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論文

Development of a forward Monte Carlo based weight-window generator using the history-counter function in PHITS

佐藤 達彦; 橋本 慎太郎; M$'a$rquez Dami$'a$n, J. I.*; 仁井田 浩二*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 557, p.165535_1 - 165535_8, 2024/12

 被引用回数:0

Appropriate use of the variance reduction techniques such as weight-windows are indispensable for effectively designing the radiation shielding based on the Monte Carlo simulation. In this study, we developed a new algorithm of weight-window generator (WWG) relying solely on forward Monte Carlo simulation and implemented it into the Particle and Heavy Ion Transport code System (PHITS). Our new algorithm leverages a PHITS-specific function called the "history counter", which serves as an event logger that can be arbitrarily defined by users. The performance of the new WWG was investigated by conducting benchmark simulations for both idealized and practical shielding calculations. The results of the benchmark simulations suggested that our new algorithm can reduce the computational time by up to an order of magnitude, though it becomes less beneficial when no apparent pathway for particles arriving in the tally regions is observed in generating the weight window values. With this new feature, PHITS has become further suitable for the shielding calculations against high-energy radiations even when their evaluated cross-section data are unavailable.

論文

Measurements of displacement cross sections of metals for 120-GeV proton beam irradiation

岩元 洋介; 松田 洋樹*; 明午 伸一郎; 米原 克也*; Pellemoine, F.*; Liu, Z.*; Lynch, K.*; 吉田 誠*; 藪内 敦*; 義家 敏正*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 557, p.165543_1 - 165543_8, 2024/12

陽子加速器施設における材料の照射損傷の指標として、原子1個当たりの変位数(dpa)が広く用いられている。金属材料のdpaを検証するために、3GeV以下の陽子に対する実験が行われてきた。しかし、3GeV以上の高エネルギー陽子に対する弾き出し断面積の測定は行われておらず、計算による検証も行われていない。そこで、高エネルギー領域における金属の弾き出し断面積を検証するため、温度8Kにおけるアルミニウム、銅、タングステンのワイヤーの電気抵抗率変化を、エネルギー120GeVの陽子を用いて測定した。その結果、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSの従来の照射損傷モデルは実験データを過大評価することがわかった。一方、熱再結合補正モデルを用いた新たな計算結果は、測定された弾き出し断面積と一致した。この結果は、1GeV以上の陽子エネルギー領域では、弾き出し断面積はほぼ一定であり、1GeV陽子照射下での材料の損傷エネルギーは120GeV陽子照射下とほぼ同じであることに起因すると推定される。

論文

Overview of PHITS Ver.3.34 with particular focus on track-structure calculation

小川 達彦; 平田 悠歩; 松谷 悠佑; 甲斐 健師; 佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 松田 規宏; et al.

EPJ Nuclear Sciences & Technologies (Internet), 10, p.13_1 - 13_8, 2024/11

放射線挙動解析コードPHITSは、モンテカルロ法に基づいてほぼ全ての放射線の挙動を解析することができる放射線挙動解析計算コードである。その最新版であるPHITS version 3.34の、飛跡構造解析機能に焦点を置いて説明する。飛跡構造解析とは、荷電粒子が物質中を運動する挙動を計算する手法の一つで、個々の原子反応を識別することにより原子スケールでの追跡を可能にするものである。従来の飛跡構造解析モデルは生体を模擬する水だけにしか適用できず、遺伝子への放射線損傷を解析するツールとして使われてきた飛跡構造解析であるが、PHITSにおいてはPHITS-ETS、PHITS-ETS for Si、PHITS-KURBUC、ETSART、ITSARという飛跡構造解析モデルが補い合うことにより、生体の放射線影響だけでなく、半導体や材料物質など任意物質に対する適用が可能になっている。実際にこれらのモデルを使って、放射線によるDNA損傷予測、半導体のキャリア生成エネルギー計算、DPAの空間配置予測など、新しい解析研究も発表されており、飛跡構造解析を基礎とするボトムアップ型の放射線影響研究の推進に重要な役割を果たすことが期待できる。

