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論文

Role of advection in atmospheric ammonia; A Case study at a Japanese lake basin influenced by agricultural ammonia sources

久保田 智大; 黒田 久雄*; 渡邊 未来*; 高橋 晃子*; 中里 亮治*; 樽井 美香*; 松本 俊一*; 中川 圭太*; 沼田 康子*; 大内 孝雄*; et al.

Atmospheric Environment, 243, p.117856_1 - 117856_9, 2020/12

大気アンモニア(NH$$_{3}$$)の乾性沈着は水圏生態系への窒素負荷経路の1つである。アジア諸国におけるNH$$_{3}$$の最大の排出源の一つである農業・畜産は、NH$$_{3}$$濃度の空間的及び季節的変動を引き起こし、乾性及び湿性沈着により湖沼流域へ影響を与えることが知られている。しかし、観測ネットワークの不足から、流域スケールでのNH$$_{3}$$濃度の空間分布はよく知られていない。本稿では、農業・畜産が盛んな流域(霞ヶ浦流域)でのNH$$_{3}$$濃度の空間的及び季節的変動の支配的要因を明らかにすることを目的とした。観測は2018年10月10日から2020年1月14日まで、合計36地点で行った。観測期間中の平均NH$$_{3}$$濃度は、農用地,湖,住宅地,森林の順に高かった。畜舎近傍で観測されたNH$$_{3}$$濃度は夏季より冬季の方が高く、気温に依存する揮発プロセスに基づくNH$$_{3}$$排出量の季節変化と異なった。農用地や湖のNH$$_{3}$$濃度と気象要素との比較から、排出源からのNH$$_{3}$$の移流の季節変化の重要性が示唆された。湖上のNH$$_{3}$$の乾性沈着量を推定したところ、全窒素の湿性沈着量を上回る可能性がある。湖への乾性沈着は植物プランクトンの増殖プロセスに関連することが知られており、水圏生態系の管理を行う上でNH$$_{3}$$の移流を考慮するべきである。

報告書

Practical guide on soil sampling, treatment, and carbon isotope analysis for carbon cycle studies

小嵐 淳; 安藤 麻里子; 永野 博彦*; Sugiharto, U.*; Saengkorakot, C.*; 鈴木 崇史; 國分 陽子; 藤田 奈津子; 木下 尚喜; 永井 晴康; et al.

JAEA-Technology 2020-012, 53 Pages, 2020/10

JAEA-Technology-2020-012.pdf:3.71MB

近年急速に進行する温暖化をはじめとした地球環境の変化は、陸域生態系(とりわけ森林生態系)における炭素循環に変化をもたらし、その結果、温暖化や環境変化の進行に拍車をかける悪循環が懸念されている。しかしながら、その影響の予測には大きな不確実性が伴っており、その主たる要因は、土壌に貯留する有機炭素の動態とその環境変化に対する応答についての定量的な理解の不足にある。放射性炭素($$^{14}$$C)や安定炭素($$^{13}$$C)同位体の陸域生態系における動きを追跡することは、土壌有機炭素の動態を解明するうえで有力な研究手段となりうる。本ガイドは、同位体を利用した土壌炭素循環に関する研究を、特にアジア地域において促進させることを目的としたものである。本ガイドは、土壌の採取、土壌試料の処理、土壌有機炭素の分画、$$^{13}$$Cの同位体比質量分析法による測定及びその試料調製、ならびに $$^{14}$$Cの加速器質量分析法による測定及びその試料調製に関する実践的手法を網羅している。本ガイドでは、炭素循環研究において広く用いられる $$^{14}$$C分析結果の報告方法についても簡単に紹介する。さらに、同位体を利用した研究手法の実際的応用として、日本の森林生態系において実施した事例研究の結果についても報告する。本ガイドによって、同位体を利用した炭素循環研究に興味を持って参画する研究者が増加し、地球環境の変化の仕組みについての理解が大きく進展することを期待する。

論文

Wintertime grassland dynamics may influence belowground biomass under climate change; A Model analysis

堅田 元喜*; Grote, R.*; Mauder, M.*; Zeeman, M. J.*; 太田 雅和

Biogeosciences, 17(4), p.1071 - 1085, 2020/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:26.27(Ecology)

