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近藤 俊樹; 戸田 太郎*; 竹内 淳一*; Kargl, F.*; 菊地 晋; 牟田 浩明*; 大石 佑治*
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1139 - 1148, 2022/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)原子炉の過酷事故時の対策として、酸化鉄(FeO)を犠牲材として用いることにより炉心溶融物の流動性を維持し、コアキャッチャーへと効率的に導く効果が期待されている。また、過酷事故時に原子炉構成材である鉄が酸化される可能性があるため、この酸化物の性質は事故時の挙動解明のためにも重要である。一方で、高温融体、特に高温酸化物融体の物性はその高温反応性のために知見がほとんどないのが現状であり、溶融後の酸化鉄が犠牲材として適した物性を有しているのかは不明であった。本研究では、ガス浮遊法測定装置を用いてFeO
, (FeO
)
-(ZrO
)
ならびに(FeO
)
-(UO
)
の密度と粘性を評価し、FeO
の添加によって炉心溶融物の融点が低下すること、また、流動性が低い温度でも維持されることを明らかにした。
普天間 章; 眞田 幸尚; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 佐藤 一彦*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 菊池 陽*; 石崎 梓; et al.
JAEA-Technology 2020-019, 128 Pages, 2021/02
2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後より放射性核種の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、有人ヘリコプター等を用いた航空機モニタリングが活用されている。本モニタリング技術を原子力施設等の事故時における緊急時モニタリングに活用し、モニタリング結果を迅速に提供するために、全国の発電所周辺におけるバックグラウンド放射線量や地形的特徴、管制区域等の情報を事前に整備している。また、緊急時モニタリングの実効性向上に資するために原子力総合防災訓練に参画し、緊急時航空機モニタリングを実施している。令和元年度は東通原子力発電所並びに六ヶ所再処理工場および志賀原子力発電所周辺について航空機モニタリングを実施し、バックグランド放射線量及びを管制区域等の情報を整備した。また、原子力総合防災訓練の一環として、中国電力島根原子力発電所周辺において緊急時航空機モニタリングを実施した。さらに、本モニタリングの代替技術として期待されている無人飛行機による、原子力災害を想定した運用技術開発に着手した。本報告書は、それらの結果および実施によって抽出された技術的課題についてまとめたものである。
普天間 章; 眞田 幸尚; 石崎 梓; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 佐藤 一彦*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 菊池 陽*; et al.
JAEA-Technology 2020-018, 121 Pages, 2021/02
2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後より、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、航空機等を用いた空からの測定方法が適用されている。ここでは、令和元年度に実施した福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果について取りまとめると共に、過去の福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果から空間線量率等の変化量を評価し、変化量に寄与する要因について考察した。また、航空機モニタリングによる空間線量率の計算精度向上に資するために、航空機モニタリングデータを用いて地形の起伏を考慮に入れた解析を行った。地形の起伏を考慮に入れる前後での解析結果を比較し、本手法による精度向上効果を評価した。さらに、空気中のラドン子孫核種の弁別手法を測定結果に適用して、空気中のラドン子孫核種が航空機モニタリングに与える影響について評価した。
吉川 貴史*; 鈴木 基寛*; Ramos, R.*; Aguirre, M. H.*; 岡林 潤*; 内田 健一*; Lucas, I.*; Anadn, A.*; 菊池 大介*; Algarabel, P. A.*; et al.
Journal of Applied Physics, 126(14), p.143903_1 - 143903_11, 2019/10
被引用回数:8 パーセンタイル:50.52(Physics, Applied)Induced Pt ferromagnetism in FeO
/Pt/Fe
O
epitaxial trilayer films has been investigated by means of X-ray magnetic circular dichroism (XMCD) at the Pt
-edges at various temperatures from 300 K to 12 K, including the metal-insulator transition temperature of Fe
O
(
K). At all the temperatures, we observed clear XMCD signals due to Pt ferromagnetism, the amplitude of which was determined to be 0.39
at 300K and 0.52
at 12 K for the sample with the Pt thickness of
nm. Interestingly, these values are comparable to or even greater than those in Pt/3
-ferromagnetic-metal (Fe, Ni, Co, and Ni
Fe
) junction systems. The results can be interpreted in terms of a possible Fe interdiffusion into the Pt layer and also possible Fe-Pt alloying due to its high-temperature deposition.
