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山田 文昭; 深野 義隆; 西 裕士; 此村 守
Nuclear Technology, 188(3), p.292 - 321, 2014/12
被引用回数:19 パーセンタイル:81.26(Nuclear Science & Technology)東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ、地震・津波により「もんじゅ」が全交流電源喪失(SBO)となった場合の冷却材ナトリウム自然循環による炉心冷却性について、「もんじゅ」ナトリウム自然循環予備試験結果等により解析の妥当性を確認したプラント動特性解析コードSuper-COPDを用いて解析評価した。その結果、冷却材の流路が確保されている限り、冷却材ナトリウムの自然循環によって炉心が冷却できることを明らかにした。
山田 文昭; 深野 義隆; 西 裕士; 此村 守
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Safe Technologies and Sustainable Scenarios (FR-13) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2013/03
東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ、地震・津波により「もんじゅ」が全交流電源喪失(SBO)となった場合の冷却材ナトリウム自然循環による炉心冷却性について、「もんじゅ」ナトリウム自然循環予備試験結果等により解析の妥当性を確認したプラント動特性解析コード(Super-COPD)を用いて解析した。その結果、冷却材の流路が確保されている限り冷却材の自然循環によって炉心が冷却できることを明らかにした。
近藤 悟; 弟子丸 剛英; 此村 守
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Safe Technologies and Sustainable Scenarios (FR-13) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2013/03
もんじゅは、1995年のナトリウム漏えい以降長期停止後、2010年に運転を再開し、ゼロ出力での試験において、アメリシウムを多く含む炉心の炉物理特性の正確な予測の実証等の成果を得た。東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、停止状態にあるが、シビアアクシデントへの対応や安定運転の実証等を通じて将来のナトリウム冷却高速炉の技術を蓄積するというもんじゅの役割は変わっていない。これまでの技術成果、不具合対応、全交流電源喪失時の安全性向上対策及び今後の計画について概括的に述べる。
此村 守
日本原子力学会誌ATOMO, 54(5), p.312 - 314, 2012/05
高速増殖原型炉「もんじゅ」でマイナーアクチニドを含んだ燃料を照射し、最終的に少なくとも燃料集合体規模での照射実証を目標とするGACID計画が日仏米三か国間で進んでいる。「もんじゅ」は「マイナーアクチニドの減少」,「発電」そして「燃料の増殖」という三つの機能を同時に果たせる原子炉であり、その運転により得られる成果が国際的に期待されている。
此村 守; 一宮 正和; 向 和夫
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles (FR 2009) (CD-ROM), 9 Pages, 2012/00
もんじゅにおける研究開発及びこれに関連する研究開発について、2025年ごろまでの長期研究開発計画と、今後5年程度の具体的な研究開発内容とをまとめ、もんじゅを利用した研究開発計画の概要を広く国内外に公表する。本研究開発計画は、もんじゅの安全・安定運転による運転経験の蓄積,もんじゅのデータによる解析コードの検証、及び将来の照射施設に向けた準備を行うことを目的としている。これらの成果は実証炉の設計・運転に活用される。
此村 守
日本原子力学会誌ATOMO, 53(3), p.211 - 214, 2011/03
