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論文

Lanthanide and actinide ion complexes containing organic ligands investigated by surface-enhanced infrared absorption spectroscopy

平田 早紀子*; 日下 良二; 明地 省吾*; 為国 誠太*; 奥寺 洸介*; 浜田 昇賢*; 坂本 知優*; 本田 匠*; 松下 高輔*; 村松 悟*; et al.

Inorganic Chemistry, 62(1), p.474 - 486, 2023/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

A new technique, surface-enhanced infrared absorption (SEIRA) spectroscopy, was used for the structural investigation of lanthanide (Ln) and actinide (An) complexes containing organic ligands. We synthesized thiol derivatives of organic ligands with coordination sites similar to those of diglycolamide (DGA), Cyanex-272, and $$N,N,N',N'$$-tetrakis(2-pyridinylmethyl)-1,2-ethanediamine (TPEN), which have been used for separating Ln and An through solvent extraction. These ligands were attached on a gold surface deposited on an Si prism through S-Au covalent bonds; the gold surface enhanced the IR absorption intensity of the ligands. Aqueous solutions of Ln (Eu$$^{3+}$$, Gd$$^{3+}$$, Tb$$^{3+}$$) and An (Am$$^{3+}$$) ions were loaded onto the gold surface to form ion complexes. The IR spectra of the ion complexes were obtained using FT-IR spectroscopy in the attenuated total reflection mode. In this study, we developed a new sample preparation method for SEIRA spectroscopy that enabled us to obtain the IR spectra of the complexes with a small amount of ion solution (5 $$mu$$L). This is a significant advantage for the IR measurement of radiotoxic Am$$^{3+}$$ complexes. In the IR spectra of DGA, the band attributed to C=O stretching vibrations at $$sim$$1630 cm$$^{-1}$$ shifted to a lower wavenumber by $$sim$$20 cm$$^{-1}$$ upon complexation with Ln and An ions. Moreover, the amount of the red-shift was inversely proportional to the extraction equilibrium constant reported in previous studies on solvent extraction. The coordination ability of DGA toward Ln and An ions could be assessed using the band position of the C=O band. The Cyanex-272- and TPEN-like ligands synthesized in this report also showed noticeable SEIRA signals for Ln and An complexes. This study indicates that SEIRA spectroscopy can be used for the structural investigation of ion complexes and provides a microscopic understanding of selective extraction of Ln and An.

論文

Speciation on the reaction of uranium and zirconium oxides treated under oxidizing and reducing atmospheres

上原 章寛*; 秋山 大輔*; 池田 篤史; 沼子 千弥*; 寺田 靖子*; 新田 清文*; 伊奈 稔哲*; 武田 志乃*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*

Journal of Nuclear Materials, 559, p.153422_1 - 153422_11, 2022/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:56.43(Materials Science, Multidisciplinary)

The reaction products were analysed by a combination of powder X-ray diffraction (PXRD) and X-ray absorption spectroscopic measurements of the U L$$_{rm III}$$- and Zr K-edges. Under an oxidizing atmosphere, the formation of U$$_{3}$$O$$_{8}$$ and U$$_{2}$$Zr$$_{5}$$O$$_{15}$$ was observed in equilibrium with UO$$_{2}$$, monoclinic-ZrO$$_{2}$$, and tetragonal-ZrO$$_{2}$$. However, when O$$_{2}$$ gas was purged through the reaction tube during the cooling process to room temperature, pentavalent U in ZrU$$_{2}$$O$$_{7}$$ was produced by the oxidation of solid solution UO$$_{2}$$ formed at $$>$$ 1774 K during the temperature dropped at $$<$$ 1473 K. Under the inert atmosphere, mixed oxides of uranium were found to form at $$>$$ 1673 K due to a low concentration of O$$_{2}$$ impurity with the Ar gas. This study can pave the way for understanding the interaction between the nuclear fuels and the cladding materials in damaged reactors enabling further simulation of possible decontamination procedures.