佐藤 淳也; 菊地 博*; 加藤 潤; 榊原 哲朗; 松島 怜達; 佐藤 史紀; 小島 順二; 中澤 修
QST-M-8; QST Takasaki Annual Report 2016, P. 62, 2018/03
福島第一原子力発電所における多核種除去設備から発生している廃吸着材は、多量の放射性核種を含有しており、処分のために発生した固化体への放射線影響が懸念されている。本件は、廃吸着材の模擬物をセメント固化した試料において放射線分解によって発生する水素ガス量の調査を目的として実施した。チタン酸塩, 酸化チタン, フェロシアン化物, キレート樹脂及び樹脂系吸着材を対象として、セメント固化材(普通ポルトランドセメント及び高炉スラグセメント)を用いて固化試料を作製した。量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所のコバルト照射施設を利用して線の照射試験を行い、セメント固化試料からの水素ガス発生を調査した。試験の結果、セメント固化試料から発生した水素ガス量を求め、水素ガス発生のG値を算出することができた。
吉川 貴史*; 鈴木 基寛*; 岡林 潤*; 内田 健一*; 菊池 大介*; Qiu, Z.*; 齊藤 英治
Physical Review B, 95(21), p.214416_1 - 214416_7, 2017/06
被引用回数:15 パーセンタイル:60.62(Materials Science, Multidisciplinary)Magnetic moments in an ultrathin Pt film on a ferrimagnetic insulator YFe
O
(YIG) have been investigated at high magnetic fields and low temperatures by means of X-ray magnetic circular dichroism (XMCD). We observed an XMCD signal due to the magnetic moments in a Pt film at the Pt
and
edges. By means of the element-specific magnetometry, we found that the XMCD signal at the Pt
edge gradually increases with increasing the magnetic field even when the field is much greater than the saturation field of YIG. Importantly, the observed XMCD intensity was found to be much greater than the intensity expected from the Pauli paramagnetism of Pt when the Pt film is attached to YIG. These results imply the emergence of induced paramagnetic moments in Pt on YIG and explain the characteristics of the unconventional Hall effect in Pt/YIG systems.
田島 好弘; 桑原 潤; 及川 敦; 甲 昭二; 新谷 尚之; 菊地 香; 宮本 晋伍; 根本 英幸; 大江 修
JAEA-Review 2016-003, 56 Pages, 2016/05
青森研究開発センターむつ事務所施設管理課(以下「施設管理課」という。)は、原子力第1船原子炉施設の運転・維持管理及び廃止措置並びに少量核燃料物質使用施設の液体廃棄施設、固体廃棄施設の運転・維持管理業務を実施している。本報告は、施設管理課における平成24年度及び平成25年度の業務実績を取りまとめたものである。
小栗 英知; 長谷川 和男; 伊藤 崇; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 篠崎 信一; 青 寛幸; 大越 清紀; 近藤 恭弘; et al.
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.389 - 393, 2014/10
J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対する利用運転を行うとともに、リニアック後段の3GeVシンクロトロンにて1MWビームを加速するためのビーム増強計画を進めている。リニアックのビーム増強計画では、加速エネルギー及びビーム電流をそれぞれ増強する。エネルギーについては、181MeVから400MeVに増強するためにACS空洞及びこれを駆動する972MHzクライストロンの開発を行ってきた。これら400MeV機器は平成24年までに量産を終了し、平成25年夏に設置工事を行った。平成26年1月に400MeV加速に成功し、現在、ビーム利用運転に供している。ビーム電流増強では、初段加速部(イオン源及びRFQ)を更新する。イオン源はセシウム添加高周波放電型、RFQは真空特性に優れる真空ロー付け接合タイプ空洞をそれぞれ採用し、平成25年春に製作が完了した。完成後は専用のテストスタンドにて性能確認試験を行っており、平成26年2月にRFQにて目標の50mAビーム加速に成功した。新初段加速部は、平成26年夏にビームラインに設置する予定である。
