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坂本 義昭; 中村 治人*; R.W.D.Killey*; D.R.Champ*
10th Pacific Basin Nuclear Conf. (10-PBNC), 2, p.1343 - 1350, 1996/00
放射性廃棄物の埋設処分における安全評価は、地層中の放射性核種の移行挙動を知ることが重要である。このため原研とカナダ原子力公社においては、原位置条件での放射性核種の移行挙動を調べるため、1960年に埋設された放射性ガラスから浸出したSrとCsの帯水層中の濃度分布を測定した。また、帯水層中で吸着されたSrとCsの吸着形態を逐次抽出により、地下水中の化学形態をイオン交換樹脂により調べた。濃度分布の測定結果より、Srは帯水層中を30年間に約75m移行していた。更に逐次抽出及び化学形態の分析結果から、Srの移行挙動は、Srのイオン交換による吸着及び非晶質鉄酸化物への速度論的な吸着反応に支配されていることを明らかにした。一方、Csの移行距離は30年間で約4mであった。逐次抽出の結果、Csの吸着形態は雲母のような鉱物に固定される成分が多く、その移行速度がSrに比べ非常に遅いことを明らかにした。
D.R.Champ*; J.O.Jirovec*; J.L.Young*; 熊田 政弘
Transport and Mass Exchange Processes in Sand and Gravel Aquifers; Field and Modelling Studies,Vol. 2, p.725 - 736, 1991/00
放射性廃棄物処分場からの核種の移行を予測するためには移行に及ぼす種々の過程を十分に理解することが必要である。その方法としては、バッチ法や室内でのカラム法が行われているが、本報では長寿命核種をもつTc、I、Pu、Np、Amについて野外で原位置カラム実験を行いバッチ法の結果と比較した。実験はカナダ盾状地を被覆している砂質滞水層中で実施した。滞水層から未攪乱の砂質コアを採取してカラムを作成し、コアを採取した深さにカラムを設置して地表からRIを含む地下水を注入した。ヨウ素以外のTcやアクチニド核種はカラム内に強く吸着した。カラム内に吸着した核種の分布を調べることにより、アクチニド核種はいくつかの化学形で移行していることが分かった。
D.E.Robertson*; M.P.Bergeron*; D.Holford*; K.H.Abel*; C.W.Thomas*; D.A.Myers*; D.R.Champ*; P.W.D.Killey*; G.L.Moltyaner*; J.L.Young*; et al.
NUREG/CR-4879, p.71 - 87, 1989/03
低レベル廃棄物の処分に関するNRCの指針、10CFR part 61に基づき、低レベル廃棄物処分場開設の許可を得るために必要な安全評価に用いる核種地中移動予測コードの信頼性評価のための標準例を作成することを目的として、チョークリバーサイト(カナダ)から漏出した核種の移動挙動を解析した。
中村 治人; D.R.Champ*
日本原子力学会誌, 31(3), p.350 - 356, 1989/03
放射性核種の地層中での移行機構を明らかにするため、原研ではカナダ原子力公社と廃棄物処理処分の研究に関する協力協定を結びフィールド実験を開始した。実験を開始するに当たり基礎データとして過去にChalk River研究所で実施されたフィールド調査および実験の詳細な情報が原研に提供された。廃棄物処分場および放射性ガラスの埋設実験場周辺の20年異常の汚染の広がりが調査され、基礎的な実験が行われている。ここではガラスの浸出、放射性核種の溶存状態および不可逆反応等放射性核種の移行モデルを構築する上で貴重なデーターについて紹介する。