論文

Monte Carlo simulation study on the dose and dose-averaged linear energy transfer distributions in carbon ion radiotherapy

石川 諒尚; 古場 裕介*; 古田 琢哉; Chang, W.*; 米内 俊祐*; 松本 真之介*; 橋本 慎太郎; 平井 悠大*; 佐藤 達彦

Radiological Physics and Technology, 17(2), p.553 - 560, 2024/06

At the Heavy Ion Medical Accelerator in Chiba (HIMAC), a series of retrospective studies are ongoing in patients treated with carbon ion radiotherapy (CIRT) to obtain the knowledge to improve tumor control and reveal the mechanism of the low risk of secondary cancer after CIRT. Dose-averaged linear energy transfer (LET$$_{rm d}$$) is generally used as a measure of treatment effectiveness or biological effects in such retrospective studies; however, it is conventionally evaluated from the relative biological effectiveness (RBE)-LET$$_{rm d}$$ fitted function used in the treatment planning system. In this study, we calculated the physical doses and their linear energy transfer (LET) distributions for a series of treatment plans for a homogeneous rectangular phantom and a human body phantom with typical CIRT beams using Monte Carlo (MC) simulation. The LET$$_{rm d}$$ was then deduced from the MC simulation and compared with the corresponding data obtained using the conventional method. The comparison suggested that the two types of LET$$_{rm d}$$ agreed well with each other, except around the distal end of the spread-out Bragg peak, where the MC simulation yielded significantly higher LET$$_{rm d}$$ values than that of the conventional method. This is because the RBE-LET$$_{rm d}$$ fitted function adopted in the conventional method ignores the contribution of the high-LET components, causing an overkill effect. Furthermore, an MC simulation was conducted to determine the material composition of water and realistic materials from the CT number in the planned image. The profiles of physical dose and LET$$_{rm d}$$ were in good agreement for both techniques. These results indicate the possibility of enhancing the efficiency of retrospective studies of CIRT using MC simulations in the future.

論文

Development of nuclear de-excitation model EBITEM Ver.2

小川 達彦; 橋本 慎太郎; 佐藤 達彦

Journal of Nuclear Science and Technology, 61(1), p.68 - 73, 2024/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:41.04(Nuclear Science & Technology)

原子力機構が中心となって開発・普及を行う汎用モンテカルロ放射線輸送計算コードPHITSは、原子核の電磁気的脱励起過程(ガンマ線、内部転換電子を放出する脱励起過程)を理論モデルEvaluated Nuclear Structure Data File (ENSDF-)-Based Isomeric Transition and isomEr production Model (EBITEM)により計算する。本研究では、同モデルを特に中性子捕獲反応の高精度化に焦点を当てて改良した。従来、中性子捕獲反応を起こした原子核は、理論モデルである単核子模型と一部の核しかカバーしないReedyらの文献値で脱励起を計算していたところ、すべての天然核種をカバーするEvaluated Gamma Activation File (EGAF)で計算するように改良した。また、その後に続く脱励起に使われる原子核構造データは、ガンマ線放出のデータが載っているENSDFを2013年に取得して使っていたが、内部転換電子放出のデータも含むReference Input Parameter Library 3 (RIPL-3)に差し替えた。これにより内部転換電子放出過程も計算できるようにし、この過程を飛跡構造解析モデルのために開発した原子脱励起モデルにさらに繋げることで、オージェ電子や蛍光X線の放出も計算できるようにした。この新しいバージョンのEBITEMを使って、中性子捕獲から生じるガンマ線スペクトルを計算し、文献値や核データと従来以上によく一致することを確認した。同モデルは次のPHITS公式リリースに実装し、ユーザーに提供する予定である。

論文

Recent improvements of the Particle and Heavy Ion Transport code System; PHITS version 3.33

佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松谷 悠佑; 松田 規宏; 平田 悠歩; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 61(1), p.127 - 135, 2024/01

 被引用回数:53 パーセンタイル:99.93(Nuclear Science & Technology)

