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深田 幸正*; 福山 諒太*; 藤原 孝将*; 吉井 賢資; 重松 圭*; 東 正樹*; 池田 直*
Journal of the Physical Society of Japan, 90(2), p.024710_1 - 024710_6, 2021/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)LuFe
O
のインピーダンス測定を行った。この系は、電子強誘電体
Fe
O
(
:希土類)の関連系であり、鉄スピンによる磁気秩序と、鉄イオンが実空間で秩序化することによる誘電性が重畳したマルチフェロイック系である。得られた実験データを説明するため、抵抗成分と容量成分がそれぞれ分布を持って直列接続した新しい等価回路を提案した。このモデルにより数値解析を行ったところ、温度履歴を記憶することによるエージング効果やメモリ効果といった電荷自由度のグラス的挙動が見いだされた。このようなグラス的挙動は非平衡物理の問題として長年研究されているが、標記の系で見いだされたのは初めてであり、本系の性質について一石を投じる結果である。他にいくつかの興味深い現象も見いだされた。例えば抵抗成分と容量成分の間には比例関係があることが見いだされたが、これは鉄電荷が秩序化することによる誘電性の存在を支持する結果である。
海野 昌喜*; 石川 久美子*; 日下 勝弘*; 玉田 太郎; 萩原 義徳*; 杉島 正一*; 和田 啓*; 山田 太郎*; 友寄 克亮; 細谷 孝明*; et al.
Journal of the American Chemical Society, 137(16), p.5452 - 5460, 2015/04
被引用回数:23 パーセンタイル:65.97(Chemistry, Multidisciplinary)シアノバクテリアや高等植物等の光合成生物は細胞内にビリン色素と呼ばれる集光色素を有している。ビリン還元酵素PcyAはビリベルジン(BV)を2段階で還元する反応を触媒することによりビリン色素の1つであるフィコシアノビリンを合成する。今回、我々はシアノバクテリア由来PcyAの立体構造をBVとの複合体状態で中性子結晶解析により決定した。BVは2つの状態(通常の状態と1つ水素が付いたBVHの状態)で存在していたが、近接したPcyA中のAsp105もBVの状態に対応して2つの状態(プロトン化および解離状態)で存在していた。また、X線構造解析では照射還元により確認できなかったBV中のA環近くの「アキシアル」水分子の存在を確認することができた。さらに、BV近傍に位置するHis88がプロトン化状態で存在しBV中のA環のラクタム酸素と水素結合を形成していることも確認したが、このHis88と隣接したHis74の間の水分子がH
O
の状態で存在することも明らかにした。これらの知見はAsp105, His88および「アキシアル」水分子がPcyAによる触媒反応におけるプロトン移動に関与していることを示唆しており、フィコシアノビリン合成(初期段階)の新たな反応機構の提唱を可能とした。
吉井 賢資; 池田 直*; 福山 諒太*; 永田 知子*; 神戸 高志*; 米田 安宏; 福田 竜生; 森 茂生*
Solid State Communications, 173, p.34 - 37, 2013/11
被引用回数:2 パーセンタイル:11.91(Physics, Condensed Matter)RFe
O
(R=YbおよびLu)の磁性を調べた。これらの物質は、マルチフェロイック電子強誘電体RFe
O
の関連物質である。磁気転移温度は270Kであり、RFe
O
の転移温度230-250Kより明らかに高かった。また、RFe
O
でも報告されている、スピングラスおよび交換バイアス現象を観測した。これらは、磁気的な乱雑性の存在を示しており、磁気熱量効果のブロードなピークと一致する結果であった。また、磁気熱量効果より得られた、室温に近い磁気冷却温度は、この物質群が応用に適していることを示す。
吉井 賢資; 池田 直*; 西畑 保雄; 真栄田 大介*; 福山 諒太*; 永田 知子*; 狩野 旬*; 神戸 高志*; 堀部 陽一*; 森 茂生*
Journal of the Physical Society of Japan, 81(3), p.033704_1 - 033704_4, 2012/03
