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近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 久保田 直義*; 宮丸 広幸*; 今野 力; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 48(8), p.1146 - 1157, 2011/08
被引用回数:4 パーセンタイル:31.56(Nuclear Science & Technology)14.2MeV中性子入射によるフッ素の陽子,重陽子,三重陽子,粒子放出二重微分断面積の詳細な測定を行った。日本原子力研究開発機構のFNS施設に備えられたペンシルDT中性子ビームを利用した荷電粒子スペクトロメータによって、幅広いエネルギーの放出粒子に対し、高いエネルギー分解能で、15から150に渡る角度において精密な測定を行うことができた。測定したデータは評価済核データライブラリJENDL-3.3及びENDF/B-VII.0に格納されたデータと比較した。その結果、エネルギー・角度分布と、荷電粒子生成断面積の双方で、実験値と評価値の間に大きな差が存在することがわかった。残留核の幾つかの励起状態に対応する離散ピークを分離し、角度微分断面積を導出して荷電粒子放出反応の機構を議論した。本研究はフッ素に対して上記4種類の荷電粒子放出二重微分断面積を同時に測定した初めての測定であり、フッ素の核反応モデルを確立するためにも有効である。
近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 宮丸 広幸*; 久保田 直義*; 今野 力; 西谷 健夫
Proceedings of International Conference on Nuclear Data for Science and Technology (ND 2007), Vol.1, p.407 - 410, 2008/05
ベリリウムと炭素は核融合炉の重要な材料であり、4体ブレークアップ反応であるBe(n,2n+2)反応とC(n,n'+3)反応についての詳細な知見が工学的な見地から求められている。これらの反応からの放出粒子の二重微分断面積を正確に評価するためには、核反応の機構を正確に把握する必要がある。これは核物理学的観点からも興味ある課題である。そこで、われわれが開発した原子力機構のビーム状DT中性子源を利用した新しい荷電粒子計測システムを用いて、ベリリウムと炭素からのアルファ粒子放出二重微分断面積の詳細な測定を行った。さらに核反応機構の推定のため、アルファ粒子を放出する反応経路ごとの放出スペクトルを運動学に基づくモンテカルロ法により計算し、得られた実験値や過去の中性子放出二重微分断面積の測定値と比較を行った。Be(n,2n+2)反応に関しては、Be(n,)He*(Ex1.8MeV)反応の寄与がかなり大きいことが明らかになった。C(n,n'+3)反応については、C(n,)Be*(Ex2.43MeV)反応の寄与が確認され、この反応が中性子放出二重微分断面積の低エネルギー部分の構造を説明するのに重要であることが明らかになった。
近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 久保田 直義*; 宮丸 広幸*; 今野 力; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 45(2), p.103 - 115, 2008/02
被引用回数:11 パーセンタイル:58.02(Nuclear Science & Technology)炭素は核融合炉の候補材の構成元素として重要であるが、核発熱や材料損傷の計算に必要な粒子放出二重微分断面積の測定値が過去1例しか存在していなかった。本研究では核融合中性子工学用中性子源施設FNSにおいて、14.2MeV中性子入射による炭素からの粒子放出二重微分断面積の詳細な測定を行った。DT中性子ビームとカウンターテレスコープ法の利用によって優れたS/N比,高い角度・エネルギー分解能,幅広い測定エネルギー範囲を実現した。得られたC(n,)Be反応断面積は過去の測定値及び評価済み核データと良い一致を示した。C(n,n'+3)反応の粒子放出角度微分断面積は強い前方性を示し、直接過程の寄与が大きいことを示唆する結果を得た。C(n,n'+3)反応に寄与する多くの反応チャンネルへの分岐比を推定するため、放出粒子のスペクトルを運動学に基づいたモンテカルロ法によって計算することを試みた。解析の結果、C(n,)Be*反応チャンネルが放出粒子の二重微分断面積を再現するうえで重要であることを明らかにした。本研究ではC(n,n'+3)反応におけるC(n,)Be*チャンネルへの分岐比をおよそ40%程度と推定したが、これは過去の研究で示唆されたものよりかなり大きい値である。