放射線挙動解析コードPHITSは、モンテカルロ法に基づいてほぼ全ての放射線の挙動を解析することができる。その最新版であるPHITS version 3.31を開発し公開した。最新版では、高エネルギー核データに対する親和性や飛跡構造解析アルゴリズムなどが改良されている。また、PHIG-3DやRT-PHITSなど、パッケージに組み込まれた外部ソフトウェアも充実している。本論文では、2017年にリリースされたPHITS3.02以降に導入された新しい機能について説明する。

論文

Experimental and computational verifications of the dose calculation accuracy of PHITS for high-energy photon beam therapy

久峩 尚也*; 椎葉 拓郎*; 佐藤 達彦; 橋本 慎太郎; 黒岩 靖淳*

Journal of Nuclear Science and Technology, 61(1), p.136 - 145, 2024/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:41.04(Nuclear Science & Technology)

本論文では、放射線挙動解析コードPHITSの高エネルギー光子線治療に対する精度検証結果を報告する。具体的には、Clinac 21EX電子ライナックにより発生させた光子線治療場における線量深さ分布,ビームプロファイル,アウトプットファクターを測定し、PHITS及び同様のモンテカルロ計算コードであるEGSnrcの結果と比較した。その結果、PHITS計算と測定は医学物理分野における許容レベル以内で、PHITS計算とEGSnrc計算は約1%の範囲内で一致することが分かった。これらの結果から、PHITSが高エネルギー光子線治療の医学物理計算に応用可能であることが確認できた。

論文

Isotopic composition of enriched $$^{100}$$Mo for production of medical $$^{rm 99m}$$Tc by $$^{100}$$Mo($$p,2n$$)$$^{rm 99m}$$Tc

橋本 慎太郎; 永井 泰樹*

Journal of the Physical Society of Japan, 92(12), p.124202_1 - 124202_11, 2023/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)

$$^{99}$$Moの娘核種であるテクネチウム99m($$^{rm 99m}$$Tc)は6時間の半減期で$$gamma$$線を出す放射性核種(RI)であり、SPECTなどの診断用RIとして世界中で用いられている。親核種の$$^{99}$$Moは原子炉で生成されているが、原子炉施設の老朽化等で安定供給が危ぶまれており、医療用加速器で濃縮$$^{100}$$Mo試料に陽子を照射し、$$^{100}$$Mo($$p,2n$$)$$^{99m}$$Tc反応を通じて生成する方法が提案されている。しかし、試料に微量に含まれる$$^{100}$$Mo以外のMo同位体から、$$^{rm 99m}$$Tc以外のTcが生成される問題がある。そこで本研究では、高純度の$$^{rm 99m}$$Tcを生成できるMo組成を調べるために、天然組成のMoの照射実験データに基づいて、全てのTc同位体生成の反応率を決定し、任意の組成をもつMo試料のTc同位体生成量をPHITSを用いて評価する手法を開発した。本手法の有効性を、濃縮$$^{100}$$Moで生成された各Tcの実測値との比較によって検証するとともに、高純度の$$^{rm 99m}$$Tc生成には$$^{97,96,95}$$Moの各不純物含有量の低減が必須であることを明らかにした。本成果は、照射時間等の施設固有の制約を考慮しながら、高純度の$$^{rm 99m}$$Tcを生成する際に必要なMo原料の組成決定に重要な役割を果たす。

論文

Development of the DICOM-based Monte Carlo dose reconstruction system for a retrospective study on the secondary cancer risk in carbon ion radiotherapy

古田 琢哉; 古場 裕介*; 橋本 慎太郎; Chang, W.*; 米内 俊祐*; 松本 真之介*; 石川 諒尚*; 佐藤 達彦

Physics in Medicine & Biology, 67(14), p.145002_1 - 145002_15, 2022/07

 被引用回数:6 パーセンタイル:55.81(Engineering, Biomedical)

