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論文

PANDORA Project for the study of photonuclear reactions below $$A=60$$

民井 淳*; Pellegri, L.*; S$"o$derstr$"o$m, P.-A.*; Allard, D.*; Goriely, S.*; 稲倉 恒法*; Khan, E.*; 木戸 英治*; 木村 真明*; Litvinova, E.*; et al.

European Physical Journal A, 59(9), p.208_1 - 208_21, 2023/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)

光核反応は原子核構造の観点からも応用の観点からも重要であるにも関わらず、その反応断面積は未だに不定性が大きい。近年、超高エネルギー宇宙線の起源を探るために、鉄よりも軽い原子核の光核反応断面積を正確に知る必要が指摘されている。この状況を打破するため、原子核物理の実験、理論、宇宙物理の共同研究となるPANDORAプロジェクトが始まった。本論文はその計画の概要をまとめたものである。原子核実験ではRCNP、iThembaによる仮想光子実験とELI-NPによる実光子実験などが計画されている。原子核理論では、乱雑位相近似計算、相対論的平均場理論、反対称化分子動力学、大規模殻模型計算などが計画されている。これらで得られた信頼性の高い光核反応データベースと宇宙線伝搬コードを組み合わせ、超高エネルギー宇宙線の起源の解明に挑む。

論文

First observation of $$^{28}$$O

近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.

Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08

 被引用回数:5 パーセンタイル:92.64(Multidisciplinary Sciences)

非常に中性子が過剰な原子核$$^{28}$$Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核$$^{24}$$Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて$$^{29}$$Fからの1陽子ノックアウト反応によって$$^{28}$$Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、$$^{28}$$Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。

論文

Level structures of $$^{56,58}$$Ca cast doubt on a doubly magic $$^{60}$$Ca

Chen, S.*; Browne, F.*; Doornenbal, P.*; Lee, J.*; Obertelli, A.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; 茶園 亮樹*; Hagen, G.*; Holt, J. D.*; et al.

Physics Letters B, 843, p.138025_1 - 138025_7, 2023/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:0.02(Astronomy & Astrophysics)

$$^{57,59}$$Scからの1陽子ノックアウト反応を用いて、$$^{56}$$Caと$$^{58}$$Caのガンマ崩壊を観測した。$$^{56}$$Caでは1456(12)keVの$$gamma$$線遷移が、$$^{58}$$Caでは1115(34)keVの遷移が観測された。どちらの遷移も暫定的に$$2^{+}_{1} rightarrow 0^{+}_{gs}$$と割り当てられた。有効核子間相互作用をわずかに修正した広い模型空間での殻模型計算では、$$2^{+}_{1}$$準位エネルギー、2中性子分離エネルギー、反応断面積が実験とよく一致し、N=34閉殻の上に新しい殻が形成されていることを裏付けた。その構成要素である$$0_{f5/2}$$$$0_{g9/2}$$軌道はほぼ縮退しており、これは$$^{60}$$Caが二重魔法核である可能性を排除し、Ca同位体のドリップラインを$$^{70}$$Caあるいはそれ以上にまで広げる可能性がある。

論文

Intruder configurations in $$^{29}$$Ne at the transition into the island of inversion; Detailed structure study of $$^{28}$$Ne

Wang, H.*; 安田 昌弘*; 近藤 洋介*; 中村 隆司*; Tostevin, J. A.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Poves, A.*; 清水 則孝*; 吉田 数貴; et al.

Physics Letters B, 843, p.138038_1 - 138038_9, 2023/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:68.16(Astronomy & Astrophysics)

$$^{29}$$Neからの1中性子除去反応を用いて、$$^{28}$$Neの詳細な$$gamma$$線分光を行った。平行運動量分布の解析に基づき、$$^{28}$$Neの準位構造とスピンパリティを決定し、初めて負のパリティ状態を同定した。測定された断面積と運動量分布から、N=20とN=28のシェルギャップの消失の証拠となる有意なintruder p-wave強度が明らかになった。束縛状態については、弱いf-waveの可能性のある強度が観測された。いくつかの有効相互作用を用いた大規模殻模型計算では、実験的に観測された大きなp-wave強度と小さなf-wave強度は再現されず、Ne同位体に沿った反転の島への遷移の完全な理論的記述への挑戦が続いていることを示している。

論文

Multiple mechanisms in proton-induced nucleon removal at $$sim$$100 MeV/nucleon

Pohl, T.*; Sun, Y. L.*; Obertelli, A.*; Lee, J.*; G$'o$mez-Ramos, M.*; 緒方 一介*; 吉田 数貴; Cai, B. S.*; Yuan, C. X.*; Brown, B. A.*; et al.