近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 宮丸 広幸*; 高木 智史*; 志度 彰一*; 今野 力; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2786 - 2793, 2007/10
被引用回数:2 パーセンタイル:18.37(Nuclear Science & Technology)中性子入射による荷電粒子放出反応は発電炉を見据えた核融合炉開発において極めて重要である。核反応で放出された荷電粒子は材料中で直ちに停止するため局所的な核発熱を引き起こす。また材料の損傷や多量のガス放出の原因となる。これらの物理量を正確に評価するためには全反応断面積だけではなく、放出エネルギーと角度に対する微分情報、すなわち二重微分断面積が必要である。しかし、二次中性子に関する二重微分断面積に比べて二次荷電粒子に関する二重微分断面積は測定の困難さのために実験データの蓄積が進んでいない。筆者らは、特に核融合炉で多く用いられる軽元素について高精度で二重微分断面積を測定することを目指し、ビーム状中性子源を利用した荷電粒子測定手法を開発した。われわれはこれまでに十分な測定がなされていない軽元素に対する系統的な測定を進めている。特に提案されているブランケット及び第一壁の構成材料であるリチウム,ベリリウム,カーボン,酸素,フッ素,シリコンは重要度が高いと考えられる。われわれはこれまでにベリリウム,カーボン,フッ素についての測定を完了し、引き続きリチウム7のDDXc測定を計画中である。本会議では、われわれの測定データと3つの主要な評価済み核データ(JEF-3.1, ENDF-B/VI, JENDL-3.3)の現状と比較結果を示す。また、今後測定が必要と思われる元素についても評価済み核データの現状について簡単なレビューを述べる。
落合 謙太郎; 佐藤 聡; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則; 阿部 雄一; 西谷 健夫; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2794 - 2798, 2007/10
被引用回数:5 パーセンタイル:36.61(Nuclear Science & Technology)JAEA-FNSではITER/ITAタスク73-10に基づき、ITER計測ポート周辺のスリット領域を模擬した鉄体系によるDT中性子ストリーミング実験を行い、モンテカルロ計算コードMCNPによる計算結果と実験値との比較から中性子輸送計算精度の検証を行った。奥行き55cm,横幅100cm,縦幅30cmの鉄ブロック2つを用いて、スリット幅2cmのストリーミング体系を組み立て、FNS-DT中性子源(点線源)で照射した。U-238及びU-235マイクロフィッションチャンバーを用い、深さ方向に対するスリット中の核分裂率を測定した。輸送計算コードはMCNP-4cを用い、U-238, U-235による核分裂率を計算した。実験結果から以下のことが明らかとなった。(1)U-238フィッションチャンバーの結果から、距離の効果及び鉄遮蔽による減衰効果を反映し、高速中性子束は体系表面からスリット内深さ50cmで0.1%まで減衰することを明らかにした。(2)U-235フィッションチャンバーの結果から10keV以下の中性子束は深さ50cmで体系表面での10%程度であることを明らかにした。(3)計算結果と実験結果の比(C/E)はU-238の場合1.10-1.22, U-235の場合は1.10-1.23となり、わずかに過大評価する傾向を示した。
久保田 直義; 近藤 恵太郎; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Materials, 367-370(2), p.1596 - 1600, 2007/08
