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柴田 裕樹; 齋藤 裕明; 林 博和; 高野 公秀
日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 23(3), p.74 - 80, 2024/08
放射性廃棄物の減容化・有害度低減を目指し、使用済核燃料から長寿命放射性核種であるマイナーアクチノイドを分離し、加速器駆動システム(ADS)で核変換する技術の開発が進められている。窒化物燃料はADSによるマイナーアクチノイド含有核変換用燃料の主要な候補燃料形態である。燃料の設計や開発において照射中の窒化物燃料のふるまいを把握することが必要であり、FEMAXI-7を基にした窒化物燃料ふるまい解析モジュールを開発した。PCMIなどの機械的特性に着目し、窒化物燃料ふるまい解析したところ、2年間の照射条件では被覆管破損は起きないことが明らかとなった。
林 博和; 湊 和生*
Electrochemistry (Internet), 92(4), p.043020_1 - 043020_5, 2024/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.03NaCl-2CsCl溶融塩中のネプツニウムの挙動をサイクリックボルタンメトリ法やディファレンシャルパルスボルタンメトリ法などの電気化学的手法によって823から923Kにおいて測定した。NaCl-2CsCl溶融塩中において、Npイオンは、LiCl-KCl共晶溶融塩中と同様に、Npイオンを経てNpに還元されることを明らかにした。また、サイクリックボルタモグラムから、Np及びNpイオンの拡散係数を導出した。さらに、Np/Np及びNp/Np酸化還元反応の式量電位が、E(Np/Np) = -3.353 + 7.6710T及びE(Np/Np) = -1.175 + 4.9910 T vs. Cl/Cl (V)であることを示し、Np及びNpイオンの活量係数を、NpCl及びNpClの過冷却液体状態のギブス自由エネルギーの文献値を用いて導出した。
今野 力; 河内山 真美; 林 宏一
Mechanical Engineering Journal (Internet), 11(2), p.23-00386_1 - 23-00386_11, 2024/04
放射化計算コードORIGENとORIGEN-Sの放射化断面積ライブラリがJENDL-5とJENDL/AD-2017から作成された。200群と48群のORIGEN放射化断面積ライブラリはAMPX-6コ―ドで作られ、199群のMAXSフォーマットのORIGEN-S放射化断面積ライブラリはPREPRO2018コードで作られた。作成されたORIGENとORIGEN-Sの放射化断面積ライブラリを検証するため、JPDR放射化計算が行われた。作成した放射化断面積ライブラリとコード付属の放射化断面積ライブラリを用いたORIGEN計算結果、200群と48群のORIGEN計算結果、ORIGENとORIGEN-Sの計算結果、等の比較を行い、計算結果の多くの違いは20%以下で、作成した放射化断面積ライブラリに問題がないことを確認した。
林 博和; 津幡 靖宏; 佐藤 匠
日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 22(3), p.97 - 107, 2023/08
加速器駆動システムによるマイナーアクチノイド(MA)核変換技術開発において、高濃度MA含有窒化物燃料及びその再処理に関する研究開発が行われている。本研究では、燃料に含まれる超ウラン元素(TRU)の崩壊熱が乾式再処理プロセスに与える影響を評価するため、各物質の発熱量及びアルゴンガス雰囲気での各物質の温度上昇値を推定し、これらの計算結果及び各物質の制限温度の設定値を用いて、乾式再処理プロセスにおける各物質の取扱制限量を検討した。さらに、この検討結果を基に、直径26cm塩浴深さ13cmの溶融塩電解槽25基によって、ADS1基分の使用済MA燃料を200日間で処理することを提案した。また、TRUを回収したCd陰極から窒化物を製造する蒸留窒化工程については、直径4cm高さ4cmのCd陰極を4分割したCd-TRU合金を原料とすることを提案した。これらの物質量及び装置規模と台数に関する検討結果から、MA核変換用窒化物燃料の乾式再処理工学規模装置の実現性は高いことが示唆された。
今野 力; 河内山 真美; 林 宏一
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 9 Pages, 2023/05
昨年公開されたJENDL-5には放射化計算で使うデータも入っている。そこで、放射化計算でJENDL-5を使うことができるようにするため、放射化計算コードORIGENとORIGEN-SのライブラリをJENDL-5から作成した。また、比較のためにJENDL/AD-2017からも同様のライブラリを作成した。作成したライブラリを使ってJPDRの放射化計算を行い、作成したライブラリに問題がないことを確認した。
林 博和; 柴田 裕樹; 佐藤 匠; 音部 治幹
