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田中 泰貴*; 成清 義博*; 森田 浩介*; 藤田 訓裕*; 加治 大哉*; 森本 幸司*; 山木 さやか*; 若林 泰生*; 田中 謙伍*; 武山 美麗*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 87(1), p.014201_1 - 014201_9, 2018/01
被引用回数:21 パーセンタイル:74.79(Physics, Multidisciplinary)ガス充填型反跳生成核分離装置GARISを用いてCa +
Pb,
Ti +
Pb,
Ca +
Cm反応系における準弾性散乱断面積の励起関数を測定した。これらのデータから融合障壁分布を導出し、チャンネル結合計算と比較した。
Ca +
Pb及び
Ti +
Pb反応の障壁分布のピークエネルギーはそれらの反応系における2中性子蒸発断面積のピークエネルギーと良く一致し、一方
Ca +
Cm反応の障壁分布のピークエネルギーは4中性子蒸発断面積のピークエネルギーより少し下に現れることが判った。この結果は超重核合成の際の最適ビームエネルギーの予測に役立つ情報を与える。
安藤 勝訓; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 笠原 直人*; 豊吉 晃*; 大前 隆広*; 江沼 康弘*
Nuclear Engineering and Design, 275, p.408 - 421, 2014/08
被引用回数:5 パーセンタイル:35.24(Nuclear Science & Technology)JSFRの蒸気発生器のために設計された球形管板の破損形態を明らかにするために、管板試験体を用いた繰返し熱過渡強度試験を実施した。管板構造試験体はJSFRの冷却系機器配管で採用予定の改良9Cr-1Mo鋼である。試験は原子力機構の有する大型ナトリウムループを利用して実施した。600C及び250
Cのナトリウムを試験体に交互に流しこんで熱過渡を発生させた。また600
Cのナトリウム流入後には2時間、250
Cのナトリウム流入後には1時間の定温ナトリウム流入時間を設けた。1873サイクルの試験後に液体探傷試験、破面観察、硬さ試験を実施した。また計測された温度分布履歴の妥当性を検証するために熱流動解析を実施した。これらの結果により球形管板の破損形態についてまとめた。
安藤 勝訓; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 笠原 直人*; 豊吉 晃*; 大前 隆広*; 江沼 康弘*
Nuclear Engineering and Design, 275, p.422 - 432, 2014/08
被引用回数:14 パーセンタイル:69.91(Nuclear Science & Technology)JSFRの蒸気発生器のために設計された球形管板の破損様式を明らかにするために実施された管板構造試験体のナトリウム中繰返し熱過渡強度試験の結果ついて、試験中に得られたナトリウム温度分布およびその履歴と、試験体表面温度分布およびその履歴をもとに熱伝導解析を実施し、試験体の温度分布履歴を算定した。この結果を用いて応力解析を実施し、応力発生状況とき裂発生状況の比較、破損機構の検証、強度評価結果とき裂の関係調査などを実施した。非弾性解析結果に基づく評価では2.59mmのき裂に対してファクター3で寿命を予測できた。
安藤 勝訓; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 笠原 直人*; 豊吉 晃*; 大前 隆広*; 江沼 康弘*
日本機械学会M&M2013材料力学カンファレンス講演論文集(CD-ROM), p.OS1510_1 - OS1510_3, 2013/10
日本原子力研究開発機構で実施した改良9Cr-1Mo鋼の構造物熱過渡強度試験結果を、高速炉規格2012年版で新たに登録された改良9Cr-1Mo鋼の材料特性値を用いてクリープ疲労評価を実施した。高速炉規格に準じた設計裕度を含むクリープ疲労損傷評価の結果、表面き裂1mmを破損のクライテリアとして仮定した場合には繰返し数で約300倍の裕度を有することが確認された。
安藤 勝訓; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 笠原 直人*; 豊吉 晃*; 大前 隆広*; 江沼 康弘*
Nuclear Engineering and Design, 255, p.296 - 309, 2013/02