Physical Review Letters, 130(17), p.172501_1 - 172501_8, 2023/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:92.42(Physics, Multidisciplinary)

大きなフェルミ面非対称性を持つ陽子過剰な$$^{14}$$O原子核からの100MeV/nucleonでの陽子による陽子・中性子除去反応について報告した。この結果は、quasi-freeノックアウト反応、非弾性散乱、核子移行反応を含む複数の反応機構の定量的寄与を初めて示すものである。このようなエネルギー領域では通常無視される非弾性散乱と核子移行の寄与が、弱束縛陽子と強束縛中性子の除去反応断面積にそれぞれ約50%と30%寄与していることが示された。

論文

Selective adsorption of Pd(II) over Ag(I) in nitric acid solutions using nitrogen-donor-type adsorbents

鈴木 智也*; 大坪 右京*; 尾形 剛志*; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 矢板 毅; 松岡 光昭*; 村山 憲弘*; 成田 弘一*

Separation and Purification Technology, 308, p.122943_1 - 122943_7, 2023/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:24.43(Engineering, Chemical)

主にAgを含む使用済み製品からPd金属をリサイクルするために硝酸抽出が行われており、ほとんどのPd残留物はAg(I)含有溶液から分離される。しかし、このAg(I)溶液中には少量のPd(II)が残存していることが多い。そのため、硝酸溶液中のPd(II)とAg(I)を分離することは、Pdのリサイクルを効率的に進めるために必要不可欠である。本研究では、アミン(R-Amine),イミノ二酢酸(R-IDA),ピリジン(R-Py),ビスピコリルアミン(R-BPA)で機能化した4種類の窒素ドナー型吸着材を用いて硝酸溶液中のPd(II), Ag(I)を分離する研究を実施した。R-Amine,R-IDA,R-Pyは硝酸溶液からAg(I), Cu(II), Ni(II), Fe(III)を選択的に吸着したが、R-AmineはPdの吸着効率が低いことが判明した。一方、R-BPAはPd(II), Ag(I), Cu(II)を全濃度において90%以上吸着することができた。フーリエ変換赤外分光法及び広域X線吸収微細構造法(EXAFS)による吸着金属イオンの構造解析から、窒素ドナー型吸着剤の分離機構を明らかにした。R-IDA, R-Py, R-BPAへのPd(II)吸着は官能基(それぞれイミノ二酢酸,ピリジン,ビスピコリルアミン)へのPd(II)配位を介して起こり、R-Amineへの吸着はNO$$_{3}$$$$^{-}$$と[Pd(NO$$_{3}$$)$$_{4}$$]$$^{2-}$$のアニオン交換を介して起こることがわかった。R-IDA,R-Py,R-BPAは、配位性吸着機構により、高いPd(II)吸着挙動を示すことが明らかとなった。塩酸(5.0M)およびチオ尿素(0.1M)溶離液は、それぞれR-IDAから83%およびR-Pyから95%のPd(II)を脱離させた。R-Pyは吸着選択性と脱着効率から最も効果的なPd(II)吸着剤だった。

論文

"Southwestern" boundary of the $$N = 40$$ island of inversion; First study of low-lying bound excited states in $$^{59}$$V and $$^{61}$$V

Elekes, Z.*; Juh$'a$sz, M. M.*; Sohler, D.*; Sieja, K.*; 吉田 数貴; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.

Physical Review C, 106(6), p.064321_1 - 064321_10, 2022/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)

$$^{59}$$Vと$$^{61}$$Vの低励起準位構造を初めて探索した。$$^{61}$$Vについては中性子ノックアウト反応と陽子非弾性散乱が、$$^{59}$$Vについては中性子ノックアウト反応データが得られた。$$^{59}$$Vについては4つ、$$^{61}$$Vについては5つの新たな遷移が確認された。Lenzi-Nowacki-Poves-Sieja (LNPS)相互作用に基づく殻模型計算との比較によって、それぞれの同位体について確認されたガンマ線のうち3つが、first 11/2$$^{-}$$状態とfirst 9/2$$^{-}$$状態からの崩壊と決定された。$$^{61}$$Vについては、($$p$$,$$p'$$)非弾性散乱断面積は四重極変形と十六重極変形を想定したチャネル結合法により解析されたが、十六重極変形の影響により、明確に反転の島に属するとは決定できなかった。

論文

Extended $$p_{3/2}$$ neutron orbital and the $$N = 32$$ shell closure in $$^{52}$$Ca

Enciu, M.*; Liu, H. N.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; Poves, A.*; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.

