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吉田 肇; 古作 泰雄*; 榎枝 幹男; 阿部 哲也; 秋場 真人
JAERI-Research 2005-003, 13 Pages, 2005/03
核融合炉におけるトリチウム漏洩量見積りの高精度化に資するため、低放射化フェライト鋼の水素透過速度を真空熱天秤法で測定した。本測定法では、水素ガスを封入した低放射化フェライト鋼F82H製の試料カプセルを用意し、試料カプセルを真空中で等温加熱して、試料カプセルを透過しカプセル表面から脱離する水素を以下の2つの独立した方法で測定する。すなわち、試料カプセルの正味の重量減少量と、試料カプセルからの水素脱離による排気ガス分析である。このような手法で測定の信頼性を増すことが可能である。本実験条件で、正味の重量減少量から求めた水素透過速度と排気ガス分析から求めた値の比は、1/4から1/1であった。本実験を通して、真空熱天秤法がF82Hの水素透過速度を評価するために有効な手段であることが示された。
榎枝 幹男; 古作 泰雄; 秦野 歳久; 黒田 敏公*; 三木 信晴*; 本間 隆; 秋場 真人; 小西 哲之; 中村 博文; 河村 繕範; et al.
Nuclear Fusion, 43(12), p.1837 - 1844, 2003/12
被引用回数:102 パーセンタイル:93.20(Physics, Fluids & Plasmas)本論文は、高い経済性を有する核融合発電プラント用ブランケットの設計と開発に関するものである。高い経済性と実現性の双方を有する発電ブランケットとして、超臨界圧水冷却方式の固体増殖ブランケットの概念設計を明らかにした。最重要設計項目として、モジュール構造の核特性,熱機械特性に関し基本的な成立性を示した。また、発電システムとして41%以上の発電効率を有することを示し、本方式の経済的な魅力を明らかにした。また、構造体製作技術開発の成果としては、実機構造を模擬する第一壁パネル試験体を用いて、原型炉で想定している最高熱負荷1MW/m に相当する加熱試験を行い、試験体が母材と同等の熱疲労寿命を持つことを実証した。さらに、ブランケット熱設計の要となる増殖材充填層の有効熱伝導率研究に関しては、湿式法で製造したLi
TiO
を用いて、充填層の有効熱伝導率を明らかにし、裕度のある設計を可能とした。
秦野 歳久; 榎枝 幹男; 鈴木 哲; 古作 泰雄; 秋場 真人
Fusion Science and Technology, 44(1), p.94 - 98, 2003/07
被引用回数:28 パーセンタイル:84.56(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットの開発において、微小球充填層の有効熱伝導度を少ない試料体積で精度良く測定する方法として熱線法を採用し、各種候補増殖材微小球についての系統的なデータを取得してきた。試料には候補増殖材であるLiTiO
を用い、充填層として直径2mmのみの微小球充填層と、それに直径0.3mm以下を加えた微小球の混合充填層について有効熱伝導度を測定した。圧縮荷重がない場合一次球充填層に対して混合充填層の熱伝導度は上昇し、それらはSZB式と精度良く一致することを確認した。さらに、ピストンにより充填層に荷重を加えて熱伝導度を測定すると歪に対する熱伝導度の傾きが一定で歪1%につき0.035W/mK増加する結果が得られた。これより原型炉ブランケットの増殖材として有望なLi
TiO
について微小球充填層の有効熱伝導率を測定し、混合充填と荷重の及ぼす影響を初めて明らかにした。
古作 泰雄; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 秦野 歳久; 佐藤 聡; 佐藤 真一*; 大崎 敏雄*; 三木 信晴*; 秋場 真人
JAERI-Tech 2003-058, 69 Pages, 2003/06
ITERの増殖ブランケット設計は、中性子増倍材微小球充填層中にトリチウム増殖材微小球の管状充填層(BIT)を置く構造を採用している。設計は、遮蔽ブランケットと同一のモジュール支持構造と冷却マニフォールドを使用することを仮定したものである。本研究では、微小球充填層型増殖ブランケットに特有の設計課題である、トリチウム増殖性能核解析,トリチウム放出挙動解析,ペブル充填層を考慮した熱機械特性解析を実施し、設計が妥当であることを明らかにした。
古作 泰雄; 黒田 敏公*; 秦野 歳久; 榎枝 幹男; 三木 信晴*; 秋場 真人
JAERI-Tech 2002-078, 58 Pages, 2002/10
ITER-FEATの遮蔽ブランケットでは、放射性廃棄物量の低減と製作コスト低減のために分離第一壁型の構造を採用し、電磁力を低減するために、多様なスリット構造を必要とする。本報告では、これまでに明らかにされていない、Be/DSCu/SS第一壁パネル及びSS遮蔽ブロックへのスリット加工技術についての技術開発、及び冷却チャンネル内蔵ベリリウムの第一壁パネル部分モックアップへの接合実証と、それらの成果を用いた実規模の分離型第一壁パネルの製作実証の結果を報告する。