被引用回数:2 パーセンタイル:18.37(Materials Science, Multidisciplinary)水素同位体分布分析の限界深さを数100mまで拡張するために、中性子ビームを使った中性子弾性反跳粒子検出法(NERDA)を示した。原子力機構の核融合中性子源で生成された14.1MeV中性子ビームは試料の法線方向から入射する。試料から放出された粒子は、E-E検出器で計測される。入射中性子のフルエンスは真空容器後方に設置した核分裂計数管でモニターした。まず、重水素密度が既知である、厚さ100mの重水素化ポリエチレンを標準試料として原理検証実験を行った。その結果、ポリエチレンの分析限界深さ801mの12%に相当する、99mの深さ分解能が得られた。これは、炭素で構成されるプラズマ対向壁の試料分析に対しては、61mの深さ分解能が期待でき、再堆積層全深さ領域にわたって水素同位体分布を得ることができる。さらに応用例として、NERDAを用いたJT-60Uプラズマ対向壁内の水素同位体分布分析を行った。
佐藤 聡; 落合 謙太郎; Verzilov, Y.*; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則; 西谷 健夫; 今野 力
Nuclear Fusion, 47(7), p.517 - 521, 2007/07
被引用回数:22 パーセンタイル:59.61(Physics, Fluids & Plasmas)水冷却ペブル充填ブランケットのトリチウム生成率の予測精度を明らかにするために、第一壁パネル,40%濃縮LiTiOブロック,ベリリウムブロック,隔壁パネルから成る多層構造モックアップ、及び酸化リチウムペブル充填層モックアップを構築し、FNSを用いてDT中性子照射核特性実験を行い、トリチウム生成率分布を測定した。トリチウム生成率検出器として、多層構造モックアップでは40%濃縮LiCOペレット、ペブル充填層モックアップではペブルそのものを適用し、詳細なトリチウム生成率分布の取得に成功した。実験解析はモンテカルロコードMCNP及び核データライブラリーFENDL-2.1, JENDL-3.3を用いて行い、計算結果と実験結果の比は、多層構造ブランケットモックアップでは0.891.10、ペブル充填層モックアップでは0.951.13であり、ほとんどの計算結果は、10%以内で実験結果と一致した。ベリリウム近傍では、計算結果と実験結果の比の1からのずれが増大している。このずれは、ベリリウムの後方散乱断面積データに起因する可能性が高く、今後、この核データの改善を行っていく。
佐藤 聡; Verzilov, Y.*; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則; 西谷 健夫; 今野 力
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
水冷却ペブル充填テストブランケットモジュールを模擬した2つの部分モックアップ体系を用いて、DT中性子照射による核特性実験を実施し、トリチウム生成率設計精度の基礎的な検証を行った。(1)多層構造核特性実験では、第一壁, 濃縮LiTiOブロック, Beブロック, 隔壁パネルから成るモックアップを構築し、濃縮LiCOペレットを用いて、トリチウム生成率の詳細な分布を測定した。最新の計算コード及び核データを用いて、トリチウム生成率を計算した。計算結果の実験結果に対する比(C/E)の平均値は、増殖材第一層で0.99、第二層で1.04であり、非常に高精度にトリチウム生成量を予測できることを明らかにした。(2)ペブル充填層核特性実験の解析は、均質化したモデルと、個々のペブルをモデル化した非均質モデルでモンテカルロ計算を行った。均質モデルでのC/Eの平均値は0.97、非均質モデルでは0.99であった。均質モデルによる計算では、非均質モデルと比較して、トリチウム生成率が有意に減少し、濃縮度が増加するとより減少することがわかった。核設計では、非均質モデルによる評価が必要であることを明らかした。
久保田 直義; 落合 謙太郎; 沓掛 忠三; 林 孝夫; 洲 亘; 近藤 恵太郎; Verzilov, Y.*; 佐藤 聡; 山内 通則; 西 正孝; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 7 Pages, 2007/03