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 332(2), p.503 - 510, 2023/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)Ar気流中における1323Kでの窒化物とPdの反応によって、MPd (M=Gd, Np)が生成することを示した。生成物は、立方晶系のAuCu型GdPd ( = 0.4081 0.0001nm)及びNpPd ( = 0.4081 0.0001nm)であった。NpNとPdとの反応生成物中には、六方晶系のTiNi型NpPdも含まれていた。本研究で得られたMPd (M=Gd, Np)試料と塩化カドミウムの673Kでの真空雰囲気での固相反応では、塩化物が生成すること、及び、副生成物としてPdで飽和したCd相と金属間化合物PdCdが得られることを示した。
佐藤 理花*; 西 剛史*; 太田 弘道*; 林 博和; 菅原 隆徳; 西原 健司
第43回日本熱物性シンポジウム講演論文集(CD-ROM), 3 Pages, 2022/10
溶融塩の密度および粘度は溶融塩を用いた加速器駆動核変換システム等を検討する上で必要不可欠な物性値である。本研究では、溶融塩を用いた物性値測定の手始めとして塩化鉛および硝酸カリウムを対象とし、粘度を測定するための装置の整備を行い、粘度および密度を測定した。
今野 力; 河内山 真美; 林 宏一
JAEA-Conf 2021-001, p.132 - 137, 2022/03
原子炉施設廃止措置用放射化断面積ファイルJENDL/AD-2017からSCALE6.2のORIGEN用多群ライブラリをAMPX-6コードで作成した。作成した多群ライブラリの検証のために、そのライブラリとSCALE6.2のORIGENでJPDRの放射化計算を行ない、作成したライブラリに問題がないことを確認した。
村上 毅*; 林 博和
Journal of Nuclear Materials, 558, p.153330_1 - 153330_7, 2022/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)使用済TRU窒化物燃料の再処理方法として研究開発が行われている化学溶解法は、塩素化剤を用いて溶融塩へ使用済燃料の溶解を行い、還元抽出法などによって溶融塩からTRUを分離回収する方法である。使用済燃料溶解の工程(化学溶解工程)では、窒化物等との化学反応によって消費されるよりも多くの量の塩素化剤(CdCl及びZrCl)を使用する必要があることが知られており、これらの成分が還元抽出法によるTRU分離に影響を及ぼすことが懸念されている。本論文では、化学溶解工程後に溶融塩中に残存するZr及びCdを選択的に回収する電解回収プロセスを付加することによってこれらの成分の影響を低減すること、及び回収したZr及びCdを塩素化剤として再利用することを提案した。また、化学溶解工程の条件及び電解回収の進行に伴い変化する溶融塩中のCdClとZrClの濃度比が電解回収プロセスへ与える影響を確認するため、LiCl-KCl共晶溶融塩(723K)中のZrとCdの電解挙動を明らかにする試験を行った。ZrとCdを選択的に回収するため、液体Cdを陰極として用い、TRUの還元電位よりも高い電位(-1.05V (vs. Ag/AgCl))において定電位電解を行い、広い範囲のCdCl/ZrCl濃度比においてZr及びCdの回収が可能であり、その電流効率はほぼ100%であることを確認した。
尾崎 宏和*; 吉村 和也; 朝岡 良浩*; 林 誠二*
Environmental Monitoring and Assessment, 193(6), p.369_1 - 369_9, 2021/06
被引用回数:6 パーセンタイル:38.85(Environmental Sciences)We investigated influence of road effluent on Antimony (Sb) in combined sewer water under rainy and dry weather conditions. Sb in road effluent showed significantly higher concentration than sewer, and Sb concentration in sewer during the wet weather was also significantly higher than that during the dry weather. Furthermore, Sb concentration in the sewer water decreased with time during a wash-off event. Clear positive relationships between Sb and Cu, and Sb and Ba in both in road effluent and road dust extract indicated an impact from brake abrasion because brake lining contains Cu, Sb and Ba in high concentration. Approximately 42% of Sb load occurred during the wash-off event while those of Cu and Ba were much less. Unlike Cu and Ba, we conclude that Sb in combined sewer water is largely dependent on road effluent during wet weather, resulted by wash-off of road dust probably associating with brake lining abrasion.