論文

Implementation of a low-activation Au-In-Cd decoupler into the J-PARC 1 MW short pulsed spallation neutron source

勅使河原 誠; 池田 裕二郎; 大井 元貴; 原田 正英; 高田 弘; 柿白 賢紀*; 野口 学*; 島田 翼*; 清板 恭一*; 村島 大亮*; et al.

Nuclear Materials and Energy (Internet), 14, p.14 - 21, 2018/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

J-PARCの1MWパルス中性子源では、中性子パルスの成形に用いるデカップラとして、異なる共鳴吸収材から構成し、1eVと高い中性子吸収エネルギーを有するAg-In-Cd合金を開発した。このデカップラによりパルス成形された中性子は、粉末解析の実験装置において最高分解能を更新したが、中性子照射によって生成される長半減期の108mAgの放射能が高いため使用済み機器の取扱においては短所であった。そこで、放射能を大幅に減らす代替材としてAuを使用したAu-In-Cd材の開発を行ってきた。しかしながら、実機のモデレータ・反射体に実用化する上で、大型のAu-In-Cd板と構造材のA5083材とをHIP接合し十分な接合強度を得ることが課題であった。本研究では、Au-In-Cd材の表面状態、大型化した熱容量の変化による接合部界面温度に関わる検討を行い、実規模大のHIP接合において、最適接合条件を見つけることができた。この結果、反射体へのAu-In-Cd材の実用化に成功し、中性子性能を損なわず、大幅な放射能低減の見通しを得た。

論文

TRAIL-R2 superoligomerization induced by human monoclonal agonistic antibody KMTR2

玉田 太郎; 新見 大輔*; 池田 昌弘*; 米澤 悌*; 片岡 之郎*; 黒木 良太; 森 英治*; 元木 一宏*

Scientific Reports (Internet), 5, p.17936_1 - 17936_12, 2015/12

 被引用回数:22 パーセンタイル:63.8(Multidisciplinary Sciences)

完全ヒトモノクローナル抗体KMTR2は、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド受容体2(TRAIL-R2)に対して強いアゴニスト単体活性(架橋剤無しでアポトーシス細胞死を誘導)を示す。KMTR2によるアゴニスト単体活性発現メカニズムを明らかにすることを目的として、TRAIL-R2の細胞外領域とKMTR2のFabフラグメント(KMTR2-Fab)の複合体結晶構造を2.1${AA}$分解能で決定した。結晶中において、KMTR2-Fab2分子は結晶学的2回対称に基づき軽鎖のCDR2領域間で会合していたが、この会合がTRAIL-R2重合を促進していると着想した。この着想を実証するために、CDR2間に存在するAsn53をArgに置換した変異体を作製し、種々の機能解析を実施した。その結果、Arg変異体は抗原結合能を保持したまま、アポトーシス誘導活性を失うことが判明した。よって、着想したとおり、結晶学的2回対称に基づくKMTR2の二量体化が核となることでTRAIL-R2の超重合状態が惹起され、腫瘍細胞の細胞死を誘導するアゴニスト活性を発現していることを明らかにした。

論文

Exchange bias in multiferroic $$R$$Fe$$_{2}$$O$$_{4}$$ ($$R$$=Y, Er, Tm, Yb, Lu and In)

吉井 賢資; 池田 直*; 西畑 保雄; 真栄田 大介*; 福山 諒太*; 永田 知子*; 狩野 旬*; 神戸 高志*; 堀部 陽一*; 森 茂生*

Journal of the Physical Society of Japan, 81(3), p.033704_1 - 033704_4, 2012/03

 被引用回数:10 パーセンタイル:55.5(Physics, Multidisciplinary)