山間部の管理された草原では、冬季の寒冷な気候によって生産性が低下する。そのため、将来予想される気温上昇および雪面の変化は、草原の生産性に大きく影響する可能性がある。これを調べるため、陸面モデルSOLVEGに積雪,凍結・解氷および草の成長過程を導入し、このモデルを記録的な暖冬下における草原での熱輸送・炭素交換に適用した。モデル計算は、3年間のシミュレーション期間中に観測された熱フラックス,地温,積雪深度を再現した。計算結果から、暖冬下では高められた植物生理活動によって100g-C m$$^{-2}$$のCO$$_{2}$$固定が起きたこと、更に、この固定された炭素の多くが春先の植物成長に利用されることなく地下部の根バイオマスへと供給されたことが示された。この暖冬の影響下で起きた地下部への炭素供給は、将来の温暖化環境においては土壌への炭素蓄積量および土壌からのCO$$_{2}$$放出量が増加するという可能性を示唆しており、既存の全球陸域生態系モデルが本過程を厳密に考慮する必要があることを示すものである。

論文

山地の雲や霧がもたらした放射能汚染を解明; 航空機モニタリングと数値シミュレーションによる解析

眞田 幸尚; 堅田 元喜*; 兼保 直樹*

Isotope News, (759), p.18 - 21, 2018/10

福島第一原子力発電所事故直後から継続的に行われてきた、東日本における有人ヘリを用いたモニタリングのデータを活用し、地上からの観測が難しい山岳地域の高線量地帯での標高と空間線量率との関係をWSPEEDI-II(大気拡散シミュレーション)による再現計算結果と比較しながら、地形と放射性セシウム沈着過程の関係について解説する。

論文

Impacts of anthropogenic source from the nuclear fuel reprocessing plants on global atmospheric iodine-129 cycle; A Model analysis

門脇 正尚; 堅田 元喜*; 寺田 宏明; 鈴木 崇史; 長谷川 英尚*; 赤田 尚史*; 柿内 秀樹*

Atmospheric Environment, 184, p.278 - 291, 2018/07

 被引用回数:6 パーセンタイル:41.15(Environmental Sciences)

長寿命放射性ヨウ素($$^{129}$$I)は、大気環境における放射性核種の有用な地球化学トレーサである。本研究では、$$^{129}$$Iの大気濃度および沈着の観測を実施し、観測データから大気濃度および沈着の明瞭な季節変動を得た。さらに、大気中の$$^{129}$$I循環を支配する要因を明らかにすることを目的として、得られた観測データを用いて、移流、乱流拡散、大気沈着、光化学、ガス粒子変換、核燃料再処理工場からの$$^{129}$$Iの排出、海洋および陸域からの$$^{129}$$Iの揮発の各物理・化学過程を考慮した全球ヨウ素輸送モデルを開発した。全球ヨウ素輸送モデルは、我々が観測した$$^{129}$$Iの大気濃度および沈着の季節変動、そして既往文献の$$^{129}$$Iの降水中濃度の全球分布を良好に再現した。開発した全球ヨウ素輸送モデルを用いて人為起源と自然起源の$$^{129}$$Iインベントリの強度を変化させる数値実験を実施し、地球全体の$$^{129}$$I循環に対する人為起源の$$^{129}$$Iの影響を評価した。その結果、冬季においては、人為起源の$$^{129}$$Iが主にユーラシアの北部に沈着する可能性があることが示された。一方で、夏季においては、自然起源の$$^{129}$$Iが北半球中高緯度の沈着に支配的であった。これらの結果は、地球表面からの$$^{129}$$Iの再飛散過程が全球規模での$$^{129}$$I循環に重要であることを示唆している。さらに、冬季のユーラシア北部や北極域においては局所的に乾性沈着が寄与しており、乾性沈着が環境中の$$^{129}$$Iの季節変化に重要な影響を及ぼすことが示唆された。

論文

Altitudinal characteristics of atmospheric deposition of aerosols in mountainous regions; Lessons from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident

