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小川 達彦; 橋本 慎太郎; 佐藤 達彦; 仁井田 浩二*; 釜江 常好*
Proceedings of 3rd International Conference on Particle Physics and Astrophysics (ICPPA 2017) (Internet), p.391 - 398, 2018/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.11宇宙線重イオンに起因する高エネルギー線生成の反応において、重イオンは高速で地表に向かって進み、その破砕片から生じる即発線はドップラー効果により数100MeV程度の高いエネルギーを持ち、地表でも観測できる。そのため、近年、宇宙放射線物理においてこの反応への高い関心が寄せられている。しかし、この高エネルギー線の生成を計算で再現するためには、破砕反応を個々のイベントに分けて計算し、核破砕片の励起エネルギーや角運動量を計算し、さらに原子核構造データをもとにした脱励起計算をする必要がある。粒子重イオン輸送計算コードPHITSは、他のコードにはないこのような過程を模擬できるモデル等を含んでいる。例えば、近年PHITSは破砕片生成を計算するJAERI Quantum Molecular Dynamics (JQMD)モデルを改良し、破砕片の電荷や質量分布をより正確に再現することが可能となった。また、近年実装されたモデルEBITEMは、励起エネルギーや角運動量の情報に基づき、蒸発過程後の脱励起を再現できる。以上のように、最新のPHITSは、宇宙線重イオンに起因する線生成に対して優れた再現性を発揮できる。本研究は、PHITSを用いた宇宙線重イオンに起因する反応の統合的なシミュレーションにより、重イオンに起因する高エネルギー線生成の再現について貴重なアプローチを図ったものである。