古作 泰雄; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 秦野 歳久; 佐藤 聡; 秋場 真人
JAERI-Tech 2002-063, 98 Pages, 2002/07
ITER-FEATの遮蔽プランケット設計では、放射性廃棄物量の低減と製作コスト低減のために分離第一壁型の構造を採用している。さらに、ディスラプションの際の電磁力低減のために渦電流を低く抑えるために、多様なスリット構造を必要とする。このような構造を実現するためには、ベリリウムアーマーと銅合金,銅合金とステンレス鋼の接合技術と第一壁及び遮蔽ブロックへのスリット施工技術等の大規模コンポーネントに対する有効性を実証すること、スリット施工技術を確立すること、などである。本報告は、これらの技術実証を目的として、ITER EDA延長期間中に、タスク合意G 16 TT 108 FJ (T420-2)に基づいて、プロトタイプの製作を行った。その結果、実規模のモジュールで、異種金属接合,スリット施工,遮蔽ブロック間電子ビーム溶接,異種金属接合部非破壊検査基礎データ取得を行い、基本的な製作性の実証を達成した。
柳 義彦*; 古作 泰雄; 秦野 歳久; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 秋場 真人
JAERI-Tech 2002-046, 45 Pages, 2002/05
ITER増殖ブランケットにおいて熱サイクルで誘起されるペブル充填層と増殖管との熱機械的相互作用を評価するため、模擬試験体を製作し熱サイクル試験を実施した。ペブル充填層の熱挙動は、ぺブル間ですべりを生じるなどの粒子充填層での複雑な機械挙動により、解析で予測するのは困難である。そのため、実機ITER のBIT(Breeder Inside Tube)設計を模擬した試験体を設計し、熱サイクルによる構造健全性を実証した。増殖材としてLiTiO
ぺブルを増殖管に充填し、中性子増倍材であるBe の模擬材としてAl ペブルを用いた。加熱試験では、増殖管の中心に配したヒータにて、増殖材Li
TiO
を加熱し外部を常温の水で冷却し、増殖材の温度はヒータの出力で制御した。昇温、降温を繰り返す熱サイクル試験の後、X 線-CT 装置を用いて試験体の断層寸法を観察した。試験の結果、ヒータの最高温度600
Cで5 回の熱サイクル試験後においても充填率の顕著な変化は観察されなかった。また、管の膨れやペブルの割れも観察されなかった。以上の結果から、増殖管と増殖ペブル充填層の熱サイクルに対する機械的健全性を確認した。
古作 泰雄; 柳 義彦*; 榎枝 幹男; 秋場 真人
Fusion Science and Technology, 41(3), p.958 - 961, 2002/05
核融合原型炉用としての超臨界圧水冷却固体増殖ブランケットの設計では、リチウムセラミックスの微小球をトリチウム増殖材としてヘリウム流によりトリチウムを回収し、構造材に低放射化フェライト鋼を用いて、発電効率を上げるため圧力25Mpa,入口温度550K,出口温度780Kの超臨界圧水を冷却材としている。その条件では冷却管の温度が650Kから800Kと見積もられ、冷却水は直接発電系へ供給することから、冷却管でのトリチウム透過を安全上考慮する必要がある。今回は第一壁でのインプランテーションによる冷却水への透過量及び増殖域での冷却水への透過量を評価した。第一壁での透過量は粒子負荷がSSTR条件10cm
s
(E=50eV)で68.3g/dayとなり、増殖域での透過量はパージガス中のトリチウム分圧が1Paとなるようにパージガス流量を設定した場合で75.3g/dayと、生産したトリチウムの20%が透過により冷却水に移行する結果となった。
黒田 敏公*; 佐藤 和義; 秋場 真人; 江里 幸一郎; 榎枝 幹男; 大崎 敏雄*; 古作 泰雄; 佐藤 聡; 佐藤 真一*; 鈴木 哲*; et al.
JAERI-Tech 2002-044, 25 Pages, 2002/03
ITERの主要炉内機器である遮蔽ブランケットとダイバータに対し、それらが厳しい負荷に耐えつつ要求された機能を満たすために必要となる製作技術の開発を行った。前者ではHIP法を適用した異材接合技術及びウォータージェットと放電加工を用いてスリット加工技術を開発した。後者では、狭隘な設置スペースにも対応できる同軸二重冷却管の製作技術,また、冷却管として用いる銅合金の強度維持用熱処理をも考慮した。C/Cコンポジットと銅合金の1ステップろう付け技術等を開発した。いずれも、高熱負荷試験による性能確認を行うとともに、実規模大のモックアップを試作して製作性を確認し、実機製作への見通しを得た。
榎枝 幹男; 小原 祥裕; 秋場 真人; 佐藤 聡; 秦野 歳久; 古作 泰雄; 黒田 敏公*; 菊池 茂人*; 柳 義彦*; 小西 哲之; et al.
