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久米 民和; 松田 幹*
Radiation Physics and Chemistry, 46(2), p.225 - 231, 1995/00
被引用回数:62 パーセンタイル:97.54(Chemistry, Physical)鶏卵の卵白タンパク質であるオボアルブミン(OVA)及びオボムコイド(OM)を用いて、タンパク質の抗原性及び構造に対する照射の影響を検討した。0.2%水溶液中で照射した場合、照射OVAの抗原性はN中で8kGy、O中で2~4kGyで消失した(免疫拡散法で測定)。この変化は-ヘリックス含量の減少と対応しており、残存-ヘリックスが約60%で抗原性は認められなくなった。卵白の代表的なアレルギータンパク質であるオボムコイドは、トリプシン阻害活性を有するので、活性変化と抗原性変化を調べた。この結果、失活と抗原性の消失は対応しており、残存活性約30%で抗原性は消失した。一方、イムノブロッティング法では低分子フラグメントに抗原性を有するものが検出されたことから、タンパクの立体構造に基づく抗原性は照射によって容易に壊れるが、一次構造に基づく抗原性は高線量の照射でも残るものと考えられた。
久米 民和; 石井 哲也*; 松田 幹*
Journal of the Science of Food and Agriculture, 65, p.1 - 4, 1994/00
被引用回数:17 パーセンタイル:67.01(Agriculture, Multidisciplinary)サルモネラの殺菌を目的として照射した鶏卵の検知法について検討した。卵白タンパク質の抗原性は、照射により減少するが、50kGyの高線量照射してもなお検出できた。一方、タンパク質は照射により見かけ上重合していることが認められるが、SDS-電気泳動では分子鎖の切断した断片が認められた。これら照射によって生じた低分子フラグメントはなお抗原性を保持していることから、抗体を用いた免疫化学的手法により、特異的に感度よく検出できることを明らかにした。この低分子フラグメントは2kGyの照射でも十分検知することができ、加熱処理とも明瞭に区別することができた。以上の結果、免疫化学法は照射鶏卵の検知に適した方法であり、種々の低分子タンパク質の混ざった食品中の照射鶏卵の検知にも適用できると考えられた。