磁性と誘電性が共存するマルチフェロイック$$R$$Fe$$_{2}$$O$$_{4}$$($$R$$=Y, Er, Tm, Yb, Lu and In)の交換バイアスを観測した。小さい$$R$$$$^{3+}$$イオンの場合($$R$$=Tm, Yb, Lu and In)、100-150K以下で交換バイアス磁場は1kOe以上の大きな値を示した。この性質は、強磁性的相互作用と反強磁性相互作用の競合に由来する磁気的グラス状態により発現する。交換バイアス磁場は、$$R$$$$^{3+}$$イオンを小さくすると大きくなる傾向を示した。すなわち、$$R$$サイト元素を置換することにより交換バイアスを制御できる可能性が示され、応用的にも興味深い結果が得られた。

論文

Multiferroic character and magnetic phase of LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$

大石 大輔*; 早川 弘毅*; 赤浜 裕士*; 池田 直*; 神戸 高志*; 松尾 祥史*; 君塚 昇*; 狩野 旬*; 吉井 賢資

Ferroelectrics, 415(1), p.51 - 56, 2011/10

 被引用回数:5 パーセンタイル:25.44(Materials Science, Multidisciplinary)

電子強誘電体LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の酸素欠損が少ない単結晶に対し、外部磁場下での交流誘電率測定を行った。150K-300Kの範囲において、磁場印加により1パーセントほど誘電率が変化することが観測された。これは磁性と誘電性の結合を示す結果であり、応用的にも興味深い。磁場をスイープさせたところ、誘電率変化は磁化の磁場微分が最大となる磁場の付近で最も大きくなった。これは、誘電ドメインが磁気ドメインの動きに影響されることを意味する。この結果は、磁場による鉄スピンの再配列が鉄イオン間の電子移動に影響したため誘電性が変化したことによると考察した。

論文

Azimuthal correlations of electrons from heavy-flavor decay with hadrons in $$p+p$$ and Au+Au collisions at $$sqrt{s_{NN}}$$ = 200 GeV

Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.

Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04

 被引用回数:7 パーセンタイル:49.81(Physics, Nuclear)

重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。

論文

Estimation of digital single event transient pulse-widths in logic cells from high-energy heavy-ion-induced transient current in a single MOSFET

牧野 高紘; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; 小林 大輔*; 池田 博一*; 廣瀬 和之*

Proceedings of 9th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-9), p.169 - 172, 2010/10

これまで、われわれは、ソフトエラーの一因となるLSI内で発生する放射線誘起ノイズパルスの時間幅の測定を行ってきた。この測定には、LSI内にノイズパルス時間幅測定用の特殊な回路を組み込む必要があった。今回われわれは、LSIを構成する最小単位であるトランジスタ一個に注目し、その単体トランジスタのイオン入射過渡応答を測定した。そして、その過渡応答とLSIを構成する他のトランジスタとの相互作用を考慮することでLSIで発生するパルス幅の導出に成功した。今回の実証によって、ノイズパルスの幅を測定する特殊な回路をLSIへ組み込むことなく、従来の手法に比べて高速かつ簡単にノイズパルス幅を推定することが可能となった。また、従来の組み込み回路での測定は、測定の時間分解能が回路の時定数(70ps)で決まっていたのに対し、本手法では、測定の時間分解能がオシロスコープの時間分解能(20ps)で決まるため、大幅に推定精度が向上した。

論文

Magneto-electric effect in charge-ordered LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$

神戸 高志*; 小松 拓磨*; 道内 尊正*; 早川 弘毅*; 大石 大輔*; 花咲 徳亮*; 吉井 賢資; 池田 直*

Journal of Physics; Conference Series, 200, p.012077_1 - 012077_4, 2010/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:80.52

電荷秩序を起源として強誘電体となる鉄酸化物LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$について、外部磁場下において誘電率測定を行い、電気磁気効果を観測した。330K以下の三次元鉄電荷秩序を持つ強誘電相において、本系の誘電応答は外部磁場に強く依存して変化することがわかった。外部磁場依存性は、磁気転移温度(240K)近傍において増強されることも見いだした。これは誘電性と磁性の相関が存在することを強く示唆する。また、本測定から観測された、磁気転移温度以上の電気磁気効果と、試料の酸素量などについての関係も報告し、観測された電気磁気効果の起源などについて議論する。

論文

LET dependence of single event transient pulse-widths in SOI logic cell

牧野 高紘*; 小林 大輔*; 廣瀬 和之*; 柳川 善光*; 齋藤 宏文*; 池田 博一*; 高橋 大輔*; 石井 茂*; 草野 将樹*; 小野田 忍; et al.