炭素線治療は従来の放射線治療よりも腫瘍部への線量集中性に関する優位性を持つが、二次的ながんの発生原因となり得る正常組織への照射を完全に無くすことは困難である。そのため、発がんリスクを照射炭素ビームの核反応によって生成される二次粒子による線量まで含めて評価するには、計算シミュレーション解析が有効となる。本研究では、PHITSコードを中核とした炭素線治療の線量再構築システムを開発した。このシステムでは、治療計画を記録したDICOMデータから自動でPHITSの入力ファイルを作成し、PHITSシミュレーションの実行によって腫瘍および周辺正常組織での線量分布を計算する。PHITSの様々な機能を利用することで、粒子毎の線量寄与や二次粒子の発生場所の特定など、詳細な解析が実施可能である。開発したシステムの妥当性は、水中での線量分布の実験結果や人体等価ファントムへの治療計画との比較により確認した。今後、本システムは量子科学技術研究開発機構において、過去の治療データを用いたシミュレーション解析による遡及的研究に利用される予定である。

論文

Transport model comparison studies of intermediate-energy heavy-ion collisions

Walter, H.*; Colonna, M.*; Cozma, D.*; Danielewicz, P.*; Ko, C. M.*; Kumar, R.*; 小野 章*; Tsang, M. Y. B*; Xu, J.*; Zhang, Y.-X.*; et al.

Progress in Particle and Nuclear Physics, 125, p.103962_1 - 103962_90, 2022/07

 被引用回数:71 パーセンタイル:96.00(Physics, Nuclear)

原子核-原子核衝突や原子核の状態方程式の研究において、反応計算モデルは重要なツールとなり、世界中で開発が進んでいる。本論文は、原子力機構のJQMD-2.0を含め、現在開発中の複数のコード開発者の協力により、これらコードを同じ条件で比較することで共通点や差異を明らかにしたプロジェクトTransport Model Evaluation Project (TMEP)を総括したものである。参加したコードはBoltzmann-Uehling-Uhlenbeck(BUU)法に基づく13のコードと、Quantum Molecular Dynamics (QMD)法に基づく12のコードであった。プロジェクトでは、Au原子核同士を衝突させてその終状態を観測する現実的な計算や、一辺が640nmの箱に核子を詰めて時間発展させる仮想的な計算を行った。その結果、BUU法コードとQMD法コードは計算原理が異なるため、計算の設定に関係なく系統的な差異が生じることが明らかになった。その一方で、同じ方法を採用するコード間の比較では、時間発展を細かく計算することでコード間の差は埋まっていき、一定の収束値を持つことが示された。この結果は今後開発される同分野のコードのベンチマークデータとして有用なものであるだけでなく、原子核基礎物理学の実験や理論研究の標準的な指針としても役に立つことが期待される。

論文

Benchmark study of particle and heavy-ion transport code system using shielding integral benchmark archive and database for accelerator-shielding experiments

岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 佐藤 達彦; 松田 規宏; 国枝 賢; $c{C}$elik, Y.*; 古立 直也*; 仁井田 浩二*

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(5), p.665 - 675, 2022/05

 被引用回数:14 パーセンタイル:87.70(Nuclear Science & Technology)

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、加速器施設の放射線遮蔽設計に広く利用されている。本研究では、NEA/NSCの遮蔽積分実験ベンチマーク・アーカイブデータベース(SINBAD)の中から、陽子加速器施設の中性子遮蔽実験に関するデータを用いて、最新のPHITSバージョン3.24の精度検証を行った。検証では、中性子源に用いる陽子入射核反応が(1)43及び68MeV陽子-リチウム、(2)52MeV陽子-炭素、(3)590MeV陽子-鉛、(4)500MeV陽子-タングステン、及び(5)800MeV陽子-タンタルの条件で、遮蔽体における中性子エネルギースペクトル及び反応率を計算した。その結果、PHITSの標準設定である核反応モデルINCL4.6を用いた計算結果は(1)及び(2)のケースの100MeV以下で実験値を再現しなかったが、高エネルギー核データライブラリJENDL-4.0/HEを用いた場合は全ケースで実験値を良く再現した。本検証により、陽子加速器施設における中性子遮蔽設計において、JENDL-4.0/HEを用いたPHITSの計算が有効であることが明らかになった。

論文

Estimated isotopic compositions of Yb in enriched $$^{176}$$Yb for producing $$^{177}$$Lu with high radionuclide purity by $$^{176}$$Yb($$d,x$$)$$^{177}$$Lu