被引用回数:19 パーセンタイル:79.38(Nuclear Science & Technology)改良9Cr-1Mo鋼大型構造物の熱過渡における破損様式を確認するため、厚肉円筒試験体に対してナトリウムループを用いて1873サイクルの熱過渡強度試験を実施した。試験は600Cと250
Cの流動ナトリウムにより実施し、それぞれ2時間及び1時間の過渡後保持時間を設けた。試験後に浸透探傷試験、走査電子顕微鏡による観察等を実施した。また有限要素法解析を実施し、クリープ疲労損傷値と観察されたき裂状況の比較検証を行った。
森田 浩介*; 森本 幸司*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 大関 和貴*; 工藤 祐生*; 住田 貴之*; 若林 泰生*; 米田 晃*; 田中 謙伍*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(10), p.103201_1 - 103201_4, 2012/10
被引用回数:175 パーセンタイル:97.27(Physics, Multidisciplinary)113番元素である113を
Bi標的に
Znビームを照射する実験により合成した。観測したのは6連鎖の
崩壊で、そのうち連鎖の5番目と6番目は既知である
Db及び
Lrの崩壊エネルギーと崩壊時間と非常によく一致した。この意味するところは、その連鎖を構成する核種が
113,
Rg (Z=111),
Mt (Z=109),
Bh (Z=107),
Db (Z=105)及び
Lr (Z=103)であることを示している。本結果と2004年, 2007年に報告した結果と併せて、113番元素である
113を曖昧さなく生成・同定したことを強く結論付ける結果となった。
川崎 信史; 高正 英樹*; 小林 澄男; 長谷部 慎一; 笠原 直人
Proceedings of 2008 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2008) (CD-ROM), 9 Pages, 2008/07
温度ゆらぎの疲労強度に対する周波数効果(周波数に依存する温度伝達及び応力変換割合減衰効果)を明らかにするために、正弦波温度ゆらぎを重畳させた熱疲労試験が実施された。温度振幅200度0.05Hzと温度振幅60度0.5Hzの正弦波を組合せた2重畳波の温度ゆらぎと温度振幅150度0.2Hz,温度振幅75度0.05Hz,温度振幅50度0.5Hzの正弦波を組合せた3重畳波の温度ゆらぎが試験温度条件である。20秒の基本周期に対し2重畳波の試験では73,810サイクルの3重畳波の試験では116,640サイクルの試験が実施された。熱疲労き裂発生位置は、両試験において、試験体入口部から400から600mmの位置であった。き裂発生位置における疲労寿命をパワースペクトラム密度関数と周波数伝達関数を用いて評価したところ、ファクター3の精度をもって試験寿命を評価できた。周波数効果を考慮せずに、疲労寿命を評価する場合は、疲労寿命を本手法に対しワンオーダー保守的に評価することから、これらの関数を用い周波数効果を考慮することが、高精度の寿命評価には必要となることがわかった。
加藤 章一; 長谷部 慎一; 吉田 英一
JAEA-Research 2007-091, 33 Pages, 2008/02
高速炉の確率論的安全評価の対象の一つとして、炉停止後の崩壊熱除去機能喪失事象が挙げられている。本研究では、このようなシビアアクシデントの評価における構造材料の強度評価に資することを目的として、高温でのSUS304のクリープ強度データを取得し、現行の材料強度基準に採用されているクリープ破断式の825C以上の適用性評価を実施した。
川崎 信史; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 笠原 直人
Proceedings of 2007 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference/8th International Conference on Creep and Fatigue at Elevated Temperatures (PVP 2007/CREEP-8) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/07
