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坂本 淳志; 木部 智*; 川野邊 一則*; 藤咲 和彦*; 佐野 雄一; 竹内 正行; 鈴木 英哉*; 津幡 靖宏; 伴 康俊; 松村 達郎
JAEA-Research 2021-003, 30 Pages, 2021/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)では、使用済核燃料溶解液中からマイナーアクチノイド(以下、「MA」という)を回収するプロセスの一つとして、SELECTプロセスの適用が検討されている。SELECTプロセスでは従来から用いられてきたリン(P)系の抽出剤ではなく、炭素(C),水素(H),酸素(O),窒素(N)といった非リン系のみで構成される新たな抽出剤を開発し、その適用検討を進めているところである。その中でMA・ランタノイド(以下、「Ln」という)を一括回収するための抽出剤として-tetradodecyldiglycolamide(テトラドデシルジグリコールアミド(以下、「TDdDGA」という))、MA/Lnを相互分離するための抽出剤として-hexaoctylnitrilotriacetamide(ヘキサオクチルNTAアミド(以下、「HONTA」という))、Am/Cmを相互分離するための抽出剤としてAlkyl diamide amine(アルキルジアミドアミン(ADAAM))を用いたフローシートの構築を進めている。本試験では、SELECTプロセスにおいてラフィネート中からMA及びLnを回収するためのTDdDGA及びHONTAを対象に、フローシートを構築する上で必要となる物質移動係数の取得を単一液滴法により進めた。単一液滴法により物質移動係数を評価するに当たっては、あらかじめ装置の形状変更等の改良を重ねた上で試験的な評価を実施し、既報値と同様な物質移動係数値が得られることを確認した。また、取得したTDdDGAの物質移動係数を用いることで、これまでにmixer-settlers(ミキサセトラ(MS))やcentrifugal contactors(遠心抽出器(CC))を用いて実施してきた連続多段試験結果の妥当性についても評価することがdできた。さらに、HONTAに関しても評価を行い、10m/s以下の低い物質移動係数を有することが明らかとなった。
大野 真平; 川野邊 崇之*; 綿引 博美; 柴田 淳広; 野村 和則
no journal, ,
高レベル放射性物質研究施設(CPF)では、U, Puを取扱う試験を実施するため核物質含有試料が発生し保管されている。これらを取扱う施設では、核物質の増減と在庫量を伝票と実物確認で正確に管理する必要がある。そのためには、表面電離型質量分析装置による核物質を含む試料の濃度及び同位体組成比の確定が不可欠である。しかし、CPFでは質量分析装置更新後、健全性の確認が実施されていない。そこで本発表では、U, Pu保管試料の濃度及び同位体組成比確定を目的とし、質量分析装置の立上げに係る健全性評価を実施した。有意差検定及びU, Pu標準試料の測定により、装置の健全性及び測定値の信頼性が保証され立上げ作業が完了した。実際にU, Puを含む試料を測定した結果、本装置により濃度及び同位体組成比を確定することが可能となった。
佐野 雄一; 川野邊 一則*; 坂本 淳志; 小藤 博英; 竹内 正行; 鈴木 英哉; 松村 達郎
no journal, ,
日本原子力研究開発機構(JAEA)は、高レベル液体廃棄物(HLLW)などの高酸性溶液からの3価マイナーアクチニド(MA(III))回収に有効な新しい抽出剤を開発している。これらの新しい抽出剤を使用して効率的なMA(III)回収プロセスを設計するためには、溶媒抽出システムにおけるそれらの平衡及び速度論的データを得ることが重要である。本研究では、HNO溶液とテトラドデシルジグリコールアミド(TDdDGA)またはヘキサオクチルニトリロ三酢酸アミド(HONTA)/ n-ドデカンとの間の三価ランタニド(Ln(III)、MA(III)の代替物)の物質移動挙動を単一液滴法及びNitschセルによって評価した。HNO / TDdDGA系におけるLn(III)逆抽出の物質移動係数は、抽出工程における同値よりも小さいが、TDdDGA / n-ドデカン溶媒への2-エチル-1-ヘキサノールの添加によって改善された。HNO溶液とHONTA / n-ドデカン溶媒との間のLn(III)の物質移動は、HNO溶液とTDdDGA / n-ドデカン溶媒との間の移動よりもかなり遅かった。これらの評価で得られた物質移動係数に基づいて、ミキサセトラ及び遠心抽出器を用いたMA(III)回収のためのプロセス条件を議論した。
浅野 周作*; 牧 泰輔*; 前 一廣*; 佐野 雄一; 川野邊 一則*; 坂本 淳志; 岡村 信生; 渡部 雅之; 鈴木 英哉; 松村 達郎
no journal, ,
MA回収用に開発された新抽出剤を用いた溶媒抽出プロセスにおける物質移動係数について、マイクロデバイスを用いた評価を行った。Nitschセル等を用いた既存の評価手法に対して、使用する溶液量を大幅に低減させた条件下で物質移動係数の取得が可能であることを確認した。
坂本 淳志; 川野邊 一則*; 佐野 雄一; 岡村 信生; 渡部 雅之; 鈴木 英哉; 松村 達郎
no journal, ,
MA回収用に開発された新抽出剤を対象に、抽出・逆抽出速度を議論する上で必須となる水相/有機相間の物質移動係数を単一液滴法及び平面接触攪拌法を用いて取得した。得られた値から向流抽出時の抽出挙動を推定するとともに既報の実験結果とおおむね一致することを確認した。
佐野 雄一; 坂本 淳志; 竹内 正行; 鈴木 英哉*; 松村 達郎; 川野邊 一則*; 浅野 周作*; 牧 泰輔*; 前 一廣*
no journal, ,
マイナーアクチニド(MA)回収用に開発された新抽出剤(TDdDGA, HONTA)を用いた溶媒抽出プロセスを対象に、ランタニド元素の抽出・逆抽出時における物質移動係数を評価した。TDdDGA系では溶媒へのアルコールの添加等により逆抽出時の物質移動係数が増大することやHONTA系では物質移動係数が相対的に小さいこと等を確認した。