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田中 草太; 木野内 忠稔*; 藤井 告*; 今中 哲二*; 高橋 知之*; 福谷 哲*; 牧 大介*; 納冨 昭弘*; 高橋 千太郎*
Scientific Reports (Internet), 10, p.16055_1 - 16055_7, 2020/09
被引用回数:7 パーセンタイル:47.30(Multidisciplinary Sciences)福島第一原子力発電所事故以降、鱗翅目昆虫における形態異常が報告されてきた。しかしながら、この形態異常が放射線によって直接引き起こされたかどうかについては、吸収線量と線量効果関係の研究がなされていないため、明らかではない。本研究では、CsCl溶液を添加した人工飼料を用いてカイコに対する内部被ばく実験を実施し、形態異常を評価するために吸収線量を推定した。サナギの翅の長さと全長の比を被ばく群とコントロール群で比較した結果、有意差は認められなかった。この結果は、福島第一原子力発電所事故後の
Cs汚染による直接的な放射線影響により、鱗翅目昆虫に形態異常が生じる可能性が低いこと示唆している。
森田 貴己*; 丹羽 健太郎*; 藤本 賢*; 葛西 広海*; 山田 東也*; 西内 耕*; 坂本 竜哉*; 牛堂 和一郎*; 田井野 清也*; 林 芳弘*; et al.
Science of the Total Environment, 408(16), p.3443 - 3447, 2010/06
被引用回数:15 パーセンタイル:35.67(Environmental Sciences)日本沿岸域で採取した褐藻からヨウ素-131(I)が検出された。褐藻は高い濃縮係数によって放射性核種を体内に蓄積することから、放射性ヨウ素の生物指標として広く使われている。測定された褐藻に含まれる
Iの比放射能の最大値は0.37
0.010Bq/kg-wetであった。本研究で採取したすべての褐藻からセシウム-137(
Cs)も検出された。これらの海藻における
Iと
Csの比放射能には相関はなかった。
Csの比放射能は0.0034
0.00075から0.090
0.014Bq/kg-wetの範囲であった。褐藻中
Csの低い比放射能と変動幅の少ない濃度から、
Csのソースが過去の核実験であることを示唆している。原子力発電所や核燃料再処理施設は
Iの汚染源であることは知られているが、
Iが検出された海域と核関連施設が立地する地域との関連はなかった。
Iが検出されたほとんどの海域は多くの人口を抱える大都市近傍であった。
Iは医療の放射線診断や治療にしばしば用いられる。本研究結果から、著者らは褐藻から検出された
Iのソースは、原子力発電施設起因ではなく、放射線治療行為によるものであると考えている。
遠藤 暁*; 富田 順平*; 田中 健一*; 山本 政儀*; 福谷 哲*; 今中 哲二*; 坂口 綾*; 天野 光; 川村 秀久*; 河村 日佐男*; et al.
Radiation and Environmental Biophysics, 47(3), p.359 - 365, 2008/07
被引用回数:5 パーセンタイル:20.65(Biology)旧ソ連セミパラチンスク核実験場の境界から約60km離れたドロン村は、1949年8月に行われた最初の核実験で高度に汚染された。現地で採取した土壌試料中Iを測定することで、短半減期ヨウ素(おもに
I)から住民が受けた甲状腺線量を推定する研究を開始した。土壌試料中
Iは日本原子力研究開発機構むつ事務所の加速器質量分析装置(AMS)で測定した。測定された土壌中
I蓄積量の平均値は8.0
10
atoms/m
であり、土壌中
I蓄積量と
Cs蓄積量との関係からドロン村の
Iバックグラウンドレベルと
I/
Cs比を求めた結果、
I/
Cs比は
Puの高速中性子による核分裂収率と一致することがわかった。