柴田 裕樹; 齋藤 裕明; 林 博和; 高野 公秀
JAEA-Data/Code 2019-023, 138 Pages, 2020/03
放射性廃棄物の減容・有害度低減のため、使用済核燃料中に含まれる長寿命放射性核種のうち、マイナーアクチノイドを加速器駆動システム(ADS)で核変換する技術の開発が進められており、その炉心における照射中の窒化物燃料のふるまいを理解することが必要である。そこで、窒化物燃料物性データベース、9Cr-1Moフェライト鋼(T91鋼)被覆管、Pi-Bi冷却材の物性、各種モデル式を組み込んだFEMAXI-7を基にした窒化物燃料ふるまい解析モジュールを開発し、いくつかの変数をパラメータとした試計算を実施した。その結果、その優れた熱伝導度により照射挙動が極めて安定することが判明した。しかし、核種変換に伴うHe放出による内圧増加、低温での窒化物燃料ペレットの低クリープ性、T91鋼被覆管の873K以上での高クリープ性などから、燃料ペレット-被覆管間機械的相互作用(PCMI)の増加による被覆管健全性が担保できるかがADSの燃料設計における懸念事項であることを見出した。
舘野 春香; 佐藤 匠; 津幡 靖宏; 林 博和
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(3), p.224 - 235, 2020/03
被引用回数:6 パーセンタイル:54.32(Nuclear Science & Technology)階層型燃料サイクル概念に基づく、加速器駆動システムを用いた長寿命マイナーアクチノイド(MA)核変換技術の研究開発が行われている。MA核変換用燃料としては、窒化ジルコニウムを不活性母材とするMAとPuの窒化物固溶体が第一候補とされている。乾式再処理は、高い比放射能及び崩壊熱を有する使用済窒化物燃料から残留MAを回収する方法として適している。再処理プロセスの主工程である溶融塩電解精製により、使用済窒化物燃料が陽極溶解され、アクチノイドが液体カドミウム陰極に一括回収される。その際、MA回収率と回収MA中の不純物(希土類元素)濃度の目標値が達成できるように再処理プロセスを設計する必要がある。本研究では、プロセス設計において重要な知見を得るために、使用済窒化物燃料の乾式再処理における物質収支評価を行った。処理条件の変更による物質フロー及び発生廃棄物量への影響を調べた。
出雲 沙理; 林 宏一; 仲田 久和; 天澤 弘也; 本山 光志*; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2018-018, 39 Pages, 2019/03
日本原子力研究開発機構が計画している研究施設等廃棄物の浅地中埋設処分施設では、個々の埋設対象廃棄物の放射能濃度が許可を受けた最大放射能濃度を超えないこと及び埋設対象廃棄物における総放射能量が許可を受けた総放射能量を超えないことが必要となる。このため、個々の埋設対象廃棄物の放射能量が、埋設する総物量の観点から過度に保守的な評価とならないことが重要となり、特に数量が多いく放射能濃度が極めて低いトレンチ埋設処分対象廃棄体については、その放射能濃度の下限値をクリアランスレベル程度まで評価することが望まれる。本報では、これまでの試験研究炉における放射能濃度の評価方法の検討結果から、非破壊外部測定法の適用が想定されているCo-60, Cs-137, Nb-94, Ag-108m, Ho-166m, Eu-152, Eu-154等の線放出核種については、モデル計算等によりその 成立性を検討し、最も測定が難しい鋼製角型容器に収納した場合においてもこれらの核種をクリアランスレベル以下まで測定可能な見通しを得るとともに、その結果に基づき当該装置に必要な性能と基本システムを整理した。