熱疲労試験設備SPECTRAを用いて、正弦波状の流体温度変動を与える熱疲労試験が実施された。流体温度変動の周波数は、0.05, 0.2, 0.5Hzが用いられている。所定の熱疲労サイクル数の疲労試験ののち、円筒試験体の内表面にき裂発生を確認した。0.05Hzの温度変動にて発生したき裂は、0.5Hzの温度変動のき裂と比較し、同一温度振幅,同一試験サイクル条件で、発生き裂個数が多く、き裂深さもより深いものであった。また、0.05Hz条件でのき裂発生領域は、0.5Hz条件のものよりも大きかった。周波数応答関数法を用い、疲労寿命の評価を実施し、試験結果と比較した。試験結果には、疲労寿命に対する周波数依存性が観察され、周波数応答関数法は、この依存性を評価できていた。試験結果は、周波数応答関数法に基づく疲労評価が妥当であることを示している。
川崎 信史; 小林 澄男; 長谷部 慎一; 笠原 直人
Proceedings of 2006 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2006)/International Council on Pressure Vessel Technology (ICPVT-11) (CD-ROM), 8 Pages, 2006/07
これまで、サーマルストライピング現象による破損を防止するために、サーマルストライピング評価法が検討されてきた。周波数応答関数を用いることで、流体温度履歴から構造物の温度と応力の応答を計算することができるため、周波数応答関数を用いた手法は、優れた評価手法であると考えられている。流体から構造物への温度応答を計測し、応答の周波数特性を確認するために、温度計測試験が実施された。温度計測試験においては、0.05, 0.2, 0.5Hzという3種類の異なる周期の正弦波状の流体温度履歴が周波数制御流体温度変動熱疲労試験装置(SPECTRA)を用いて与えられ、構造物内表面及び外表面の温度応答が試験体軸方向に沿って計測された。その結果、流体から構造物への温度伝達(減衰)プロセスにおける周波数効果が試験により計測・確認されるとともに、周波数応答関数評価法において採用されている有効熱伝達関数(周波数応答関数)の妥当性が示された。
中山 富佐雄*; 榎戸 裕二*; 吉田 英一; 松本 寿之; 長谷部 慎一
JNC TN9420 2005-001, 115 Pages, 2005/03
ナトリウム冷却型高速炉(FBR)プラントの廃止措置などにおいては、放射院ナトリウムが付着・残留する原子炉容器、中間熱交換器及びコールドトラップ等の大型機器類が発生することになる。また、原子炉から抜き取った数百トン以上の放射性ナトリウムについては、貯蔵あるいは処理・廃棄するために安定した物質に転換(不動態化処理)し、取り扱い時における危険性を排除する必要がある。このため、化学的に活性な大量放射性ナトリウム及び大型機器類残留ナトリウムを安全に、かつ経済的に洗浄・処理処分する技術開発が今後必須となる。本報告書は、先行して進められている海外の高速炉、原子力施設等で実施あるいは計画されている放射性ナトリウムの処理技術等に関して調査を行ったものである。調査は、一次及び二次冷却材にナトリウムを使用し、現在廃止措置を進めている海外高速炉を対象に、ナトリウム中に含まれる放射性核種、大量ナトリウムの転換技術や再利用技術、付着・残留ナトリウムの洗浄処理技術、及びこれらの処理廃液を含む処分技術などについて実施した。これらの調査結果は、今後の放射性ナトリウムの洗浄・処理処分技術開発を進める上で有効な知見として活用できるものと考えられる。
長谷部 慎一; 鬼澤 高志
JNC TN9400 2005-033, 66 Pages, 2005/03
高速炉プラントの長寿命化を図るためには、経年劣化を支配する損傷メカニズムに基づいて構造材料の材質変化を計測し、その余寿命を把握する評価技術が必要である。本報では、熱過渡試験によってクリープ疲労損傷を受けた溶接容器モデル供試体を用いて、母材の余寿命確認試験および溶接金属のミクロ損傷確認試験を行った。得られた結果は以下の通りである。(1)母材の余寿命確認試験 (2)溶接金属のミクロ損傷確認試験
長谷部 慎一; 小林 澄男; 田中 宏*; 茨城 幸一*; 深作 博*
JNC TN9400 2004-034, 73 Pages, 2004/03
