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栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 不破 康裕; 頓宮 拓*; 早野 仁司*; Geng, R. L.*
Journal of Instrumentation (Internet), 19(9), p.P09037_1 - P09037_15, 2024/09
被引用回数:0Electrons emitted via field emission during superconducting (SC) radio-frequency (RF) cavity tests at vertical test stands often collide with the iris region inside the cavity, generating X-rays at these locations. In 1.3GHz 9-cell SC RF cavities designed for the International Linear Collider (ILC), stiffener rings located outside the iris region between cells can interfere with X-ray detection, complicating the precise identification of field emission sites. Hence, we developed a high-density strip X-ray mapping systems (sX-map) that can be inserted into the iris region of ILC-type 9-cell SC RF cavities. This sX-map facilitates efficient and accurate detection of X-rays generated near the irises, unaffected by the presence of stiffener rings. The sX-map consisted of 32 sensors per strip, with sensors spaced approximately 10 mm apart. It was deployed in every iris of the 9-cell cavity, using a total of 320 sensors. A multiplexer was employed to facilitate the readout of a large number of detectors using a minimal number of signal lines, connecting the strips inside within the vertical test cryostat. In a vertical test conducted at Jefferson Lab (JLab), we demonstrated the capability of sX-map to detect X-rays despite the presence of a stiffener ring. This paper presents the detailed design of the sX-map and the results from the vertical test at JLab.
栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 不破 康裕; 照沼 信浩*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 34(5), p.4004005_1 - 4004005_5, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)永久磁石を用いた荷電粒子ビーム用軌道補正磁石を開発している。この磁石では磁場を発生させる永久磁石のロッドを回転させることで、磁場を両極性に変化させることができる。この両極性変化の原理を検証するため、試作機を製作し、性能評価を行った。試作機の性能評価の結果、永久磁石の残留磁化の不均一性が多極成分に大きな影響を与えることがわかった。この影響を抑制するために、異方性中間磁極を追加した補償磁石が検討した。
岩下 芳久*; 栗山 靖敏*; 不破 康裕
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 34(5), p.4904504_1 - 4904504_4, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)永久磁石の使用により軸対称の一様な磁場を長い距離にわたって発生させる磁気回路を考案した。磁場の生成に関するアンペールの法則において一様な磁場を生成するような永久磁石配置を求め、それに対応する磁気回路を導出した。この構成を用いて、レーザー光用ファラデー回転装置用の磁場発生装置を作製した。この装置は、超高出力レーザーを扱うために直径30mmの大口径を持ち、ファラデー回転用の大きな結晶円板を保持することができる。中心面での磁場の一様性はボア径内で1%以下である。この構成は、長軸対称ビーム輸送電磁石にも適用でき、クライストロンの集束磁場のような磁場分布の勾配を制御するために拡張することもできる。
吉本 政弘; 高橋 博樹; 原田 寛之; 地村 幹; 不破 康裕; 林 直樹; 栗山 靖敏*; 澤邊 祐希*; 畠山 衆一郎*
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.839 - 843, 2023/11
J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS)では、加速器の安定性を監視する主要なビームモニタである、ビームロスモニタ、ビーム位置モニタ、ビーム電流モニタについて、既存システムの更新に向けた新しいビームモニタ用信号処理システムの開発を行っている。新システムは、TAGサーバーと3つの主要モニタに共通して使えるADCモジュールを組み合わせた構成になる。開発に際しての主な設計思想は、(1)J-PARCに特有の様々なビームタグ情報をTAGサーバーで集約し、タグ情報として各ADCモジュールに分配する、(2)ADCモジュールでビームモニタからの信号情報をADCでデジタル信号に変換し、FPGAにより各モニタに合わせた解析手法を切り替えながら高速解析処理を実施する、(3)ADCモジュールから約10秒程度の全ショット分の信号処理データをパッキングしてタグ情報をヘッダーに付加した解析データを定期的に出力する、また、任意の1ショット分のデータに対してタグ情報を付加したモニタデータをオンデマンドで出力する、ための2種類のフォーマットを準備する、(4)また生波形に加えて、FFT関連の解析途中のデータや、周回毎のバンチデータなどについて最新の4ショット分をADCモジュールの内部メモリに保存し、必要に応じてデータを読み出せるようにする、ことを目指した。本発表では、現在開発中の試作機によるタグ情報の読み込みとビームモニタ信号のデータ収集試験についての進捗を報告する。
岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太*; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.