被引用回数:10 パーセンタイル:58.4(Physics, Multidisciplinary)磁性と誘電性が共存するマルチフェロイックFe
O
(
=Y, Er, Tm, Yb, Lu and In)の交換バイアスを観測した。小さい
イオンの場合(
=Tm, Yb, Lu and In)、100-150K以下で交換バイアス磁場は1kOe以上の大きな値を示した。この性質は、強磁性的相互作用と反強磁性相互作用の競合に由来する磁気的グラス状態により発現する。交換バイアス磁場は、
イオンを小さくすると大きくなる傾向を示した。すなわち、
サイト元素を置換することにより交換バイアスを制御できる可能性が示され、応用的にも興味深い結果が得られた。
福永 正則; 米田 安宏; 福山 諒太*; 齋藤 寛之; 池田 直*; 片山 芳則
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 35(1), p.111 - 114, 2010/03
ビスマスペロブスカイト(BiNa
Li
)TiO
の高圧合成を行った。固相反応により作製された単相のBNLTは
=0.1より小さい試料でペロブスカイト構造が観測された。固相反応は6
10GPaの圧力範囲と800
1200
Cの温度範囲で合成された。単相が得られたBNLT(
=0.1)は、(Bi,Na)TiO
と同様の二つの熱異常が観測された。210
Cに見られる熱異常はRohmbohedral-Tetragonalの構造相転移に起因するものと考えられる。
=0.2より大きい組成で得られた最終生成物は3種類の不純物を含んでおり、これらは出発物質の選択により影響を受ける。
黒田 朋子*; 福山 諒太*; 北村 聡*; 松尾 祥史*; 池田 直*; 神戸 高志*; 安居院 あかね; 君塚 昇*
no journal, ,
三角格子復電荷鉄酸化物RFeO
は、R-Oで構成された三角格子とFe-Oで構成された三角格子が交互に積層する構造を持つ。鉄イオンは酸素5配位であり、Fe
が存在する場合ホール軌道の自由度を有する。RFe
O
の同形物質のうち、Fe
をGa
で置換したLuGaFeO
はFe2+のみを含む。LuGaFeO
の磁化特性と、誘電性なども報告する。
真栄田 大介*; 福山 諒太*; 北村 聡*; 船江 岳史*; 松尾 祥史*; 池田 直*; 神戸 高志*; 君塚 昇*; 吉井 賢資
no journal, ,
鉄イオンの電荷秩序により強誘電体となる標記酸化物の逐次相転移について調べた。この系は330K付近に電荷秩序相転移が現れ、250Kに鉄スピンの磁気転移が起こり、磁気転移温度直下でさらに構造相転移が起こると報告されており、複雑な相転移挙動を示す。本発表では、合成条件をさまざまに変えて作成したYFeO
試料につき、その構造・磁性・誘電性を調べた。酸素分圧等の合成条件の微妙な変化によって試料の酸素量が変わり、それが構造や物性の大きな変化を引き起こすことがわかった。
福山 諒太*; 吉井 賢資; 黒田 朋子*; 北村 聡*; 船江 岳史*; 松尾 祥史*; 池田 直*; 君塚 昇*; 神戸 高志*
no journal, ,
発表者らが発見した電子強誘電体RFeO
(R:希土類)の関連物質であるLu
Fe
O
について、その物性を調べた。この系はRFe
O
と同じく、構成イオンがそれぞれ三角格子を組んで積層するが、その積層パターンが異なる系であり、室温で強誘電体であると報告されている。磁化測定からは、磁気転移温度は260-270K付近であることが観測された。また、誘電率は室温で10000程度と比較的大きかった。さらに磁場下での誘電率測定を行い、室温付近での電気磁気効果が観測され、基礎応用両面から興味深い結果が得られた。
吉井 賢資; 池田 直*; 福山 諒太*; 永田 知子*; 神戸 高志*; 米田 安宏; 福田 竜生; 森 茂生*
no journal, ,
標記物質の磁性を調べた。LuFe
O
は、われわれが発見した電子強誘電体RFe
O
(R:希土類)と共通する結晶構造を持ち、その物性は興味深いが、これまで余り調べられていない。磁化測定から、磁気転移温度は270K近傍で起こり、この温度は対応するRFe
O
であるLuFe
O
の240Kより高い。交流磁化測定などから、この系では乱れあるいは不均一性が重要な系であることがわかった。この特徴により、室温直下での広い温度幅での磁気冷却が可能であることを見いだした。これらの性質は、基礎的にも応用的にも興味深い。