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Yakushev, A.*; Lens, L.*; Dllmann, Ch. E.*; Khuyagbaatar, J.*; Jger, E.*; Krier, J.*; Runke, J.*; Albers, H. M.*; 浅井 雅人; Block, M.*; et al.
Frontiers in Chemistry (Internet), 10, p.976635_1 - 976635_11, 2022/08
被引用回数:14 パーセンタイル:78.14(Chemistry, Multidisciplinary)114番元素フレロビウム(Fl)は現在その化学的性質が研究されている最も重い元素である。Flに関する最初の化学実験では、Flは貴ガス的な性質を持つ元素であると報告された。一方、2番目の研究では、Flは揮発性金属の性質を示すと報告された。より信頼性の高い結論を得るため、我々は更なる実験的研究を行い、二酸化ケイ素と金表面におけるFlの吸着挙動を調べた。その結果、Flは揮発性金属の水銀よりも高い揮発性と低い反応性を示し、一方、貴ガスのラドンよりは反応性が高いことを明らかにした。
Gtz, M.*; Gtz, S.*; Kratz, J.-V.*; Ballof, J.*; Dllmann, Ch. E.*; Eberhardt, K.*; Mokry, C.*; Renisch, D.*; Runke, J.*; 佐藤 哲也; et al.
Radiochimica Acta, 109(3), p.153 - 165, 2021/03
被引用回数:3 パーセンタイル:37.09(Chemistry, Inorganic & Nuclear)超重元素揮発性カルボニル錯体の化学研究のために、反跳によって標的もしくは線源から飛び出す核反応生成物または核分裂生成物を熱化し、さらに気相カルボニル錯体合成を行うための2槽型装置を開発した。この装置は、空間的にデカップルされ熱化チェンバーと気相化学反応チェンバーから成り立ち、核反応等で生成した短寿命核種が熱化チェンバーに満たされたガス中で熱化されたのち、気相化学反応チェンバーに送り込まれて、一酸化炭素と反応することでカルボニル錯体を形成する。U中性子誘起核分裂およびCm自発核分裂からの核分裂片を用いて検証したところ、全体効率として50%以上を達成した。また一連の結果により、熱化された核分裂生成物のカルボニル錯体形成が単一原子反応であり、熱原子反応ではないことを示した。
Khuyagbaatar, J.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Ackermann, D.*; Andersson, L.-L.*; 浅井 雅人; Block, M.*; Boll, R. A.*; Brand, H.*; Cox, D. M.*; et al.
Physical Review C, 102(6), p.064602_1 - 064602_9, 2020/12
被引用回数:56 パーセンタイル:98.47(Physics, Nuclear)原子番号119及び120を持つ超重元素の合成を目指した探索実験を、それぞれTi+Bk及びTi+Cf核融合-粒子蒸発反応を用いて、ガス充填型反跳分離装置TASCAにて実施した。4ヶ月間におよぶビーム照射実験を行ったが、どちらの元素も検出されず、その生成断面積の上限値は65fb及び200fbであった。119, 120番元素が観測されなかった理由について、安定の島領域の超重元素の核分裂障壁の高さを予測する様々な理論計算値を用いて、核融合-粒子蒸発反応の概念を用いて議論した。
永目 諭一郎*; 佐藤 哲也; Kratz, J. V.*
Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology (Internet), 52 Pages, 2020/09
本論文では、安定線から遠く離れた重核や新元素の合成、重核の核分裂を含むエキゾチックな核崩壊特性の研究、重アクチニドや超アクチニドの化学的性質の研究など、最近の研究の進展を簡単にまとめた。電磁分離器を用いたin-flight分離後の単一原子検出の実験技術は、新しい重元素の発見に画期的な進展をもたらした。また、一原子ずつ化学反応を行う自動迅速化学分離装置の開発も、超アクチノイドの化学研究の進展に大きく貢献した。最先端の技術を駆使して重アクチノイドや超アクチノイドの製造と化学的特性評価の新境地を開拓する重要な実験を紹介する。これまでのアクチノイド元素と超アクチノイド元素研究と、将来的に重元素の核・化学研究を発展させるためのいくつかの展望を簡単に紹介する。
Khuyagbaatar, J.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Ackermann, D.*; Andersson, L.-L.*; 浅井 雅人; Block, M.*; Boll, R. A.*; Brand, H.*; Cox, D. M.*; et al.