永井 泰樹*; 川端 方子*; 橋本 慎太郎; 塚田 和明; 橋本 和幸*; 本石 章司*; 佐伯 秀也*; 本村 新*; 湊 太志; 伊藤 正俊*

Journal of the Physical Society of Japan, 91(4), p.044201_1 - 044201_10, 2022/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:46.06(Physics, Multidisciplinary)

近年、神経内分泌腫瘍を治療するための医療用RIとして$$^{177}$$Luが注目されており、加速器施設で重陽子を濃縮$$^{176}$$Yb試料に照射し、高純度の$$^{177}$$Luを製造する方法が検討されている。ただし、Yb試料には様々な同位体が微量に含まれており、$$^{177}$$Lu以外のLu同位体が不純物として生成される。医療用として利用する$$^{177}$$Luは一定の純度が求められるため、定量的にLuの不純物を評価する手法が求められていた。本研究では、実験値を基に関与する全てのYb($$d,x$$)Lu反応の断面積を決定し、粒子輸送計算コードPHITSと組み合わせることで、Yb試料が任意の組成比をもつ場合の各Lu同位体の生成量を推定する新しい手法を開発した。他に、天然組成のYb試料へ25MeV重陽子を照射した実験も行い、本手法の有効性を検証した。また、市販の濃縮$$^{176}$$Yb試料に照射した条件で計算を行い、重陽子のエネルギーを15MeVとすることで、純度99%以上の$$^{177}$$Lu生成を達成できることを示した。開発した手法は、加速器を用いて高純度の医療用$$^{177}$$Luを製造する際、必要な濃縮Yb試料の同位体組成を議論する上で重要な役割を果たすものである。

論文

Large scale production of $$^{64}$$Cu and $$^{67}$$Cu via the $$^{64}$$Zn(n, p)$$^{64}$$Cu and $$^{68}$$Zn(n, np/d)$$^{67}$$Cu reactions using accelerator neutrons

川端 方子*; 本石 章司*; 太田 朗生*; 本村 新*; 佐伯 秀也*; 塚田 和明; 橋本 慎太郎; 岩本 信之; 永井 泰樹*; 橋本 和幸*

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 330(3), p.913 - 922, 2021/12

 被引用回数:7 パーセンタイル:69.06(Chemistry, Analytical)

加速器中性子を利用し、将来有望な医療RIである$$^{64}$$Cu及び$$^{67}$$Cuの大量合成に関して、実験に基づく生成量評価と臨床に必要な生成量のPHITSコード使用による評価、そして大量のターゲット物質からのCu同位体の分離精製手法開発を行った。実験では55.4gという大量の、天然亜鉛試料を利用し、加速器中性子の照射による生成率について定量的な評価を行った。また、同時に臨床的に必要な量の$$^{64}$$Cu及び$$^{67}$$Cuの製造の可能性について、それぞれ100gの濃縮$$^{64}$$Znおよび$$^{68}$$Zn試料に対して、40MeV、2mAの重陽子照射により発生する中性子を照射する数値シミュレーションを行い、その生成量を推定した。また、大量の天然亜鉛試料から$$^{64}$$Cu及び$$^{67}$$Cuを分離するために、熱分離と樹脂分離を組み合わせた分離方法を開発し、73%の分離効率と97%の亜鉛回収率が得られることを実証した。これらの結果、このような加速器中性子による生成と本分離手法の組み合わせで、臨床応用のために必要な$$^{64}$$Cu及び$$^{67}$$Cuの大規模生産を提供することができることがわかった。

論文

Implementation of simplified stochastic microdosimetric kinetic models into PHITS for application to radiation treatment planning

佐藤 達彦; 橋本 慎太郎; 稲庭 拓*; 高田 健太*; 熊田 博明*

International Journal of Radiation Biology, 97(10), p.1450 - 1460, 2021/10

 被引用回数:12 パーセンタイル:77.44(Biology)