林 博和; 千葉 力也*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.196 - 199, 2018/11
原子力機構は、加速器駆動システム(ADS)用マイナーアクチノイド(MA)核変換燃料としてウランを含まないMA窒化物燃料の研究開発を実施している。本研究では、MA核変換燃料の第一候補である、窒化ジルコニウム(ZrN)を不活性母材として用いる窒化物固溶体について、ランタノイド元素を超ウラン元素の模擬物質として用いた硝酸中への溶解挙動測定試験を行った。その結果、ZrN粉末試料の8M硝酸への溶解は室温で約100日、約110Cでの加熱条件下で15時間かかるのに対し、0.4DyN-0.6ZrN固溶体粉末試料は室温の8M硝酸中に容易に溶解することを示した。また、0.4DyN-0.6ZrN固溶体粉末試料を硝酸で溶解した溶液の化学分析試験によって、試料の組成を測定した。
林 宏一; 出雲 沙理; 仲田 久和; 天澤 弘也; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2018-001, 66 Pages, 2018/06
日本原子力研究開発機構では、研究施設等から発生する低レベル放射性廃棄物を対象とした浅地中埋設処分における廃棄体確認に向けて、廃棄体に含まれる放射性物質の種類ごとの放射能濃度評価方法を構築しておく必要がある。このため、試験研究炉であるJRR-2及びJRR-3の保管廃棄物をモデルに、放射性核種(H-3, C-14, Cl-36, Co-60, Ni-63, Sr-90, Nb-94, Tc-99, Ag-108m, I-129, Cs-137, Eu-152, Eu-154, U-234, U-238, Pu-239+240, Pu-238+Am-241及びCm-243+244)を対象とした放射化学分析データに基づき放射能濃度評価方法の検討を行った。検討の結果、相関係数やt検定により対象核種とKey核種の相関関係を確認することでスケーリングファクタ法を適用できる見通しを得た。また、分散分析検定(F検定)によるグループ分類の要否を確認することでJRR-2及びJRR-3施設共通のスケーリングファクタを適用できる見通しを得た。スケーリングファクタ法の適用の見通しが得られなかった核種については、平均放射能濃度の裕度を確認することで平均放射能濃度法を適用できる見通しを得た。これらの結果は、放射能濃度評価方法を構築する雛形として今後の検討に適用可能である。
仲田 久和; 林 宏一; 天澤 弘也; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2017-031, 41 Pages, 2018/01
日本原子力研究開発機構が計画している研究施設等廃棄物のトレンチ埋設処分施設は、第二種廃棄物埋設事業規則に規定された廃棄物埋設施設及び廃棄体等の技術上の基準に適合していることが求められる。技術上の基準の一つには、「廃棄物埋設地は、土砂等を充填することにより、当該廃棄物埋設地の埋設が終了した後において空隙が残らないように措置すること。」とされている。また、「容器内に有害な空隙が残らないようにすること」が要求される。そのため、埋設事業センターでは、研究施設等廃棄物のトレンチ埋設処分施設においてこれらの技術上の基準に適合させるため、容器内の有害な空隙を管理した上でトレンチ埋設処分施設全体(廃棄物埋設地)での空隙が残らないものとして技術基準に適合させるものとする。本報告では、トレンチ埋設処分で金属製角型容器を使用する場合、容器内の空隙を砂を充填することで低減させることを想定した砂充填試験等を行い、充填する砂の特性、砂充填時の加振条件及び対象廃棄物への砂充填特性を調査・取得した。