核融合炉におけるプラズマ対向壁表面の粒子挙動は、プラズマ制御や燃料リサイクリングを考えるうえで重要であり、特にDT燃焼炉においてはトリチウムインベントリ評価のうえでも重要となる。本研究では、イオンビーム核反応分析法,イメージングプレート法,燃焼法及び放射化分析法を用いて、DT放電実験で使用したTFTRプラズマ対向壁に保持されている水素同位体,リチウム同位体及び不純物の定量分析結果について報告する。トリチウムと重水素では深さ分布が異なることがわかり、トリチウムの多くは表面に保持されていることがわかった。また、リチウムについてはリチウム-6が多く、これは、リチウムコンディショニングの際、リチウム-6濃縮ペレットも使用されているためであると考えられる。さらに、その他の不純物の分析を行ったが、有意な量は検出されなかった。これらの実機対向壁表面分析によって、プラズマ制御やインベントリー評価にとって重要な元素分布や保持量を明らかにすることができた。特に、トリチウムは対向材深部へ拡散せず、表面付近に保持されており、これはトリチウム除去の点でよい見通しを与えるものである。
落合 謙太郎; 久保田 直義; 谷池 晃*; 北村 晃*; 近藤 恵太郎*; 西谷 健夫
Fusion Science and Technology, 51(2T), p.262 - 264, 2007/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)核燃焼プラズマ中で生成する3.5MeVアルファ粒子の密度診断法としてD-He核反応による即発2.186MeV線測定法を考案し、イオンビーム照射実験による線放出率測定を行い、診断法としての成立性を検証した。タンデム加速器による2MeVから4MeVまでのヘリウムイオンビームを重水素化ポリエチレンに注入し、ゲルマニウム半導体検出器で即発2.186MeV線スペクトルを測定し、放出率の入射エネルギー依存性を検証した。測定結果からITERクラスにおける典型的なDTプラズマ条件での2.186MeV線収量が10msになることを明らかにし、十分な線強度であることから本測定法がDTプラズマ中のアルファ粒子密度診断法として成立する見通しを得た。またプラズマから漏洩するアルファ粒子束の診断法としてF-He核反応で生成するNaの1.275MeV誘導線による診断法も考案し、生成反応率評価をフッ化カルシウムへのヘリウムイオンビーム注入実験で検証した。Naによる1.275MeV線測定結果から本測定法によって10m以上の漏洩アルファ粒子束が測定可能であることを明らかにした。
近藤 恵太郎; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 宮丸 広幸*; 久保田 直義; 高木 智史*; 志度 彰一*; 高橋 亮人*; 西谷 健夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 568(2), p.723 - 733, 2006/12
被引用回数:15 パーセンタイル:69.58(Instruments & Instrumentation)重水素-三重水素核融合反応(DT反応)による中性子誘起荷電粒子放出二重微分断面積(DDXc)は、核融合炉における核発熱や照射損傷を評価するために必要である。特に軽元素のDDXc精密測定のため、ペンシルビーム状中性源とシリコン表面障壁型検出器によるカウンターテレスコープを利用した新しい測定手法を提案した。この手法により、これまでに報告されている測定手法に比べ高いS/N比,良好なエネルギー・角度分解能,幅広い測定エネルギー,良好な粒子弁別能が実現された。測定手法の妥当性評価のため、Al()反応からの粒子測定とH()反応による弾性反跳陽子の測定を行った。この結果に基づき、本測定手法の妥当性と優位性を結論した。
中尾 誠*; 堀 順一*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 佐藤 聡; 山内 通則; 石岡 典子; 須藤 広行*; 西谷 健夫
JAEA-Research 2006-071, 37 Pages, 2006/11
IFMIFでは加速器稼働率70%を目指しているが、重陽子による加速器構成材料の放射化によってメンテナンス作業が制限されることが、稼働率を低下させる要因となる。したがって、重陽子入射に対する精度の良い放射化断面積データベースを整備し、それをもとに低放射化材料を選択することが不可欠である。本研究では、加速器構成材料であるアルミニウム,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,ニッケル,銅,タンタル,タングステン及び金の放射化断面積を測定し、他の実測値,計算値と比較した。また、測定した放射化断面積の妥当性を総合的に判断するため、実際に加速器で使用されるSUS316, F82Hへの重陽子入射によって生成する核種の放射能の測定も行った。測定対象としたほぼすべての核種の放射能は、測定した断面積をもとに評価した放射能と誤差の範囲で一致することを示した。