確率論的マイクロドジメトリ運動学(SMK)モデルは、粒子線治療(CRT)やホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の生物学的線量を最も精度よく推定できるモデルの一つである。しかし、SMKモデルは、計算時間が掛かるため治療計画システムに導入することは困難であった。そこで、テイラー展開や高速フーリエ変換を用いて単純化したSMKモデルを開発し、それらを原子力機構が中心となって開発している汎用放射線挙動解析コードPHITSに組み込んだ。これにより、SMKモデルに基づく生物学的線量を簡単に短時間で導出可能となり、PHITSを用いたより高度な治療計画システムの開発が可能となった。

論文

Technical Note: Validation of a material assignment method for a retrospective study of carbon-ion radiotherapy using Monte Carlo simulation

Chang, W.*; 古場 裕介*; 古田 琢哉; 米内 俊祐*; 橋本 慎太郎; 松本 真之介*; 佐藤 達彦

Journal of Radiation Research (Internet), 62(5), p.846 - 855, 2021/09

 被引用回数:3 パーセンタイル:30.17(Biology)

炭素線治療の治療計画をモンテカルロシミュレーションによって再評価するためのツール開発の一環として二つの重要な手法を考案した。一つは治療計画装置に含まれる校正済みのCT-水阻止能表を反映しつつ、患者CT画像から物質識別を行う手法である。もう一つの手法は、粒子およびエネルギー毎に生体物質と水との阻止能比を考慮し、水等価線量を導出することを目的としたものである。これらの手法の有効性を確認するため、生体物質および水で構成される均質および不均質ファントムに対し、SOBPサイズ8cmの炭素線を400MeV/uで照射するシミュレーションをPHITSで計算し、得られた線量深さ分布を従来の治療計画装置による結果と比較した。その結果、従来の治療計画装置で採用されている生体物質を全て水に置換する手法では、異なる物質において二次粒子の発生率が一次粒子の阻止能に単純に比例するため、二次粒子による線量寄与を評価する上で不適切であることが分かった。一方、各物質の二次粒子の発生率を適切に考慮した新しい手法は炭素線治療の再評価において、重要な役割を果たすことが期待できることが分かった。

論文

Total cross section model with uncertainty evaluated by KALMAN

橋本 慎太郎; 佐藤 達彦

EPJ Web of Conferences, 239, p.03015_1 - 03015_4, 2020/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

モンテカルロ法に基づいた粒子輸送計算コードは、加速器施設の遮蔽計算等の目的で盛んに利用されている。計算結果の信頼性を評価するためには、計算で用いた試行回数によって決まる統計的不確かさだけでなく、計算で使用される全断面積モデル等の不確かさに起因する系統的不確かさも評価する必要がある。我々は、全断面積の実験値を参照しながら最小自乗法に基づいたKALMANコードを利用することで、内部パラメータに不確かさの幅をもつ全断面積モデルを開発した。新規モデルで計算した全断面積の不確かさは実験値の誤差と同程度であり、不確かさの幅の範囲で内部パラメータを変動させながら輸送計算を実行することで、計算結果における系統的不確かさを適切に評価できることが分かった。

論文

Estimation of reliable displacements-per-atom based on athermal-recombination-corrected model in radiation environments at nuclear fission, fusion, and accelerator facilities

岩元 洋介; 明午 伸一郎; 橋本 慎太郎

Journal of Nuclear Materials, 538, p.152261_1 - 152261_9, 2020/09

 被引用回数:23 パーセンタイル:92.68(Materials Science, Multidisciplinary)

様々な放射線環境下の材料の照射損傷の指標として、はじき出し原子数(dpa)が用いられている。これまでの照射損傷モデルではNorgertt-Robinson-Torrens(NRT)モデルが標準とされていたが、最新の非熱的再結合補正(athermal-recombination-correction, arc)を考慮したモデルは照射損傷過程をより正確に再現できるため、arcモデルを用いた材料の照射損傷の評価が今後標準となることが期待されている。本研究では、様々な材料に対するarcモデルを粒子・重イオン輸送計算コードPHITSに組み込み、核分裂、核融合及び加速器施設を想定した幅広いエネルギー範囲における再スケーリング係数(NRT-dpa/arc-dpa)を計算した。計算の結果、核施設の照射環境を想定したエネルギー分布を持つ中性子照射、及びエネルギー600MeV-50GeVを持つ陽子照射の場合、各材料の再スケーリング係数は、照射条件によらず、各材料でほぼ同じ値であることがわかった。本成果は、幅広いエネルギー範囲における様々な核施設の従来の放射線損傷評価において、NRT-dpaを再スケーリングするための大変有益な情報となる。