IEEE Transactions on Nuclear Science, 56(1), p.202 - 207, 2009/02

 被引用回数:35 パーセンタイル:90.72(Engineering, Electrical & Electronic)

SET(Single Event Transient)パルス幅と線エネルギー付与(LET)との関係を求めるために、高い放射線耐性を持つSOI(Silicon on Insulator)基板上に試作したテストチップを用いてSETパルス幅のLET依存性を評価した。Kr322MeVとXe454MeVのイオンをテストチップに垂直又は45度で照射した。その結果、垂直入射の場合、LETの増加に対してSETパルス幅が直線的に増加し、45度の場合、LETの増加に対してSETパルス幅が飽和傾向を示すことがわかった。この飽和傾向を示す主な要因を調べるために3次元デバイスシミュレーター(TCAD)による解析を行った。その結果、重イオンによって誘起する過剰キャリアの再結合が飽和傾向を説明する一つの要因であることがわかった。

論文

Stoichiometric study of the dielectric and magnetic properties in charge frustrated system LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$

道内 尊正*; 横田 祐輔*; 小松 拓磨*; 早川 弘毅*; 黒田 朋子*; 真栄田 大介*; 松尾 祥史*; 森 茂生*; 吉井 賢資; 花咲 徳亮*; et al.

Ferroelectrics, 378(1), p.175 - 180, 2009/00

 被引用回数:18 パーセンタイル:59.71(Materials Science, Multidisciplinary)

鉄イオンの電荷秩序により強誘電体となる標記物質LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$につき、合成条件を変えることにより酸素量を変えた試料に対する磁性と誘電性について報告する。試料作成はCO-CO$$_{2}$$混合ガスフロー中で行い、CO$$_{2}$$とCOの比を変えることで酸素量を変えた。CO$$_{2}$$:COのフロー比が1:5付近において、磁気転移温度が最高の240$$sim$$250K近傍となったことから、この試料が最良のものと判断される。本試料の誘電率は、室温で10000近傍であった。誘電率の虚数部分から求めた活性化エネルギー0.4$$sim$$0.5eV程度であり、これまでLuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$において報告されていた0.3eVよりも大きい傾向が見られた。今後さらに測定を行い、物性の詳細のわかっていないLuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の性質とその起源を明らかにする予定である。

論文

Magnetic and dielectric properties of HoFe$$_{2}$$O$$_{4}$$ and R$$_{1-x}$$R'$$_{x}$$Fe$$_{2}$$O$$_{4}$$ (R, R': rare earths)

吉井 賢資; 米田 安宏; 真栄田 大介*; 横田 祐輔*; 道内 尊正*; 小松 拓磨*; 池田 直*; 松尾 祥史*; 森 茂生*

Japanese Journal of Applied Physics, 47(9), p.7599 - 7602, 2008/09

 被引用回数:8 パーセンタイル:33.35(Physics, Applied)