久保田 直義; 藤原 祥生*; 奥村 一貴*; 落合 謙太郎; 北村 晃*; 古山 雄一*; 谷池 晃*; 西谷 健夫
JAEA-Research 2006-019, 15 Pages, 2006/06
トリチウム増殖候補材の一つであるLi濃縮チタン酸リチウム(LiTiO)の95%及び40%Li濃縮試料表面近傍のLi密度を調べるために、2.6MeVの陽子を用いたラザフォード後方散乱分光(RBS)分析を行った。両試料とも熱中性子輸送を評価するうえで十分な深さ分解能をもって、深さ2.0mまでの領域を分析することができた。Li密度は、両試料ともに、誤差27%の精度で測定することができたが、トリチウム増殖評価に必要な誤差5%の精度には達しなかった。また、試料の組成比はLiTiOに一致していることが確認でき、Li/Ti及びO/Tiの測定誤差は、それぞれ、30%及び15%程度であった。誤差の原因は、おもに複合核弾性散乱断面積データの精度であり、より信頼性の高い断面積が求められれば、RBSがトリチウム増殖材料の高精度分析手法の一つとして、十分適用できることがわかった。
中尾 誠*; 堀 順一*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 佐藤 聡; 山内 通則*; 石岡 典子; 西谷 健夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 562(2), p.785 - 788, 2006/06
被引用回数:24 パーセンタイル:82.34(Instruments & Instrumentation)スタックフォイル法を用いてアルミ,鉄,銅,タンタル,タングステンの重陽子入射時の放射化断面積の測定を行った。TIARA施設のAVFサイクロトロンで加速された重陽子ビームをこれらの積層した箔に照射した。Al(d,x)Na, Fe(d,x)Co, Cu(d,x)Cu, Cu(d,x)Zn, Ta(d,x)Ta, W(d,x)Reの放射化断面積を2040MeV領域で測定した。これらの断面積を他の実験値及びALICE-Fコードの計算値であるACSELAMライブラリーの値と比較した。
近藤 恵太郎; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 西谷 健夫; 村田 勲*; 宮丸 広幸*; 高橋 亮人*
JAEA-Research 2006-016, 50 Pages, 2006/03
核融合炉における核発熱,照射損傷の評価に必要となる荷電粒子放出二重微分断面積の精密測定のため、従来の測定手法の欠点を克服する測定手法を開発した。日本原子力研究開発機構核融合中性子工学用中性子源施設FNSのペンシルビーム状中性子源とシリコン半導体検出器によるカウンターテレスコープ法を用いることで、良好なS/N比,エネルギー分解能,角度分解能,粒子弁別能,幅広い測定エネルギー範囲を現実的な測定時間のもとで達成できる。この手法を用いて、Alからの放出粒子測定と水素の弾性散乱による反跳陽子測定を行った。これらの測定結果に基づいて、本測定手法の妥当性と優位性を結論した。
中尾 誠; 堀 順一*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 佐藤 聡; 山内 通則; 石岡 典子; 西谷 健夫
FAPIG, (172), p.3 - 7, 2006/03
IFMIF(International Fusion Material Irradiation Facility)は核融合材料照射試験を行うための強力中性子源として建設計画中の施設である。本施設では稼働率70%を目指しているが、重陽子による加速器構成材料の放射化によってメンテナンス作業が制限されることが稼働率を低下させる要因となるため、重陽子入射に対する低放射化材料の選択と放射化断面積の評価は重要な課題である。そこで、本件ではAl, Fe, Cu, Ta, Wについて、重陽子が入射したときに生成される主な放射性核種に対する放射化断面積の測定を行った。
近藤 恵太郎; 高木 智史*; 村田 勲*; 宮丸 広幸*; 高橋 亮人*; 久保田 直義; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1527 - 1533, 2006/02
