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明尾 潔*; 浜田 信行*; 小林 泰彦; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 明尾 庸子*; 川田 久美子*; 坪田 一男*
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 114, 2007/02
これまでに、酸化ストレスとして可視光の照射や酸素濃度変化は細胞増殖を抑制し、培養網膜色素上皮細胞(RPE)に比較して培養大動脈血管内皮細胞により強い影響を与えていたことを報告してきた。今回、ヒト培養RECにおけるグルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)発現にイオンビーム照射がどのような影響を与えるかを調べた。C(220MeV)とHe(50MeV)によるイオンビーム照射は照射後0、24時間のみ培養RECのGPX発現を増加していた。一方、Ne(350MeV)によるイオンビームは照射後のいずれの時間においても培養RECのGPX発現を増加していた。線と異なり、照射したなかで最もLETの高いNeイオンによる照射では培養RPEと培養RECにおけるGPX発現が増加していた。LETが増加するに伴い、細胞損傷の質が変化し、GPX発現の増加が引き起こされた可能性がある。このことから、イオンビーム照射はGPX発現の誘導によりRECにおける酸化ストレス傷害を防御できる可能性があることが示唆された。
明尾 潔*; 浜田 信行*; 小林 泰彦; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 明尾 庸子*; 川田 久美子*; 坪田 一男*
no journal, ,
これまでに、酸化ストレスとして可視光の照射や酸素濃度変化は細胞増殖を抑制し、培養網膜色素上皮細胞(RPE)に比較して培養大動脈血管内皮細胞により強い影響を与えていたことを報告してきた。今回、ヒト培養RECにおけるグルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)発現にイオンビーム照射がどのような影響を与えるかを調べた。C(220MeV)とHe(50MeV)によるイオンビーム照射は照射後0, 24時間のみ培養RECのGPX発現を増加していた。一方、Ne(350MeV)によるイオンビームは照射後のいずれの時間においても培養RECのGPX発現を増加していた。線と異なり、照射したなかでもっともLETの高いNeイオンによる照射では培養RPEと培養RECにおけるGPX発現が増加していた。LETが増加するに伴い、細胞損傷の質が変化し、GPX発現の増加が引き起こされた可能性がある。このことから、イオンビーム照射はGPX発現の誘導によりRECにおける酸化ストレス傷害を防御できる可能性があることが示唆された。
明尾 潔*; 浜田 信行*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 川田 久美子*; 明尾 庸子*
no journal, ,
L-ドーパが網膜血管に到達し、活性酸素による膜リン脂質の傷害を防御するグルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)の発現に細胞レベルでどのような影響を与えるかヒト培養網膜血管内皮細胞(REC)を用いて検討した。さらに、L-ドーパ投与後の培養RECに細胞内の一定の部位で電離を起こすイオンビームを照射し、イオンビーム照射によるGPX発現への影響も観察した。L-ドーパ(250M)投与後の樹立化されたヒト培養RECにイオンビーム(イオン種,加速エネルギー)(C 220MeV, He 50MeV)を20Gy照射し、0, 4, 8, 24時間後に細胞を採取、RNAを抽出した。RNAより作られたcDNA,プライマー,Cyber-greenを混合した後、GPXとリボゾーマルRNA発現をLightCyclerによりリアルタイムで定量的に解析した。L-ドーパは投与後のいずれの時間においても培養RECのGPX発現を抑制していた。イオンビーム照射はHe 50MeVとC 220MeVのいずれも培養RECのGPX発現の抑制を回復させる傾向にあった。L-ドーパは培養RECにおけるGPXの発現を抑制するが、イオンビーム照射はエネルギーを狭い一点に集中的させ、膜損傷などの傷害を防御し、GPX発現を誘導する可能性がある。