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小林 貴之; 澤畠 正之; 寺門 正之; 平内 慎一; 池田 亮介; 小田 靖久; 和田 健次; 日向 淳; 横倉 賢治; 星野 克道; et al.
Proceedings of 40th International Conference on Infrared, Millimeter, and Terahertz Waves (IRMMW-THz 2015) (USB Flash Drive), 3 Pages, 2015/08
JT-60SAにおける電子サイクロトロン加熱電流駆動(ECH/CD)用にジャイロトロン開発を行っている。高出力、長パルス試験を行い、110GHzと138GHzの2つの周波数において、1MW/100秒の出力を得ることに世界で初めて成功した。この結果により、JT-60SAに求められるジャイロトロンの性能を、完全に満たした。また、空胴共振器、コレクター及び不要高周波の吸収体の熱負荷を実験的に評価した結果、熱負荷の観点では、更なる高出力での運転が、両方の周波数で可能であることを示した。さらに、上記2周波数に加えた付加的な周波数として、82GHzでの発振が、これまでのところ、0.4MW/2秒まで得られている。110/138GHzにおける1.5MW以上の出力や、82GHzにおける1MW出力を目指した大電力試験が進展中であり、最新の成果について報告する。
小林 貴之; 森山 伸一; 横倉 賢治; 澤畠 正之; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; 佐藤 福克; 日向 淳; 星野 克道; et al.
Nuclear Fusion, 55(6), p.063008_1 - 063008_8, 2015/06
被引用回数:26 パーセンタイル:75.86(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SAにおける電子サイクロトロン加熱電流駆動(ECH/CD)のため、高出力、長パルス発振を110GHzと138GHzの両方で実現するジャイロトロンを開発した。2周波数で運転可能なジャイロトロンとして、世界で初めて、1MW、100秒間の発振を両周波数で実証した。三極型電子銃を用いてアノード電圧又は電子のピッチファクターの最適化することが、2周波数で高出力と高効率を得るために重要であった。また、本ジャイロトロン内部での損失は、今後の1.5MW以上での発振を想定した場合でも十分に小さいと予測される結果が得られた。さらに、上記2周波数はJT-60SAにおいては第二高調波として入射されるが、基本波として使用可能な82GHzでの発振についても、0.4MWで2秒まで実証した。これらのジャイロトロン開発の成果により、JT-60SAにおけるECH/CD装置の適用可能領域の大幅な拡張に寄与することが期待される。
小林 貴之; 森山 伸一; 諫山 明彦; 澤畠 正之; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; 佐藤 福克; 日向 淳; 横倉 賢治; et al.
EPJ Web of Conferences, 87, p.04008_1 - 04008_5, 2015/03
被引用回数:5 パーセンタイル:82.84(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SAの幅広いプラズマ放電条件において電子サイクロトロン加熱(ECH)・電流駆動を可能とするため、110GHz及び138GHzを選択的に出力可能な2周波数ジャイロトロンの開発を原子力機構で進めている。JT-60SAに向けた開発目標である1MWで100秒発振を実現するための発振調整及びコンディショニング運転が順調に進んでいる。これまでのところ、1MW/10秒、0.51MW/198秒の発振が両周波数で得られた。加えて、上記2周波数ジャイロトロンにおいて、付加的な周波数として82GHzの発振(0.3MW/20ミリ秒)を実証し、JT-60SAにおける基本波を用いたECHの可能性を示した。
横倉 賢治; 森山 伸一; 小林 貴之; 平内 慎一; 澤畠 正之; 寺門 正之; 日向 淳; 和田 健次; 佐藤 福克; 星野 克道; et al.
