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論文

Development of nano-sized graphene flowers as neutron reflectors; Intensify neutron beam caused by coherent scattering

勅使河原 誠; 池田 裕二郎*; 村松 一生*; 須谷 康一*; 君島 孝一*; 福住 正文*; 能田 洋平*; 小泉 智*; 川村 裕司*; 猿田 晃一; et al.

Canadian Journal of Physics, 103(12), p.1225 - 1231, 2025/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)

ナノメートル(nm)波長領域の中性子をプローブとして用いる科学は、物質・生命科学の基礎研究から産業応用まで幅広い分野に広がっている。このような研究を推進するために、中性子ビーム強度を飛躍的に向上させる必要がある。我々は、中性子ビームの強度を高めるために、ナノサイズの粒子集団よって生じるコヒーレント散乱に着目した。先行研究として、ナノダイヤモンドが実用化に向けて精力的に研究開発が進められている。一方、グラフェンは、ナノダイヤモンドよりもファンデルワールス力が桁違いに大きく、炭素間のsp2結合が強いため、塊状への加工性や高放射線場への適応性が期待できる。我々は、化学気相成長(CVD)を促進することにより、ひまわりの花のような形状を持つナノサイズのグラフェン(グラフェンフラワーと呼ぶ)を形成する技術を確立した。本講演では、新たに開発したグラフェンフラワーのコヒーレント散乱に寄与する中性子散乱特性について報告する。

論文

Development of nanosized graphene material for neutron intensity enhancement below cold neutron energy

勅使河原 誠; 池田 裕二郎*; 村松 一生*; 須谷 康一*; 福住 正文*; 能田 洋平*; 小泉 智*; 猿田 晃一; 大竹 淑恵*

Journal of Neutron Research, 26(2-3), p.69 - 74, 2024/09

冷中性子のような低速中性子は、基礎物理学だけでなく、生命科学における構造ゲノミクスの進歩や水素社会への移行に必要な電池技術の進歩にとっても重要な非破壊プローブである。中性子を利用した科学は、中性子高強度依存科学とも呼ばれる。このエネルギー領域の中性子強度を増加させるため、ナノサイズ粒子群に着目した新しいユニークな方法が提案されている。この方法は、ナノサイズ粒子群による多重干渉性散乱による強度増強に基づく。ナノサイズ粒子群は、冷中性子以下の波長と一致することから、いわゆるブラッグ散乱と呼ばれる干渉性散乱と同様の効果を引き起こし、数桁もの中性子強度増強につながる。ナノダイヤモンドと水素化マグネシウムがこれまで数値的及び実験的に研究されているが、実用化において、ナノダイヤモンドの主な課題は賦形である。この問題の解決策を見出すために、我々は、もう一つの炭素構造体であるグラフェンに着目した。本論文では、冷中性子下の反射体材料としてのナノサイズグラフェンの可能性について、実験結果とともに報告する。

論文

New material exploration to enhance neutron intensity below cold neutrons; Nanosized graphene flower aggregation

勅使河原 誠; 池田 裕二郎*; Yan, M.*; 村松 一生*; 須谷 康一*; 福住 正文*; 能田 洋平*; 小泉 智*; 猿田 晃一; 大竹 淑恵*

Nanomaterials (Internet), 13(1), p.76_1 - 76_9, 2023/01

 被引用回数:8 パーセンタイル:57.39(Chemistry, Multidisciplinary)

冷中性子以下の中性子強度を高めるため、ナノサイズグラフェンの集合体が、ナノダイヤモンドと同様に中性子のコヒーレント散乱を促進できることを提案した。さらには、グラフェンの強いsp2結合は、高い耐放射線性を有する可能性を秘める。理研の加速器駆動型小型中性子源やJ-PARCのiMATERIAを用いて、ナノサイズグラフェンの中性子全断面積測定,中性子小角散乱測定を行った。測定結果より、ナノサイズのグラフェン集合体は、コヒーレント散乱に起因すると考えられる冷中性子エネルギー領域での全断面積と小角散乱を増大させ、ナノダイヤモンドと同様に高い中性子強度をもたらすことを世界で初めて明らかにした。

論文

Characterization of swift heavy ion-induced defects in Fe-Rh alloy by using positron beam technique

堀 史説*; 福住 正文*; 河裾 厚男; 図子 善大*; 知見 康弘; 石川 法人; 岩瀬 彰宏*

Physica Status Solidi (C), 4(10), p.3530 - 3533, 2007/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)