Physical Review Letters, 129(26), p.262501_1 - 262501_7, 2022/12

 被引用回数:4 パーセンタイル:46.35(Physics, Multidisciplinary)

$$sim$$230MeV/nucleonでの$$^{52}$$Caからの中性子ノックアウト反応が$$gamma$$線分光と行われ、$$1f_{7/2}$$$$2p_{3/2}$$軌道からの中性子ノックアウト反応の運動量分布が測定された。断面積は$$N=32$$の閉殻と整合し、Ca同位体での$$N=28$$$$N=34$$閉殻と同程度に強い閉殻であることが確認された。運動量分布の分析から$$1_{f7/2}$$$$2p_{3/2}$$軌道の平均二乗根半径の差は0.61(23)fmと決定され、これはmodified-shell-modelによる予言の0.7fmと整合した。これは、中性子過剰なCa同位体での$$2p_{3/2}$$軌道半径が大きいことが、中性子数にしたがって線形的に荷電半径が増える意外な現象の原因であることを示唆している。

論文

Structural change by phosphorus addition to borosilicate glass containing simulated waste components

岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 嶋村 圭介*; 小林 秀和; 永井 崇之; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*

Journal of Nuclear Materials, 570, p.153962_1 - 153962_13, 2022/11

モリブデンの溶解度を高める効果があるリンを含む模擬核廃棄物ガラス試料を作製し、放射光X線吸収微細構造(XAFS)分析によりいくつかの構成元素を、ラマン分光分析によりその配位構造を分析した。分析では、リンの添加量や廃棄物積載率の違いによる局所構造および化学状態の変化を系統的に調べた。その結果、最大廃棄物量30wt%(MoO$$_3$$ 1.87mol%に相当)においても、モリブデン酸塩化合物による結晶相は観察されなかった。廃棄物充填率を上げると酸化が進行し、リンを添加すると還元が進行した。さらに、それらの酸化と還元の効果が相殺されるケースもみられた。特定元素の周辺局所構造は、主に廃棄物充填率の影響を受けるZn、廃棄物充填率とリン添加の両方の影響を受けるCe、どちらの影響も受けないZr元素に分類された。Moと他の元素の分析結果の比較から、添加したリンは遊離されたPO$$_4$$構造単位として存在し、モリブデン酸イオンに配位するアルカリ金属を奪い取っている可能性があると考えられた。

論文

A First glimpse at the shell structure beyond $$^{54}$$Ca; Spectroscopy of $$^{55}$$K, $$^{55}$$Ca, and $$^{57}$$Ca

小岩井 拓真*; Wimmer, K.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Holt, J. D.*; 宮城 宇志*; Navr$'a$til, P.*; 緒方 一介*; et al.

Physics Letters B, 827, p.136953_1 - 136953_7, 2022/04

 被引用回数:4 パーセンタイル:52.69(Astronomy & Astrophysics)

中性子過剰核$$^{54}$$Caでは、新魔法数34が発見されて以来、その構造を知るために多くの実験がなされてきたが、それを超える中性子過剰核の情報は全く知られてこなかった。本論文では、理化学研究所RIBFにて$$^{55}$$K, $$^{55}$$Ca, $$^{57}$$Caの励起状態から脱励起するガンマ線を初めて観測した結果を報告した。それぞれ1つのガンマ線しか得られなかったものの、$$^{55}$$Kおよび$$^{55}$$Caのデータは、それぞれ、陽子の$$d_{3/2}$$$$s_{1/2}$$軌道間のエネルギー差、中性子の$$p_{1/2}$$$$f_{5/2}$$軌道間のエネルギー差を敏感に反映し、両方とも最新の殻模型計算によって200keV程度の精度で再現できることがわかった。また、1粒子状態の程度を特徴づける分光学的因子を実験データと歪曲波インパルス近似による反応計算から求め、その値も殻模型計算の値と矛盾しないことがわかった。

論文

Investigation of the ground-state spin inversion in the neutron-rich $$^{47,49}$$Cl isotopes

Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Chen, S.*; Chung, L. X.*; Duguet, T.*; G$'o$mez-Ramos, M.*; et al.

