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森 悠一郎*; 鍵 裕之*; 青木 勝敏*; 高野 将大*; 柿澤 翔*; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*
Earth and Planetary Science Letters, 634, p.118673_1 - 118673_8, 2024/05
被引用回数:1 パーセンタイル:47.42(Geochemistry & Geophysics)水素による鉄の体積膨張に対するケイ素の効果を調べるため、高圧高温下でのhcp-FeSi
の中性子回折実験とX線回折実験を行った。中性子回折実験は重水素化hcp-Fe
Si
に対して13.5GPa, 900K及び12.1GPa, 300Kで行い、得られたプロファイルからリートベルト解析を用いて水素占有率を決定した。hcp-Fe-SiのP-V-T状態方程式を組み合わせることにより、hcp-Fe
Si
の水素による体積膨張が純粋なhcp鉄の体積膨張よりも10%大きいことを示した。得られた値を用いて、内核の密度欠損を再現できる水素量を見積もったところ、シリコンの影響がない場合に比べて50%減少した。hcp-Fe
Si
で内核の密度欠損を再現した場合、内核と外核で可能な水素量xはそれぞれ0.07と0.12-0.15と計算された。
高野 将大*; 鍵 裕之*; 森 悠一郎*; 青木 勝敏*; 柿澤 翔*; 佐野 亜沙美; 飯塚 理子*; 土屋 卓*
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences (Internet), 119(1), p.240122_1 - 240122_9, 2024/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Mineralogy)硫化鉄(FeS)の高圧高温下での水素化は、水素と硫黄が地球や他の地球型惑星のコアの軽元素として有望な候補であることから注目されている。これまでのFeSの水素化反応に関する報告では、出発物質の化学組成は十分に明らかにされていなかった。本研究では、Fe1.000S(トロイライト)を出発物質としたFe-S-H系の高温高圧条件下での中性子回折とX線回折のその場測定を報告する。決定された占有率は、以前の研究で報告されたものより著しく低く、FeSの水素化は硫化鉄の化学組成に強く影響されることを示している。
市東 力*; 鍵 裕之*; 柿澤 翔*; 青木 勝敏*; 小松 一生*; 飯塚 理子*; 阿部 淳*; 齋藤 寛之*; 佐野 亜沙美; 服部 高典
American Mineralogist, 108(4), p.659 - 666, 2023/04
被引用回数:5 パーセンタイル:71.52(Geochemistry & Geophysics)FeNi
H
(D
)の12GPa, 1000Kまでの高温高圧下における相関係と結晶構造をその場X線及び中性子回折測定により明らかにした。今回実験した温度圧力下において、Fe
Ni
H
(D
)ではFeH
(D
)とは異なり、重水素原子は面心立方構造(fcc)中の四面体サイトを占有しないことが明らかになった。単位重水素あたりの水素誘起膨張体積
は、fcc相で2.45(4)
、hcp相で3.31(6)
であり、FeD
におけるそれぞれの値より著しく大きいことが明らかになった。また、
は温度の上昇に伴いわずかに増加した。この結果は、鉄に10%ニッケルを添加するだけで、金属中の水素の挙動が劇的に変化することを示唆している。
が圧力に関係なく一定であると仮定すると、地球内核の最大水素含有量は海洋の水素量の1-2倍であると推定される。
佐野 亜沙美; 柿澤 翔*; 市東 力*; 服部 高典; 町田 真一*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*; 鍵 裕之*
High Pressure Research, 41(1), p.65 - 74, 2021/03
被引用回数:4 パーセンタイル:38.65(Physics, Multidisciplinary)高温高圧下における中性子散乱実験のために、河合型マルチアンビルセル(MA6-8)を開発した。信号強度を確保しするために、1段目アンビルにはスリットおよびテーパーを施して開口角を確保した。中性子の透過率の高いSiCバインダーの焼結ダイアモンドを2段目アンビルに使用することで、最高23.1GPaにおいて充分な強度の信号を取得することに成功した。また超硬合金を2段目アンビルに使用した実験では16.2GPa, 973Kでのデータ取得に成功し、超硬合金製アンビルの有用性を示した。本研究により、J-PARCのPLANETにおいてこれまで利用されてきたMA6-6では到達できなかった温度・圧力条件をMA6-8が達成できることが示された。
森 悠一郎*; 鍵 裕之*; 柿澤 翔*; 小松 一生*; 市東 力*; 飯塚 理子*; 青木 勝敏*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; et al.
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 116(6), p.309 - 313, 2021/00
被引用回数:2 パーセンタイル:10.84(Mineralogy)地球のコアは、対応する圧力温度条件下で純鉄よりも密度が10%低いため、いくつかの軽元素を含んでいると考えられている。水素はその有力候補であるため、これまで主にFe-H系の相平衡関係や物性が調べられてきた。この研究では、14.7GPaおよび800Kでのhcp-FeSi
水素化物の重水素のサイト占有率を調べるために、その場中性子回折実験によりFe-Si-Hシステムを具体的に調べた。リートベルト解析の結果、hcp-Fe
Si
水素化物はhcp格子の格子間八面体サイトにのみ重水素(D)が0.24(2)占有することが判明した。Feに2.6wt%Siを添加する(つまりFe
Si
)ことによるDのサイト占有率への影響は、Fe-D系の先行研究で得られた結果と比較して無視できる程度であった(Machida et al., 2019)。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*; 岡崎 伸生*; 柿澤 翔*
no journal, ,
PLANETは、J-PARCの高圧実験専用中性子ビームラインである。このビームラインの最大の特徴は、6軸マルチアンビルプレス「ATSUHIME」を用いて、24GPa, 1200Kまでの高圧高温実験を行うことができることである。またもう一つの特徴は、細い入射スリットと、試料位置視野0.83.0mmをもつラジアルコリメータで散乱領域を見込むことで、ヒーターや高圧セルなど試料周囲の物質からの散乱を除去し、きれいな回折パターンを取得できることである。これにより、結晶だけでなく、液体や非晶質固体の精密な構造決定が可能である。さらに、より小さな試料を使用することができ、このことは実験可能な最高圧力の向上にも寄与している。2013年のビームライン稼働以来、高圧装置や高圧技術の開発を進め、現在では様々な高圧装置を用いて広いPT領域で粉末回折実験が可能になっている。本発表では、ビームラインの性能と最近の開発状況について、PLANETで得られた最近の成果とともに紹介する。
佐野 亜沙美; 柿澤 翔*; 森 悠一郎*; 鍵 裕之*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*; 服部 高典
no journal, ,
水素に対して高い感度を持つ中性子散乱は、地球物質中の水素を調べる上で強力なツールとなる。J-PARCのMLFにある高圧中性子回折装置PLANETでは、大容量6軸マルチアンビルプレスと精密な光学系により、高温高圧下での安定した中性子回折実験が可能であり、地球コアを形成する鉄合金中の水素量の決定に代表されるユニークな研究が進められている。本発表では、PLANETにおける最近の中性子実験の成果と、現在進行中の技術開発について紹介する。