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村田 勲*; 四間 公章*; 近藤 恵太郎; 松中 允亨*; 太田 雅之*; 宮丸 広幸*; 落合 謙太郎; 今野 力; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 84(7-11), p.1376 - 1379, 2009/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)ジルコニウムは核融合炉ブランケットのトリチウム増殖材の候補の一つであるリチウムジルコネートLiZrOの構成元素である。過去に日本原子力研究所,京都大学,大阪大学において個々に行われたジルコニウムの核データベンチマーク実験の結果は、いずれも中性子スペクトルの計算値が大きな過大評価を示すことを指摘していた。本研究では、核データの問題点を明らかにするために、天然ジルコニウムの(n,2n)反応によって放出される2個の中性子を直接測定して断面積を導出した。測定によって放出中性子のエネルギーが1MeV以上の断面積が得られたが、得られた値はJENDL-3.3の評価値より少し大きく、これはベンチマーク実験の結果と逆の傾向であった。しかし、測定されていない放出中性子のエネルギー1MeV以下のスペクトル部分を核温度1MeVの蒸発スペクトルで外挿すると、得られた(n,2n)反応断面積はJENDL-3.3よりもやや小さく、ENDF/B-VIの評価値とほぼ一致した。この結果は過去に京都大学のグループによって指摘された、JENDLの(n,2n)反応断面積が10%程度過大評価、(n,2n)反応による1MeV以下のスペクトル成分が20%程度過大評価という指摘とも整合性のある結果であった。これらの結果は過去に報告されたベンチマーク実験における不一致の原因が、核データ評価の際の不適切な核温度の採用によるものであることを示唆している。
太田 雅之*; 近藤 恵太郎; 松中 允亨*; 宮丸 広幸*; 村田 勲*; 飯田 敏行*; 落合 謙太郎; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 84(7-11), p.1446 - 1449, 2009/06
被引用回数:3 パーセンタイル:24.52(Nuclear Science & Technology)原子力機構のFNS施設では、核融合炉の核設計に必要な評価済み核データライブラリの精度検証のため、核融合炉の構造材や先進ブランケット材に対してこれまで多くのDT中性子による積分ベンチマーク実験が実施されてきた。本研究では、数MeV領域の中性子誘起の核データのベンチマークを効率よく行うため、ベンチマーク実験の試料と中性子源との間に「スペクトルシフター」となる散乱体を挿入して、試料に入射するDT中性子を減速させることを検討した。スペクトルシフターの効果を見積もるため、FNSでの実験条件において漏洩中性子と線に占める14MeV中性子の寄与の割合を、改造したMCNP-4Cコードを用いて計算した。計算ではLiTiOを試料とし、スペクトルシフターにBe, LiD, DOを用いた。計算の結果、スペクトルシフターとしてはBeが優れており、14MeV中性子の寄与は試料やスペクトルシフターの大きさや種類に依存することがわかった。特に、Beのスペクトルシフターは漏洩2次線ベンチマーク実験に効果的であることがわかった。
四間 公章*; 高木 智史*; 近藤 恵太郎; 松中 允亨*; 村田 勲*; 宮丸 広幸*; 落合 謙太郎; 西谷 健夫
no journal, ,
核融合炉のブランケット材の1つとしてLiZrOを用いることが考えられている。しかし、筆者らのグループによる積分実験から、Zrの評価済み核データに問題のあることが指摘されている。天然ジルコニウムは4つの同位体から構成されているが、Zr(n,2n)反応断面積の測定データはたくさんあるのに対し、構成比の大きいZr, Zrの二つの核種は(n,2n)反応によって不安定核を生成しないため、従来用いられてきた放射化法では断面積を測定できない。このことが断面積評価の不確定性を大きくしていると考えられる。そこで、われわれが確立した(n,2n)反応により放出される2つの中性子を直接同時計数する手法による、天然ジルコニウムの実効的な(n,2n)反応断面積の測定を開始した。今回は、軸方向周りの分布と一方の検出器の放出角を55度に固定したときの周方向周りの分布を測定し、放出角55度における角度微分断面積を得た。
太田 雅之*; 近藤 恵太郎*; 松中 允亨*; 宮丸 広幸*; 村田 勲*; 落合 謙太郎; 今野 力
no journal, ,
中間エネルギー積分ベンチマーク実験用中性子スペクトルシフター設計・製作のための中性子スペクトル解析計算を行った。FNSの80度ビームラインのパルスDT中性子源を用いた実験を想定し、評価済核データファイルJENDL-3.2を用いた輸送計算コードMCNP-4Cにより計算を行った。中性子発生源であるトリチウムターゲットから200mmの位置にサンプルを設置し、サンプルから距離約7mにある検出器に、直径50mmのコリメータを含む巨大なゴニオメータを用い、検出器が見る領域をサンプルの一部分に限定した。サンプルとしてチタン酸リチウム,タングステンなどを選択した。スペクトルシフターは、トリチウムターゲットとサンプルの間で、トリチウムターゲットから20mmの位置に設置した。スペクトルシフターの材料はベリリウムや重水を対象とした。これら体系によるサンプルから漏洩してくる中性子スペクトルと2次線スペクトルをMCNP-4Cにより求めた。解析の結果、スペクトルシフターの材料としてベリリウムが優れていることが明らかとなった。
西尾 敏; 林 孝夫; 松中 允亨*; 村田 勲*
no journal, ,
炉心プラズマの観点に立てば将来的にはほかのエネルギー源と充分競合し得るトカマク炉概念を提示できるようになってきた。ただし大きな設計課題が2点残されている。一つはダイバータでの徐熱の問題、ほかの一つはTBR(トリチウム増殖率)の確保の問題である。核分裂系の燃料を導入することで、ブランケット内の発熱量を飛躍的に増加しうる。これは、核融合出力を相当程度の小規模化してダイバータへの入熱を減少させた発電炉が構想可能であることを意味する。一方、核分裂系燃料の燃焼(当然未臨界であり、K1.75)はブランケット内を中性子の豊富な環境にしうるので、このような核融合-核分裂混成炉では必要なTBRの確保が容易になる。