上野 有美; 小嵐 淳; 岩井 保則; 佐藤 淳也; 高橋 照彦; 澤畠 勝紀; 関田 勉; 小林 誠; 角田 昌彦; 菊地 正光
保健物理, 49(1), p.39 - 44, 2014/03
原子力科学研究所第4研究棟(RI施設)では、排気中のCを1か月間連続で捕集し、施設から大気中へ放出される
Cのモニタリングを行っている。しかし、CuO触媒を600
C以上に加熱する必要があることやモノエタノールアミン(MEA)が毒劇物に指定されていることから、管理区域内でのモニタリング手法として改良の余地が残っている。本試験では、異なる捕集剤を用いた捕集法の比較、使用する捕集剤の量とCO
捕集効率の関係についての検討、異なる酸化触媒の異なる温度条件下における酸化性能の比較を行った。CO
捕集剤の検討では、MEAに加えて、Carbo-Sorb Eを評価の対象とした。酸化触媒の検討では、CuO触媒に加えて、Ptアルミナ触媒、Pd/ZrO
触媒を評価の対象とした。試験の結果、Carbo-Sorb Eはガスの通気による気化量が大きく、1か月の連続捕集には適さず、MEAは1か月間を通して安定したCO
捕集能力があることが確認できた。各触媒の酸化効率を比較した結果、Pd/ZrO
触媒のCH
に対する酸化性能が最も優れており、加熱炉の温度を200
C以上下げることができ、モニタリングの安全性を向上できる。
大倉 毅史; 大石 哲也; 滝 光成; 芝沼 行男; 菊地 正光; 秋野 仁志; 菊田 恭章; 川崎 将亜; 三枝 純; 堤 正博; et al.
JAEA-Data/Code 2012-010, 37 Pages, 2012/05
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によってもたらされた福島第一原子力発電所事故に伴い、原子力科学研究所では、緊急時環境放射線モニタリングを実施した。2011年6月上旬までのモニタリングで得られた結果を提供する。空気試料からはCs-134, Cs-137, I-131, I-132, Te-132, Xe-133などの人為由来放射性核種が検出された。2011年3月15日以降、空間線量率に連動して、大気中放射性物質濃度の変化した。それぞれのピークでの組成はさまざまな特徴を示した。実測された大気中放射性核種濃度を用いて、吸入摂取によってもたらされる内部被ばくを見積もった。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review D, 84(1), p.012006_1 - 012006_18, 2011/07
被引用回数:26 パーセンタイル:70.48(Astronomy & Astrophysics)重心エネルギー200GeVでの縦偏極陽子陽子衝突からのジェット生成のイベント構造と二重非対称()について報告する。光子と荷電粒子がPHENIX実験で測定され、イベント構造がPHYTIAイベント生成コードの結果と比較された。再構成されたジェットの生成率は2次までの摂動QCDの計算で十分再現される。測定された
は、一番低い横運動量で-0.0014
0.0037、一番高い横運動量で-0.0181
0.0282であった。この
の結果を幾つかの
の分布を仮定した理論予想と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:169 パーセンタイル:99.44(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。また
や
スケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:8 パーセンタイル:51.17(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review D, 83(5), p.052004_1 - 052004_26, 2011/03
被引用回数:161 パーセンタイル:98.47(Astronomy & Astrophysics)RHIC-PHENIX実験で重心エネルギー200GeVの陽子陽子衝突からの,
,
と
中間子生成の微分断面積を測定した。これらハドロンの横運動量分布のスペクトルの形はたった二つのパラメーター、
、のTsallis分布関数でよく記述できる。これらのパラメーターはそれぞれ高い横運動量と低い横運動量の領域のスペクトルを決めている。これらの分布をフィットして得られた積分された不変断面積はこれまで測定されたデータ及び統計モデルの予言と一致している。
住谷 秀一; 松浦 賢一; 渡辺 均; 中野 政尚; 藤田 博喜; 河野 恭彦; 檜山 佳典; 吉井 秀樹*; 藤井 純*; 菊地 政昭*; et al.
