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論文

Analysis of nuclear structure in the nuclear chart and improvement to the gross theory of $$beta$$ decay

遠藤 史隆*; 小浦 寛之

Physical Review C, 99(3), p.034303_1 - 034303_8, 2019/03

The gross theory, a global method of calculation for nuclear $$beta$$ decay, is improved on the single-particle treatment. We analyzed the $$beta$$ decay channel for the entire region of nuclides, and found that the allowed transition from ground to ground or low-energy states is suppressed systematically in the neighboring of doubly-magic heavier nuclei. It is mainly due to the shift of neutron and proton single particle levels in one major shell, and resulting the change in spin and parity between parent and daughter nuclei occurs. Under this consideration, the nuclear matrix elements for the allowed transition on the gross theory are suppressed in the above condition. In the vicinity of the doubly-magic numbers of neutron-rich nuclides such as nuclei with $$Z=50$$ and $$82$$, calculated half-lives are longer when we compere to the previous work, in which only mismatching in parity is considered. In the super-heavy neutron-rich nuclei with $$N=184$$, half-lives is predicted to be longer due to the same mechanism.

報告書

Proceedings of the 2017 Symposium on Nuclear Data; November 16-17, 2017, iVil, Tokai-mura, Ibaraki, Japan

西尾 勝久; 宇都野 穣; 千葉 敏*; 小浦 寛之; 岩本 修; 中村 詔司

JAEA-Conf 2018-001, 226 Pages, 2018/12

JAEA-Conf-2018-001.pdf:22.81MB

2017年度核データ研究会は、2017年11月16日, 17日に、茨城県東海村の東海村産業・情報プラザ(アイヴィル)にて開催された。本研究会は、日本原子力学会核データ部会と日本原子力研究開発機構先端基礎研究センターが主催、日本原子力学会シグマ特別専門委員会と日本原子力学会北関東支部が共催した。今回、チュートリアルとしてオークリッジ国立研究所のRykaczewski氏による講演「全エネルギー吸収ガンマ線測定と遅発中性子に関する新しいデータ」を、講演・議論のセッションとして「核物理と核データ」(2セッション)、「原子核理論と核データ」、「原子炉」、「核データと応用」(2セッション)の6セッションを企画・実施した。さらに、ポスターセッションでは、実験、理論、評価、ベンチマーク、応用など、幅広い研究内容について発表が行われた。参加者総数は79名で、それぞれの口頭発表及びポスター発表では活発な質疑応答が行われた。本報告書は、本研究会における口頭発表14件、ポスター発表23件の論文をまとめている。

論文

重元素・超重元素の科学(原子核物理); 超重元素の核的性質(理論); 超重核の安定の島

小浦 寛之

Radioisotopes, 67(6), p.267 - 275, 2018/06

Radioisotopes誌の連載講座「重元素・超重元素の科学」のシリーズにて「超重元素の核的性質(理論)」のテーマで解説を行い、超重核領域における原子核の核構造、崩壊様式の理論について概説をし、いわゆる「超重核の安定の島」の理論的予測について発表者が行った研究結果を中心に紹介する。まず核図表を用いて原子核の安定性の物理的意味の簡単な説明と原子核合成実験の現状を紹介し、次いで超重核領域における単一粒子準位の理論計算を用いて超重核の安定性の定性的な議論を行う。さらに原子核の安定性の直接の指標である原子核崩壊様式について一般的な解説をしたのち、KTUY(小浦-橘-宇野-山田)質量模型を用いた$$alpha$$崩壊, $$beta$$崩壊, 自発核分裂についての計算結果を紹介する。われわれの研究により、陽子の数が114、中性子の数が184が2重閉殻魔法数であり、これを中心に超重核の安定の島が分布している予測を得ている。そしてこの領域における最長の半減期をもつ原子核は$$^{294}$$Ds(原子番号110)と見積もることができ、その半減期はおよそ300年、その崩壊様式は$$alpha$$崩壊が優勢という理論予測となった。

論文

First direct mass measurements of nuclides around $$Z$$ = 100 with a multireflection time-of-flight mass spectrograph

伊藤 由太*; Schury, P.*; 和田 道治*; 新井 郁也*; 羽場 宏光*; 平山 賀一*; 石澤 倫*; 加治 大哉*; 木村 創大*; 小浦 寛之; et al.