EPJ Web of Conferences, 284, p.01023_1 - 01023_4, 2023/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)加速器駆動システム(ADS)の核特性予測精度の向上と京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)におけるADS炉物理実験で用いる中性子源情報の取得を目的として、京都大学の固定磁場強集束(FFAG)加速器を用いた核データ測定実験プログラムを開始した。このプログラムの一環として、鉄,鉛及びビスマスに対する陽子入射二重微分中性子収量(TTNY)及び断面積(DDX)を測定した。測定では、真空チェンバ内に設置された標的試料に107MeVの陽子ビームを照射し、核反応によって標的から発生した粒子の信号を、小型の中性子検出器を用いて検出した。検出信号とFFAGキッカー電磁石の信号の時間差から飛行時間(TOF)を求め、ガンマ線の事象を波形弁別法によって除去して中性子事象をカウントすることで中性子のTOFスペクトルを求めた。得られた中性子のTOFスペクトルから、相対論的運動学によりTTNY及びDDXを求めた。実験で得られたTTNY及びDDXを、モンテカルロ輸送計算コードPHITSによる計算と比較し、PHITSに組み込まれた核反応モデル及び評価済み核データライブラリJENDL-4.0/HEの妥当性を検証するとともに、PHITSによる計算の予測精度を評価した。
岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.435 - 449, 2023/04
被引用回数:3 パーセンタイル:52.93(Nuclear Science & Technology)加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学臨界実験装置(KUCA)におけるADS未臨界炉物理の基礎研究を目的として、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用いて107MeV陽子による鉄、鉛及びビスマス標的に対する二重微分中性子収量(TTNY)を測定した。TTNYは8個の中性子検出器(各検出器は小型のNE213液体有機シンチレータと光電子増倍管より構成される)からなる中性子検出器システムを用いて飛行時間法により得られたものである。測定で得られたTTNYを、粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に組み込まれたモンテカルロ法に基づく核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM, JQMD/SMM/GEM)及び評価済み高エネルギー核データライブラリ(JENDL-4.0/HE)による計算結果と比較した。JENDL-4.0/HEを含む比較対象のモデルは、検出器角度5度における高エネルギーピークを再現しないなどの特徴的な不一致が見られた。測定で得られたTTNYとPHITSによって評価した20MeV以下のエネルギー及び角度積分中性子収率を比較した結果、INCL4.6/GEMがKUCAにおけるADS炉物理実験のモンテカルロ輸送シミュレーションに適していることが示された。
岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; 八島 浩*; 西尾 勝久; et al.
JAEA-Conf 2022-001, p.129 - 133, 2022/11
加速器駆動システム(ADS)の核特性予測精度の向上と京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)におけるADS炉物理実験で用いる中性子源情報の取得を目的として、京都大学の固定磁場強集束(FFAG)加速器を用いた核データ測定実験プログラムを開始した。このプログラムの一環として、鉄に対する陽子入射二重微分中性子収量(TTNY)及び断面積(DDX)を測定した。測定では、真空チェンバ内に設置された鉄標的に107MeVの陽子ビームを照射し、核反応によって標的から発生した粒子の信号を、小型の中性子検出器を用いて検出した。検出信号とFFAGキッカー電磁石の信号の時間差から飛行時間(TOF)を求め、ガンマ線の事象を波形弁別法によって除去して中性子事象をカウントすることで中性子のTOFスペクトルを求めた。得られた中性子のTOFスペクトルから、相対論的運動学により鉄標的に対するTTNY及びDDXを求めた。
不破 康裕; 岩下 芳久*; 栗山 靖敏*; 頓宮 拓*; 早野 仁司*; Geng, R. L.*
Proceedings of 20th International Conference on RF Superconductivity (SRF 2021) (Internet), p.323 - 325, 2022/05
超伝導空洞の性能評価のため、空洞温度、電解放出X線、捕獲磁束の分布を高い位置分解能で測定するマッピングシステムを開発している。高い位置分解能を有するシステムを構築するには数多くのセンサーが必要であるが、センサーの個数が増加するとそれに伴い配線の量も増加するため低温用器内の配線が複雑さが増すことや配線を通じた熱侵入も大きくなるなど効率的な実験を妨げる要因となる。そこで本研究では、空洞試験を行う低温用器内でセンサーと同一基板上に読み出し信号をスキャンするマルチプレクサーを設置した効率的なマッピングシステムを開発している。本発表では開発中のマッピングシステムの概要と試験結果を報告する。
栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 広田 克也*; 早野 仁司*; 不破 康裕