新規強誘電体RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$(R=Y,Ho-Lu)の性質を明らかにするため、標記酸化物の物性を調べた。RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$のうち、物性の報告例のないHoFe$$_{2}$$O$$_{4}$$を合成し、磁性と誘電性を調べた。誘電率は室温で1000程度であり、ほかのRFe$$_{2}$$O$$_{4}$$と類似であるが、誘電応答における系の乱れと磁気転移温度は明瞭な違いが見られた。この違いは、酸素量の違いに由来すると推測される。また、希土類サイトの置換を行い、物性を調べた。最もイオン半径の異なるYとLuの間で混晶が作成でき、その物性が非混晶系と類似であることから、R=Y,Ho-Luの間で混晶が作成でき、物性も非混晶系と本質的に同じと推測された。さらに、LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$のLuの一部を、希土類の中で最も小さいScに置換した。X線回折からは、20%ほどのSc置換が上限であることがわかった。誘電性はLuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$と類似であったが、磁気転移温度はSc置換により、250Kから200Kへと大幅に下がった。このことは、希土類サイトの置換により、物性コントロールが可能なことを示唆する。

論文

宇宙用論理LSIで発生する放射線誘起スパイクノイズの研究

牧野 高紘*; 柳川 善光*; 小林 大輔*; 福田 盛介*; 廣瀬 和之*; 池田 博一*; 齋藤 宏文*; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; et al.

信学技報, 108(100), p.67 - 72, 2008/06

放射線によって生じる論理LSI(Large Scale Integrated Circuit)でのソフトエラーは、FF(Flip Flop)やラッチ回路に粒子が当たって発生するだけでなく、組合せ論理回路に当たって発生するスパイクノイズによっても発生する。この放射線誘起スパイクノイズを測定するために、インバータ24段の論理セルチェインと拡張バッファー及び自己トリガFFチェインから構成されるスナップショット回路を作製した。実験はKr 322MeVとXe 454MeVのイオンをテストチップに対して垂直と45度で入射させ、線エネルギー付与LET40$$sim$$92(MeV/cm$$^{2}$$/mg)の範囲でSET(Single Event Transient)パルス幅を測定した。その結果、インバータ24段を接続したチェインについて、0度(垂直)照射では取得SETパルスの総数が、LETの増加に対して増加を示し、45度照射では、取得SETパルスの総数はLETの増加にかかわらず一定であった。また取得したSETパルス幅分布の最頻値と半値幅をLETの関数で示した結果、SETパルス幅はLETの増加に対して飽和傾向を示すことが見いだされた。さらにSETパルス幅の上限が約1nsであることから、SETパルスを除去するために必要なフィルタ回路の時定数は最大1nsとすれば良いということもわかった。

論文

Locomotion-learning behavior relationship in ${it Caenorhabditis elegans}$ following $$gamma$$-ray irradiation

坂下 哲哉; 浜田 信行*; 池田 大祐*; 鈴木 芳代; 簗瀬 澄乃*; 石井 直明*; 小林 泰彦

Journal of Radiation Research, 49(3), p.285 - 291, 2008/05

 被引用回数:11 パーセンタイル:39.8(Biology)

現在、神経系の複数の機能とその関係に対する放射線の影響は、ほとんどわかっていない。そこで、本研究では、線虫の首振り運動と化学走性学習との関係に対する放射線の影響を調べた。その結果、放射線照射による首振り運動の抑制が、放射線照射後の化学走性学習の抑制と非常に相関が高いことが明らかになった。しかし、特別な条件のもとでの照射実験から、放射線照射による首振り運動の低下が、直接、化学走性を変化させる要因ではないことも明らかとなった。さらに、化学走性学習のための条件付け(餌なし+食塩あり)時に放射線を照射した場合には、首振り運動と学習時の化学走性との間に高い相関が観られ、線量依存的に両者の相関が弱くなることが明らかとなった。以上の結果から、放射線は首振り運動と化学走性学習の両者に同時に影響を与えるわけではなく、餌がなく食塩がある条件の提示により生まれる両者の関係に放射線が影響を与えることが示唆された。

論文

Modulatory effect of ionizing radiation on food-NaCl associative learning; The Role of $$gamma$$ subunit of G protein in ${it Caenorhabditis elegans}$