原子カプラントにおいて温度が異なる流体が合流する領域では、流体の混合に伴って温度変動が発生するため、繰返し熱応力による構造材の疲労破損に注意する必要がある。本研究では、温度変動の周波数効果を取り入れた高サイクル熱疲労評価法の検証データを取得することを目的として、高サイクル熱疲労試験装置(SPECTRA)を用いて周期20秒の正弦波温度変動試験を実施した。試験体には円筒状のSUS304鋼を使用し、管内のNa流量を30リットル/minに保持しながら、Na温度を平均425度-C、振幅200度-Cで正弦波状に制御した。得られた結果は以下の通りである。(1)SPECTRAにより周期20秒の温度変動を試験体に与えて、評価法の検証に有効な 強度データを得ることができた。き裂は約157,150サイクルで試験体を貫通した。(2)試験体上流部の内面には、軸方向に沿ったき裂が多く観察された。大気中疲労試験 により試験体の軸方向と周方向に強度差があることを確認し、高サイクル側では異方 性の影響が現れ易いために、き裂が軸方向に分布したことを明らかにした。(3)き裂発生境界は、き裂(個数、深さ)と軸方向距離の相関から求めた近似曲線により、試験体上流部テーパー端から約430mm下流の位置にあると推測した。(4)内面から発生したき裂は、12mm深さまで粒内を進展するが、その後は粒界に沿って進展する。粒内破面の一部にはストライエーションが形成されたが、粒界破面では観察されなかった。今後は、周期2秒、5秒、10秒、40秒の正弦波温度変動試験を実施し、周波数応答性が構造材のき裂発生と進展挙動に与える影響を確認する予定である。
笠原 直人; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 安藤 昌教; 川崎 信史; 森田 博*
2004 ASME/JSME PVP Conference, P. 2986, 2004/00
Na温度変動に対する高サイクル熱疲労の現象解明とそれに基づく機構論的評価法の検証を目的として、温度変動の周波数特性を精密に制御できる熱疲労Na試験装置(SPECTRA)の開発を行った。装置開発にあたっては次の性能達成を目標とした。目標性能(1): 周波数をパラメータに正弦波状の温度変動を一定流量の条件下で制御できる。目標性能(2): 荷重条件の不確定性を排除した制度の良い強度データを得るため、軸対称な温度変動を試験体に与えることができる。目標性能(3): 1体の試験体でき裂の発生から進展までのデータを効率良く取得できる。また、実プラントで生じるようなランダム変動での特性を評価する一歩として、単一波だけではなく重畳波の温度変動を与えることを可能とする。
長谷部 慎一; 加藤 章一
JNC TN9400 2003-101, 46 Pages, 2003/12
12Cr鋼溶接部の高温強度評価に必要となる比較データを得るために、従来鋼の代表としMod.9Cr-1Mo鍛鋼品溶接部のクリープ、疲労およびクリープ疲労特性を評価した。
長谷部 慎一; 鬼澤 高志; 加藤 章一
JNC TN9400 2003-019, 62 Pages, 2003/03
高速炉構造用316鋼に適した溶接材料の選定に資するため、溶接部の長時間高温特性を評価することを目的として、最適成分と考えられる溶接材料を用いて溶接金属および溶接継手試験片を製作し、550度Cにおいて1万時間を越える長時間クリープ試験を行った。また、材質劣化が著しく破壊し易い溶接金属のミクロ組織変化を観察して長時間高温強度評価を行った。得られた成果は以下の通りである。 (1)316系および16-8-2系溶接材料の最適仕様材として製作した溶接金属と溶接継手は、クリープ特性が従来材に比べて優れていた。特に、16-8-2系では改善効果が大きく、長時間域での組織安定性に優れていた。 (2)長時間加熱によって溶接金属に内在するフェライト相が分解するとLaves相、
相、オーステナイト相などが析出し、残留した
フェライト相は低合金化しながら
フェライト相(Crニアリイコール12%、Niニアリイコール2%)に変態して平衡状態になることを明らかにした。 (3)316系溶接金属は、
フェライト相のCr濃度が高いために、
相の析出量が増大して長時間クリープ強度が低下する傾向にある。一方、16-8-2系溶接金属はCr濃度が低く、
相などの金属間化合物の析出量が少ないので、長時間側においても母材と同等のクリープ強度が確保できることを確認した。 (4)残留
フェライト相の組成を分析することによって、簡易的にミクロ組織変化を把握することが可能であり、長時間高温強度評価を行う際に有効な手段であることがわかった。
長谷部 慎一; 小林 澄男; 安藤 昌教; 笠原 直人
JNC TN9400 2003-004, 110 Pages, 2003/01