JAEA-Technology 2014-002, 64 Pages, 2014/03
導波管内を伝搬する大電力ミリ波が誘電体を透過した時の誘電損失を誘電体の温度上昇として測定し、伝送ミリ波の電力密度空間分布と伝送電力を計測できる装置を開発した。本装置は、伝送電力が1MWにも及ぶ核融合研究用の電子サイクロトロン加熱(ECH)装置での使用を念頭に置いているが、広い分野への応用も考えられる。本装置の基本的概念は、真空コルゲート導波管に損失の小さい数ミリメートルの空間ギャップを設けておき、その空間ギャップへ断熱支持した誘電体ディスクを一時的に挿入し、短パルスのミリ波を透過させた後素早く引抜き(約0.2秒)、その温度分布を赤外線カメラで測定することで、ディスクを透過したミリ波の分布を推定するものである。一方、ディスクの収束平衡温度から全透過損失を見積もり、伝送電力の評価も可能である。計測試験では、整合器ミラーの角度のずれによる不要モードの発生を電力密度分布の変化として捉えることに成功した。この成果は、整合器を真空に保ったままミラーの調整を行う他、運転中のECH装置の伝送系での意図しない不要モードの発生を検出可能とするなど、本装置が有効であることを示すものである。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 星野 克道; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 横倉 賢治; 澤畠 正之; 寺門 正之; 日向 淳; et al.
Fusion Engineering and Design, 88(6-8), p.935 - 939, 2013/10
被引用回数:4 パーセンタイル:31.43(Nuclear Science & Technology)JT-60SAの電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)加熱電流駆動装置に用いるアンテナとして、冷却水リークの可能性を極めて小さくできるようにミラーを直線駆動する形式を提案している。駆動機構,ベロー等の主要構成要素の実施可能性については、既にモックアップを製作して確認した。今回、ミラー駆動シャフトの支持機構として固体潤滑剤を使用した金属滑り軸受けを利用する設計を行い、モックアップに組み込んだ。一般的なボールベアリングと比較して、シャフトの回転と直線運動を1つの軸受で実現できる利点がある。真空排気した状態での駆動試験を行って固体潤滑剤が真空性能に与える影響を質量分析によって調べた。一方、JT-60SAの典型的実験シナリオにおけるECRF加熱・電流駆動特性を計算で評価し、アンテナの準光学的な設計について確認した。
小林 貴之; 諫山 明彦; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; 佐藤 福克; 日向 淳; 横倉 賢治; et al.
Fusion Science and Technology, 63(1T), p.160 - 163, 2013/05
被引用回数:7 パーセンタイル:47.83(Nuclear Science & Technology)JT-60SAに向けて、110GHzの電子サイクロトロン波加熱装置(ECRF装置)に、135140GHz帯の第2周波数を加えた2周波数化開発を進めている。特に、2周波数ECRF装置の重要機器である2周波数ジャイロトロンの開発を行った。JT-60SA用の第2周波数は上記周波数帯の中で、ジャイロトロン設計の観点から138GHzとした。110GHzと138GHzの2周波数で、1MW以上の長時間出力が可能なジャイロトロンを実現するため、ジャイロトロンの主要部位であるダイヤモンド窓,空胴共振器,準光学モード変換器の設計を行った。離散的な特性を持つ各機器のパラメータ群の中から最適な条件を見つけ、その条件で設計を行った結果、両方の周波数について、1MW以上の長時間出力が可能な設計結果が得られた。上記設計に基づき、新規ジャイロトロンを製作し、初期的な試験を行った結果、ほぼ期待通りの出力が得られ、設計に大きな問題がないことを確認した。
小林 貴之; 諫山 明彦; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; 佐藤 福克; 日向 淳; 横倉 賢治; et al.