眞田 幸尚; 堅田 元喜*; 兼保 直樹*; 中西 千佳*; 卜部 嘉*; 西澤 幸康*

Science of the Total Environment, 618, p.881 - 890, 2018/03

 被引用回数:7 パーセンタイル:44.83(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所事故による放射性物質の環境中への放出の再現はエアロゾルの沈着に関する詳細な情報を提供する。本論文では、複雑な山地の地形における、事故の間に放出される放射性セシウムの高度の特徴を分析した。分析には、有人ヘリを用いた航空機モニタリングのデータ及びWSPEEDI-IIによる再現結果を利用した。放出源から遠い場所におけるWSPEEDI-IIの結果は、航空機モニタリングの結果とよく整合したが、近い場所での再現性は悪かった。これらの事実から、エアロゾルの沈着過程に関する模式図を構築した。

論文

Improvement of atmospheric dispersion simulation using an advanced meteorological data assimilation method to reconstruct the spatiotemporal distribution of radioactive materials released during the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident

門脇 正尚; 永井 晴康; 寺田 宏明; 堅田 元喜*; 朱里 秀作*

Energy Procedia, 131, p.208 - 215, 2017/12

BB2016-0128.pdf:1.61MB

 被引用回数:3 パーセンタイル:4.51

原子力施設事故によって大気中に放射性物質が放出された際に、放射性物質の時空間分布を再現可能な大気拡散シミュレーションは、緊急時対応や被ばく評価に対して有効である。本研究では、データ同化手法及び最新の領域気象モデルを用いて大気拡散シミュレーションを改良し、福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質の時空間分布を再構築する。大気拡散シミュレーションは原子力機構が開発した大気拡散モデルGEARNによって行われた。大気拡散シミュレーションのための気象場は、4次元変分法を用いた気象データ同化解析手法と領域気象モデルWRFで計算された。シミュレーションの再現性は、放射性核種の沈着量及び大気濃度の計算値と実測値の比較から評価した。福島第一原子力発電所の付近において、観測されたCs-137とI-131の沈着量の空間分布をシミュレーションは良好に再現した。特に、発電所から北西方向及び南方向で観測されたCs-137の高い沈着量分布の再現性の向上が顕著であった。東日本の広域においても、モデル過大評価であったCs-137の沈着量の再現性が向上した。これらは、4次元変分法を用いた気象データ同化解析手法によって、再現性の高い風速場が得られたことに起因すると考えられる。本研究で再構築された大気拡散過程は、福島第一原子力発電所事故の線量影響評価の見直しや、日本国内の原子力施設における緊急時対応に対して有効な情報となる。

論文

Updating source term and atmospheric dispersion simulations for the dose reconstruction in Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident

永井 晴康; 寺田 宏明; 都築 克紀; 堅田 元喜; 太田 雅和; 古野 朗子; 朱里 秀作

EPJ Web of Conferences, 153, p.08012_1 - 08012_7, 2017/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:9.6

福島第一原子力発電所の事故時に放出された放射性物質による住民の被ばく線量を評価するために、計算シミュレーションにより放射性物質の時間空間分布を再構築する。本研究では、放出源情報の精緻化及び大気拡散シミュレーションの高精度化により、放射性物質大気濃度・沈着量の時間空間分布データベースを開発し、住民の行動パターンや移行モデルと組み合わせた推計に活用する。大気拡散シミュレーションの改良としては、新規気象モデルの導入と沈着過程の精緻化を行った。改良モデルは、東日本スケールにおける$$^{137}$$Csの沈着分布を良好に再現したが、福島第一原子力発電所近傍では沈着分布の再現性が低下した。この結果は、放出源情報を改良モデルシミュレーションに対して最適化することにより、さらなる精緻化が必要であることを示している。

論文

Development of the Eulerian atmospheric transport model GEARN-FDM; Validation against the European tracer experiment

門脇 正尚; 堅田 元喜; 寺田 宏明; 永井 晴康

Atmospheric Pollution Research, 8(2), p.394 - 402, 2017/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:84.43(Environmental Sciences)