Physical Review C, 104(4), p.044331_1 - 044331_16, 2021/10

AA2021-0468.pdf:1.29MB

 被引用回数:5 パーセンタイル:46.8(Physics, Nuclear)

理化学研究所のRIビームファクトリーにて中性子過剰$$^{47,49}$$Clの励起状態を$$^{50}$$Arからのノックアウト反応によって生成し、脱励起ガンマ線からそのエネルギー準位を測定した。また、陽子ノックアウトの運動量分布から$$^{49}$$Clの基底状態が$$3/2^+$$であることがわかった。その結果を大規模殻模型計算およびいくつかの第一原理計算と比較した。$$^{47,49}$$Cl同位体の基底状態および第一励起状態は、計算で用いた相互作用に敏感であることがわかった。それは、陽子の一粒子エネルギーと四重極集団運動との複雑な結合によるためであると考えられる。

論文

Speciation and separation of platinum(IV) polynuclear complexes in concentrated nitric acid solutions

鈴木 智也*; 大坪 右京*; 尾形 剛志*; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 矢板 毅; 松岡 光昭*; 村山 憲弘*; 成田 弘一*

Dalton Transactions (Internet), 50(33), p.11390 - 11397, 2021/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.56(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

本研都市鉱山から白金(Pt)を回収するには、Pt(IV)の溶液化学を理解することが重要である。我々は、濃硝酸溶液中のPt(IV)錯体の化学種と分離を、X線吸収微細構造(XAFS)分光法によって調べた。Na$$_{2}$$Pt(OH)$$_{6}$$の濃縮硝酸溶液にはPt多核錯体が支配的に存在し、Pt濃度とNa$$_{2}$$Pt(OH)$$_{6}$$の溶解温度に依存することが明らかになった。0.90g-Pt/Lの加熱硝酸塩溶液と3.2g-Pt/Lの非加熱硝酸塩溶液には主に二核白金錯体が存在する。一方3.0g-Pt/Lの加熱溶液には、四核および六核錯体のような大きな多核錯体が主に存在していた。またイミノ二酢酸で機能化したキレート樹脂と硝酸トリメチルアンモニウムを有する強塩基性アニオン交換樹脂でPt(IV)イオンを吸着させると、大きなPt(IV)錯体の存在を確認した。高濃度のPt(IV)を含む加熱溶液からのPt(IV)錯体は、高い吸着効率を示すことがわかった。さらに、強塩基性陰イオン交換樹脂を使用すれば、Pd(II), Ag(I), Cu(II), Ni(II), Fe(III)が含まれる10M硝酸溶液から選択的にPt(IV)を吸着させることに成功した。

論文

断熱・非断熱条件下における水素-空気希薄予混合火炎の不安定挙動に及ぼす水蒸気添加の効果

古山 大誠*; Thwe Thwe, A.; 勝身 俊之; 小林 秀昭*; 門脇 敏

日本機械学会論文集(インターネット), 87(898), p.21-00107_1 - 21-00107_12, 2021/06

断熱および非断熱条件下での水素-空気希薄予混合火炎の不安定挙動に及ぼす蒸気添加の影響を数値計算的に調査した。8つの活性種と希釈剤の17の可逆反応でモデル化された水素-酸素燃焼の詳細な化学反応メカニズムを採用し、圧縮性ナビエ・ストークス方程式に基づいて、2次元の非定常反応流が処理された。蒸気の追加と熱損失が増加すると共に平面火炎の伝播速度は減少した。水蒸気濃度の増加と共に、標準化したセル状火炎の燃焼速度は増大し、熱損失が存在する場合、標準化したセル状火炎の燃焼速度は、断熱の場合より大きくなった。水蒸気添加により、水素-空気希薄予混合火炎の不安定挙動はプロモートされる。これは、ガスの熱拡散率が減少し、拡散-熱的不安定性が強くなるからである。水素予混合火炎の不安定性に及ぼす水蒸気添加の効果は新たな知見であり、原子力発電所などにおける水素防爆対策に繋がることが期待される。

論文

Pairing forces govern population of doubly magic $$^{54}$$Ca from direct reactions

Browne, F.*; Chen, S.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; 緒方 一介*; 宇都野 穣; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; Calvet, D.*; et al.

