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笹尾 英嗣; 鈴木 敬一*; 山田 信人*; 窪島 光志*
Proceedings of 12th SEGJ International Symposium (USB Flash Drive), 4 Pages, 2015/11
筆者らは瑞浪超深地層研究所において、宇宙線ミューオンを用いた断層の検出を試みた。同研究所の地質は上位の堆積岩と下位の花崗岩からなり、両者の境界は深度170mに位置する。幅の広い粘土変質帯を伴う断層が花崗岩中に垂直に分布する。本研究では測定装置を深度200mと300mの水平坑道に設置してミューオンを測定した。その結果から、花崗岩、断層、堆積岩の密度は、各々3.38, 2.88, 1.99g/cmと求められた。この値はこれまでに測定された密度よりも明らかに大きい。その相違の理由は不明であるが、花崗岩の密度を2.6g/cmとして再計算すると、断層及び堆積岩の密度は2.2g/cm, 1.5g/cmと求められ、これまでに計測された値に一致した。このことから、宇宙線ミューオンを用いた探査は地質構造の検出に有効であると考えられる。
川本 康司; 窪島 光志*; 村上 裕晃; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣
JAEA-Research 2014-021, 30 Pages, 2014/11
日本原子力研究開発機構では、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を岐阜県瑞浪市において進めている。本計画は、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」及び「深地層における工学技術の基盤の整備」を全体目標として定め、「第1段階:地表からの調査予測研究段階」、「第2段階:研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階:研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる計画である。現在は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めている。そのうち第2段階では、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築及び研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を段階目標の一つとして調査研究を進めている。本報告書では、第2段階での主要課題の一つである地質構造モデル構築作業の一環として、第2段階における地質・地質構造の調査研究結果に基づき、瑞浪超深地層研究所の深度500mステージの坑道掘削範囲で認められた地質・地質構造について取りまとめた。
石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 窪島 光志; 松岡 稔幸
JAEA-Research 2013-019, 31 Pages, 2013/11
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、現在は第2段階及び第3段階の調査研究を進めている。第2段階での地質・地質構造に関する研究では、研究坑道の掘削に伴う研究坑道の壁面地質調査結果や研究坑道から実施したボーリング調査結果等に基づき、第1段階に構築した地質構造モデル(SB3地質構造モデル)の更新を行っている。現在までに、6回の更新を実施しており、本報告書では、これまでに更新してきた地質構造モデル(Shaft180地質構造モデルからStage300地質構造モデル)の概要と、新たに構築したShaft460地質構造モデル及びShaft500地質構造モデルの更新結果について示す。
鶴田 忠彦; 笹尾 英嗣; 川本 康司; 窪島 光志; 石橋 正祐紀
JAEA-Research 2013-014, 35 Pages, 2013/11
日本原子力研究開発機構では、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を岐阜県瑞浪市において進めている。本計画は、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」及び「深地層における工学技術の基盤の整備」を全体目標として定め、「第1段階:地表からの調査予測研究段階」、「第2段階:研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階:研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画である。現在は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めている。そのうち第2段階における地質・地質構造の調査研究では、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築及び研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を段階目標の一つとして調査研究を進めている。本報告書は、今後の調査研究に資するため、第2段階における地質・地質構造の調査研究結果に基づき、瑞浪超深地層研究所の深度300mから500mまでのうち、20082012年度の掘削範囲で認められた地質・地質構造を取りまとめた。本取りまとめ結果は、第2段階で更新された地質構造モデルに反映した。
窪島 光志; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 鶴田 忠彦; 田上 雅彦*; 湯口 貴史
JAEA-Research 2012-037, 78 Pages, 2013/03
日本原子力研究開発機構では、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を岐阜県瑞浪市において進めている。本計画は、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」及び「深地層における工学技術の基盤の整備」を第1段階から第3段階までを通した全体目標として定め、「第1段階:地表からの調査予測研究段階」、「第2段階:研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階:研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画である。現在は、第2段階及び第3段階における調査研究を進めている。そのうち第2段階では、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築及び研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を段階目標の一つとして調査研究を進めている。本報告書は、今後の調査研究に資するため、第2段階における地質・地質構造の調査研究結果に基づき、深度300mまでに認められた地質・地質構造を取りまとめた。また、本取りまとめ結果は、第2段階で更新された地質構造モデルに反映した。
川本 康司; 窪島 光志; 石橋 正祐紀; 鶴田 忠彦; 笹尾 英嗣; 池田 幸喜; 見掛 信一郎; 原 郁夫; 山本 勝
JAEA-Data/Code 2012-025, 32 Pages, 2013/01
本データ集は、2008年度から2011年度にかけて、瑞浪超深地層研究所の深度300mから深度500mまでの研究坑道において実施した壁面地質調査の結果を取りまとめたものである。調査の結果、主立坑及び換気立坑とも後期白亜紀の土岐花崗岩が分布するが、部分的にペグマタイトやアプライト,ランプロファイアー岩脈が分布する。
國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 窪島 光志; 竹内 竜史; 水野 崇; 佐藤 稔紀; et al.