Proceedings of 37th International Conference on Infrared, Millimeter, and Terahertz Waves (IRMMW-THz 2012) (USB Flash Drive), 2 Pages, 2012/09
JT-60SAに向けて新たに2周波数(110GHz及び138GHz)ジャイロトロンの開発を開始した。空胴共振器の設計において、高出力,長時間運転に重要な、1MW以上の出力、30%以上の効率、1.4kW/cm以下のピーク熱負荷が、両周波数について得られた。さらに、発振した導波管モードのミリ波を空間伝送モードへと変換するモード変換器の設計において、両周波数で高い変換効率(110GHzでは96.8%、138GHzでは98.3%)が得られた。この変換効率は、以前に長パルス運転実績のある110GHzジャイロトロンにおける変換効率(96.5%)より高く、高出力,長時間運転に適した設計結果が得られた。上記設計に基づき、新規ジャイロトロンを製作し、調整運転を2012年6月中旬より開始した。これまでのところ、低めのビーム電流(10A)及びビーム電圧(75kV)で、予定通り約200kWの出力を得て、設計に大きな問題がないことを確認した。
諫山 明彦; 小林 貴之; 横倉 賢治; 下野 貢; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 和田 健次; 日向 淳; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 7(Sp.1), p.2405029_1 - 2405029_5, 2012/05
電子サイクロトロン(EC)波は、プラズマの狭い領域を加熱・電流駆動することができることから、電子加熱や電流分布制御のほか不安定性制御にも用いられる。また、プラズマ着火や壁洗浄などにも有用である。JT-60SAにおいては9基のEC波入射装置が装備され上記のすべての目的で使用される。JT-60SAのEC波入射装置はJT-60Uの設備(周波数: 110GHz)を最大限利用して構築されるが、JT-60SAにおいて要求される性能を満足するために開発運転が継続的に行われている。本講演では、最近のEC波入射装置の進展、特にジャイロトロン開発及び加熱・電流駆動特性解析の結果を述べる。JT-60SAにおいて要求される「ジャイロトロン1基あたり出力1MW、出力時間100秒」を目指してジャイロトロンのモード変換器を改良した。開発運転を進めた結果、出力1MWのもとでの出力時間が2009年には17秒、2010年には31秒に伸長した。ジャイロトロン内の各部の温度は許容温度以下で飽和していることからパルス幅の伸長が可能であると考えられる。また、JT-60SAの最大磁場(2.3T)においてプラズマ中心部を加熱・電流駆動することを目的として2周波数ジャイロトロンの開発を2011年に開始した。計算コードによる加熱・電流駆動解析、及び発振モード・出力窓厚の設計計算から、第2周波数を138GHzとした。高磁場を生成する超伝導磁石を含めてジャイロトロンの製作が現在進行中であり、2012年3月に据え付けられる予定である。
小林 貴之; 諫山 明彦; 長谷川 浩一; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 佐藤 文明; 和田 健次; 横倉 賢治; 下野 貢; 澤畠 正之; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.763 - 767, 2011/10
被引用回数:6 パーセンタイル:43.25(Nuclear Science & Technology)JT-60SAの電子サイクロトロン波加熱装置アンテナ開発の進展を報告する。本アンテナにはポロイダル方向,トロイダル方向へのビーム入射角度の大きな自由度を持つ駆動機構が、100秒間のパルス幅を実現するための高い信頼性を持ったミラー冷却機構とともに求められる。現在、直線駆動型アンテナ方式によるランチャー(アンテナ,サポート及び駆動機構)の機械,構造設計を進めている。ポロイダル入射角度を変化させるための長尺ベローズと、トロイダル入射角度を変化させるためのベローズが本アンテナの重要な要素である。駆動部の試験体を製作してその性能を検証した結果、ポロイダル及びトロイダル入射角度として、それぞれ-10度から+45度, -15度から+15度の範囲を駆動できるアンテナが成立することを確認した。この角度はJT-60SAで求められる角度範囲と合致しており、本アンテナの実現に見通しが得られた。また、本アンテナの熱、構造解析の結果についても報告する。
小林 貴之; 諫山 明彦; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 佐藤 文明; et al.