Physical Review C, 99(5), p.054306_1 - 054306_16, 2019/05
被引用回数:28 パーセンタイル:92.04(Physics, Nuclear)Ca+B融合反応を用いて117番元素(Ts)合成実験を行い、117番元素に起因すると思われる4つの崩壊連鎖を観測した。うち2つは長い崩壊連鎖で、Tsの崩壊に起因するものと同定された。他の2つは短い崩壊連鎖で、Tsの崩壊に起因すると考えると矛盾しない。今回の結果と過去の文献値を比較したところ、今回の我々の結果は過去の文献値をほぼ再現し、117番元素合成の事実を強く再確認する結果となった。
Lens, L.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; 浅井 雅人; Ballof, J.*; Block, M.*; David, H. M.*; Despotopulos, J.*; Di Nitto, A.*; Eberhardt, K.*; et al.
Radiochimica Acta, 106(12), p.949 - 962, 2018/12
被引用回数:10 パーセンタイル:64.03(Chemistry, Inorganic & Nuclear)半減期449秒の短寿命同位体を用いて、水銀(Hg), タリウム(Tl), 鉛(Pb)の単一原子レベルでのSiO及びAu表面への固体吸着挙動をオンライン気相実験により調べた。超重元素Cn, Nh, Flの吸着エンタルピー測定のためのモデル実験として実施した。短寿命同位体はドイツ重イオン研究所の反跳核分離装置TASCAを用いて生成・分離した。生成核はヘリウムガス中に捕集された後、SiOあるいはAuで表面を覆われたSi検出器で作製されたガスクロマトグラフィーカラムへと導入した。短寿命Tl及びPb同位体は室温においてSiO表面に吸着し、Si検出器で測定することに成功した。一方、HgはSiO表面には吸着せず、Au表面に吸着した。この結果より、本実験のセットアップを用いることで短寿命Hg, Tl, Pb同位体の吸着特性を調べることができると証明され、この手法がCn, Nh, Flの実験にも適用できることが確認された。
佐藤 哲也; 浅井 雅人; Borschevsky, A.*; Beerwerth, R.*; 金谷 佑亮*; 牧井 宏之; 水飼 秋菜*; 永目 諭一郎; 長 明彦; 豊嶋 厚史; et al.
Journal of the American Chemical Society, 140(44), p.14609 - 14613, 2018/11
被引用回数:32 パーセンタイル:70.90(Chemistry, Multidisciplinary)第一イオン化エネルギー(IP)は、原子の価電子軌道に関する情報を与える。99番元素アインスタイニウムよりも重いアクチノイドのIPは、一度に一つの原子しか扱うことのできない実験の難しさから、これまでに実験的に測定された例はなかった。我々は表面電離法を応用した新しい測定手法により、103番元素ローレンシウム(Lr)のIP測定に成功し、Lrが弱く束縛された最外殻電子をもつことを強く示唆する結果を得た。一方、Lrとは対象的に、102番元素ノーベリウムは充填された5f軌道および7s軌道をもつために、アクチノイド中最高のIPをもつと考えられている。表面電離法によるIP決定法をNoおよび100番元素フェルミウム, 101番元素メンデレビウムに適用することにより求められた各IPから、5f軌道への電子の充填に伴ってIPが単調に増加し、Noで最も大きくなることを確かめることができた。このことから、f軌道に電子が充填され、アクチノイド系列がLrで終わることを実験的に確かめた。
Gtz, M.*; Gtz, S.*; Kratz, J. V.*; Dllmann, Ch. E.*; Mokry, Ch.*; Runke, J.*; Thrle-Pospiech, P.*; Wiehl, N.*; Schdel, M.; Ballof, J.*; et al.