世界版緊急時環境線量情報予測システム(WSPEEDI)は、粒子法による大気拡散モデルGEARNを用いている。総観規模より大きな計算対象領域においては粒子法のもつ統計誤差や計算機資源の確保が問題となる。本研究では、WSPEEDIの長距離の大気拡散シミュレーションにおける性能向上のために、有限差分法に基づく大気拡散モデルGEARN-FDMを開発した。移流拡散方程式は質量保存を満たす移流スキームとクランクニコルソン法で解かれる。水平拡散を計算するために、サブグリッドスケールの水平拡散の効果をパラメタリゼーションとして導入した。モデルの妥当性を欧州大気拡散実験データを用いて検証した結果、濃度分布や最大濃度の観測時刻、プリューム到達時刻は良好に再現された。計算による測定値の再現度を評価する統計値も、従来モデル同等以上の結果が得られ、モデルの妥当性を確認した。シミュレートされた水平拡散係数は沿岸や山岳で大きく、それらの場所をプリュームが通過するときに強い拡散が生じていた。水平拡散による輸送を正確にモデル化することは、放射性核種輸送計算をするうえで重要であることが示唆される。

報告書

A Terrestrial ecosystem model (SOLVEG) coupled with atmospheric gas and aerosol exchange processes

堅田 元喜; 太田 雅和

JAEA-Data/Code 2016-014, 35 Pages, 2017/01

JAEA-Data-Code-2016-014.pdf:1.64MB

自然および人為起源の大気汚染物質(ガス・エアロゾル)の陸域生態系への移行過程を評価するために、大気中ガスやエアロゾルの乾性沈着とそれに関連する過程(氷相、植物成長、土壌有機物分解)の新しいスキームを、著者らの多層大気-土壌-植生1次元モデルSOLVEGに導入し、これらのスキームの検証試験を様々な植生地で行ってきた。本報告では、新たにモデル化したそれぞれの過程と、改良したモデルの利用方法の詳細を記述した。この改良によって、地球温暖化や大気汚染に伴う大気-陸面間の水・エネルギー・物質循環の変化と、それが生態系に及ぼす影響の評価を調べるための「陸域生態系モデル」の基盤が完成した。

論文

Numerical simulation of surface energy and water balances over a semiarid grassland ecosystem in the West African Savanna

Quansah, E.*; 堅田 元喜; Mauder, M.*; Annor, T.*; Amekudzi, L. K.*; Bliefernicht, J.*; Heinzeller, D.*; Balogun, A.*; Kunstmann, H.*

Advances in Meteorology, 2017, p.6258180_1 - 6258180_11, 2017/00

AA2016-0147.pdf:2.3MB

 被引用回数:2 パーセンタイル:85.39(Meteorology & Atmospheric Sciences)

乾燥・半乾燥地域における大気からの入力放射エネルギーの地表面での潜熱・顕熱への分配を精緻に予測することは、気象モデルに考慮されている陸面交換過程の研究を進める上で重要な課題である。本研究では、鉛直1次元多層大気-土壌-植生モデルSOLVEGを用いて、西アフリカのサバンナ生態系の乾季および雨季の地表面エネルギー・水収支の数値シミュレーションを行った。数値計算の結果、それぞれの季節について、モデルは観測された地表面熱フラックス(正味放射量、顕熱、潜熱、および地中伝導熱)の日変化の傾向を再現した。また、計算値と観測値の間の相関係数、平均二乗誤差、および標準正規偏差の統計量の比較によりモデルの性能を評価し、モデルのパラメータを適切に与えることによって、サバンナ生態系で観測された地表面熱収支、土壌からの蒸発、植生からの蒸散などのダイナミクスを定量的に再現できる可能性を明らかにした。

論文

Impacts of C-uptake by plants on the spatial distribution of $$^{14}$$C accumulated in vegetation around a nuclear facility; Application of a sophisticated land surface $$^{14}$$C model to the Rokkasho reprocessing plant, Japan

太田 雅和; 堅田 元喜; 永井 晴康; 寺田 宏明

Journal of Environmental Radioactivity, 162-163, p.189 - 204, 2016/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:75.63(Environmental Sciences)