Nuclear Fusion, 51(10), p.103037_1 - 103037_10, 2011/10
被引用回数:19 パーセンタイル:61.36(Physics, Fluids & Plasmas)電子サイクロトロン波加熱装置(ECRF装置)において、運転開始直後の短時間(100ミリ秒程度)にアノード電圧を制御することにより電子のピッチファクターを最適化することで効率を向上させる新手法を開発した。これにより高出力化の課題であったコレクタ熱負荷を低減することが可能となり、世界で初めて1.5MW, 4秒間のジャイロトロン出力を達成した。このときのコレクタ熱負荷は従来より約20%低いことが確認され、今後さらに長パルス化が可能と考えられる。長パルス運転を制限したジャイロトロン内の不要高周波による熱負荷を低減するため、モード変換器を改良したジャイロトロンを製作して、既に調整運転を開始し1MW出力で31秒までパルス幅が伸張した。また、課題であった不要高周波は約1/3に低減できたことが実験的に確認され、近い将来の定常運転に見通しが得られた。これらの成果はJT-60SAに向けたECRF装置の高出力・長パルス化に大きく貢献するものである。
平内 慎一; 鈴木 貞明; 佐藤 文明; 小林 貴之; 長谷川 浩一; 横倉 賢治; 森山 伸一
JAEA-Technology 2010-031, 24 Pages, 2010/09
JT-60U電子サイクロトロン加熱(ECH)装置は、周波数110GHzの高周波によりJT-60Uプラズマに対し局所加熱/電流駆動を行い、閉じ込め性能を向上させるものである。ECH装置は、大電力の高周波を発生する大電力発振系、発生した高周波を伝送する伝送系及びプラズマに入射するアンテナ等から構成される。ECH装置の長パルス入射運転には、伝送系機器での高周波放電を抑制して高周波を効率よく伝送させることが重要な課題である。本報告では、実際の長パルス入射試験(0.5MW, 30秒)における、伝送系機器の放出ガスの増加,温度上昇,エージング過程で発生した真空窓での放電等の問題点と、それを解決するために行った真空排気系の改良,冷却系の整備,アーク検出装置の整備等の放電防止対策及び、新ダミーロードの導入について記載する。
小林 貴之; 諫山 明彦; Fasel, D.*; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; et al.
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.363 - 368, 2010/08
JT-60 ECRF装置のパルス幅(5秒)を伸ばすための改良がJT-60SA(100秒)へ向けて必要である。欧州により電源が新規に設計,製作及び設置される。また、新たに設計したモード変換器を備えた改良型ジャイロトロンの調整運転を開始した。本モード変換器によって、ジャイロトロン内での回折損失による内部機器への熱入力が低減され、1MWの長パルス発振が期待できる。JT-60Uで実証されたヒータ電流やアノード電圧をプレプログラム/フィードバック制御する手法が、発振中のカソード冷却によるビーム電流の減少対策として重要と考えられる。伝送系については、真空排気した伝送路により1系統あたり1MWの伝送が可能である。一方、結合系については真空容器内機器のメンテナンスが困難であることから、真空容器内での冷却水リークや駆動機構のトラブルのリスクを低減するために直線駆動アンテナ手法が提案され、詳細な設計及び低電力試験を開始した。
小林 貴之; 寺門 正之; 佐藤 文明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 五十嵐 浩一; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 4, p.037_1 - 037_10, 2009/08
電子サイクロトロン加熱電流駆動は高効率電子加熱と、新古典ティアリングモード(NTM)抑制において重要な核融合プラズマ制御手法である。近年、JT-60Uの電子サイクロトロン波加熱電流駆動装置において、高出力ジャイロトロン開発と出力変調技術開発に成功した。1.5MW, 1秒間の安定な発振が2007年に初めて実証された。空胴及びコレクターの温度上昇の評価を行い、1.5MWでのパルス幅伸張が、110GHzジャイロトロン改造管により可能である見通しを得た。加えて、NTMに同期した0.8MW, 5kHzの出力変調ECCDを実施した。NTM同期装置が期待どおりに動作し、JT-60UでのNTM抑制実験において重要な役割を果たした。これらの開発結果により、近い将来の電子サイクロトロン波加熱電流駆動装置において、性能を向上させるための開発に重要な知見が得られた。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 寺門 正之; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 平内 慎一; et al.