JAEA-Review 2012-028, 31 Pages, 2012/08
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる。2012年度は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めていく。本計画書は、2010年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた2012年度の超深地層研究所計画の調査研究計画,施設建設計画,共同研究計画などを示したものである。
川本 康司; 窪島 光志; 石橋 正祐紀; 鶴田 忠彦; 笹尾 英嗣; 池田 幸喜; 見掛 信一郎; 原 郁夫; 山本 勝
JAEA-Data/Code 2012-009, 47 Pages, 2012/07
本データ集は、2004年度から2008年度にかけて、瑞浪超深地層研究所の深度300mまでの研究坑道において実施した壁面調査の結果を取りまとめたものである。研究坑道では、浅部から深部に向かって、瑞浪層群の明世累層(戸狩部層,月吉部層),本郷累層,土岐夾炭累層と、深度約166m168m付近の不整合面を境として土岐花崗岩が分布する。
上野 孝志; 徳安 真吾; 川本 康司; 窪島 光志; 石橋 正祐紀; 鶴田 忠彦; 笹尾 英嗣; 池田 幸喜; 見掛 信一郎; 原 郁夫; et al.
JAEA-Data/Code 2012-008, 136 Pages, 2012/07
本データ集は、2005年度から2011年度にかけて、瑞浪超深地層研究所の研究坑道において実施した23本のボーリング調査の掘削仕様各種データの取得結果を取りまとめたものである。
山田 信人; 笹尾 英嗣; 鈴木 敬一*; 窪島 光志*; 金沢 淳*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構と川崎地質は、両者の共同研究として、瑞浪超深地層研究所の研究坑道を利用し、断層等の地質構造の検出を目的としたミュー粒子測定を実施している。本研究では、地下坑道にミュー粒子の検出器を設置し、ミュー粒子を用いた探査手法の地質構造推定手法としての適用性評価を行う。2013年11月から2014年8月までに得られたデータを用いて坑道周辺の密度構造を推定したところ、深度300mの花崗岩中に設置された坑道においても、データ解析に必要な量のミュー粒子を取得できることがわかった。
大谷 具幸*; 横井 洸亮*; 岡崎 一成*; 西村 勇輝*; 小嶋 智*; 窪島 光志*; 笹尾 英嗣
no journal, ,
断層近傍におけるマイクロクラックの方位分布の特徴を明らかにすることを目的に、月吉断層を貫くMIU-3号孔コアを用いてマイクロクラックの方位測定を行った。本研究では、月吉断層上盤から4試料、下盤から3試料を採取し、直交する3平面で岩石薄片を作成し、花崗岩に含まれる石英を対象としてマイクロクラックの方位測定を行った。マイクロクラックの観察結果より、ヒールドマイクロクラックはシールドマイクロクラックより前に形成されたと考えられる。また、方位測定の結果より、断層近傍のみ中角傾斜が出現することから、天然においても断層近傍でマイクロクラックの方位分布が変化することが明らかとなった。シールドマイクロクラックはヒールドマイクロクラックと比べて中角傾斜の分布範囲が小さい。これは、ヒールドマイクロクラックの方が早期に形成されたことから、花崗岩が非破壊の状態で形成されたことにより広い範囲に形成されたためと考えられる。一方で、シールドマイクロクラックは断層が既に形成されて破壊とシーリングを繰り返す中で形成されたために断層近傍が弱化しており形成範囲が小さくなったと推定される。
笹尾 英嗣; 石橋 正祐紀; 窪島 光志*; 村上 裕晃
no journal, ,
断層活動による破砕やそれに伴う透水性の増加は、地層処分に影響を及ぼす事象であるため、これら事象の影響範囲を知ることが重要である。そこで、瑞浪超深地層研究所で認められる断層を事例として、割れ目頻度、割れ目充填物、および割れ目周辺の母岩の変質に着目し、それらの特徴と断層の関連についての検討を行った。その結果、割れ目は断層周辺で比較的多く、母岩の変質と割れ目充填物も断層近傍で多く認められることが明らかになった。変質や充填物の存在は、熱水の流入を示唆することから、断層周辺では断層活動に伴って割れ目が開口したことを示すと考えられる。今後は、破砕や粉砕などのせん断変形の有無を把握するとともに、熱水の流入が断層活動に関連するものかどうかを明らかにすることによって、断層の影響範囲を検討していく計画である。