坂下 哲哉; 浜田 信行*; 池田 大祐*; 簗瀬 澄乃*; 鈴木 芳代; 石井 直明*; 小林 泰彦

FASEB Journal, 22(3), p.713 - 720, 2008/03

 被引用回数:11 パーセンタイル:37.62(Biochemistry & Molecular Biology)

神経系のモデル生物として知られる線虫(${it C. elegans}$)を用いて、food-NaCl連合学習に対する$$gamma$$線照射の影響を調べた。その結果、連合学習の能力は、比較的高線量(約550Gy)の放射線を照射しても有意な影響を受けないが、条件付けの最中に放射線を照射した場合には、照射直後の化学走性が有意に付加的に低下することを発見した。また、条件付け時(4hr.)に低線量率(0.4Gy/min)にて線虫を曝露し続けると、化学走性が負の値、すなわちNaClを忌避する応答を示した。さらに、これらの放射線照射に対する応答が、${it gpc-1}$変異体において有意に抑制されることを見いだした。これらの結果は、線虫の化学走性学習に対する放射線照射の影響が、特定の感覚神経に局在するGPC-1を介して修飾的に働く可能性を示唆する。さらに、food-NaCl連合学習の条件付けを行っている線虫に$$gamma$$線を照射し、benzaldehyde, cAMPとlysineに対する化学走性を調べた結果、cAMPのみ有意な影響が観察された。以上の結果は、放射線が神経系に対して特異的に作用することを示唆する。

論文

Effects of $$gamma$$-ray irradiation on olfactory adaptation to benzaldehyde in ${it Caenorhabditis elegans}$

坂下 哲哉; 浜田 信行*; 鈴木 芳代; 池田 大祐*; 簗瀬 澄乃*; 石井 直明*; 小林 泰彦

宇宙生物科学, 21(4), p.117 - 120, 2007/12

神経系のモデル生物として知られる線虫(${it C. elegans}$)のベンズアルデヒド嗅覚順応(ベンズアルデヒドに曝露された線虫がベンズアルデヒドに対する化学走性を低下させる学習)に対する$$gamma$$線照射の影響を調べた。興味深いことに、ベンズアルデヒド嗅覚順応のための条件付けの際に放射線を照射しても、NaClの化学走性学習で観られたような照射直後の化学走性の低下が観察されなかった。また、照射1時間後において、ベンズアルデヒド嗅覚順応の進行が最大線量の照射によって抑制されることがわかった。これらの結果は、ベンズアルデヒド嗅覚順応に対する放射線照射の影響が、NaCl化学走性学習に対する影響と、現象あるいは機構において異なることを示唆する。

論文

線虫の連合学習に対する放射線照射の影響とマイクロビーム

坂下 哲哉; 和田 成一; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 池田 大祐*; 鈴木 芳代*; 辻 敏夫*

KEK Proceedings 2005-5, p.53 - 56, 2005/10

脳腫瘍の放射線治療や火星への有人宇宙飛行を目指している現在、神経系、特に中枢機能への放射線照射の影響をよく理解しておくことは重要である。われわれは、神経系のモデル生物として知られている線虫${it Caenorhabditis elegans}$を用いて、ニューロンネットワークへの放射線照射の影響を学習と記憶の観点から明らかにすることを目的としている。これまでに、線虫のNaClの走化性において観察される連合学習に対する$$^{60}$$Co$$gamma$$線照射の影響を調べてきた。その結果、学習前の照射は連合学習の低下をもたらし、学習中の照射は連合学習を促進することを明らかにした。学習中の照射による連合学習の促進効果については、これまでに報告例がなく、まったくの新規の発見であるため、放射線応答の標的が何であるかはわかっていない。そこで、マイクロビーム照射装置を用いて、神経系あるいは個体のどの部位に放射線が照射されたときに、このような効果がもたらされるのかについて検討を進めて行きたいと考えている。