Physical Review Letters, 120(15), p.152501_1 - 152501_6, 2018/04

 被引用回数:11 パーセンタイル:3.78(Physics, Multidisciplinary)

冷たい核融合反応および熱い融合反応によって生成した変形閉殻中性子数152の近傍に位置する原子核$$^{246}$$Es, $$^{251}$$Fm、および超フェルミウム原子核$$^{249-252}$$Md, $$^{254}$$Noの質量の直接測定を、多反射時間飛行質量分析装置(MR-TOF)を用いて実施した。$$^{246}$$Esおよび$$^{249,250,252}$$Mdの質量測定は世界で初めての成果である。さらに$$^{249,250}$$Mdの質量を$$alpha$$崩壊連鎖のアンカーポイントとして用いて$$^{261}$$Bhおよび$$^{266}$$Mtまでの重い原子核の質量を決定した。これらの新測定された質量を理論質量計算と比較し、巨視的・微視的模型の予測値と良い一致が見られることを示した。近接する3つの質量値から求められる経験的殻ギャップエネルギー$$delta_{2n}$$を今回の質量値から求め、MdおよびLrに対する変形閉殻中性子数$$N=152$$の存在を裏付ける結果を得た。

論文

ニホニウムとその次の元素へ・・・

桜井 弘*; 篠原 厚*; 小浦 寛之; 上垣外 修一*; 森本 幸司*; 羽場 宏光*; 延輿 秀人*

Isotope News, (特別号2), p.2 - 14, 2018/01

日本アイソトープ協会発行の協会誌「Isotope News」における新春座談会(2018年1月1日誌上掲載)に登壇する。「ニホニウムとその次の元素へ・・・」という座談会のタイトルで、ニホニウム(超重元素)の発見の歴史や今後の超重元素発見にむけての展望など、(1)理論、(2)加速器、(3)実験、(4)周期表を話題の中心として夢のある内容を紹介する。特に原子核物理・理論の観点から座談を展開する。

論文

Improvement of gross theory of beta-decay on single particle treatment

小浦 寛之; 吉田 正*; 橘 孝博*; 千葉 敏*

JAEA-Conf 2017-001, p.205 - 210, 2018/01

$$beta$$崩壊の大局的理論」の核構造的な詳細に伴う変化、具体的には基底状態のパリティ変化に対応する改良を行った。大局的理論ではこれまで核構造的な詳細の伴う変化は取り入れられておらず、例えば、G. Lorusso et al., PRL114, 192501 (2015)においてその点が指摘されている。今回、$$beta$$崩壊の核行列要素においてK-Y (小浦-山田)ポテンシャル+KTUY (小浦-橘-宇野-山田)質量模型からの核構造情報を用いることにより許容遷移において選択則的な抑制を与えた。その結果核図表上の広い範囲において、$$^{48}$$Ca, $$^{80}$$Zn, $$^{132}$$Sn近辺といった、周期的に過小評価していた領域に対して系統的な改善が見られた。

論文

核データ研究の最前線; たゆまざる真値の追及、そして新たなニーズへ応える為に,4; 核図表; 壮大なる原子核の地形図

小浦 寛之; 湊 太志; 飯村 秀紀

日本原子力学会誌, 60(1), p.35 - 40, 2018/01

日本原子力学会誌の連載講座「核データ研究の最前線-たゆまざる真値の追及、そして新たなニーズに応える為に-」の第4回として「核図表-壮大なる原子核の地形図-」の題目で解説を行う。本稿ではまず核図表を用いて原子核の実験的同定の外観を示し、次いで原子核の合成の歴史について紹介し、特に近年における合成手法の進展と現状を日本の加速器を中心に述べる。次に原子核構造・核崩壊データの例として、核構造崩壊データファイルEvaluated Nuclear Structure Data File(ENSDF)及び評価済み原子質量データAtomic Mass Evaluation(AME)の紹介とその意義について述べる、さらに原子核研究の最近の進展として、日本の新元素ニホニウムを含む超重元素研究の現状、地球ニュートリノ観測と核崩壊データの関連、原子核の新しい魔法数の発見、天体核物理と核データの関係について紹介する。最後に核図表を広く普及させる方策のひとつとして、3次元ブロック核図表を用いたアウトリーチ活動について紹介する。