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.32 - 35, 2019/10
超伝導高周波加速空胴の高加速電界化の研究開発が世界の加速器研究機関で行われているが、空洞内表面に発生する欠陥が高加速電界化を阻害する要因となることが先行研究より明らかとなっている。そのため、超伝導空胴内表面の状態を光学的に可視化する「超伝導加速空胴の内面検査システム」の開発が行われ成果を挙げている。本研究では、近年発展が著しい画像処理技術を内面検査システムに適用し、欠陥発見手法の高度化を行った。内面検査用カメラで焦点位置を変化させながら取得した複数の画像から、深さ情報の抽出と画像合成を行った。また処理後の画像にパターン認識処理を施すことで、欠陥の自動検出が可能となった。これらを空胴内面検査システムに取り入れることで、欠陥探索のスキャン時間の短縮や欠陥形状の取得が可能になる。
Pyeon, C. H.*; 山中 正朗*; 大泉 昭人; 福島 昌宏; 千葉 豪*; 渡辺 賢一*; 遠藤 知弘*; Van Rooijen, W. G.*; 橋本 憲吾*; 左近 敦士*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(8), p.684 - 689, 2019/08
被引用回数:12 パーセンタイル:76.41(Nuclear Science & Technology)本研究では、京都大学臨界集合体(KUCA)で構築した未臨界炉心への高エネルギー中性子の入射による加速器駆動システム(ADS)において、マイナーアクチノイド(MA)の核変換の原理が初めて実証された。本実験は、ネプツニウム237(Np)とアメリシウム241(Am)の核分裂反応と、Npの捕獲反応を確認することを主たる目的とした。NpおよびAmの箔の未臨界照射は、試料(NpまたはAm)と参照として用いるウラン-235(U)のそれぞれの箔からの信号を同時測定可能なback-to-back核分裂計数管を使用し、中性子スペクトルが硬い炉心で行われた。核分裂と捕獲反応の実験結果を通じて、未臨界炉心と100MeVの陽子加速器を組み合わせ、かつ鉛-ビスマスのターゲットを使用したADSによるNpとAmの初の核変換が示された。
岩元 洋介; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 中本 建志*; 吉田 誠*; 石 禎浩*; 栗山 靖敏*; 上杉 智教*; 八島 浩*; et al.
Proceedings of 61st ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity and High-Brightness Hadron Beams (HB 2018) (Internet), p.116 - 121, 2018/07
放射線挙動計算コードPHITSにより放射線照射による材料損傷評価の基礎データを解析するため、入射粒子と核反応から生成する二次粒子によるターゲット1次はじき出し原子(PKA)のエネルギーを考慮した照射損傷モデルを開発した。このモデルを用いた解析により、100MeV以上の高エネルギー陽子による照射損傷において、二次粒子により生成したターゲットPKAの寄与が入射陽子によるPKAの寄与に比べて大きいことがわかった。また、高エネルギー陽子照射に対する照射損傷モデルを検証するため、サンプルを極低温まで冷却するギフォード-マクマフォン冷凍機を用いた陽子照射装置を開発した。本装置を用いて、125及び200MeV陽子を照射した銅とアルミニウムについて、はじき出し断面積に関連する極低温での欠陥に伴う電気抵抗率変化を測定した。実験値と計算値の比較の結果、欠陥生成効率を考慮したはじき出し損傷の計算値が実験値を良く再現することがわかった。
岩元 洋介; 義家 敏正*; 吉田 誠*; 中本 建志*; 阪本 雅昭*; 栗山 靖敏*; 上杉 智教*; 石 禎浩*; Xu, Q.*; 八島 浩*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 458, p.369 - 375, 2015/03
被引用回数:14 パーセンタイル:71.17(Materials Science, Multidisciplinary)粒子・重イオン輸送計算コードPHITSの100MeV以上の陽子照射による材料損傷の計算手法を検証するため、極低温12Kの環境で125MeV陽子照射による銅の原子のはじき出し断面積に関係する電気抵抗率変化を測定した。実験にあたり、照射した銅サンプルを熱伝導に優れた無酸素銅板により冷却するため、Gifford-McMahon冷凍機を用いた極低温照射システムを開発した。照射サンプルは直径250m及び純度99.999%の銅線として、電気絶縁及び熱伝導に優れた2枚の窒化アルミニウムセラミック板で挟み込んだ。銅線の電気抵抗率変化は、四端子法を用いて測定した。京都大学FFAG施設でビームフルエンス1.4510陽子/cmの125MeVの陽子を温度12Kで照射した結果、照射前の銅線の電気抵抗29.41に対し、照射欠陥に伴う1.53という微小な電気抵抗の増加を測定できた。また、PHITSコードを用いて、欠陥生成効率を考慮して銅のはじき出し断面積を算出し、電気抵抗率変化の測定結果から導出した値と比較した。その結果、PHITSの材料損傷の計算手法により、エネルギー100MeV以上の陽子照射による銅のはじき出し断面積を定量的によく再現することがわかった。
岩元 大樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 中野 敬太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.