大泉 涼*; 加藤 猛士*; 木方 建造*; 窪島 光志*; 宮良 信勝
no journal, ,
HLW最終処分場では、処分場建設時に生じる坑道周辺岩盤中の割れ目の発生とそれらが顕著な水みちとなった場合の地下水流動を事前に評価する必要がある。本発表では、このような割れ目の集中的な発生領域、すなわち掘削損傷領域(EDZ)に着目し、地下350m坑道で行った調査事例を紹介する。具体的には、坑道床面から孔長7mのボーリング孔を4孔掘削し、BTV観測,孔径検層,孔曲がり測定を実施した。そして、EDZの概念と割れ目の成因による分類方法を整理し、それに基づくコア観察とBTV観察の対比により岩盤中の割れ目の幾何学的特徴を解釈し、EDZの範囲等を評価した。
大谷 具幸*; 岡崎 一成*; 西村 勇輝*; 小嶋 智*; 窪島 光志; 笹尾 英嗣; 鶴田 忠彦
no journal, ,
断層は地殻における地熱流体の重要な移行経路であるため、地熱探査においては、地熱流体を生産するために、ボーリングで断層を貫く必要がある。ボーリング孔掘削時に、その先に断層があるかどうかの情報が得られれば、ボーリング掘削の判断に有益な情報となる。既存の室内実験によって、岩石中の微小割れ目の分布様式は断層周辺ではその他の部分とは異なることが知られている。そこで、本研究では、微小割れ目分布の断層調査への適用性を評価するために、天然における微小割れ目の分布が断層周辺とその他の部分で異なるかどうかを調査した。本研究では、超深地層研究所計画で掘削されたボーリングコアを用いた。このボーリングは花崗岩中に掘削されており、深度約700mで断層を貫いており、断層上盤の異なる深度から試料を採取した。観察した微小割れ目は、石英中に発達するヒールドマイクロクラックとシールドマイクロクラックであり、それらの走向・傾斜と密度を計測した。従来の研究では、断層から離れた部分では、鉛直に交わる2つもしくは3つの面が認められているが、本研究では鉛直に交わる面に加えて、斜交する面も認められた。これらは断層からの距離に応じて、面の交差関係が変わることから、微小割れ目の分布様式が断層の存在を推定する手法として活用できると考えられた。
大谷 具幸*; 岡崎 一成*; 西村 勇輝*; 小嶋 智*; 窪島 光志; 笹尾 英嗣; 鶴田 忠彦
no journal, ,
断層は地殻における地熱流体の重要な移行経路であるため、地熱探査においては、地熱流体を生産するために、ボーリングで断層を貫く必要がある。ボーリング孔掘削時に、その先に断層があるかどうかの情報が得られれば、ボーリング掘削の判断に有益な情報となる。既存の室内実験によって、岩石中の微小割れ目の分布様式は断層周辺ではその他の部分とは異なることが知られている。そこで、本研究では、微小割れ目分布の断層調査への適用性を評価するために、天然における微小割れ目の分布が断層周辺とその他の部分で異なるかどうかを調査した。本研究では、超深地層研究所計画で掘削されたボーリングコアを用いた。このボーリングは花崗岩中に掘削されており、深度約700mで断層を貫いており、断層上盤の異なる深度から試料を採取した。観察した微小割れ目は、石英中に発達するヒールドマイクロクラックとシールドマイクロクラックであり、それらの走向・傾斜と密度を計測した。従来の研究では、断層から離れた部分では、鉛直に交わる2つもしくは3つの面が認められているが、本研究では鉛直に交わる面に加えて、斜交する面も認められた。これらは断層からの距離に応じて、面の交差関係が変わることから、微小割れ目の分布様式が断層の存在を推定する手法として活用できると考えられた。
笹尾 英嗣; 山田 信人*; 鈴木 敬一*; 窪島 光志*
no journal, ,
瑞浪超深地層研究所において、宇宙線ミューオンを用いた断層の検出を試みた。同研究所の地質は上位の堆積岩と下位の花崗岩からなり、両者の境界は深度約170mに位置する。幅の広い粘土変質帯を伴う断層が花崗岩中に垂直に分布する。本研究では測定装置を深度200mと300mの水平坑道に設置してミューオンを測定した。その結果から、花崗岩, 断層部, 堆積岩の密度は、各々3.38, 2.88, 1.99g/cmと求められた。この値はこれまでに測定された密度よりも明らかに大きい。その相違の理由は不明であるが、花崗岩の密度を2.6g/cmとして再計算すると、断層部及び堆積岩の密度は2.2g/cm, 1.5g/cmと求められ、これまでに計測された値に一致した。このことから、ミュー粒子を利用した地質構造探査技術の開発に向けた検討を行い、絶対値の計測には問題があるものの、岩相ごとの密度比を把握することができることを確認した。