林 博和; 佐藤 匠; 柴田 裕樹; 津幡 靖宏
NEA/NSC/R(2017)3, p.427 - 432, 2017/11
原子力機構におけるMA核変換用窒化物燃料の乾式処理技術の研究開発の進捗について、窒化物燃料の乾式処理主要工程の装置開発の状況を中心に紹介する。装置開発については、溶融塩電解における燃料溶解速度の向上を目指した陽極、及びCd電極に回収した金属元素の再窒化試験を100グラムCd規模で実施する装置の開発について報告する。
副島 吾郎; 岩井 紘基; 中村 保之; 林 宏一; 門脇 春彦; 水井 宏之; 佐野 一哉
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 5 Pages, 2017/07
「ふげん」では、解体撤去や汚染の除去作業に係る廃止措置を安全かつ合理的に遂行することとしており、また、廃止措置に必要な技術開発を進めてきている。(1)原子炉本体解体に向けた技術開発:「ふげん」では、原子炉本体の特徴等に鑑み、原子炉本体解体には切断速度が速く二次廃棄物の発生量が少ない特徴を有するレーザ切断工法を適用する計画としている。レーザは原子炉施設解体への適用実績がないため、レーザヘッド,発振器,ロボット等から構成されるレーザ切断システムを構築し、解体物を対象とした切断実証を行った。(2)汚染状況調査に係る技術調:「ふげん」では、従前より施設の残存放射能量を的確に把握するため施設の汚染状況調査を行ってきている。今般、既存の実機材から試料を採取し核種分析により放射能濃度を評価する調査手法に加え、非破壊環境下で簡易的に「ふげん」の主要な二次汚染の主要核種であるCoを指標とした汚染状況を把握する調査手法の開発に着手した。
林 宏一; 岡田 翔太; 出雲 沙理; 星野 譲; 辻 智之; 仲田 久和; 坂井 章浩; 天澤 弘也; 坂本 義昭
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 7 Pages, 2017/04
日本では、原子力発電所から発生した低レベル放射性廃棄物の浅地中埋設処分は実施されているが、それ以外の研究炉やRI使用施設等から発生する放射性廃棄物の浅地中埋設処分は実施されていない。このため、原子力機構は日本における研究施設等廃棄物の実施主体となり、処分に向けた活動を行っている。本報告では、研究施設等から発生した廃棄物の合理的な廃棄確認方法の開発に焦点を当てた活動の成果を報告する。
戸塚 真義; 黒澤 亮平*; 坂井 章浩; 仲田 久和; 林 宏一; 天澤 弘也
JAEA-Technology 2017-001, 40 Pages, 2017/03
日本原子力研究開発機構では、国内の研究施設などから発生する低レベルの放射性廃棄物(以下、「研究施設等廃棄物」という)の浅地中埋設処分を計画している。本稿は、研究施設等廃棄物のトレンチ処分施設における地下水シナリオの評価において、トレンチ処分施設からの放射性物質の浸出モデルとして、放射性物質が廃棄物から一定の溶出率で処分施設内の充填土層へ溶出するモデルを開発し、これを用いて線量及び基準線量相当濃度の評価を実施した。この線量評価結果とこれまで用いられてきた分配平衡モデルの線量を比較し溶出の影響を評価した。また、トレンチ処分対象で安定5品目以外のセメント固化体等は、遮水層を設置したトレンチ処分施設に処分することを想定しており、この遮水層による浸透水量の低減効果をパラメータとしてトレンチ処分施設における地下水シナリオの線量及び基準線量相当濃度への影響を評価した。