論文

Improvement of gross theory of beta-decay for application to nuclear data

小浦 寛之; 吉田 正*; 橘 孝博*; 千葉 敏*

EPJ Web of Conferences (Internet), 146, p.12003_1 - 12003_4, 2017/09

BB2016-0950.pdf:0.33MB

 パーセンタイル:100

A theoretical study of $$beta$$ decay and delayed neutron has been carried out with a global $$beta$$-decay model: the gross theory. In a fissioning nucleus, neutrons are produced by the $$beta$$ decay of neutron-rich fission fragments. This is known as delayed neutrons. The gross theory of the $$beta$$ decay is based on a consideration of the sum rule of the $$beta$$-strength function, and gives reasonable results of $$beta$$-decay rates and delayed neutron in the entire nuclear mass region. We re-analyze and improve the theory on the strength functions and one-particle level densities. We focus on the spin-parity of decaying nucleus, and a hindrance treatment is introduced for the allowed transition on parity-mismatching nuclei. By using the improved gross theory, the ability of theoretically reproduction (and also prediction) on $$beta$$-decay rates, delayed-neutron emission probabilities, decay heat, will be discussed. In the process, we make a new code of the gross theory of $$beta$$- decay including the improved parts. We will show the code, which can be distributed for the nuclear data community.

論文

Observation of doubly-charged ions of francium isotopes extracted from a gas cell

Schury, P.*; 和田 道治*; 伊藤 由太*; 加治 大哉*; 羽場 宏光*; 平山 賀一*; 木村 創大*; 小浦 寛之; MacCormick, M.*; 宮武 宇也*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 407, p.160 - 165, 2017/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:27.27(Instruments & Instrumentation)

Ac, Ra, FrやRnといった様々な同位体を$$^{48}$$Caビームを用いた原子核融合-蒸発反応にて生成した。エネルギーを持ったイオンはヘリウムガスセル内で止まり、そして引き出される。引き出された個々のイオンは多反射時間飛行質量分光器を用いて同定されるが、アルカリ金属であるFrを含むイオンの荷電状態の主要な価数が(+1価でなく)+2価となるという結果を観測した。

論文

Improvement of the gross theory of $$beta$$ decay by inclusion of change in parity

小浦 寛之; 千葉 敏*

Physical Review C, 95(6), p.064304_1 - 064304_6, 2017/06

AA2016-0436.pdf:0.78MB

 被引用回数:4 パーセンタイル:30.79(Physics, Nuclear)

$$beta$$崩壊の巨視的模型計算である大局的理論の単一粒子構造における改良を行った。大局的理論は$$beta$$崩壊遷移の総和則を考慮して構築された模型で、$$beta$$崩壊半減期や遅発中性子放出確率を核図表における幅広い領域で計算し、実験結果をよく再現できる。今回、この大局的理論に単一粒子状態におけるパリティに注目し、崩壊前と崩壊後に原子核基底状態のパリティが変化する場合に$$beta$$崩壊許容遷移を抑制する効果を新たに導入した。単一粒子状態の推定はわれわれが従来から考案しているWoods-Saxonポテンシャル計算を用いた。今回の改良により、これまでの大局的理論では2重閉殻原子核付近で過小評価していた$$beta$$崩壊半減期が系統的に改良された。

論文

核化学概説; 核図表をもとに

小浦 寛之

化学と教育, 65(3), p.108 - 111, 2017/03

「化学と教育」誌のシリーズ記事「超重元素の化学 ニホニウムNhの誕生とその周辺」の第1報として核化学の概説を行う。原子は中心にある原子核とその周りを取り巻く電子からなり、原子核は陽子と中性子の複合体である。原子核はその陽子と中性子の組み合わせにより、または高いエネルギーを与えることにより壊変を起こすことがある。核化学とは原子核の壊変を伴う化学であるが、原子核の壊変自体は原子核物理の現象である。本稿では原子核の性質を原子核物理の観点から概説し、その一般的性質を紹介する。まず原子核の性質を紹介し、ついで原子核の性質を俯瞰する「核図表」とその見方を概説する。その中で$$alpha$$改変、$$beta$$壊変、核分裂といった核壊変を核図表の位置と対比させながら紹介する。最後に元素の起源と宇宙のかかわりについて述べ、例えばウランが超新星や中性子星合体といった現象によって起こるという元素合成のシナリオを紹介する。