高速炉に限らず開発過程においてトラブルが生ずることを常に考え、そのリスク管理を行うことは技術開発に携わる者の常識と言っても過言ではない。そのため、トラブルが事故に発展することのないよう設計では深層防護及び多重性・多様性という概念を取り入れ、建設・運転では信頼性を高める工夫をしている。それでも、実際に高速炉を動かすと、さまざまな不具合が発生する。もともと数々の機械系の集合であることから、不具合を避けることはできない。しかし、逆説的ではあるが、これらの不具合はこれを適切にリスク管理することにより、当該機械系の信頼度を向上させることができる。高速炉の安全に影響しない不具合をトラブルと呼ぶならば、トラブルは高速炉の開発に取り貴重な財産である。したがって、開発者が情報の透明性を守ることを前提に、注視すべきは、発生したトラブルを開発者が技術的にどのように咀嚼し技術的な改善をどのように図ったかという点にこそあるべきと言える。
此村 守; 一宮 正和
Journal of Nuclear Materials, 371(1-3), p.250 - 269, 2007/09
被引用回数:18 パーセンタイル:75.10(Materials Science, Multidisciplinary)ナトリウム冷却高速炉の経済性を向上させるために、配管短縮化,ループ数の削減,原子炉構造の簡素化,機器の合体といった革新的な方法を適用した。これらの方法を適用できるためには、配管内流速の高速化,高クロム鋼の採用といった革新的な技術の利用が必要である。これらの技術を採用した結果、電気出力1500MWの大型ツインプラントで、建設コストは20万円/kWeを切ることが示され、高い経済的競争力のある高速炉プラント概念が構築できた。
近澤 佳隆; 岡野 靖; 此村 守; 佐藤 浩司; 澤 直樹*; 住田 裕之*; 中西 繁之*; 安藤 将人*
Nuclear Technology, 159(3), p.267 - 278, 2007/09
被引用回数:1 パーセンタイル:11.28(Nuclear Science & Technology)小型炉は小型特有の合理化対策,設計規格化,習熟効果により投資及びR&Dリスクを削減しつつ大型炉に匹敵する経済性を達成する可能性がある。ここでは多数基設置時において大型炉と同等の経済性を達成する可能性のある300MWeナトリウム冷却小型炉の概念設計を実施した。燃料型式はPu-U-Zr3元合金の金属燃料、炉心型式は金属燃料において炉心出口温度550Cを達成可能なZr密度含有率2領域単一Pu富化度炉心を採用した。冷却系は電磁ポンプを直列2基設置することにより、1ループ化し、1次系電磁ポンプは中間熱交換器内部に組み込む方式とした。燃料貯蔵設備は原子炉建屋容積低減を考慮して原子炉容器内貯蔵(IVS)として、使用済燃料の4年間貯蔵を想定した貯蔵容量を確保した。また、1主冷却系1ループ化については最も厳しいと考えられる配管破断を想定した過渡解析により成立性を評価した。発電プラント初号基とそれに対応した小規模の燃料製造・再処理設備の組合せによる実証設備における建設費評価を行い、小規模かつ商用運転に転用可能な設備において燃料サイクル全体の工学規模における実証が可能であることを示した。
相澤 康介; 近澤 佳隆; 臼井 伸一; 此村 守; 安藤 将人*
JAEA-Research 2007-042, 105 Pages, 2007/06
実用化戦略調査研究の一環として、小型炉の多様な特徴を活かしたナトリウム冷却炉の概念設計を実施している。本報告書では、基幹電源に匹敵する経済性を追及するために、スケールメリットの観点から発電出力を300MWeまで増大させ、プラント寿命中の燃料交換回数の削減及び炉心のコンパクト化のため金属燃料を採用し、また物量の大幅な削減を狙い主冷却系を1ループとした経済性追求型ナトリウム冷却小型炉の検討を行った。主冷却系を1ループ化したことによる課題を整理し、最も厳しくなる事故事象と評価された1次系配管大規模破損に対して過渡解析を実施した結果、原子炉スクラムなしでも炉心健全性が確保できる可能性を示した。崩壊熱除去系の過渡解析を実施した結果、崩壊熱除去系の成立が厳しくなると想定した全ケースにおいて、原子炉スクラム後の炉心健全性が確保できる可能性を示した。
菱田 正彦*; 久保 重信; 此村 守; 戸田 幹雄*
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(3), p.303 - 308, 2007/03