原子力プラントにおいて高温と低温の流体が合流する領域では、流体の不完全な混合に伴って温度変動が発生するため、接液する構造物の高サイクル熱疲労(サーマルストライピング現象)による破損を防止する必要がある。本研究では、サーマルストライピング現象による温度変動が構造物のき裂発生と進展挙動に及ぼす影響を解明するため、構造物熱過渡強度試験施設(TTS)を改造して、高サイクル熱疲労試験装置を開発した。試験装置の特徴は以下の通りである。 (1)循環ポンプを用いた流量制御方式により、高温ナトリウムと低温ナトリウムの流量比を連続的に変化させて、種々の周期において正弦波状の温度変動を試験体に与えることができる。 (2)ミキシング構造を噴流混合方式にして、高温ナトリウムと低温ナトリウムの混合を促進させることで、軸対称性のある温度変動を発生させることができる。 (3)短周期と長周期を重畳させた温度変動についても制御が可能である。 (4)円筒状の試験体を用いるため、熱応力解析が容易で、き裂発生から進展までのデータを取得できる。 今後は、ステンレス鋼の試験体に対して正弦波温度変動試験、ランダム温度変動試験および溶接部強度試験を実施する計画である。
浅山 泰; 長谷部 慎一
PNC TN9410 96-015, 39 Pages, 1996/01
高速炉の大型化に伴い、原子炉容器液面近傍等のクリープ疲労損傷の厳しい部位にも溶接継手の適用範囲を拡大し、高価な鍛鋼品の使用を避けることにより経済性を向上させることが必要となる。このため著者等は溶接継手のクリープ疲労評価法の開発を進めている。本報では大型高速炉の有力候補材料である316FRの溶接継手について、疲労およびクリープ疲労下の破損位置と破損寿命の予測モデル(「3要素モデル」)を開発した。このモデルを用いて小型丸棒試験片、大型丸棒試験片(いずれも機械負荷)および熱過渡試験片の疲労およびクリープ疲労の破損位置と破損寿命を予測し、破損位置についてはほぼすべての場合に正確な予測が可能であること、破損寿命についてはファクター3程度の精度で予測が可能であるが、やや危険側の評価となる傾向があることを明らかにした。さらに予測精度を向上するためには、予測に用いる溶接金属と熱影響部の低ひずみ範囲における動的応力ひずみ関係および溶接金属の低ひずみ範囲における疲労強度をさらに高精度化する必要がある。このためには低ひずみ範囲において溶接金属および熱影響部の高サイクル疲労試験を行う必要がある。
浅山 泰; 長谷部 慎一; 和田 雄作
PNC TN9410 94-307, 43 Pages, 1994/11
高速炉の大型化に伴い、溶接部の使用範囲を拡大することにより建設コストの大幅な低減が期待できる。このような観点から、著者らは高速炉構造材料について溶接部のクリープ疲労評価法の開発を進めてきた。著者らは、これまでに溶接部のクリープ疲労強度の力学的な支配因子である母材・熱影響部・溶接金属の力学的特性の相対差に起因する応力・ひずみ集中について解析的評価モデルを開発した。一方、同強度の冶金学的な支配因子である高温長時間使用に起因する溶接金属の材質劣化による強度低下に関しては、現状では理論モデルによる定量的な検討例は皆無である。そこで著者らは、溶接金属の微視構造に基づく理論モデル(材料微視構造モデル)の開発を開始した。本モデルでは、溶接金属のクリープ疲労き裂が、フェライトあるいは
相近傍から発生・成長することに着目し、この近傍の応力・ひずみ集中とこれに起因するクリープ疲労損傷の集中に基づきクリープ疲労き裂の発生を評価する。本報では、308系溶接金属について基礎的な解析を行った。これにより以下の知見を得た。(1)材料微視構造モデルは溶接金属のクリープ疲労破損形態を再現することができる。(2)材料微視構造モデルは1000時間程度のクリープ疲労強度を精度良く評価することができる。(3)材料微視構造モデルは、モデルの最適化を行うことにより、長時間クリープ疲労強度も精度良く評価することが期待できる。さらに、材料微視構造モデルに必要な最適化項目を明らかにした。
渡士 克己; 青砥 紀身; 青木 昌典; 小峯 龍司; 伊藤 卓志; 長谷部 慎一; 加藤 章一; 小井 衛; 和田 雄作
PNC TN9410 93-142, 120 Pages, 1993/06
「高速炉構造用316」(略称316FR)は、クリープ疲労強度の向上を目指して、従来高速炉に用いられてきたSUS316の化学成分をベースに開発した高速炉の構造材料である。本報は、これまでに実施してきた研究開発結果を、316FRの材料強度基準(案)並びに特性の説明として取りまとめたものである。本報に示す材料強度基準(案)は、「高速原型炉高温構造設計指針材料強度基準等」に規定された全項目を含むとともに、書式についても整合性を有している。また、「高速原型炉第1種機器の高温構造設計指針」に規定される項目のうち、鋼種毎に定められる「1次及び2次応力に関する緩和クリープ損傷係数」並びに「ピーク応力に関する緩和クリープ損傷係数」も、本材料強度基準等(案)に含まれる。