論文

科学と技術のための核データ国際会議:ND2016; 会議概要・キーノート講演

小浦 寛之

核データニュース(インターネット), (116), p.1 - 7, 2017/02

2016年9月11日$$sim$$16日の日程でベルギーのブルージュにて「科学と技術のための核データ国際会議(ND2016)」が開催された。本稿では会議の概要とキーノート講演について紹介する。本会議は核データの分野における最大の国際会議であり、1978年より3年または4年に1回開催され、今回が13回目となる。今回の参加件数はノート: 7件、プレナリー: 9件、招待講演: 84件、通常講演: 266件、ショート(ポスター発表の一部を口頭): 144件、の計510件だった。国別の発表件数は フランス: 81件、アメリカ: 67件、日本: 47件、中国: 43件、ベルギー: 30件、スペイン: 22件、ドイツ: 21件、ロシア: 19件、その他で、これらの国々を含めた計45カ国からの参加となった。日本の発表者はキーノート1件、プレナリー1件、招待講演9件、その他一般講演とポスター発表であった。キーノート講演では欧州委員会(EC)、OECD/NEA、IAEA、フランス原子力庁(CEA)、原子力機構、ベルギー原子力研究センター(SCK-CEN)、CERNからそれぞれの機関における核データへの取り組み、そして展望について紹介された。

論文

First online multireflection time-of-flight mass measurements of isobar chains produced by fusion-evaporation reactions; Toward identification of superheavy elements via mass spectroscopy

Schury, P.*; 和田 道治*; 伊藤 由太*; 加治 大哉*; 新井 郁也*; MacCormick, M.*; Murray, I.*; 羽場 宏光*; Jeong, S.*; 木村 創大*; et al.

Physical Review C, 95(1), p.011305_1 - 011305_6, 2017/01

AA2016-0638.pdf:0.71MB

 被引用回数:10 パーセンタイル:8.11(Physics, Nuclear)

多反射時間飛行質量分析装置を理化学研究所設置の気体充填型反跳分離装置-II型(GARIS-II)と連結したガスセルに配置し、$$alpha$$崩壊連鎖を伴う重原子核の質量の直接測定を実施した。融合-蒸発反応で生成された原子核をGARIS-IIを用いて分離し、ヘリウムガスセルで止めて目的の原子核を捕集した。本実験で$$^{204}$$Fr-$$^{204}$$Rn-$$^{204}$$At-$$^{204}$$Po, $$^{205}$$Fr-$$^{205}$$Rn-$$^{205}$$At-$$^{205}$$Po-$$^{205}$$Bi及び$$^{206}$$Fr-$$^{206}$$Rn-$$^{206}$$Atの3つの同重体鎖の時間飛行スペクトルが観測された。その結果、$$^{204-206}$$Fr, $$^{204,205}$$Rn、そして$$^{204,205}$$Atの原子質量値が精密に決定された、今回の解析において、$$^{205}$$Bi, $$^{204,205}$$Po, $$^{206}$$Rn、そして$$^{206}$$Atの同定は10個以下という少量のイオン数でなされた。この成果は 次のステップとして実施する予定である(生成量が極少量の)超重元素イオンの質量分析につながる成果となる。

報告書

Proceedings of the 2015 Symposium on Nuclear Data; November 19-20, 2015, Ibaraki Quantum Beam Research Center, Tokai-mura, Ibaraki, Japan