被引用回数:18 パーセンタイル:75.10(Nuclear Science & Technology)実用化戦略調査研究では、開発目標を達成するようJSFRと名づけられたナトリウム冷却高速炉の革新的な概念が構築され、改良されてきている。この改良概念には、ナトリウム-水反応に対する安全性を向上させることのできる直管二重管型の蒸気発生器が採用されている。さらに、この蒸気発生器に適した崩壊熱除去系が選定され、保守・補修性の改良も行われている。この検討の結果、安全性及び経済性に関するプラント概念成立性が評価され、その見通しが得られている。
近澤 佳隆; 臼井 伸一; 早船 浩樹; 此村 守
JAEA-Research 2007-001, 91 Pages, 2007/02
高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究では原子炉容器をコンパクト化する観点から切込付炉心上部機構と単回転プラグを組合せた燃料交換方式が採用されている。本研究では切込付炉心上部機構に適合した新型燃料交換機の開発を行った。この概念では、燃料交換機は切込部にアームを伸ばすことにより燃料交換を行うため、地震時に燃料交換機アームと炉心上部構造が接触することが懸念される。これまでの検討により、地震時の燃料交換機アーム部の変位量を低減するために、燃料交換機軸受部の内部すきまを低減することが有効であることがわかってきた。また、燃料交換機軸受部は原子炉容器カバーガス中に設置されるため、グリースなどの一般的な潤滑剤を使用することができず、内部すきまを低減したうえで固体潤滑等を使用した条件で軸受の耐久性(耐摩耗性)を確保する必要がある。このような背景から、平成16年度には、実機の候補となる軸受に対して、種々の潤滑条件で予備試験を実施したうえで軸受型式,潤滑仕様の選定を行った。本年度(平成17年度)は、選定した軸受型式について、実規模試験体を用いた高温Arガス(Naベーパを含む)中での耐久性試験を実施した。
近澤 佳隆; 岡野 靖; 此村 守; 澤 直樹*; 島川 佳郎*; 田中 俊彦*
Nuclear Technology, 157(2), p.120 - 131, 2007/02
被引用回数:1 パーセンタイル:11.28(Nuclear Science & Technology)実用化戦略調査研究の一環として、小型炉の多様な特徴を生かした金属燃料ナトリウム冷却炉概念の検討を行った。平成16年度は小型炉の魅力を整理し高価な燃料輸送費のため発電単価が高い僻地用小型電源として電気出力5万kWe,運転サイクル30年の長寿命炉心採用型概念を検討した。原子炉型式はループ型を採用し、運転サイクル30年である特徴を利用したノズル方式の原子炉容器と冷却系1ループ化を採用することにより、大幅にNSSS物量削減が可能であり、僻地電源として魅力ある概念と成り得ることが示された。
近澤 佳隆; 中桐 俊男; 此村 守; 内田 正治*; 土山 佳彦*
Nuclear Technology, 155(3), p.340 - 349, 2006/09
被引用回数:5 パーセンタイル:36.17(Nuclear Science & Technology)ハイブリッド熱化学法は硫酸を用いた熱化学法であるウェスティングハウス法にSOガス電気分解を併用することにより500C程度の温度で水素を生成する手法である。本研究ではナトリウム冷却高速炉を熱源とした水素製造プラントを想定し、耐硫酸性の観点から水素製造系の系統仕様と主要機器の概念設計を行い、水素製造系物量及び水素製造効率等を評価した。系統仕様の工夫により鉄系の材料を用いて水素製造系機器の設計が可能であり、高効率の電気分解を前提とすれば水素製造効率44%程度が達成可能であることが明らかとなった。
近澤 佳隆; 木曽原 直之; 菱田 正彦; 藤井 正; 此村 守; 荒 邦章; 堀 徹*; 内田 昌人*; 西口 洋平*; 新部 信昭*
JAEA-Research 2006-049, 75 Pages, 2006/07
