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藤 健太郎; 四竈 樹男*; 且井 宏和*; 永田 晋二*; 土屋 文*; 山内 通則*; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.1027 - 1029, 2009/04
被引用回数:4 パーセンタイル:30.49(Materials Science, Multidisciplinary)長残光性蛍光体(蓄光体)は強い蛍光を示すだけでなく、長寿命の残光成分を有する蛍光体である。ここでは14MeV中性子照射下における2種類のアルミン酸ストロンチウム系蓄光体(SrAlO:Eu,Dy,SrAlO:Eu,Dy)の蛍光・蓄光特性に関する報告を行う。どちらの試料のおいてもEu及びDyに起因する発光が確認できた。Euに起因する発光は長残光特性を有しているが、Dyに起因する発光は即発成分のみ有することがわかった。また、SrAlO:Eu,Dy,Dy3+の発光は10 n/mの中性子照射後も発光強度がほとんど劣化しないということがわかった。中性子後の残光を測定した結果、中性子照射により残光特性が変化し、最も残光時間が長くなる中性子照射量が存在することがわかった。高速中性子と物質との相互作用は主として核的作用であることから、残光特性に大きく寄与するDyの配位に変化が生じたと考えられる。
永田 晋二*; 且井 宏和*; 土屋 文*; 井上 愛知; 山本 春也; 藤 健太郎; 四竈 樹男*
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.1045 - 1048, 2009/04
被引用回数:14 パーセンタイル:66.94(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉において、炉心プラズマから生成されるMeVエネルギーの軽イオンによるイオンビーム誘起発光は、プラズマ燃焼状態をその場観測する手段となるため、診断システムへの応用が期待されている。今回は、MeV領域のH及びHeイオン照射によるSiOガラスのイオンビーム誘起発光(460nm)の発光効率に及ぼす照射エネルギー,照射量,入射速密度及び試料温度の影響を調べた。Hイオン照射によって付与される電子励起エネルギーを20150eV/nmの範囲で増加させると波長460nmの発光効率は増加するが、Heイオンによるエネルギーを200370eV/nmの範囲で増加させると発光効率が低下する傾向が明らかになった。また、試料温度を増加させることで発光効率は低下した。一方、入射イオンの核的衝突によって形成された発光中心の80%は600Kの熱処理によって回復した。このことから、電子励起付与エネルギーの違いによる発光効率の変化は局所的な加熱効果に大きく依存することが明らかになった。
井上 愛知; 山本 春也; 且井 宏和*; 永田 晋二*; 吉川 正人; 四竈 樹男*
no journal, ,
多結晶WO膜中への水素浸入による着色に伴う、結晶構造変化をX線回折法により調べた。着色を示す多結晶WO膜を作製するため、金属タングステンを大気中で熱酸化させてSiOガラス基板上にバッファ層を形成させた後、その上に約700nmの柱状構造のWO膜を形成させた。バッファ層の厚さを510nm、熱酸化温度を500C以上に制御すると、単斜晶WOの(002), (020), (200)に由来する3つのX線回折ピークがほぼ同等の強度で観測できる多結晶WO膜が得られた。この膜表面に、水素解離触媒であるパラジウムを15nm堆積させ、水素に曝露して着色させると、単斜晶のピークが消失し、正方晶系のタングステンブロンズ(HWO, JCPDS card No. 42-1261)に由来するX線回折ピークへと変化した。このことから多結晶WO膜内に水素原子が侵入してタングステンブロンズが形成されたときのタングステン原子価数の変化が着色メカニズムの主原因であると示唆された。