岩本 修; 佐波 俊哉*; 国枝 賢; 小浦 寛之; 中村 詔司

JAEA-Conf 2016-004, 247 Pages, 2016/09

JAEA-Conf-2016-004.pdf:26.48MB

2015年度核データ研究会は、2015年11月19日$$sim$$20日に、茨城県東海村のいばらき量子ビーム研究センターにて開催された。本研究会は、日本原子力学会核データ部会が主催、日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センターと原子力学会北関東支部が共催した。今回、チュートリアルとして「少数多体系理論の最近の話題」、「核データ共分散の利用法2015」の2件を、講演・議論のセッションとして「最近の話題」、「AIMACプロジェクトの進捗」、「JENDL評価ファイルの現状」、「核データの応用」の4件を企画・実施した。さらに、ポスターセッションでは、実験、評価、ベンチマーク、応用など、幅広い研究内容について発表が行われた。参加者総数は99名で、それぞれの口頭発表及びポスター発表では活発な質疑応答が行われた。本報告書は、本研究会における口頭発表13件、ポスター33件の論文をまとめている。

論文

Towards a novel laser-driven method of exotic nuclei extraction-acceleration for fundamental physics and technology

西内 満美子*; 榊 泰直*; Esirkepov, T. Zh.*; 西尾 勝久; Pikuz, T. A.*; Faenov, A. Ya.*; Skobelev, I. Yu.*; Orlandi, R.; Pirozhkov, A. S.*; 匂坂 明人*; et al.

Plasma Physics Reports, 42(4), p.327 - 337, 2016/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:42.53(Physics, Fluids & Plasmas)

ペタワットレーザーと原子核物理学の技術を組み合わせることで、エキゾチック原子核の性質の測定を決定的に可能にする。数値シミュレーションとレーザー駆動実験により、我々は論文、西内等、Phys. Plasmas 22, 033107 (2015)で提案された「レーザー駆動エキゾチック核抽出-加速法」の展望について紹介する。この方法の特徴は、(1)フェムト秒ペタワットレーザーを、外部イオンビームによって破砕された原子核標的に照射し、(2)そして生成された短寿命の重エキゾチック原子核を数GeVの多価電荷としてまとめて一気に加速する、という画期的な方法である。

報告書

WWW核図表インターフェースの改良

岡本 力; 湊 太志; 小浦 寛之; 岩本 修

JAEA-Data/Code 2015-029, 30 Pages, 2016/03

JAEA-Data-Code-2015-029.pdf:1.81MB

核データ研究グループから1976年より4年おきに冊子体「核図表」が発行されている。そのデータをウェブ上からも利用できるよう1999年にWWW(World Wide Web)用核図表作成プログラムの開発が行われた。しかし当時のインターネット技術に比べ現在は回線スピード、ブラウザ機能、JavaScriptライブラリなどが進歩している。2014年度版核図表の発行に伴い、より利便性を図るため、新しいインターネット技術を導入し、WWW核図表の作成方法・インターフェースの改良を行った。インターフェースにはスクロール画面を導入し、マップの画面移動が容易にすると共に、ドラッグスクロール機能も追加した。さらにスマートフォンなどモバイル端末からのアクセスも想定し、軽量版を用意して自動切り替えの処置も行った。これらの技術の導入によりアクセスタイムの軽減や、外出時での利用も可能なシステムとなった。また2014年度版の核図表にはあらたに崩壊図が追加されたため、図の作成方法を再検討した。そこで容易に図形を作成するためにSVG(Scalable Vector Graphics)を採用した。今回の改良により従来に比べてWWW核図表の利便性が大幅に増した。

報告書

Proceedings of the 2014 Symposium on Nuclear Data; November 27-28, 2014, Conference hall, Hokkaido University, Sapporo Japan

合川 正幸*; 岩本 修; 江幡 修一郎*; 国枝 賢; 中村 詔司; 小浦 寛之

JAEA-Conf 2015-003, 332 Pages, 2016/03

JAEA-Conf-2015-003.pdf:30.22MB

2014年度核データ研究会は、2014年11月27日$$sim$$28日に、北海道札幌市の北海道大学学術交流会館にて開催された。本研究会は、日本原子力学会核データ部会、日本原子力学会北海道支部、北海道大学大学院理学研究院原子核反応データベース研究開発センターが主催、日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センターが共催した。今回、チュートリアルとして「長寿命核分裂生成物の核変換データとその戦略」、「がん放射線治療に必要な物理と核データ」の2件を、講演・議論のセッションとして「核データコミュニティーが望む中性子飛行時間法測定装置」、「最近のトピックス」、「核データの利用」、「核理論と核データ」の4件を企画・実施した。さらに、ポスターセッションでは、実験、評価、ベンチマーク、応用など、幅広い研究内容について発表が行われた。参加者総数は88名で、それぞれの口頭発表及びポスター発表では活発な質疑応答が行われた。本報告書は、本研究会におけるチュートリアル2件、口頭発表16件、ポスター44件の論文をまとめてある。