高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究の一環として750MWe電気出力のナトリウム冷却中型炉の検討が実施されている。本検討ではナトリウム冷却中型炉の2次主循環ポンプに電磁ポンプを採用した場合の流量522m/minの大容量電磁ポンプの概念設計を実施した。電磁ポンプの構造及び仕様は160m/minの試験において実証されたダブルステータALIP(Annular Linear Induction Pump)型を参考に設定し、流量及び揚程をナトリウム冷却中型炉の仕様にした場合の寸法及びコイル仕様への影響評価を行った。安定性については電磁流動解析コードEAGLEにより2次元r-z体系における電磁流動解析を実施してRemSを評価した結果1.08と160m/min試験で確認された安定運転範囲RemS1.4以内にあり、圧力脈動についても揚程の3%以下程度と評価される。内部構造の成立性については、本電磁ポンプはコイルを冷却材流路ダクトに押し付けてナトリウムにより冷却しているため、コイルの温度及びナトリウムダクトへの押付力維持に関する評価を行い成立していることを確認した。また、電磁ポンプの電源構成及び保守補修性の検討及び課題の整理を行った。
近澤 佳隆; 臼井 伸一; 此村 守; 定廣 大輔*; 戸澤 克弘*; 堀 徹*; 戸田 幹雄*; 小竹 庄司*
Proceedings of 14th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-14) (CD-ROM), 7 Pages, 2006/07
ナトリウム冷却大型炉の燃料交換機としてアームスイング式マニプレータ型燃料交換機の概念設計を実施した。耐震解析評価の結果から、軸受内部隙間に起因したガタが切込付UISと燃料交換機の干渉に及ぼす影響が大きく、軸受内部隙間をなくすことにより干渉回避を確実にすることができることが明らかになった。このため燃料交換機軸受として予圧負荷により軸受内部隙間をなくすことが可能なアンギュラ玉軸受を採用することとした。燃料交換機軸受はナトリウムベーパを含む200Cアルゴンガス中において使用されるため、通常用いられる液体潤滑材を使用することができない。このため燃料交換機軸受に適用可能な固体潤滑仕様をパラメータとして1/10スケール軸受を用いた気中試験を実施し、内外輪MoSコーティングステンレス,セラミックボールの組合せを選定した。また、実機運転環境を模擬したナトリウムベーパを含むアルゴンガス中において実規模軸受の耐久試験を実施した。実機軸受面圧1580MPaに対して不確かさを考慮して1745MPaを負荷し、燃料交換5回相当の期間において軸受の運転に問題がないことを確認した。
近澤 佳隆; 岡野 靖; 此村 守; 佐藤 浩司; 安藤 将人*; 中西 繁之*; 澤 直樹*; 島川 佳郎*
Proceedings of 2006 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '06) (CD-ROM), 8 Pages, 2006/06
小型炉は小型特有の合理化対策,設計規格化,習熟効果により投資及びR&Dリスクを削減しつつ大型炉に匹敵する経済性を達成する可能性がある。ここでは多数基設置時において大型炉と同等の経済性を達成する可能性のある300MWeナトリウム冷却小型炉の概念設計を実施した。燃料型式はPu-U-Zr元合金の金属燃料,炉心型式は金属燃料において炉心出口温度550Cを達成可能なZr密度含有率2領域単一Pu富化度炉心を採用した。冷却系は電磁ポンプを直列2基設置することにより、1ループ化し、1次系電磁ポンプは中間熱交換器内部に組み込む方式とした。燃料貯蔵設備は原子炉建屋容積低減を考慮して原子炉容器内貯蔵(IVS)として、使用済燃料の4年間貯蔵を想定した貯蔵容量を確保した。NSSS物量は1186ton,建屋容積は65100mと評価され同等の出力である原型炉の207000mより大幅に小さくなった。高速増殖炉サイクル実証については、本概念と3.3tHM/y再処理・燃料製造設備を想定し、比較的少ない投資により高速炉サイクル商用化を実証できる可能性のあることを示した。
近澤 佳隆; 此村 守; 水野 朋保; 水戸 誠*; 丹治 幹雄*
Nuclear Technology, 154(2), p.142 - 154, 2006/05
被引用回数:2 パーセンタイル:17.06(Nuclear Science & Technology)実用化戦略調査研究フェーズIIの一環として、分散電源を想定して、経済性、安全性などの要求条件を満たす鉛ビスマス冷却小型炉の概念設計を実施した。炉心設計では窒化物燃料、ダクトレス集合体を使用した炉心の採用により、30年以上の長寿命を達成した。プラント設計では、自然循環方式の採用や、原子炉容器内への蒸気発生器設置によりシステムを簡素化した。安全性の面では固有・受動的安全性によりATWS発生時に、高温整定し、炉心損傷防止する概念の可能性を追求した。経済性は都市部電源としては割高だが、燃料無交換壁地電源として有望なことが明らかになった。