JAEA-Review 2010-072, 115 Pages, 2011/02
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた再処理施設保安規定,核燃料物質使用施設保安規定,放射線障害予防規程,放射線保安規則及び茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書並びに水質汚濁防止法及び茨城県条例に基づき、平成21年4月1日から平成22年3月31日までの期間に日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設,プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設からの放射性液体廃棄物は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
武石 稔; 松浦 賢一; 渡辺 均; 中野 政尚; 河野 恭彦; 檜山 佳典; 藤井 純*; 菊地 政昭*; 佐川 文明*; 大谷 和義*
JAEA-Review 2009-039, 131 Pages, 2009/12
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた再処理施設保安規定,核燃料物質使用施設保安規定,放射線障害予防規程,放射線保安規則及び茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書並びに水質汚濁防止法及び茨城県条例に基づき、平成20年4月1日から平成21年3月31日までの期間に日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設,プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設からの放射性液体廃棄物は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
武石 稔; 松浦 賢一; 渡辺 均; 中野 政尚; 河野 恭彦; 檜山 佳典; 藤井 純*; 菊地 政昭*; 佐川 文明*; 大谷 和義*
JAEA-Review 2008-060, 131 Pages, 2008/12
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた再処理施設保安規定,核燃料物質使用施設保安規定,放射線障害予防規程,放射線保安規則及び茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書並びに水質汚濁防止法及び茨城県条例に基づき、平成19年4月1日から平成20年3月31日までに実施した日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設,プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設の放出した放射性物質は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
本間 俊司*; 石井 淳一; 菊池 俊明*; 近沢 孝弘*; 柴田 淳広; 小山 智造; 古閑 二郎*; 松本 史朗*
Journal of Nuclear Science and Technology, 45(6), p.510 - 517, 2008/06
被引用回数:11 パーセンタイル:60.42(Nuclear Science & Technology)U-Pu共晶析再処理システムを軽水炉燃料用に提案し、そのフローシート研究を実施した。本再処理システムは、硝酸溶液中の6価のプルトニウムが、単独では晶析しない場合でも硝酸ウラニルと共存すると、硝酸ウラニルと共晶析するという実験事実に基づく。本システムは、次の5工程、使用済燃料溶解工程,Pu酸化工程,共除染のためのU-Pu共晶析工程,結晶再溶解工程,UとPu分離のためのU晶析工程から成る。有機溶媒を使用しないため、有機溶媒の可燃性や処理にかかわる安全性や経済性の点で、PUREX再処理システムに比べ有利である。本システムは、U-Pu共晶析工程でほぼ全量のUとPuを回収するために、U-Pu共晶析工程の母液を溶解工程にリサイクルする必要がある。その最適なリサイクル率は、燃料の種類や製品の除染係数等によって決定される。U晶析工程からの母液は、UとPuを含んでおり、MOX燃料の原料となる。本フローシート研究から、U晶析工程の温度を制御することにより母液中のPu/U比を一定に保つことができ、使用済燃料組成の違いが製品の品質に影響を及ぼさないことがわかった。
武石 稔; 宮河 直人; 中野 政尚; 水谷 朋子; 河野 恭彦; 檜山 佳典*; 藤井 純*; 菊地 政昭*; 佐川 文明*; 大谷 和義*
JAEA-Review 2007-041, 130 Pages, 2007/12
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた再処理施設保安規定,核燃料物質使用施設保安規定,放射線障害予防規程,放射線保安規則及び茨城県などとの原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書並びに水質汚濁防止法及び茨城県条例に基づき、平成18年4月1日から平成19年3月31日までに実施した日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した低レベル放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設,プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設の放出した放射性物質は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
大山 孝一; 野村 和則; 鷲谷 忠博; 田山 敏光; 矢野 公彦; 柴田 淳広; 小巻 順; 近沢 孝弘*; 菊池 俊明*
Proceedings of International Conference on Advanced Nuclear Fuel Cycles and Systems (Global 2007) (CD-ROM), p.1461 - 1466, 2007/09
次世代の再処理技術として、安全性の向上と高経済性が要求される中、晶析技術は将来技術として最も注目されている技術である。原子力機構は、三菱マテリアル,埼玉大学及び早稲田大学とともに晶析プロセス開発と連続処理が可能な晶析装置開発を並行して行ってきた。晶析プロセス開発においては、原子力機構の高レベル放射性物質研究施設(CPF)を中心に、国内外の研究機関のフィールドにて、照射済燃料溶解液等を用いた基礎試験を実施し、フローシート検討を行うとともに、さらにより純粋な結晶を得るために、結晶精製研究を行っている。また、晶析装置開発においては、各種の晶析装置構造の検討を経て、最も有望な晶析装置として、回転キルン型連続晶析装置の型式を選定し、ウラン溶液での基本特性データを取得した。また、工学規模の晶析装置を製作し、システム性能試験を実施した。本報において、晶析プロセスの技術開発を報告する。