陸面$$^{14}$$Cモデル(SOLVEG-II)を用いて、植生の炭素取り込みが原子力施設周辺の植生への炭素14($$^{14}$$C)の蓄積に及ぼす影響を評価した。SOLVEG-II、気象モデルおよび大気拡散モデルを結合したモデル計算を、2007年の六ヶ所再処理工場(RRP)の試験運転中の$$^{14}$$CO$$_{2}$$移行に適用した。RRP周辺の水田における白米中$$^{14}$$C比放射能の計算値は観測値と一致した。RRPからの$$^{14}$$CO$$_{2}$$連続放出を仮定した数値実験の結果から、収穫時の稲の$$^{14}$$C比放射能と大気中$$^{14}$$C比放射能の年平均値が異なることが示され、これは大気中$$^{14}$$CO$$_{2}$$濃度の季節変動と稲の成長に起因したものであった。$$^{14}$$CO$$_{2}$$放出を日中に限定したところ、日中の光合成による高い$$^{14}$$CO$$_{2}$$取り込みの効果によって、夜間に放出を限定した場合に比べて稲の$$^{14}$$C蓄積が顕著に増加した。以上より、長期連続あるいは日内の短期$$^{14}$$CO$$_{2}$$放出時の$$^{14}$$Cの経口摂取による被ばく評価では、各々、植物の成長段階と光合成を考慮する必要があることがわかった。

論文

Immediate and potential long-term effects of consecutive heat waves on the photosynthetic performance and water balance in Douglas-fir

Duarte, A. G.*; 堅田 元喜; 星加 康智*; Hossain, M.*; Kreuzwieser, J.*; Arneth, A.*; Ruehr, N. K.*

Journal of Plant Physiology, 205, p.57 - 66, 2016/10

 被引用回数:15 パーセンタイル:22.98(Plant Sciences)

世界規模で増加が予測されている熱波などの極端気象は、生態系の水・炭素循環に大きな影響を及ぼす。気温上昇によって森林樹木は熱ストレスにさらされる可能性があるが、これに対する森林生態系の長期的な応答は未解明である。本研究では、大規模温室における複数回の熱波処理によってベイマツの光合成特性と水収支がどのような影響を受けるかを調べた。樹木の光合成カルボキシル効率はほとんど影響を受けないが、光飽和環境での電子伝達速度および光合成速度は大きく低下し、その影響は最後の熱波処理の6週間後まで継続した。また、熱による蒸散速度、最小気孔コンダクタンス、および夜間気孔コンダクタンスの抑制も同様に継続していた。気孔コンダクタンスモデルを用いた解析により、気孔の閉鎖やクチクラワックスの変化などの葉の形態変化が引き起こされたことがわかった。これらの結果は、ベイマツが熱ストレスに対して光合成性能を低下させる代わりに水分の消費を抑えるように応答することを示しており、熱波によって長期的な樹木成長が阻害される可能性が示唆された。

論文

Utilization of $$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs in the environment to identify the reactor units that caused atmospheric releases during the Fukushima Daiichi accident

茅野 政道; 寺田 宏明; 永井 晴康; 堅田 元喜; 三上 智; 鳥居 建男; 斎藤 公明; 西澤 幸康

Scientific Reports (Internet), 6, p.31376_1 - 31376_14, 2016/08

 被引用回数:23 パーセンタイル:2.64(Multidisciplinary Sciences)

This paper investigates the reactor units of Fukushima Daiichi Nuclear Power Station which generated large amounts of atmospheric releases during the period from 12 to 21 March 2011. The $$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs ratio measured in the environment can be used to determine which reactor unit contaminated specific areas. Meanwhile, atmospheric dispersion model simulation can predict the area contaminated by each dominant release. Thus, by comparing both results, the reactor units which contributed to dominant atmospheric releases was determined. The major source reactor units from the afternoon of 12 March to the morning of 15 March corresponded to those assumed in our previous source term estimation studies. A new possibility found in this study was that the major source reactor from the evening to the night on 15 March was Units 2 and 3 and the source on 20 March temporally changed from Unit 3 to Unit 2.