最近われわれはB2型のFe-Rh合金への100-200MeVの重イオン照射により反磁性-強磁性転移温度が低下することを見いだした。200MeVのXeイオンの通過に伴い表層付近に発生する欠陥を陽電子ビームを用いたドップラー拡がり測定により評価した。ドップラー拡がりスペクトルのSパラメータは照射量とともに増大し、照射量が5E+12 ions/cm$$^{2}$$で飽和することが明らかになった。これより原子空孔の濃度を評価したところ、TRIMシミュレーションから期待されるよりも、極めて低いことがわかった。この結果から、アンチサイト型欠陥が主要な欠陥であり、強磁性状態を安定化させるものと解釈できる。

論文

Ion-species dependence of swift heavy ion-induced ferromagnetism of Fe-50at.%Rh alloy at low temperatures

図子 善大*; 福住 正文*; 知見 康弘; 石川 法人; 小野 文久*; 岩瀬 彰宏*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 256(1), p.434 - 437, 2007/03

 被引用回数:23 パーセンタイル:79.66(Instruments & Instrumentation)

Fe-50at.%Rh合金に高速重イオン(120MeV Ni, 150MeV Kr, 200MeV Xe, 200MeV Au)を照射することによって、低温で反強磁性状態だったものが強磁性状態に変化する現象について、照射量依存性及びイオン種依存性を調べた。その結果、飽和磁化の照射量依存性の振る舞いは、イオン種によって異なるが、弾性衝突によってターゲットに伝達されるトータルのエネルギー量に対して一つの曲線でスケールされることがわかった。

論文

Study on irradiation-induced magnetic transition in FeRh alloys by means of Fe K-edge XMCD spectroscopy

岩瀬 彰宏*; 福住 正文*; 図子 善大*; 鈴木 基寛*; 高垣 昌史*; 河村 直己*; 知見 康弘; 水木 純一郎; 石川 法人; 小野 文久*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 256(1), p.429 - 433, 2007/01

 被引用回数:19 パーセンタイル:74.75(Instruments & Instrumentation)

FeRh合金におけるイオン照射が原因となる磁性について、放射光X線を利用した磁気円二色性(XMCD)を手段として調べた。イオン照射前は、非磁性であった試料が強磁性を示すようになることを発見し、この磁性の照射イオン種や照射エネルギー依存性を調べた。照射イオン種は、Ni, Kr, Xe, Auで、エネルギーは120Mevから200MeVまでの範囲で実験を行い、イオンの質量,エネルギーの変化に対して系統的な磁性変化を観測した。

論文

Observation of ion-irradiation induced diffusion in Pd-Si system using synchrotron radiation X-ray photoelectron spectroscopy

岩瀬 彰宏*; 知見 康弘; 石川 法人; 中谷 力造*; 加藤 雄三郎*; 福住 正文*; 土田 秀次*; 馬場 祐治

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 245(1), p.141 - 144, 2006/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)

高エネルギーイオン照射下でのPd-Si系におけるPd中のSi原子の拡散について、放射光X線光電子分光法を用いて調べた。試料は、Si単結晶上にPdを堆積させて作製した。Pd層の厚さは10-300nmであった。照射前には、Pdのみの光電子スペクトルが観測され、Siは全く観測されなかった。3MeV Si, 1MeV O又は200MeV Xeイオンを照射すると、バルクSiの1s電子の結合エネルギーより約3eV高いところに付加的な光電子スペクトルの成分が現れた。この結果は、高エネルギーイオン照射によってSi-Pd界面からPd層表面までのSi原子の拡散が誘起されたことを示唆している。結合エネルギーのシフトは、SiからPdへの電子の移動に起因していると解釈される。イオン照射誘起拡散を反映した光電子スペクトルのイオン種及びイオン照射量依存性について議論する。

論文

Effects of swift heavy ion irradiation on magnetic properties of Fe-Rh alloy

福住 正文*; 知見 康弘; 石川 法人; 鈴木 基寛*; 高垣 昌史*; 水木 純一郎; 小野 文久*; Neumann, R.*; 岩瀬 彰宏*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 245(1), p.161 - 165, 2006/04

 被引用回数:18 パーセンタイル:74.09(Instruments & Instrumentation)

Fe-50at.%Rh合金の高速重イオン照射を室温で行った。照射前後に、磁気特性を超伝導量子干渉計(SQUID)で、結晶構造をX線回折計(XRD)でそれぞれ測定した。また、試料表面近傍での照射誘起強磁性状態を評価するために、大型放射光施設SPring-8においてFe K吸収端近傍のX線磁気円二色性(XMCD)測定を行った。その結果、反磁性-強磁性転移温度以下でも高速重イオン照射によって強磁性状態が誘起され、そのときに格子が0.3%伸びることがわかった。照射した試料では強磁性に相当するXMCDスペクトルが得られ、これが照射イオンの質量や照射量に依存していることがわかった。電子励起及び弾性衝突によるエネルギー損失がFe-Rhの結晶格子及び磁気構造に与える影響について議論する。