論文

Compilation for chart of the nuclides 2014; A Comprehensive decay data

小浦 寛之; 片倉 純一*; 橘 孝博*; 湊 太志

JAEA-Conf 2015-003, p.147 - 152, 2016/03

原子力機構で作製する核図表2014を現在製作中であり、その進捗状況について報告する。本核図表は日本原子力研究所にて1977年の公開以来、1980から2004年4年ごとに公開されてきた。2005年の原子力研究開発機構ヘの移行後、2010年に9回目の公開を行い、今回が10回目の公開となる。本核図表には同位体の半減期、崩壊様式、同位体存在比、核異性体の情報が載せられている。これに加えて元素の周期表、物理基礎定数、特性X線、熱中性子の捕獲および核分裂断面積が掲載されている。現在作製中の核図表に採用する実験データは2014年6月末までのものとした。今回の修正点は実験データに関しては、(1)中性子放出、陽子放出に対する不安定同位体の新たな掲載(32同位体)、(2)崩壊様式の区分の増加(12例から23例へ)、(3)中性子ドリップ線、陽子ドリップ線の描画、および$$beta$$崩壊遅発核分裂の可能限界線の描画、理論データに関しては従来の3崩壊($$alpha$$, $$beta$$,自発核分裂)に加えて新たに2崩壊(1陽子, 2陽子放出)を加え、中性子過剰核側の整備を行った。今回の改訂により実験的に確認された同位体は3150におよび、そのうち半減期が測定された核種が2914核種であるという結果を得た。

論文

A Comprehensive approach to determination of nuclear data of unstable nuclei

千葉 敏*; 西尾 勝久; 有友 嘉浩*; 小浦 寛之; 岩本 修; 牧井 宏之; 西中 一朗*; 廣瀬 健太郎

EPJ Web of Conferences (Internet), 106, p.04004_1 - 04004_9, 2016/02

 パーセンタイル:100

A comprehensive approach to determine nuclear data of unstable nuclei will be described. It consists of a measurement of fission and capture cross sections, mass distribution of fission fragments (independent fission yields) and number of prompt fission neutrons by the method of surrogate reactions. A multi-dimensional Langevin model is being developed to estimate the independent fission yields theoretically. Furthermore, the $$beta$$ decay properties of the fission fragments, almost all are neutron-rich unstable nuclei, are investigated systematically by improving the gross theory of $$beta$$ decay, which will yield information on the decay heat and delayed-neutron data.

論文

Decay properties of new isotopes $$^{234}$$Bk and $$^{230}$$Am, and even-even nuclides $$^{234}$$Cm and $$^{230}$$Pu

加治 大哉*; 森本 幸司*; 羽場 宏光*; 井手口 栄治*; 小浦 寛之; 森田 浩介*

Journal of the Physical Society of Japan, 85(1), p.015002_1 - 015002_2, 2016/01

 被引用回数:7 パーセンタイル:29.51(Physics, Multidisciplinary)

$$^{197}$$Au($$^{40}$$Ar, 3n)反応を用い、バークリウムの中性子欠損同位体である$$^{234}$$Bkの合成およびその崩壊生成同位体である$$^{230}$$Amの同定に初めて成功した。$$^{234}$$Bkの$$alpha$$崩壊エネルギーを7.62から7.96MeVの範囲で11事象観測し、うちこの$$alpha$$崩壊事象に続く6事象の核分裂を観測した。観測データより$$^{234}$$Bkおよび$$^{230}$$Amの半減期はそれぞれ19$$^{+6}_{-4}$$秒および32$$^{+22}_{-9}$$秒となった。また$$^{234}$$Bkからの$$beta$$崩壊娘核である$$^{234}$$Cmも同定した。

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