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Ahmed, A.*; Uttarasak, K.*; 土屋 大樹*; Lee, S.*; 西村 克彦*; 布村 紀男*; 清水 一行*; 平山 恭介*; 戸田 裕之*; 山口 正剛; et al.
Journal of Alloys and Compounds, 988, p.174234_1 - 174234_9, 2024/06
被引用回数:3 パーセンタイル:87.51(Chemistry, Physical)本研究は、Al-Mg-Si合金における相の成長過程を形態進化の観点から明らかにすることを目的とする。本研究では、高分解能透過電子顕微鏡(HR-TEM)、集束イオンビーム(FIB)及び光学顕微鏡(OM)を用いて、相の配向関係、形状、成長過程、ミスフィット値、及び相とAlマトリックスとの界面状態を調べた。その結果、相の端にファセットが確認され、相の新しい3次元形状が2つ提案された。我々は、MgSi結晶の成長過程における形態変化を説明するためにミスフィットを計算し、不安定な{111}ファセットが(001)ファセットや(011)ファセットと比較して高いミスフィット値を持つことを解明した。これは、Al-Mg-Si合金の微細構造変化を予測し、所望の特性を持つ材料を設計するために重要な知見である。
藤原 比呂*; 戸田 裕之*; 海老原 健一; 小林 正和*; 眞山 剛*; 平山 恭介*; 清水 一行*; 竹内 晃久*; 上椙 真之*
International Journal of Plasticity, 174, p.103897_1 - 103897_22, 2024/03
被引用回数:4 パーセンタイル:94.16(Engineering, Mechanical)高強度化したアルミ合金において水素脆化は、理解し解決すべき問題である。アルミ合金において、水素が析出物界面に蓄積し脆化の原因となっていると考えられている。しかし、き裂付近の水素分布と応力場の局所的な相互作用について、空間的な複雑さを考慮した定量的な知見は明らかでない。本研究では、結晶塑性有限要素法と水素拡散解析を組み合わせたマルチモーダル3次元画像ベースシミュレーションを用い、実際のき裂近傍の応力分布と、それが水素分布に及ぼす影響およびき裂発生確率に及ぼす影響を捉えることを試みた。その結果、粒界き裂は、その先端近傍の水素蓄積により、MgZn析出物の半整合界面の凝集エネルギーが低下した領域で擬へき開き裂に遷移することが分かった。この結果は、本シミュレーション手法がナノスケールの剥離とマクロスケールの脆性破壊の橋渡しに成功したことを示すものと考える。
Tang, J.*; Wang, Y.*; 藤原 比呂*; 清水 一行*; 平山 恭介*; 海老原 健一; 竹内 晃久*; 上椙 真之*; 戸田 裕之*
Scripta Materialia, 239, p.115804_1 - 115804_5, 2024/01
被引用回数:5 パーセンタイル:22.95(Nanoscience & Nanotechnology)Al-Zn-Mg-Cu合金の外部および内部水素(H)の組合せによって誘起される応力腐食割れ(SCC)の挙動をその場3次元評価技術を使い系統的に調べた。Al-Zn-Mg-Cu合金のSCCは水素濃度が臨界値を超える潜在的なクラック発生領域で発生・進展し、Hがナノスケール-MgZn析出物界面での原子結合を弱め巨視的な割れを引き起こしていることが分かった。さらに、水環境からき裂へ浸透した外部Hが、き裂先端近傍に勾配を持つH影響ゾーンを作ることでSCCにおいて重要な役割を果たすことや、あらかじめ存在する内部Hが、塑性変形に伴いき裂先端に向かうことでSCCにおけるき裂の発生と進展の両方に関与することも分かった。
戸田 裕之*; 都留 智仁; 山口 正剛; 松田 健二*; 清水 一行*; 平山 恭介*
化学, 75(10), p.48 - 53, 2020/10
アルミニウム合金の水素脆化に関して、原子分解能をもつ電子顕微鏡観察による原子配列の情報を得ることで、材料中の原子レベルの欠陥と水素の相互作用を解析できる精密な原子モデルを構築した。これを用い、電子状態計算に基づくシミュレーションによって欠陥構造における水素の振る舞いや、水素がもたらす破壊プロセスを明らかにすることを目指した。一方、大型シンクロトロン放射光施設を用いたアルミニウムの破壊挙動の3D連続観察、およびその画像解析技術を駆使し、水素によって誘発される破壊挙動の特徴を捉えるとともに、水素脆化制御に至る学術アプローチを構築する試みも併せて行った。
戸田 裕之*; 山口 正剛; 松田 健二*; 清水 一行*; 平山 恭介*; Su, H.*; 藤原 比呂*; 海老原 健一; 板倉 充洋; 都留 智仁; et al.
鉄と鋼, 105(2), p.240 - 253, 2019/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Metallurgy & Metallurgical Engineering)本レビューでは、高強度アルミニウム合金の水素脆化に関する研究活動、特に様々なトラップサイトでの水素トラップとそれによる水素脆化への影響に焦点を当てて報告する。高亜鉛濃度Al-Zn-Mg合金において、高分解能TEM法による析出物のナノ構造及び界面構造の分析や、高分解能X線マイクロトモグラフィー技術による詳細な破壊マイクロメカニズムとマイクロ構造-破壊特性関係の調査がなされ、さらに、ごく最近実現された超高分解能X線顕微鏡により特徴的な局部的変形、亀裂の発生・成長が観察されている。また、第一原理シミュレーションによる数々の水素トラップサイトのトラップエネルギー導出を元に、変形・破壊中の水素再分配が解析された。水素の再分配と3つの異なるミクロ機構による水素脆化との間の関係を論じ、水素脆化が起こるための現実的な条件を説明する。
清水 一行*; 戸田 裕之*; 藤原 比呂*; 平山 恭介*; 山口 正剛
no journal, ,
Al-Zn-Mg合金の水素脆化の起源として、水素による相界面はく離を提唱してきた。Al-Zn-Mg合金の水素脆化を防止するためには、界面の水素を低減することが極めて重要である。本研究では、水素脆化防止の新たな戦略として、合金の主な析出相を相からT相に切り替えることを目指している。T相は強い内部水素トラップサイトを持ち、相は内部水素トラップサイトを持たないことが示唆されている。第一原理計算によりT相の内部水素トラップを明らかにするとともに、T相による水素脆化防止効果を実証した。