論文

Montane ecosystem productivity responds more to global circulation patterns than climatic trends

Desai, A. R.*; Wohlfahrt, G.*; Zeeman, M. J.*; 堅田 元喜; Eugster, W.*; Montagnani, L.*; Gianelle, D.*; Mauder, M.*; Schmid, H. P.*

Environmental Research Letters, 11(2), p.024013_1 - 024013_9, 2016/02

AA2015-0882.pdf:2.25MB

 被引用回数:13 パーセンタイル:35.25(Environmental Sciences)

植物生産力とそれに付随する生物地球化学循環は、局地的な気象現象の主要な駆動力として働く大気大循環における季節から10年スケールの変動パターンに強く依存する。将来の気候変動に対して、地域スケールの生態系生産力と植物季節がどのように応答するかを理解するには、大気循環と上層大気圧パターンの予測の不確実性が、平均気温または降水量の予測の不確実性を上回ることから、上記の短期・中期的な駆動力を統合した解釈が必要である。本研究では、地上気象・植物季節・フラックスタワー・衛星データ等と数値シミュレーションを用いて、大西洋上の2種類の対流圏気圧場のパターンがヨーロッパのフェーン(南風)の流れとどのように相互作用し、冬季の天候に影響するかを明らかにする。これらの効果は、北部・中央アルプスでの初期植物生育期間の応答に対する冬季の降雪と土壌温度の強い影響によって、春季の生態系生産力と植物季節に重要な影響をおよぼす。大気循環の将来変化予測の改善は、気候変動に対する生態系の影響のより良い評価と気候的避難所の描写のために重要である。

論文

Source term estimation for the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident by combined analysis of environmental monitoring and plant data through atmospheric dispersion simulation

永井 晴康; 寺田 宏明; 茅野 政道; 堅田 元喜; 三上 智; 斎藤 公明

Proceedings of 16th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-16) (USB Flash Drive), p.4044 - 4052, 2015/08

原子力機構は、福島第一原子力発電所事故による放射性物質の大気放出量を、環境モニタリングと大気拡散モデルによる大気中核種濃度または空間線量率の比較解析により推定した。この放出量推定を改良するために、より精緻な推定手法の開発と過酷事故解析及び観測データの新たな情報の利用を検討している。その第一段階として、福島原発1から3号機内インベントリと地表沈着測定における$$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs放射能比情報を利用した。大気拡散シミュレーションの放出率設定において、$$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs放射能比の時間変化を考慮することで、地表沈着測定における$$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs放射能比空間分布を説明できることを示した。この結果は、どの原子炉からどのタイミングで放出があったかを推定するために有効であり、福島原発事故の過酷事故解析にも有用な情報となることが期待される。

論文

Ozone-induced stomatal sluggishness changes carbon and water balance of temperate deciduous forests

星加 康智*; 堅田 元喜; 出牛 真*; 渡辺 誠*; 小池 孝良*; Paoletti, E.*

Scientific Reports (Internet), 5, p.9871_1 - 9871_8, 2015/05

 被引用回数:60 パーセンタイル:5.27(Multidisciplinary Sciences)

対流圏オゾンは、森林の光合成活動を阻害するとともに、気孔開閉機能にも影響を与える。高オゾン濃度環境では気孔開閉の応答の遅れ(気孔鈍化)が誘発され、樹木の炭素獲得や蒸散に伴う水消費が変化するが、この影響は現在森林のオゾン影響評価に使われているモデルには全く考慮されていない。本研究では、精緻な多層陸面モデルと全球大気化学モデルを組み合わせたシミュレーションによって、気孔鈍化が及ぼす北半球スケールの森林の炭素獲得と蒸散への影響を評価する。気孔鈍化をシミュレートするために、個葉スケールでの最小気孔コンダクタンスに基づく新しいパラメタリゼーションを提案する。気孔鈍化プロセスを考慮することによって、森林による炭素吸収量が減少するとともに蒸散が促進され、結果的に水利用効率が大幅に低下することを明らかにした。これらの知見は過去の実験や野外観測から得られた結果と一致しており、特に東アジアなどの高オゾン濃度地域では、森林生態系の炭素・水バランスを予測する上で気孔鈍化による影響を考慮する必要がある。

論文

Detailed source term estimation of the atmospheric release for the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident by coupling simulations of an atmospheric dispersion model with an improved deposition scheme and oceanic dispersion model

堅田 元喜; 茅野 政道; 小林 卓也; 寺田 宏明; 太田 雅和; 永井 晴康; 梶野 瑞王*; Draxler, R.*; Hort, M.*; Malo, A.*; et al.