Nuclear Fusion, 49(8), p.085001_1 - 085001_7, 2009/07
被引用回数:21 パーセンタイル:60.87(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60U電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)装置のジャイロトロンにおいて、1.5MW, 1秒間(110GHz)の出力が得られた。これは1秒以上のパルス幅では世界最高値である。熱応力の観点で注意深く設計された共振器,ミラー駆動ベローズのRFシールド,誘電損失の小さいセラミックを用いたDCブレークがこの出力を可能にした。一方、5kHzという高い周波数でパワー変調を行うことに成功しJT-60Uの新古典テアリングモード(NTM)抑制実験の成果につながった。ジャイロトロンのカソードヒーターパワーとアノード電流の実時間制御によって0.4MW, 30秒の長パルス入射をデモンストレーションし、伝送系部品の温度上昇を測定するとともにその健全性を確認し、さらなる長パルス入射の見通しを得た。また、4本のジャイロトロンを同時に発振させ2.9MW, 5秒の高パワー入射を行って、高いシステム総合性能を示すことができた。信頼性の高い長パルス対応水冷式アンテナとして、革新的な直線駆動ミラーを用いる方式を設計した。ビームプロファイルと機械強度を評価する計算を行って実現可能性を確証した。
横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 寺門 正之; 平内 慎一; 五十嵐 浩一; 佐藤 文明; 和田 健次; et al.
JAEA-Technology 2008-065, 98 Pages, 2008/10
本報告は、大型トカマク実験装置JT-60Uの次期装置として計画されているJT-60SAの建設に先立って必要な、JT-60高周波加熱装置大電力増幅設備及び電源設備等の解体について検討した結果をまとめたものである。RF増幅室I,RF増幅室II,RF増幅室III,加熱電源棟,トランスヤード,一次冷却棟,加熱ポンプ室,ドライエリアを含むJT-60実験棟地下設備,JT-60実験棟屋上に至る広い範囲での設備解体について検討を行い、その(1)対象機器,(2)作業内容と内訳,(3)物量の推定,(4)解体の手順方法と留意事項についてまとめた。
森山 伸一; 小林 貴之; 諫山 明彦; 寺門 正之; 澤畠 正之; 鈴木 貞明; 横倉 賢治; 下野 貢; 長谷川 浩一; 平内 慎一; et al.
Proceedings of 22nd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/10
JT-60Uの電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)加熱電流駆動装置のジャイロトロン開発において、1.5MW,1秒間(110GHz)の出力を得ることに成功した。これは1秒以上のパルス幅では世界最高値である。熱応力の観点で注意深く設計された共振器,ミラー駆動ベローズのRFシールド,誘電損失の小さいセラミックを用いたDCブレークがこの出力を可能にした。一方、5kHzという高い周波数でパワー変調を行うことに成功しJT-60Uの新古典テアリングモード(NTM)抑制実験の成果につながった。ジャイロトロンのカソードヒーターパワーとアノード電圧の実時間制御によって0.4MW,30秒の長パルス入射をデモンストレーションし、伝送系部品の温度上昇を測定するとともにその健全性を確認し、さらなる長パルス入射の見通しを得た。また、4本のジャイロトロンを同時に発振させ2.9MW,5秒の高パワー入射を行って、高いシステム総合性能を示すことができた。信頼性の高い長パルス対応水冷式アンテナとして、革新的な直線駆動ミラーを用いる方式を設計した。ビームプロファイルと機械強度を評価する計算を行って実現可能性を確証した。
鈴木 貞明; 関 正美; 篠崎 信一; 佐藤 文明; 平内 慎一; 石井 和宏*; 長谷川 浩一; 森山 伸一
JAEA-Technology 2007-055, 27 Pages, 2007/09