被引用回数:14 パーセンタイル:67.51(Nuclear Science & Technology)核融合炉開発においてDT中性子入射による荷電粒子放出二重微分断面積は、中性子の相互作用による核発熱や材料損傷の評価のため必要である。特にベリリウム,リチウム,カーボンのような軽核の核反応は複雑で、理論計算のみによる断面積評価は難しい。高精度の測定データが望まれており、新しい測定手法の開発が重要である。われわれは原研FNSのビーム状中性子源とシリコン半導体検出器を用いたE-Eカウンターテレスコープを利用した荷電粒子スペクトロメータを開発した。この測定手法を用いてBe, C, F, Alの放出荷電粒子測定を行った。Alの測定データからこの測定手法の妥当性を確認した。Beの粒子放出二重微分断面積については、後方の放出角と低エネルギー部分において評価済み核データとの相違が見られた。
久保田 直義; 落合 謙太郎; 沓掛 忠三; 近藤 恵太郎*; 洲 亘; 西 正孝; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.227 - 231, 2006/02
被引用回数:5 パーセンタイル:35.61(Nuclear Science & Technology)水素同位体は、プラズマ対向機器の表面領域において、燃料粒子リサイクリングやプラズマ運転条件を考えるうえで重要な役割をはたす。この点に着目して、日本原子力研究所FNSでは、2002年から核融合炉関連機器のための元素分布分析を開始している。本研究では、表面領域での水素同位体挙動を明らかにするために、D-Tプラズマに曝されたTFTRタイル内のトリチウム深さ分布分析をFNSにて行った。イオンビームを用いた核反応分析の結果、4種類の元素すなわち重水素,トリチウム,リチウム6及びリチウム7が検出された。測定されたエネルギースペクトルから各元素の深さ分布を計算したところ、重水素とリチウムが表面から1mまで一様に分布しているのに対し、トリチウムは0.5mにピークを持つ分布であることがわかった。また、TFTRタイルの表面領域は深部に比べて1桁高い量のトリチウムを保持していることがわかった。
佐藤 聡; Verzilov, Y. M.; 落合 謙太郎; 中尾 誠*; 和田 政行*; 久保田 直義; 近藤 恵太郎; 山内 通則*; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1183 - 1193, 2006/02
被引用回数:19 パーセンタイル:76.83(Nuclear Science & Technology)原研FNSでは、発電実証ブランケット開発に向けて、中性子工学実験を行っている。おもに、ブランケットモックアップ積分実験によるトリチウム生成率検証,クリーンベンチマークベリリウム積分実験,トリチウム生成率測定手法の国際比較を行ってきた。現在、タングステン,低放射化フェライト鋼,水,チタン酸リチウム,ベリリウムから成る試験体を用いて、ブランケットモックアップ積分実験を行っている。5, 12.6, 25.2mm厚のタングステンアーマを設置することにより、積算したトリチウム生成量は、アーマ無しの場合と比較して、約2, 3, 6%減少することを確認した。原研が進めているブランケット設計では、トリチウム増殖率の減少は2%以下と予測され、許容範囲である。反射体無しの実験では、モンテカルロコードによる積算したトリチウム生成量の計算値は、実験値と比較して4%以内で一致しており、高精度にトリチウム生成量を予測できることを明らかにした。クリーンベンチマークベリリウム積分実験では、厚さ約30cmの体系において、放射化箔やペレットによる各種反応率の計算結果は、実験結果と10%以内で一致することを明らかにした。
中尾 誠*; 落合 謙太郎; 久保田 直義; 佐藤 聡; 石岡 典子; 西谷 健夫
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.283 - 285, 2006/01
IFMIF加速器の構成材料であるバナジウム,鉄,ニッケル,タンタルの重陽子入射による放射化断面積の測定を行った。これによりV(d,x)Cr, Fe(d,x)Co, Ni(d,x)Co, Cu, Ta(d,x)Ta反応の断面積を14-40MeVの領域で得た。これらの断面積を従来の実験値及び計算値と比較した。