山田 信人; 笹尾 英嗣; 窪島 光志*; 鈴木 敬一*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構と川崎地質は、両者の共同研究として、瑞浪超深地層研究所の研究坑道を利用し、断層等の地質構造の検出を目的としたミュー粒子測定を実施している。本研究では、地下坑道にミュー粒子の検出器を設置し、ミュー粒子を用いた探査手法の地質構造推定手法としての適用性評価を行う。2013年11月から2014年8月までに得られたデータを用いて坑道周辺の密度構造を推定したところ、深度300mの花崗岩中に設置された坑道においても、データ解析に必要な量のミュー粒子を取得できることがわかった。
石橋 正祐紀; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 徳安 真吾; 上野 孝志; 川本 康司; 窪島 光志; 笹尾 英嗣
no journal, ,
超深地層研究所計画の研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2段階)において実施している地質・地質構造に関する調査研究は、地表からの調査予測研究段階(第1段階)で構築した地質構造モデル(サイトスケール)の妥当性の確認」,「研究坑道周辺に着目した地質構造モデル(ブロックスケール)の構築」及び「坑道掘削時の調査評価技術の整備」を目標としている。本報告では、地質・地質構造に関する調査研究の現状として壁面地質調査,逆VSP探査、及び地質構造モデルの更新に関する結果の概要と成果について提示する。
窪島 光志; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 鶴田 忠彦
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高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の安定性を評価するうえでは、地質環境の長期変化を考慮する必要がある。なかでも、地下水流動は物質の移動に寄与することから、その長期変化を評価する手法を整備することは重要な課題である。地下水流動は低透水性の断層の分布によって水理学的に区分されると考えられている。透水性は、断層の形成・発達過程で変化すると考えられ、地下水流動特性の長期変化を評価するうえでは、断層の形成・構造発達史を検討する必要がある。本論では、瑞浪超深地層研究所の主立坑に沿って分布する低透水性の断層を貫くボーリングコアの観察結果をもとに、その形成・発達過程を考察した。その結果、本断層は幅数cmの断層ガウジ等からなる断層の中軸部を境に破砕の状況が異なり、上盤側では断層ガウジ及び断層角礫を、下盤側では深い深度で形成されるカタクレーサイトを主体とすることが明らかとなった。以上の結果より、本断層では少なくとも深い深度と浅い深度における2回の断層活動が発生していたと考えられる。さらに断層の上盤側では、浅い深度の断層活動時期に強い断層破砕が生じていた可能性がある。
窪島 光志; 笹尾 英嗣
no journal, ,
地質環境の長期変化を検討するためには、地下水流動に影響を与える断層の形成・発達過程を理解する必要がある。本研究では、瑞浪超深地層研究所周辺に分布する月吉断層と主立坑断層を対象として、既存調査の断層記載を取りまとめるとともに、断層試料のスラブ片・薄片の観察を行い、両断層の形成・発達過程を検討した。その結果、土岐花崗岩中の月吉断層は、形成深度の深い(深度4-8km)カタクレーサイトからなり、さらにその構造は主立坑断層よりも有色鉱物の塑性変形が顕著であることから、この深度では月吉断層が主体となって活動していたと考えられる。一方、土岐花崗岩中の主立坑断層は、形成深度の浅い(深度4km以浅)断層ガウジからなり、その幅は月吉断層よりも広いことから、この深度では主立坑断層が主体となって活動し、熱水変質が広範囲に及んだと考えられる。また、瑞浪層群中では、月吉断層の変位量が主立坑断層と比べて著しく大きいことから、瑞浪層群堆積時においては、再度月吉断層の活動が主体となったと考えられる。