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福井 呂満*; 嵯峨 涼*; 松谷 悠佑; 富田 和男*; 桑原 義和*; 大内 健太郎*; 佐藤 友昭*; 奥村 一彦*; 伊達 広行*; 福本 学*; et al.
Scientific Reports (Internet), 12(1), p.1056_1 - 1056_12, 2022/01
被引用回数:18 パーセンタイル:91.32(Multidisciplinary Sciences)一回当たり2Gyの線量を30日以上にわたり分割照射する放射線療法では、照射後に生存したがん細胞が放射線耐性を獲得し、予後不良を引き起こすことが知られる。この放射線耐性は、照射後に増加する癌幹細胞数に起因すると実験的に解釈されている。しかし、細胞実験による測定手法は、癌幹細胞に係る放射線応答(DNA損傷や細胞死発生メカニズム)の解明に限界があり、放射線へ耐性を獲得するメカニズムは未だ不明である。そこで、分割照射により樹立した放射線への耐性を持つ細胞を使用した従来のin vitro試験に加え、癌幹細胞数とそのDNA損傷応答を理論的に考慮して腫瘍生存率を予測可能する数理モデルであるintegrated microdosimetric-kinetic (IMK) modelを開発し、分割放射線療法後に腫瘍が獲得する放射線耐性のメカニズムを研究した。その結果、照射後に獲得される放射線耐性には、癌幹細胞含有率の増加に加えて、非癌幹細胞のDNA修復能力の向上が深く関与していることがわかった。これら2つの応答をIMK modelに考慮することで、獲得した放射線耐性が異なる様々な細胞株において、様々な照射条件下で発生する細胞死の実測値の再現に成功した。本成果により、放射線照射後の腫瘍が獲得する放射線耐性獲得メカニズムに関する正確な理解、これに基づく治療効果の予測技術の高精度化が期待される。
高橋 玲*; 嵯峨 涼*; 松谷 悠佑; 長谷川 和輝*; 福井 呂満*; 細川 洋一郎*
no journal, ,
放射線照射後の炎症反応は抗酸化活性を誘導し、癌細胞に放射線抵抗性をもたらす。先行研究において、ヒアルロナン合成阻害剤(4-MU)が炎症反応を抑制することを観察したが、そのメカニズムはまだ解明されていない。そこで、細胞致死モデルを用いて、4-MUにより誘導される放射線増感メカニズムを解明することを目的とした研究を進めた。研究では実験も行い、培養されたヒト線維肉腫細胞に対して、100M 4-MUならびに細胞間シグナル阻害剤(1%DMSOまたは40
M c-PTIO)を添加処理後にX線を照射し、コロニー形成法によって線量対生存率の関係を測定した。また、非標的効果を考慮するよう開発された統合型細胞致死モデル(IMKモデル)を用いて、実験結果を解析した。細胞実験の結果から、4-MU処理と照射の組み合わせは細胞生存を有意に減少させることがわかり、生存率の低下は、DMSOまたはc-TPIOの存在下で抑制された。一方、このような細胞死の増強は主に非標的効果によるものであることがモデル解析によって示され、この結果から4-MU治療によって促進される放射線増感が主に非標的効果の蓄積に起因することも示唆された。