Physical Review Letters, 126(25), p.252501_1 - 252501_7, 2021/06

 被引用回数:10 パーセンタイル:69.3(Physics, Multidisciplinary)

理化学研究所RIビームファクトリーにて、中性子過剰核$$^{55}$$Scからの1陽子ノックアウト反応によって$$^{54}$$Caを生成し、そのエネルギー準位と反応断面積をガンマ線分光および不変質量分光によって得た。その結果を歪曲波インパルス近似による核反応計算と大規模殻模型による核構造計算を組み合わせた理論値と比較した。実験の準位と断面積は理論計算によってよく再現された。$$^{54}$$Caの正パリティ状態については、基底状態の生成断面積が励起状態のものに比べて圧倒的に大きいという結果が得られた。これは、$$^{55}$$Scでは中性子魔法数34が消滅し$$^{54}$$Caではその魔法数が存在するというこれまでの知見と一見矛盾するが、対相関による分光学的因子のコヒーレンスから理解することができる。

論文

First spectroscopic study of $$^{51}$$Ar by the ($$p$$,2$$p$$) reaction

Juh$'a$sz, M. M.*; Elekes, Z.*; Sohler, D.*; 宇都野 穣; 吉田 数貴; 大塚 孝治*; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; 馬場 秀忠*; et al.

Physics Letters B, 814, p.136108_1 - 136108_8, 2021/03

AA2020-0747.pdf:0.83MB

 被引用回数:5 パーセンタイル:46.8(Astronomy & Astrophysics)

($$p$$,$$2p$$)反応と$$gamma$$線分光を用いて$$^{51}$$Arの束縛状態と非束縛状態の核構造研究を行った。実験結果と殻模型計算を比較することで、2つの束縛状態と6つの非束縛状態を決定した。$$^{51}$$Arの束縛状態を生成する反応断面積が小さいことから、これは中性子数32, 34の顕著なsub-shell closureが存在している確かな証拠と解釈できる。

論文

Quasifree neutron knockout reaction reveals a small $$s$$-Orbital component in the Borromean nucleus $$^{17}$$B

Yang, Z. H.*; 久保田 悠樹*; Corsi, A.*; 吉田 数貴; Sun, X.-X.*; Li, J. G.*; 木村 真明*; Michel, N.*; 緒方 一介*; Yuan, C. X.*; et al.

Physical Review Letters, 126(8), p.082501_1 - 082501_8, 2021/02

AA2020-0819.pdf:1.29MB

 被引用回数:43 パーセンタイル:96.7(Physics, Multidisciplinary)

ボロミアン核であり中性子ハロー構造が期待される$$^{17}$$Bに対する($$p$$,$$pn$$)反応実験を行った。断面積の運動量分布を分析することで、$$1s_{1/2}$$$$0d_{5/2}$$軌道の分光学的因子を決定した。驚くべきことに、$$1s_{1/2}$$の分光学的因子は9(2)%と小さいことが明らかになった。この結果は、連続状態を含むdeformed relativistic Hartree-Bogoliubov理論によってよく説明された。本研究の結果によると、現在知られているハロー構造を持つとされる原子核の中で$$^{17}$$Bは$$s$$および$$p$$軌道の成分が最も小さく、$$s$$または$$p$$軌道成分が支配的であることが必ずしもハロー構造の前提条件ではない可能性を示唆している。

論文

XAFS analysis of ruthenium in simulated iron phosphate radioactive waste glass

岡本 芳浩; 小林 秀和; 塩飽 秀啓; 捧 賢一; 畠山 清司*; 永井 崇之

Journal of Non-Crystalline Solids, 551, p.120393_1 - 120393_8, 2021/01

 被引用回数:5 パーセンタイル:30.89(Materials Science, Ceramics)