no journal, ,
加速器駆動核変換システムの研究開発を目的として、京都大学FFAG加速器を用いて鉄、鉛およびビスマス標的に対する107MeV陽子入射中性子収量を飛行時間法により測定した。測定で得られた中性子収量のエネルギースペクトルを、モンテカルロ粒子輸送計算コードPHITSに組み込まれている核反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM及びJQMD/SMM/GEM)及び高エネルギー核データライブラリJENDL-4.0/HEを用いた粒子輸送解析結果と比較した。比較の結果、PHITSの標準モデルであるINCL4.6/GEMが実験値を最もよく再現することを示した。
岩元 洋介; 吉田 誠*; 中本 建志*; 荻津 透*; 義家 敏正*; 阪本 雅昭*; 栗山 靖敏*; 上杉 智教*; 石 禎浩*; 森 義治*
no journal, ,
粒子・重イオン輸送計算コードPHITSの照射損傷計算手法を検証するため、京都大学原子炉実験所のFFAG加速器施設において、極低温下での高エネルギー陽子照射による銅のはじき出し断面積に関係する電気抵抗測定を行った。照射試料として、高熱伝導度、絶縁性を持つ窒化アルミ基板の上に、スパッタリングにより純度99.9%、厚さ0.2mの銅薄膜を形成し、試料の抵抗は4端子法を用いて測定した。照射中の試料の温度を測定するため、基板上に抵抗温度計を固定した。試料を7.3Kの極低温まで冷却し、125MeVの陽子を照射したところ、抵抗を常に20程度の揺らぎで測定でき、かつビーム照射野の温度計も正常に動作することがわかった。以上のように、放射線照射による材料損傷を実験的に評価するため、高エネルギー陽子照射環境下で極低温での欠陥に伴う電気抵抗の増加と試料温度を測定する手法を確立した。今後、PHITSを用いて試料以外の生成粒子の損傷への寄与、加熱による点欠陥の回復等を検討する。
岩元 大樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太*; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; 八島 浩*; 西尾 勝久; et al.
no journal, ,
加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学におけるADS未臨界炉物理実験に資する核反応データを取得することを目的として、2019年10月より京都大学のFFAG (Fixed Field Alternating Gradient)加速器を用いたADS用核データの実験的研究を行なっている。本発表では、2022年度実施した107MeV陽子入射による鉛及びビスマスに対する中性子生成二重微分断面積の解析結果及び核反応モデルによる解析値との比較結果について報告するとともに、Np核分裂計数管を用いた核破砕中性子場測定実験の内容及び実験結果についても報告する。
岩元 大樹; 明午 伸一郎; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 廣瀬 健太郎; 岩元 洋介; 栗山 靖敏*; 牧井 宏之; 前川 藤夫; 森 義治*; et al.