口頭

ナノサイズの花開く、中性子反射材開発; 干渉性散乱に基づく中性子ビームの高強度化

勅使河原 誠; 池田 裕二郎*; 村松 一生*; 須谷 康一*; 福住 正文*; 能田 洋平*; 小泉 智*; 川村 裕司*; 猿田 晃一; 大竹 淑恵*

no journal, , 

ナノメートル(nm)の波長領域の中性子をプローブとした科学は、物質科学・生命科学などの基礎研究のみならず産業利用に至る幅広い分野に広がる。それらの牽引には劇的な線源の大強度化が求められる。中性子ビームの高強度化に、ナノサイズの粒子集団が引き起こす干渉性散乱に着目した。これまで精力的に研究開発が進められてきたナノダイヤモンドとは異なるグラフェンに着眼し、そのナノサイズの集合体の開発に着手した。1桁以上もファンデルワールス力が高く、炭素間の結合力がナノダイヤモンドより強いことから、塊状への成形性や、より高い放射線場への適応が期待できる。化学気相成長法(CVD)を促すことにより、ひまわりの花のような形状を持ったナノサイズのグラフェン(グラフェンフラワー)を形成する技術を確立した。本講演では、新しく開発したグラフェンフラワーの干渉性散乱に寄与する中性子散乱特性について報告する。

口頭

FeRh合金中の照射誘起磁気相変態の陽電子消滅法による研究

堀 史説*; 福住 正文*; 河裾 厚男; 岩瀬 彰宏*

no journal, , 

Fe-Rh金属間化合物は化学量論組成では室温付近で反強磁性-強磁性の磁気相転移が存在する興味深い物質である。本実験では高エネルギーイオン照射後の陽電子消滅ドップラー拡がり測定により欠陥量と磁性についての相関を調べた。試料は等比組成のFe50at.%Rhであり、室温にて200MeVの136Xeイオンを照射した。これらの試料を0-30keVの陽電子ビームを用いて欠陥の深さ分布を測定し、Xeイオンによる照射欠陥の照射量依存性についての評価を行った。空孔型欠陥に起因するSパラメータの平均値を求め照射量依存性を求めたところ、1E+12ions/cm$$^{2}$$程度の照射量以上でSパラメータは増加し1E+13ions/cm$$^{2}$$付近でほぼ飽和した。これより空孔密度が30-50at.ppmであることがわかった。一方、SRIM-2003シミュレーションから期待される空孔密度は1000at.ppmのオーダーである。すなわち実測値とシミュレーションには大きな差があり、これが磁性発現に大きく寄与していることが示唆される。すなわち、単純な原子空孔の導入だけでは磁性変化を起こさず、今回の場合特に導入された空孔型欠陥の移動に伴う反構造欠陥(anti-site defect)が磁性発現に寄与しているものと推測される。

口頭

ナノサイズの花開く、中性子反射材開発; グラフェンナノ構造の制御と中性子反射材への応用

村松 一生*; 須谷 康一*; 君島 孝市*; 勅使河原 誠; 池田 裕二郎*; 福住 正文*; 小泉 智*; 川村 裕司*; 猿田 晃一; 大竹 淑恵*

no journal, , 

中性子ビームの高強度化に、ナノサイズの粒子集団が引き起こす干渉性散乱が着目され、ナノダイヤモンドの活用が精力的に検討されている。sp2炭素の結晶構造であるグラフェンは、ナノダイヤモンドなどのsp3と比較して大きなファンデルワールス力を有しており、炭素間の結合力も強いため、塊状への成形性や、より高い放射線場への適応が期待できる。一方でグラフェンはその大きなファンデルワールス力により凝集しやすく、ナノサイズの三次元的な構造を構成することが困難であった。我々は、この課題を解決するために、樹脂粉末を原料として使用し、熱間静水圧加圧(HIP)により気相成長グラフェンを生成させるHIP法に着目した。本講演では、ナノサイズのグラフェンが三次元的に自立したグラフェンフラワー構造の調製方法、グラフェンのナノサイズの制御方法、グラフェン中性子反射材の試作について報告する。

口頭

酸化物のカーボンクラスターイオン照射効果

石川 法人; 知見 康弘; 道上 修*; 太田 靖之*; 齋藤 勇一; 千葉 敦也; 福住 正文*; 堀 史説*; 岩瀬 彰宏*

no journal, , 

本研究では、弾性衝突効果が支配的であるクラスターを利用して、単原子ビームでは発現しないクラスタービーム特有の欠陥生成について調べた。照射後の欠陥評価の際に、X線回折法を用いて調べた結果、形成される欠陥量としては単原子ビームとクラスタービームとは違いはないが、その欠陥分布に違いがあり、結晶歪にその違いが現れることがわかった。

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