Nuclear Physics A, 961, p.1 - 21, 2017/05
被引用回数:8 パーセンタイル:53.41(Physics, Nuclear)Ca + Cmの多核子移行反応の運動学を多層捕集箔法と放射化学分離法を用いて調べた。過去の研究で、生成核の同位体分布の幅が、標的よりも重い同位体より軽い同位体の方が広いことが知られており、標的よりも軽い同位体の方がエネルギーロスの大きな衝突の成分が多いためと解釈されてきた。しかし、本研究で両者の平均的な全運動エネルギー損失、すなわち平均励起エネルギーの大きさが測定され、両者に大きな違いがないことが明らかになった。このことは過去の解釈と矛盾するため、本研究では、高い励起エネルギーを持って生成される標的よりも重い同位体は核分裂によって失われる、という新しい解釈を提案した。
佐藤 哲也; 浅井 雅人; Borschevsky, A.*; Stora, T.*; 佐藤 望*; 金谷 佑亮; 塚田 和明; Dllmann, C. E.*; Eberhardt, K.*; Eliav, E.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 131, p.05001_1 - 05001_6, 2016/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Inorganic & Nuclear)表面電離イオン化過程におけるイオン化効率は、対象原子の第一イオン化エネルギーに依存することが知られており、この関係を利用することで、イオン化エネルギーを決定することができる。新たに開発したガスジェット結合型表面電離イオン源を用いて、低生成断面積・短寿命のためにイオン化エネルギーが測定されていない重アクチノイド元素フェルミウム, アインスタイニウム, ノーベリウムそしてローレンシウムのイオン化効率を測定することにより、これらの第一イオン化エネルギーを初めて実験的に決定したので報告する。
永目 諭一郎; Kratz, J. V.*; Schdel, M.*
EPJ Web of Conferences, 131, p.07007_1 - 07007_8, 2016/12
被引用回数:3 パーセンタイル:72.25(Chemistry, Inorganic & Nuclear)Recent studies of the chemical separation and characterization experiments of superheavy elements, rutherfordium (Rf) and dubnium (Db), conducted atom-at-a-time in aqueous phases, are reviewed. A short description on experimental techniques based on partition methods, specifically automated rapid chemical separation systems, is also given. A newly developed experimental approach to investigate single atoms of the heaviest elements with an electrochemical method is introduced. Perspectives for aqueous-phase chemistry experiments on heavier elements are briefly discussed.
Eichler, R.*; 浅井 雅人; Brand, H.*; Chiera, N. M.*; Di Nitto, A.*; Dressler, R.*; Dllmann, Ch. E.*; Even, J.*; Fangli, F.*; Goetz, M.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 131, p.07005_1 - 07005_7, 2016/12
被引用回数:3 パーセンタイル:72.25(Chemistry, Inorganic & Nuclear)近年、物理的な前段分離装置を活用することにより、超重元素の比較的不安定な単一分子の合成と研究が気相化学研究によって可能になった。非常に揮発性の高い106番元素のヘキサカルボニル錯体Sg(CO)の合成は最近の大きな成果である。この成功を受けて、中心金属原子と周囲の配位子間の第一乖離エネルギーの測定を第2世代の実験として実施した。管状の分解反応装置を用いた手法を開発し、短寿命のMo(CO), W(CO), Sg(CO)錯体に適用することに成功した。
Forsberg, U.*; Rudolph, D.*; Andersson, L.-L.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Fahlander, C.*; Gates, J. M.*; Golubev, P.*; Gregorich, K. E.*; Gross, C. J.*; et al.
