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太田 雅和; 寺田 宏明; 長谷川 英尚*; 柿内 秀樹*
Science of the Total Environment, 704, p.135319_1 - 135319_15, 2020/02
被引用回数:6 パーセンタイル:28.61(Environmental Sciences)Iの陸面移行をモデル化し、陸面モデル(SOLVEG-II)に組み込んだ。各I移行過程の重要度を調べることを目的として、本モデルを2007年の六ケ所再処理工場からのI大気放出影響下で観測された野外でのI移行に適用した。モデル計算結果から、対象としたササの葉のI汚染が、主に降雨によるI湿性沈着に起因したIの葉面吸着によって引き起こされたことが示された。土壌へのI移行においては、Iの湿性沈着が主であり、Iの乾性沈着の10倍の値であった。一方、2007年の土壌へのI沈着量は、モデルが仮定した土壌中I量の僅か2%であり、土壌中での長期に渡るI蓄積の重要性が示された。更に、計算結果から、長期に渡る土壌中Iの消失が、従前から考えられてきたメチル化ではなく経根吸収によって引き起こされる可能性が示された。
門脇 正尚; 堅田 元喜*; 寺田 宏明; 鈴木 崇史; 長谷川 英尚*; 赤田 尚史*; 柿内 秀樹*
Atmospheric Environment, 184, p.278 - 291, 2018/07
被引用回数:16 パーセンタイル:52.35(Environmental Sciences)長寿命放射性ヨウ素(I)は、大気環境における放射性核種の有用な地球化学トレーサである。本研究では、Iの大気濃度および沈着の観測を実施し、観測データから大気濃度および沈着の明瞭な季節変動を得た。さらに、大気中のI循環を支配する要因を明らかにすることを目的として、得られた観測データを用いて、移流、乱流拡散、大気沈着、光化学、ガス粒子変換、核燃料再処理工場からのIの排出、海洋および陸域からのIの揮発の各物理・化学過程を考慮した全球ヨウ素輸送モデルを開発した。全球ヨウ素輸送モデルは、我々が観測したIの大気濃度および沈着の季節変動、そして既往文献のIの降水中濃度の全球分布を良好に再現した。開発した全球ヨウ素輸送モデルを用いて人為起源と自然起源のIインベントリの強度を変化させる数値実験を実施し、地球全体のI循環に対する人為起源のIの影響を評価した。その結果、冬季においては、人為起源のIが主にユーラシアの北部に沈着する可能性があることが示された。一方で、夏季においては、自然起源のIが北半球中高緯度の沈着に支配的であった。これらの結果は、地球表面からのIの再飛散過程が全球規模でのI循環に重要であることを示唆している。さらに、冬季のユーラシア北部や北極域においては局所的に乾性沈着が寄与しており、乾性沈着が環境中のIの季節変化に重要な影響を及ぼすことが示唆された。
門脇 正尚; 堅田 元喜*; 寺田 宏明; 鈴木 崇史; 長谷川 英尚*; 赤田 尚史*; 柿内 秀樹*
no journal, ,
ヨウ素129(I)は、年代測定や物質循環研究のトレーサーとして有用である。大気中のIは、主に核燃料再処理施設の排出と海洋からの揮発に起因する。大気中へ放出されたIは大気沈着の影響を受けながら全球に大気輸送されるが、大気中のIの時空間分布は十分に理解されていない。そこで、本研究では、大気中のIの全球分布と季節変動をシミュレートするために、移流拡散、大気沈着、核燃料再処理施設からの排出、海洋からの揮発、光化学、ガス粒子変換を考慮したIの全球輸送モデルを開発した。全球輸送モデルの入力気象場を計算するために、気象モデルWRF (Weather Research and Forecasting)と再解析データERA-Interimが用いられた。モデル検証のため、2006年1月1日から2010年12月31日を対象としたIの大気拡散計算を実施し、観測値と比較をした。2006年から2010年の間に六ヶ所で観測されたガス態と粒子態のIの大気濃度と沈着量とモデル結果を比較したところ、モデルは観測されたIの大気濃度や沈着量の季節変動を良好に再現した。さらに、過去に欧州、アジア、北米で観測されたIの降水中濃度とモデル結果を比較したところ、モデル結果は観測されたI濃度の地理的分布を良好に再現した。本発表では、モデル結果から示唆される大気中のI濃度の時空間分布と大気中のI循環を支配する要因について議論する。