近澤 佳隆; 臼井 伸一; 此村 守; 池田 博嗣
JAEA-Research 2006-032, 202 Pages, 2006/04
高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究の一環としてナトリウム冷却炉の燃料取扱設備の検討を実施している。平成16年度はナトリウム冷却大型炉を対象にEVST方式による燃料取扱設備を具体化して課題の整理を行った。水プール直接貯蔵方式は平成15年度の評価では、炉外のナトリウムポット取扱設備の物量が大きいことが指摘されたため、原子炉容器からの裸燃料取出により物量削減の可能性があることを示した。ただし、課題としては短時間の燃料洗浄時間の実証及び高発熱燃料(22kW/体)のガス冷却の安全性の確保が挙げられる。金属燃料の貯蔵においては、ガス中貯蔵,ヘリウムガス缶詰水プール貯蔵,EVST貯蔵の比較を行った。経済性,安全性の観点からEVST貯蔵が妥当であるとの結論に達した。また、ナトリウム冷却大型炉では低除染燃料,ODS鋼の被覆管等が採用されているため、原型炉及び実証炉とは燃料取扱条件が異なる。今回の検討において再処理・燃料製造側との取合条件も含めて酸化物燃料及び金属燃料の燃料取扱条件を整理した。
藤井 正; 近澤 佳隆; 此村 守; 上出 英樹; 木村 暢之; 中山 王克; 大島 宏之; 成田 均*; 藤又 和博*; 糸岡 聡*
JAEA-Research 2006-017, 113 Pages, 2006/03
実用化戦略調査研究で概念設計を進めているナトリウム冷却大型炉では、従来設計よりも高流速条件となる炉上部プレナム内の流動特性を把握するため、縮尺水流動試験が実施されている。本報告では、汎用熱流体解析プログラムを用いて水試験体系を対象とした流動解析を実施し、実機体系でのプレナム内流況と気泡を伴う水中渦の評価に対する適用性を検討した。(1)1/10縮尺プレナム試験を対象に、フルード数一致条件での定常解析を実施した。解析では、炉心上部機構内部から炉容器壁に向かう噴出し流れや、切込み部からの上昇噴流等の上部プレナムでの特徴的なフローパターンを再現できる見通しを得た。また、実機体系での全体流況が水試験体系と定性的に一致することを確認するとともに、解析における数値解法や境界条件等の設定がフローパターンに及ぼす影響が明らかとなった。(2)伸長渦理論に基づく渦予測評価手法を用いて、1/10縮尺試験のディッププレート下方領域における渦の分布を評価した。実機流速一致条件の場合には、水試験と同様、コールドレグ配管壁からホットレグ配管に吸込まれる2本の渦を、気泡を伴う水中渦として同定した。この結果より、上部プレナム内で定常的に発生する液中渦を渦予測評価手法により同定できることを確認した。
近澤 佳隆; 相澤 康介; 此村 守
JAEA-Research 2006-007, 114 Pages, 2006/03
高速増殖炉実用化戦略調査研究の一環として、ナトリウム冷却炉の2次系簡素化概念を検討している。銅を熱媒体として中間熱交換器と蒸気発生器を一体にした固体銅接合型蒸気発生器はその概念候補案の一つとして検討している。平成16年度では、実機で発生するき裂の進展挙動を明らかにすることを目的として、実機蒸気発生器伝熱管部を模擬した33伝熱管試験体を用いて、ガス加圧による疲労試験を行った。平成15年度に実施した曲げ試験と比較すると、試験体形状の効果によりき裂発生及びき裂進展が大幅に阻害されることがわかった。また、固体銅蒸気発生器のさらなる経済性を追求するために、クリープ歪み評価を実施し、クリープ歪み制限を満たしつつ伝熱管仕様の最適化を行った。伝熱管長さを15mとした場合は物量が2次系ありのプラントと同等になり、加工費を含んだ概算建設費は2次系ありのプラントと比較して70%程度になると評価した。実機におけるき裂進展挙動の評価については、平成15年度に実施した曲げ試験によるき裂進展試験の結果を利用して、き裂進展に必要な条件を考察した。応力解析の結果、水蒸気管壁の75%以上の初期き裂が存在する場合は管束中間部においてき裂が進展して熱媒体銅まで到達する可能性があるが、熱媒体銅まで到達すると、き裂進展は止まることがわかった。