口頭

線虫のNaCl化学走性及びfood-NaCl連合学習における$$gamma$$線照射効果

坂下 哲哉; 池田 大祐*; 浜田 信行; 鈴木 芳代*; 辻 敏夫*; 和田 成一; 舟山 知夫; 小林 泰彦

no journal, , 

50年以上にわたって、学習への電離放射線の生物学的影響が研究されてきた。現在、放射線による学習と記憶の障害は海馬における新生ニューロンの生成抑制に起因すると報告されているが、電離放射線がどのようにニューロン・ネットワーク自体に影響を及ぼすかは未だに不明な点が多い。線虫${it Caenorhabditis elegans}$は、ニューロン・ネットワークの機能がある程度個々のニューロンと関連付けられているモデル生物である。本研究では、新生ニューロンの生成がない成虫段階の線虫を用いて$$gamma$$線照射に対するニューロン・ネットワークの2つの機能、すなわち、NaClに対する化学走性とfood-NaCl連合学習の応答を調べることを目的とした。線虫をCo-60$$gamma$$線(0, 100, 500と1000Gy)で照射した結果、500Gy以下ではNaCl化学走性が抑制されることはなかった。また、food-NaCl連合学習により生じる化学走性の低下は、非照射群と比較して、照射により有意に亢進した(100-500Gy:化学走性に影響を与えない線量域)。これらの結果は、同じニューロン・ネットワーク内であっても、NaCl化学走性とfood-NaCl連合学習に関係する神経回路の間で$$gamma$$線照射に対する応答が異なることを示唆している。

口頭

Behavioral effects of radiation exposure on food NaCl associative learning of Caenorhabditis elegans

坂下 哲哉; 池田 大祐*; 浜田 信行*; 鈴木 芳代*; 辻 敏夫*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 小林 泰彦

no journal, , 

放射線療法は、ガンを治療する有望な手法であるが、脳腫瘍などで脳神経系への放射線治療を受けた患者の一部において、認知不全などの脳機能の障害を引き起こすことが知られている。現在、放射線照射による新生ニューロンの生成抑制が学習と記憶に障害を与えると考えられているが、放射線がどのように新生ニューロンを除いたニューロン・ネットワーク自身に影響を及ぼすかは、不明な点が多い。そこで、本研究では、神経のモデル生物である成虫段階(新生ニューロンの影響がない)の線虫(${it C. elegans}$)の食物-NaCl連合学習について、放射線応答について詳細に検討したので、その結果について報告する。線虫の化学走性に有意な影響を与えない0-500Gyの$$gamma$$線照射により、線虫の連合学習は、その条件付けの間の照射においてのみ、放射線応答を示した。その応答は、照射直後に線量に応じて連合学習が進み(定義上)、その後数時間の間連合学習が停止するものであった。この結果は、ニューロンネットワークの機能レベルの放射線応答には、2つのフェーズがあることを意味している。今後は、それぞれの応答機構を調べる予定である。

口頭

線虫のfood-NaCl連合学習に対する$$gamma$$線照射効果

坂下 哲哉; 池田 大祐*; 浜田 信行*; 鈴木 芳代; 辻 敏夫*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 小林 泰彦

no journal, , 

新生ニューロンの影響を考慮しなくてもよく、かつ簡単な味覚連合学習を扱うことが可能な成虫段階の線虫${it Caenorhabditis elegans}$を用いて、神経系で処理される連合学習と放射線照射との関係を機能レベルで明らかにすることを目的とした。はじめに、連合学習の基礎となる化学走性自身に影響がない線量領域を決め、次に各種条件付け時の放射線照射効果を調べた結果、(1)当該線量域において、放射線に曝露した線虫の学習能力の低下は認められない,(2)連合学習の条件付けの途中で放射線を照射したときのみ顕著な化学走性の応答が観察される,(3)(2)の応答には初期と後期応答があり、初期応答には神経伝達物質の異常に伴う走行性の異常が関与している可能性があることが明らかとなった。これらの結果は、放射線が神経系の機能が変化する際に働く因子に作用する可能性を示唆している。

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