模擬廃液を含有した鉄リン酸ガラス試料におけるルテニウムの化学状態を、X線吸収微細構造(XAFS)およびイメージングXAFSによって調べた。EXAFS分析の結果、30mol%Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$-P$$_{2}$$O$$_{5}$$ベースガラスに、廃棄物成分が10wt.%以下の場合では、ルテニウムがガラス相に含まれることを示唆された。他の試料では、ルテニウムは、主に結晶性RuO$$_{2}$$として存在することが確認された。イメージングXAFS分析からは、RuO$$_{2}$$の析出が確認されたが、全ての試料において、大きさ50$$mu$$m以下の小さいものであった。ホウケイ酸ガラス系で観察されるような、RuO$$_{2}$$の凝集体は、本研究における鉄リン酸ガラス試料では確認されなかった。

論文

Effects of pressure and heat loss on the unstable motion of cellular-flame fronts caused by intrinsic instability in hydrogen-air lean premixed flames

門脇 敏; Thwe Thwe, A.; 古山 大誠*; 河田 一正*; 勝身 俊之; 小林 秀昭*

Journal of Thermal Science and Technology (Internet), 16(2), p.20-00491_1 - 20-00491_12, 2021/00

 被引用回数:4 パーセンタイル:30.26(Thermodynamics)

水素-空気予混合火炎の固有不安定により生じるセル状火炎面の不安定運動に及ぼす圧力と熱損失の影響を数値的に調査するために、水素-酸素燃焼の反応機構を採用し、8つの活性種と希釈剤の17の可逆反応をモデル化した。二次元非定常反応流れの基礎方程式が処理され、圧縮率,粘度,熱伝導,分子拡散、および熱損失が考慮された。圧力が高くなると、最大成長率が増加し、不安定な範囲が広がった。これらは主に火炎の厚さの減少によるものだった。圧力が高く、熱損失が大きくなると共に平面火炎の燃焼速度で標準化したセル状火炎の燃焼速度は増加した。これは、圧力と熱損失が細胞炎面の不安定な動きに強く影響したことを示している。また、フラクタル次元が大きくなり、炎の形状が複雑になったことを示している。

論文

$$N$$ = 32 shell closure below calcium; Low-lying structure of $$^{50}$$Ar

Cort$'e$s, M. L.*; Rodriguez, W.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Holt, J. D.*; Men$'e$ndez, J.*; 緒方 一介*; Schwenk, A.*; 清水 則孝*; Simonis, J.*; et al.

Physical Review C, 102(6), p.064320_1 - 064320_9, 2020/12

AA2020-0748.pdf:0.75MB

 被引用回数:11 パーセンタイル:73.66(Physics, Nuclear)

理化学研究所RIBFにおいて、$$N$$=32同位体である$$^{50}$$Arの低励起構造を陽子・中性子ノックアウト反応,多核子剥離反応,陽子非弾性散乱と$$gamma$$線分光によって調査した。すでに知られていた2つに加えて、3$$^{-}$$状態の候補を含む5つの状態を新たに確認した。$$gamma$$ $$gamma$$ coincidenceによって得られた準位図は$$sd-pf$$模型空間での殻模型計算やカイラル2体・3体力による第一原理計算と比較した。陽子・中性子ノックアウト反応断面積の理論との比較により、新たに発見された2つの状態は2$$^{+}$$状態であり、また以前に4$$^{+}_{1}$$とされていた状態も2$$^{+}$$であることが示唆された。

論文

Sorption behavior of selenide on montmorillonite

杉浦 佑樹; 戸村 努*; 石寺 孝充; 土井 玲祐; Francisco, P. C. M.; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 松村 大樹; 高橋 嘉夫*; 舘 幸男

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 324(2), p.615 - 622, 2020/05

 被引用回数:4 パーセンタイル:45.45(Chemistry, Analytical)

Batch sorption experiments were performed to investigate the sorption mechanism of Se on montmorillonite under reducing conditions in deep geological environments. Based on Eh-pH diagrams and ultraviolet-visible spectra, Se was dissolved as selenide (Se(-II)) anions under the experimental conditions. The distribution coefficients ($$K_{rm d}$$; m$$^{3}$$ kg$$^{-1}$$) of Se(-II) indicated ionic strength independence and slight pH dependence. The $$K_{rm d}$$ values of Se(-II) were higher than those of Se(IV), which also exists as an anionic species. X-ray absorption near edge spectroscopy showed that the oxidation state of Se-sorbed on montmorillonite was zero even though selenide remained in the solution. These results suggest that Se(-II) was oxidized and precipitated on the montmorillonite surface. Therefore, it is implied that a redox reaction on the montmorillonite surface contributed to high $$K_{rm d}$$ values for Se(-II).

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