JT-60U高周波加熱装置の一つである低域混成波(LHRF)加熱装置では、過大なプラズマからの熱負荷によるダメージを避けるために、アンテナ先端部に炭素製グリルを取り付けた新たな取り組みでプラズマ実験が行われている。しかし、プラズマ実験後の観察では、一部に放電痕が見つかったために、アーク検出器及び可視画像検出の高性能化による保護インターロックの強化に取り組んだ。アーク検出器では、光検出の応答速度及び分解能を高めるために増幅回路の改良を行った。また、可視画像検出では、PC画像処理を導入しプラズマによる発光と放電光を区別してon-off制御する機能を新たに追加した。本報告書は、LHRF加熱装置における保護インターロックシステムの改良についてまとめたものである。
横倉 賢治; 森山 伸一; 長谷川 浩一; 鈴木 貞明; 平内 慎一; 石井 和宏*; 佐藤 文明
JAEA-Technology 2007-045, 22 Pages, 2007/07
大電力用ミリ波電力測定装置は、主伝送路の導波管内を伝搬する高周波を直接誘電体に透過させ、誘電体で損失する高周波エネルギーから透過電力を算出する新しい発想の高周波計器であり、高次モードや偏波の変化に計測値が鈍感な特徴を持つ。また、検出素子を適切に選択することで、kWMW級の広範囲の電力測定に柔軟に対応することができる。本報告では、大電力ミリ波による高周波損失が極めて小さい材料を検出素子として選択し、その発熱特性と耐電力性能を評価した結果について記述する。これらの検討結果をもとに、JT-60U, JT-60SA電子サイクロトロン加熱装置への実用化に向けたプロトタイプ電力測定装置の設計と製作を実施したので報告する。
石井 和宏; 関 正美; 篠崎 信一; 長谷川 浩一; 平内 慎一; 鈴木 貞明; 佐藤 文明; 森山 伸一; 横倉 賢治
JAEA-Technology 2007-036, 30 Pages, 2007/07
JT-60UのLHアンテナは、効率的に高周波(RF)をプラズマへ入力するために、プラズマと近い位置に設置され、常にプラズマと相互作用している。そのため、ステンレス鋼製のLHアンテナ先端の開口部は、プラズマからの過大な熱負荷による損傷やRF放電による損傷が発生し、問題となっていた。その対策としてLHアンテナ先端部に耐熱性に優れた炭素製グリルを取付けることにより、先端部の損傷を軽減できる耐熱化LHアンテナを開発し、プラズマへのパワー入射実験を世界で初めて行った。炭素製グリルからの放出ガスによるRF放電が懸念されたので、初期のRFコンディショニングは慎重に行い、十分な脱ガスを実施した。その結果、RF電力として16MJの入射エネルギーの達成に成功した。また、電流駆動用LHアンテナとして要求される、十分に高いプラズマ電流駆動性能(約1.610A/W/m)を持つことを実証した。
関 正美; 森山 伸一; 篠崎 信一; 長谷川 浩一; 平内 慎一; 横倉 賢治; 下野 貢; 寺門 正之; 藤井 常幸
Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.273 - 277, 2005/11
被引用回数:3 パーセンタイル:23.95(Nuclear Science & Technology)LHアンテナはJT-60Uでの電流駆動実験等に対して貢献してきたが、LHアンテナ開口部は熱負荷でダメージを受け、入射パワーは年々低下してきた。入射パワーを回復するために、世界的にも初めての試みとなるLHアンテナ開口部に炭素製グリルを取付ける改造をした。炭素材は高耐熱性を持ち、かつプラズマの閉じ込め性能劣化させない低Z材である。炭素製グリルは、ベースフレームと高周波接触子それに炭素製先端部から成る。ベースフレームは既設のLHアンテナ開口部へ溶接され、高周波接触子はベースフレームと炭素製先端部の間の電気接触を改善する。先端部はグラファイトあるいは炭素繊維材から作られ、交換可能とするためボルトでベースフレームに取付けられるように工夫した。また実験実施後にグラファイトと炭素繊維材からできた先端部の性能を比較することができる。取付け工事の後、コンディショニングが順調に進捗し、プラズマの位置を制御することで良好な結合特性を実現し、高周波エネルギー最大約5MJのプラズマへの入射を達成した。さらに予想通りプラズマ電流を駆動していることを観測し、炭素製グリル付きLHアンテナの基本性能を確認した。