Atmospheric Chemistry and Physics, 15(2), p.1029 - 1070, 2015/01

 被引用回数:128 パーセンタイル:0.99(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所事故時の大気放出量の詳細な時間変化を大気拡散モデルWSPEEDI-IIと海洋拡散モデルSEA-GEARN-FDMを用いた結合シミュレーションと環境モニタリングデータを組み合わせた逆推定法によって推定した。放射性ヨウ素のガス態(I$$_{2}$$, CH$$_{3}$$I)およびその他の粒子態(CsI, Cs, and Te)の乾性・霧水沈着、雲内への取り込み、凝結核活性、氷相の湿性沈着を計算する新しいスキームをWSPEEDI-IIに導入した。事故起因の放射性物質の大量放出は、2011年3月12日午後の1号機のウェットベントおよび水素爆発時、13日午前中の3号機のベント後、14日深夜の2号機での3回のSRV開操作時、15日の午前および夕方から夜間、そして16日の午前中に起こったことが明らかになった。新しい推定放出量を用いたWSPEEDI-IIのシミュレーションによって、局地および領域スケールの航空サーベイによる$$^{131}$$Iと$$^{137}$$Csの積算沈着量と空間線量率の分布が再現された。さらに、新しいソースタームを3つの異なる大気拡散モデルを用いて領域・全球スケールで試験した。シミュレーション結果から、$$^{137}$$Csの全推定放出量の27%が東日本の陸面に沈着し、その大部分は森林地域であったことが示された。

論文

Long-term observation of fog chemistry and estimation of fog water and nitrogen input via fog water deposition at a mountainous site in Hokkaido, Japan

山口 高志*; 堅田 元喜; 野口 泉*; 酒井 茂克*; 渡邊 陽子*; 植松 光夫*; 古谷 浩志*

Atmospheric Research, 151, p.82 - 92, 2015/01

 被引用回数:10 パーセンタイル:57.56(Meteorology & Atmospheric Sciences)

霧沈着による森林地帯への水・窒素供給を定量化するため、2006年から2012年までの植物成長期の日本北部の摩周湖の外輪山における霧化学性および沈着量を調べた。霧水とその粒径分布を自動霧捕集装置と粒径分光計を用いて測定した。過去に行われた酸性霧の暴露実験の結果に基づくと、本研究で観測された霧の酸性度が植物葉の損傷を引き起こすレベルには達していなかった。視程(VIS)と大気中霧水量(LWC)の関係は、夏季と秋季で異なっていた。この関係から経験的にフィッティングしたLWCの予測式と風速および植物パラメータから算出した沈着速度を用いて、この地域の霧沈着量を推定した。植物成長期間の霧による水および窒素沈着量は、それぞれ107-161mmおよび20-41meq m$$^{-2}$$と推定された。

論文

A Numerical study of the effects of aerosol hygroscopic properties to dry deposition on a broad-leaved forest

堅田 元喜; 梶野 瑞王*; 松田 和秀*; 高橋 章*; 中屋 耕*

Atmospheric Environment, 97, p.501 - 510, 2014/11

 被引用回数:10 パーセンタイル:57.99(Environmental Sciences)

エアロゾルの吸湿成長がおよぼす森林への乾性沈着への影響を調べるために、多層大気-土壌-植生1次元モデルSOLVEGを用いた微小粒子状物質(PM2.5)の硫黄成分の乾性沈着のシミュレーションを実施した。このモデルに含まれている粒子の乾性沈着スキームを広葉樹林に適用できるように改良した。広く用いられている$$kappa$$-K$"o$hrer理論に基づく大気中での粒子の吸湿成長を計算するスキームを新たに導入した。このモデルを国内の広葉樹林に適用した結果、観測された運動量・熱・水蒸気フラックスや土壌温度・水分量が再現された。吸湿によって粒径が増加した結果、PM2.5の硫黄成分の沈着速度の計算値も増大して観測値に近づくとともに、高湿度時に測定された沈着速度の時間変動の再現性も向上した。このモデルを用いた数値実験によって、粒子の幾何学的平均径や吸湿特性($$kappa$$)が吸湿成長の度合いを大きく変化させることがわかった。比較的低湿度から吸湿成長による沈着速度の増加が見られ、非常に湿潤な環境では沈着速度が乾燥時の5倍に達することが数値的に示された。

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