Nuclear Physics A, 953, p.117 - 138, 2016/09
被引用回数:50 パーセンタイル:94.49(Physics, Nuclear)Ca + Am反応による115番元素合成実験で観測された崩壊連鎖について、最近我々が報告したドイツGSIで測定したデータと過去に報告されたロシアDubna及び米国LBNLで測定されたデータのすべてを使い、その起源を調査した。それらのデータの中に、反跳核--()-核分裂タイプの短い崩壊連鎖が14事象観測されており、そのうちのいくつかは中性子が2個放出されてできるMc起源であるとこれまで解釈されてきた。一方、今回我々は、これらの短い崩壊連鎖のほとんどが、中性子が3個放出されてできるMc起源であり、崩壊連鎖の途中でEC崩壊して核分裂したものであろうと再同定した。
Usoltsev, I.*; Eichler, R.*; Wang, Y.*; Even, J.*; Yakushev, A.*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; et al.
Radiochimica Acta, 104(3), p.141 - 151, 2016/03
被引用回数:33 パーセンタイル:94.76(Chemistry, Inorganic & Nuclear)周期表第6族元素で最も重いSgのヘキサカルボニル錯体の熱的安定性を調べることを目指して、短寿命MoおよびW同位体を用いてヘキサカルボニル錯体を合成し、その合成および解離条件を調べた。チューブ状の反応装置を用いてヘキサカルボニル錯体を解離させ、第1解離エネルギーを導出できるかテストした。第6族元素のヘキサカルボニル錯体の解離を調べるには、反応表面として銀が最適であることがわかった。Mo(CO)およびW(CO)の解離が起こる反応表面温度は、それらの第1解離エネルギーと相関があることがわかり、この方法を用いてSg(CO)の第1解離エネルギーを決定できる見通しを得た。
永目 諭一郎; Kratz, J. V.*; Schdel, M.
Nuclear Physics A, 944, p.614 - 639, 2015/12
被引用回数:26 パーセンタイル:82.26(Physics, Nuclear)Recent studies of the chemical separation and characterization experiments of the first three transactinide elements, rutherfordium (Rf), dubnium (Db), and seaborgium (Sg), conducted atom-at-a-time in liquid phases, are reviewed. A short description on experimental techniques based on partition methods, specifically automated rapid chemical separation systems, is also given. A newly developed experimental approach to investigate single atoms of the heaviest elements with an electrochemical method is introduced. Perspectives for liquid-phase chemistry experiments on heavier elements are briefly discussed.
佐藤 哲也; 浅井 雅人; Borschevsky, A.*; Stora, T.*; 佐藤 望; 金谷 佑亮; 塚田 和明; Dllmann, Ch. E.*; Eberhardt, K.*; Eliav, E.*; et al.
Nature, 520(7546), p.209 - 211, 2015/04
被引用回数:112 パーセンタイル:97.49(Multidisciplinary Sciences)表面電離イオン化過程におけるイオン化効率は、対象原子の第一イオン化エネルギーに依存することが知られており、この関係を利用することで、イオン化エネルギーを決定することができる。ガスジェット結合型表面電離イオン源を用いて、低生成断面積・短寿命のためにイオン化エネルギーが測定されていない重アクチノイド元素ローレンシウム(Lr)のイオン化効率を測定することに成功した。希土類元素のイオン化効率測定により得られたイオン化エネルギーとイオン化効率の相関関係から、Lrの第一イオン化エネルギーを決定したので報告する。
Even, J.*; Ackermann, D.*; 浅井 雅人; Block, M.*; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Eichler, R.*; Fan, F.*; 羽場 宏光*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(3), p.2457 - 2466, 2015/03
