス炉特有の固有の安全性を実証するための試験運転モードを有している。計測制御系及び安全保護系は、これらのすべての運転モードにおいて安全で安定な運転が可能で、万一の異常時には安全に炉停止が可能なよう設計されている。HTTRの冷却系、計測制御系、安全保護系の設計と、建設の現状について述べる。
下村 寛昭; 川路 さとし; 太田 幸丸
Proc. of the 2nd Int. Symp. on Magnetic Bearings, p.93 - 99, 1990/00
HENDELにおけるヘリウムガス循環機及び同往復動式圧縮機に関する運転経験と各種試験結果から、これらの機能向上がHTTRを始めとする高温ガス炉の開発と信頼性あるいは安全性の向上にとって極めて重要であることが明らかになった。これら機器の大幅な性能向上を図るため、能動式磁気軸受を応用したHENDEL用ヘリウムガス循環機(ガス軸受式)と同規模な循環機に相当する高速模擬ローター試験装置及び高速無摺動ピストン式往復動圧縮機を試作開発し、各種試験を実施した。これらの作動特性と検討結果から、各々の機器に関する実用機開発への見通しが得られると同時に、能動式磁気軸受システムの問題点も明らかになった。より高性能なシステムを実現する上で制御安定性を広い領域で実現することが大切であり、現状は必ずしも満足でないことも判った。高性能化するための解析的計算例を示すとともに原理的改善策にも言及した。
下村 寛昭; 川路 さとし
Proc. of the IAEA Specialists' Meeting on Communication and Data Transfer in NPP, 17 Pages, 1990/00
HENDELの計画に際して、その大規模かつ複雑な試験プラントを限られた人員で容易、安全に運転し、極めて多数のプラント情報と試験データを迅速、容易に得られることを基本的な設計思想とした。これを実現するための設計クライテリアとそれらを具体化するためのハードウェア構成、分散型計装システムによるヒューマンエラー及び不完全プラント条件による誤操作等の防止の考え方、在来計装及びバックアップ方法、スーパーヴァイザリコンピューターと運転シーケンスのソフト化及び運転多様化への対応方法、データ処理システム及びデータ転送ネットワークの等について、ハード、ソフト両面の考え方と実用に至らせるまでの技術処置方法、使用実績等について述べた。使用実績から本システムは目的を完全に満足する一方、システムのブラックボックス化と作業の単純化に伴う新たな問題も発生し、今後の大規模システムでの課題となることを指摘した。
下村 寛昭; 川路 さとし; 藤崎 勝夫; 飯塚 隆行
JAERI-M 89-064, 90 Pages, 1989/06
大型構造機器実証試験装置(HENDEL)に使用中のガス軸受機械としては最大級のヘリウムガス循環機、計5台のうち、代表的機種について実施した軸振動に関する試験結果を中心として報告する。また、過去のティルティングパッド及びガス軸受に関するいくつかの研究結果と本試験結果を比較検討した。試験結果からガス軸受機械の軸系における不安定振動又は振れ回りを防止するためには高度なバランシング、軸受パッドの追従性及び軸受部の気膜厚さの調整が極めて重要であることが判った。しかしながら、これらの要求を実際に、特に大型ガス軸受機械において満足するには多くの困難が存在するため、微弱なハーフスピードホワールが発生し始めた状態を高感度に検出し、自動的にこれに対処することが装置を含むプラントの安全を保つ上に重要であるとの結論に達した。
下村 寛昭; 川路 さとし; 藤崎 勝夫; 飯塚 隆行
Gas-Cooled Reactor Coolant Circulator and Blower Technology, p.148 - 156, 1988/00
HENDELに使用中のガス軸受ヘリウムガス循環機である再生式及び遠心式の両型式について過去に発生した問題点に触れた後、主要な問題がガス軸受における軸の振れ廻り振動(whirling)であることを述べた。このwhirlingの発生に関する各種パラメータのうち、軸受荷重及び軸受内のガス膜厚さの影響を上記両型式のガス循環機についての試験結果を参照しながら説明し、その基本的原因が軸受を構成するティルティングパッドの力学的特性に大きく支配されると同時に、ロータの質量アンバランス及びガス膜厚さと密接な関係を有することを示した。
常盤 欣文; Opletal, P.; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; et al.
no journal, ,
非従来型超伝導では、磁性が超伝導相互作用の起源と考えられており、磁性と超伝導の関係性は研究の中心的テーマとなっている。UTeは、磁場中でのリエントラント超伝導やスピン3重項超伝導の可能性などにより、多くの注目を集めている。この物質において、a軸方向に磁場を印可すると、6T付近でフェルミ面の不安定性による弱いメタ磁性が発生する。気相成長法で合成された初期の結晶では、
=1.6Kで上部臨界磁場
=6Tであったため、メタ磁性が発生する磁場では超伝導が消失しており、超伝導に影響はなかった。溶融塩フラックス法により合成された純良単結晶では、
=2.1Kは当初の
から25%増強であるのに対して、
=12Tは2倍になっており、メタ磁性が超伝導に影響を与えうる。本研究では、このメタ磁性が
を増強していることを明らかにした。
酒井 宏典; 常盤 欣文; Opletal, P.; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範
no journal, ,
溶融塩フラックス法を用いて、報告されている中で最も高い超伝導(SC)転移温度を持つ高品質なUTe単結晶を育成した。この結晶は、残留電子比熱が小さく、残留抵抗比が大きい。UTe
のSC相図を調べ、低磁場と高磁場のSC相が対照的な磁場角依存性を持つことを明らかにした。また、中間的なSC状態も見いだされた。結晶の質によって低磁場超伝導相の上部臨界磁場が増加するにも関わらず、高磁場相が現れる磁場は約15Tで変化しない。MSF法により、このスピン三重項超伝導体の量子振動の観測とフェルミ面研究の進展があった。
常盤 欣文; Opletal, P.; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; et al.
no journal, ,
非従来型超伝導ではボルテックスが格子を組まず揺らいでいる液体状態を示す場合がある。ピン止めが強い場合にはボルテックスが動かないため、このような異常状態の形成には純良な結晶が必須となる。最近、溶融塩フラックスを用いたスピン三重項超伝導体UTeの純良単結晶の育成が報告された。本研究では、そのような純良単結晶を用いたUTe
のボルテックスに関する研究を報告する。その結果、15T以上22T以下の磁場領域で、臨界電流が温度依存性において極大を持ち、超伝導状態の奥深くの低温において臨界電流の低い島状の磁場温度領域が観測された。通常、臨界電流は温度が下がるにつれて単調に増加するため、このような振舞は異常である。この島状の領域は、最近報告された中間磁場超伝導相の領域と一致している。これは、中間磁場超伝導相で、ピニング力が弱くなり臨界電流が低下していることを示している。本研究は、間接的ではあるが、中間磁場超伝導相の形成を支持する結果である。また、発表では中間磁場超伝導相でのピニング力低下の起源として分数量子ボルテックス状態の形成などを議論する。