論文

Anomalous radioisotope production for $$^{68}$$ZnO using polyethylene by accelerator neutrons

塚田 和明; 永井 泰樹*; 橋本 慎太郎; 湊 太志; 川端 方子*; 初川 雄一*; 橋本 和幸*; 渡辺 智*; 佐伯 秀也*; 本石 章司*

Journal of the Physical Society of Japan, 89(3), p.034201_1 - 034201_7, 2020/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:19.65(Physics, Multidisciplinary)

ポリエチレン遮へい中の$$^{68}$$ZnOに、50MeV重陽子と$$^{9}$$Beによる($$d,n$$)反応で生成した中性子を照射することで、$$^{67}$$Ga, $$^{66}$$Ga, $$^{rm 69m}$$Zn、並びに$$^{64}$$Cuの特異な生成を実験的に確認した。特に、ポリエチレン遮へい内で得られた収率は、遮へいなしの実験と比較して、約20倍の収量を示した。一方、鉛遮へい内の金属$$^{68}$$Zn試料の照射における$$^{67}$$Ga, $$^{66}$$Ga, $$^{rm 69m}$$Zn、並びに$$^{64}$$Cuの収量と、$$^{68}$$ZnO及び金属$$^{68}$$Zn試料の照射における$$^{67}$$Cu, $$^{65}$$Ni及び$$^{65}$$Znの収量は、遮へいによる影響はほとんど受けていない。この実験結果は、遮へい条件を調整することで、中性子反応に限らず陽子反応を含む多様で大量の放射性同位元素を、一度の照射で同時に合成できるという加速器中性子の注目すべき特性を示すものである。また、PHITSコードを利用した生成量予測を試み、本実験結果と比較することで、本生成量の特異性について評価した。

論文

科学と技術のための核データ国際会議(ND2019),3; 評価・理論

中山 梓介; 岩本 修; 岩本 信之; 橋本 慎太郎

核データニュース(インターネット), (123), p.53 - 59, 2019/06

2019年5月19日から24日まで中国ナショナルコンベンションセンターにて、2019年科学と技術のための核データ国際会議(ND2019)が開催された。核データ国際会議は3年に一度開催される核データ研究分野の中で規模の最も大きな国際会議である。本稿ではND2019の会議報告の一部として、本会議で行われた核データ評価及び理論に関する発表の概要を記した。

論文

Estimation method of systematic uncertainties in Monte Carlo particle transport simulation based on analysis of variance

橋本 慎太郎; 佐藤 達彦

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(4), p.345 - 354, 2019/04

 被引用回数:7 パーセンタイル:57.46(Nuclear Science & Technology)

モンテカルロ法に基づいた粒子輸送シミュレーションは、加速器施設の遮蔽計算等の様々な目的で利用されている。モンテカルロ法による計算結果の信頼性を定量的に評価するためには、試行回数によって決まる統計的不確かさに加えて、計算で使われる反応断面積や計算の入力情報となる遮蔽材の密度がもつ誤差の影響を系統的不確かさとして求める必要がある。本研究の評価方法は分散分析に基づいており、これを鉄やコンクリートを遮蔽材とする中性子の遮蔽計算の解析に適用し、統計的及び系統的不確かさの両方を評価可能であることを示した。その際、入力情報の値を誤差の範囲で変動させるランダム条件法の他、三条件(中央値,上限値及び下限値)のみ変動させる三条件法を提案した。ランダム条件法は計算体系に関わらず適切に系統的不確かさが評価できるものの長い計算時間を必要とするのに対し、入力情報の誤差の影響が複雑な場合を除いて、三条件法は計算時間を抑えてランダム条件法と同じ評価結果を与えることがわかった。さらに、試行回数を増加させた場合の収束状況を判断できる新しい基準値を示し、必要最小限の計算時間で収束した評価結果が得られることを明らかにした。

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