被引用回数:15 パーセンタイル:75.79(Chemistry, Analytical)金属カルボニル錯体の迅速その場合成を、核分裂や核融合反応によって生成される短寿命同位体を用いた実験によって実証した。高い反跳エネルギーを持つ短寿命核反応生成物を一酸化炭素分子と直接反応させることでカルボニル錯体を合成し、高い揮発性を持つ錯体のみをガス気流によって迅速に搬送し、化学分析・測定装置にかけて検出した。この手法を用いることで、Mo, Tc, Ru, Rh, W, Re, Os, Irの短寿命同位体の揮発性カルボニル錯体の合成に成功した。一方、HfとTaの揮発性錯体は検出されなかった。この手法は超重元素シーボーギウム(原子番号106)の化学研究に既に適用されており、また短寿命遷移金属同位体を用いた核科学研究の様々な分野への応用が今後期待される。
佐藤 哲也; 浅井 雅人; 佐藤 望; 塚田 和明; 豊嶋 厚史; 大江 一弘*; 宮下 直*; 金谷 佑亮; 長 明彦; Schdel, M.; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1253 - 1257, 2015/02
被引用回数:9 パーセンタイル:58.41(Chemistry, Analytical)ローレンシウム(Lr, Z=103)の第一イオン化エネルギー決定のため、超重元素研究グループでは原子力機構タンデム加速器に設置されたオンライン質量分離器(ISOL)に用いることのできる、He/CdIガスジェット結合型表面電離イオン源の開発を進めている。本装置を用いて、核反応によって生成した短寿命Lr同位体および種々の短寿命希土類元素同位体のイオン化を行った。その結果、短寿命ローレンシウム同位体Lrを初めてイオン化・質量分離することに成功した。さらに、希土類元素を用いて得られた実効イオン化エネルギーとイオン化効率との相関関係から、Lrのイオン化エネルギーを初めて実験的に見積もった。
大江 一弘*; Attallah, M. F.*; 浅井 雅人; 後藤 尚哉*; Gupta, N. S.*; 羽場 宏光*; Huang, M.*; 金谷 淳平*; 金谷 佑亮*; 笠松 良崇*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1317 - 1320, 2015/02
被引用回数:10 パーセンタイル:62.42(Chemistry, Analytical)超重元素化学にむけ、ガスジェット法によって搬送された核反応生成物を連続溶解する新規方法を開発した。本方法では、疎水性メンブレンフィルターを用い、気相と水相を分離する。本手法を用いて短寿命放射性核種MoならびにWの溶解効率を測定した結果、水溶液流速0.1-0.4mL/minで80%以上の収率が得られた。一方、1.0-2.0L/minの範囲内では、ガス流速への依存性は観測されなかった。以上の結果から、本手法が超重元素の溶液化学研究に適用可能であることが示された。
Rudolph, D.*; Forsberg, U.*; Golubev, P.*; Sarmiento, L. G.*; Yakushev, A.*; Andersson, L.-L.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Gates, J. M.*; Gregorich, K. E.*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1185 - 1190, 2015/02
被引用回数:7 パーセンタイル:49.28(Chemistry, Analytical)115番元素の崩壊連鎖を30事象観測し、過去に115同位体として報告されている崩壊連鎖と矛盾しないことを見出した。GEANT4モンテカルロシミュレーションにより高分解能-光子同時計数実験結果の再現を試みた。この解析手法により、超重核のQ値や励起準位構造を精度よく導出できるようになる。
Even, J.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Eichler, R.*; Fan, F. L.*; et al.
Science, 345(6203), p.1491 - 1493, 2014/09
被引用回数:65 パーセンタイル:83.10(Multidisciplinary Sciences)超重元素の新しい錯体、106番元素シーボーギウム(Sg)のカルボニル錯体の合成に初めて成功し、その吸着特性を低温熱クロマトグラフィー・線測定装置COMPACTを用いて調べた。理化学研究所の気体充填型反跳イオン分離装置GARISを用いて合成及び前段分離された短寿命核反応生成物Sgを、ヘリウムと一酸化炭素の混合ガス中に打ち込み、カルボニル錯体を合成した。生成したカルボニル錯体のうち揮発性の高いもののみをガス気流によってCOMPACTへと搬送し、低温熱クロマトグラフィー測定を行った。検出されたSgカルボニル錯体の吸着エンタルピーは-50kJ/molと求まり、この高い揮発性からこの錯体は6配位のSg(CO)であると結論した。これまで超アクチノイド元素では単純な無機錯体しか合成されたことがなく、本研究は超アクチノイド元素における初めての有機金属錯体合成の成果である。