JAERI-Tech 2001-078, 120 Pages, 2001/12
本報告書は、経済的競争力の強化と技術的な堅実さの維持を両立する原型炉ブランケットの概念構築を目的として行われた平成12年度の原型炉ブランケット設計会議での作業内容をとりまとめたものである。平成11年度の核融合会議戦略検討分科会の議論等から、原型炉の果たすべき使命に関して見直しがなされ、経済的な競合性を有する実用炉の原型であり、それと同じ材料と設計を使用して商業的に魅力ある動力炉の原型であるから、原型炉で、実用化に必要な技術はすべて開発し実証する、と結論付けられた。この見直しを受けて、過去数年にわたるプラズマ研究や炉工学技術開発の進展を勘案して、開発目標として再設定をし、原型炉としてA-SSTRで提案された超臨界水冷却方式の固体増殖ブランケットを目標とし、その概念検討を行った。本概念検討の結果、除熱,発電,燃料増殖,遮蔽などの基本的な性能に関して、超臨界水冷却固体増殖ブランケットの実現可能性が示された。また、電磁力に関する検討,超臨界水による腐食防止に関する予備調査,トリチウム生成挙動と回収方式の検討,冷却発電システムの検討,モジュール製作性の検討,遠隔保守着脱機構,交換計画の検討などを行い、今後解決するべき検討課題を明らかにした。
金成 守康; 阿部 哲也; 古作 泰雄; 丹澤 貞光; 廣木 成治
日本原子力学会誌, 43(12), p.1228 - 1234, 2001/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)プラズマ溶射法によってステンレス鋼基材表面に析出させたアルミナ電気絶縁膜の繰り返し衝撃力に対する電気絶縁破壊耐久特性を実験的に調べた。衝撃試験は、アルミナ膜同士及びアルミナ膜とステンレス鋼基材の2種類の組み合わせについて行い、それぞれの組み合わせに対して、平均衝撃圧力,640,1,130及び2,550MPaを印加した。衝撃試験中に行った耐電圧測定から、アルミナ膜同士の衝突における衝撃耐久性は平均衝撃圧力640MPaで76,000サイクルを示し、平均衝撃圧力の増加とともに減少した。他方、アルミナ膜とステンレス鋼基材の衝突におけるアルミナ膜の衝撃耐久性は、アルミナ膜同士の場合と比較して約2.7倍に改善された。衝撃試験後のSEM観察から、アルミナ膜の厚さは、衝撃サイクル数が増加するにしたがって逆比例関係で減少し、バルク材に見られるような脆性破壊はなかった。
柳 義彦*; 佐藤 聡; 榎枝 幹男; 秦野 歳久; 菊池 茂人*; 黒田 敏公*; 古作 泰雄; 小原 祥裕
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(11), p.1014 - 1018, 2001/11
被引用回数:25 パーセンタイル:83.89(Nuclear Science & Technology)発電技術の実証を目指す核融合原型炉システムにおいて、熱効率向上の観点から固体増殖ブランケットの冷却材に超臨界圧水を用いた概念設計を進めている。固体増殖材(LiO)と中性子増倍材(Be)を層状に配し、各層の温度分布とトリチウム増殖比(TBR)を一次元の核熱解析コードを用いて計算した。典型的な例として、局所TBR,1.4を得た。これによりブランケットのカバレッジが70%以上あれば、正味TBRとして1.0以上が期待できることが示された。
阿部 哲也; 廣木 成治; 丹澤 貞光; 古作 泰雄; 竹内 久雄*; 山川 晃*
JAERI-Research 2001-029, 13 Pages, 2001/05
収縮性アルミナスリーブと高融点ソルダーを用いてアルミナパイプ同士を接合するための基礎実験を行った。スリーブは、接合時に1%収縮するよう、高純度アルミナ粉末を1400で1次焼結して作成し、ソルダーは1400
以上で液相を生成するアルミナ-カルシア系を選択し、アルミナと炭酸カルシウムの混合粉末をペースト化して作製した。パイプとスリーブの間にソルダーを介在させ、1500
で加熱接合した結果、スリーブの収縮とソルダーによる接合界面の形成によって、金属溶接に匹敵する気密性を持ったパイプ接合体が得られた。