no journal, ,
加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発や基礎研究に資する核データを取得するため、令和元年度から令和4年度にかけて、ADS標的材に対する100MeV領域陽子入射反応に関する核データ測定実験プログラムを実施した。本プログラムでは、京都大学FFAG加速器を用いて、Fe、PbおよびBiに対する陽子入射中性子収量(TTNY)、PbおよびBiに対する中性子生成二重微分断面積(DDX)、核破砕中性子によるNpの核分裂率、Pb(p,f)反応およびBi(p,f)反応で生成される核分裂片の質量数分布、および核分裂中性子に関するデータを取得するとともに、実験値との比較により核反応モデルの精度検証を行った。測定データと核反応モデルによる解析値との比較により、核反応モデルの高度化に向けて取り組むべき課題が明らかになった。
不破 康裕; 栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 広田 克也*; 山田 雅子*; 北口 雅暁*; 清水 裕彦*
no journal, ,
磁気勾配による反射を用いた中性子ミラーは開発中である。中性子は磁気双極子モーメントを持つため、磁場勾配により力を受ける。この現象を利用し、永久磁石をハルバッハアレイの平面状に配置することで、中性子に対するポテンシャルウォールを形成することができる。このポテンシャルウォールは偏極中性子ビームのミラーとして機能する。これまでに高さ20mm、幅30mmのミラーを試作し、JRR-3のMINE2ポートで予備的な中性子反射実験を行った。次のステップとしてより大きなサイズのミラーを製作し、J-PARC MLFで実験を行う予定である。本発表では、ミラーの原理、JRR-3での予備実験結果及びJ-PARCでの実験に向けたミラー製作状況について報告する。
岡部 晃大; 吉本 政弘; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; 金正 倫計; 谷口 秋洋*; 佐藤 朗*; 三宅 康博*; 森 義治*
no journal, ,
長寿命核分裂生成物の安定核種への変換と再利用を目的としたミュオン核変換を実現するための最重要課題である高効率ミュオン生成法についての研究開発を行っている。この生成法として、ビーム加速と貯蔵が両立可能なエネルギー回復型内部標的方式を用いたミュオン生成法: MERIT(Meson production Energy Recovery Internal Target)リングの研究開発を進めている。本研究では、MERIT法による高効率・大強度の負ミュオン生成法についてそのフィジビリティについて研究し、それらに基づきMERITミュオン生成法の根幹技術である1次ビームの加速ならびに貯蔵の両立について、その基本原理実証を行う。本発表ではMERIT原理検証試験の現状について報告する。(本研究は、総合科学技術・イノベーション会議により制度設計された革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)により、科学技術振興機構を通して委託されたものである。)
不破 康裕; 岩下 芳久*; 栗山 靖敏*; 山田 雅子*; 広田 克也*; 北口 雅暁*; 清水 裕彦*
no journal, ,
中性子はスピンに随伴する磁気能率を有するため、磁場の勾配との相互作用により力を受ける。この力の向きは磁場勾配ベクトルの向きと一致し、スピンの向きに応じて逆方向に力が働く。この力を活用することにより中性子ビームを操作することができる。ビーム軸に対して横方向に磁場勾配を設けるとビームが偏向作用をうける。したがって、6極磁石を用いて磁場を発生させるとビーム軸中心からの距離に比例して磁場勾配が変化するため、レンズと同様の作用を生じ、中性子ビームを集束させることができる。また、永久磁石を平面上にハルバッハ配列で並べて面の法線方向に一様に磁場勾配を発生させることで、中性子ビームの反射壁が形成でき、これをダクト状に組み合わせることでガイド管とすることができる。ビーム軸に対して縦方向に磁場勾配を配置すると中性子のエネルギーを変化させることができる。このエネルギーの変化は中性子がただ通過した場合はその積分値がゼロとなるが、磁場勾配中でスピンを反転させると反転させた場所の磁束密度に対応するエネルギーで中性子ビームを加減速することができる。これを応用することで中性子ビームの空間的な集群やエネルギー変調が可能となる。本発表では、中性子ビーム操作のために開発している機器の原理と構成、および今後計画している実験を概説し、それらの応用可能性を議論する。
不破 康裕; 中野 秀仁; 北村 遼; 栗山 靖敏*; 岩下 芳久*; 奥野 泰希*; 早野 仁司*
no journal, ,
ビームロスモニターは加速器で発生するビームロスに起因する放射線を検出し、ビームロスを評価するために使用される。近年の加速器は大強度化が進められておりビームロスに起因する機器放射化などの影響が大きく、加速器運転中のビームロスの様相の評価が重要な課題となっている。本研究ではJ-PARCなどの大規模加速器施設におけるビームロスをより詳細に評価するための多チャンネル化を推進している。多チャンネル化においては検出素子の低コスト化、データ取得システムの高度化が必要であり、本研究ではシリコンPINフォトダイオードやシリコン太陽電池を検出素子に使用し、マルチプレクサ回路をデータ取得システムに採用した多チャンネルビームロスモニターを提案しその性能を評価している。この発表では、これまでに実施した評価実験の結果と今後の展望を報告する。