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松岡 清吉*; 洲鎌 英雄*; 井戸村 泰宏
Physics of Plasmas, 28(6), p.064501_1 - 064501_5, 2021/06
被引用回数:4 パーセンタイル:34.38(Physics, Fluids & Plasmas)線形ランダウ衝突演算子から得られる摩擦係数と流束の関係式を再現可能な洲鎌らの改良型モデル衝突演算子を大域的full-fジャイロ運動論シミュレーションコードGT5Dに新たに実装し、トカマクにおける単一イオン種プラズマの衝突性輸送シミュレーションを幅広い衝突度領域において実施した。摩擦係数と流束の関係式において高い精度が要求される高衝突度領域において、改良型演算子が理論的な衝突性熱拡散係数を正確に再現することを検証した。さらに、改良型演算子によって全ての衝突度領域において衝突性熱拡散係数と磁力線方向流れの係数をより高い精度で得ることにより、線形ランダウ衝突演算子によって記述される衝突過程が正しく保持されていることを実証した。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
Physics of Plasmas, 25(2), p.022510_1 - 022510_10, 2018/02
被引用回数:18 パーセンタイル:71.68(Physics, Fluids & Plasmas)プラズマ輸送シミュレーションにおいて、ジャイロ運動論方程式をスケール分離を仮定せずプラズマ全体について第一原理に基づいて解く大域的full-fシミュレーション手法が注目されている。本研究では、複雑な3次元磁場形状をもつステラレータ型プラズマを大域的full-fジャイロ運動論シミュレーションコードであるGT5Dに適用するため、GT5Dの差分計算手法の拡張、及び3次元磁場平衡構築コードVMECとのインターフェースの開発を行った。開発したコード群の妥当性検証を目的として輸送に関する標準的なベンチマーク計算を行った。その結果、GT5Dが局所理論解析モデルや他の大域的新古典輸送コードの結果とよく一致することを示した。
菅野 龍太郎*; 沼波 政倫*; 佐竹 真介*; 松岡 清吉; 高丸 尚教*
Nuclear Fusion, 58(1), p.016033_1 - 016033_7, 2018/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Fluids & Plasmas)摂動磁場による磁気面の破壊を伴う乱れた磁場構造をもつトーラスプラズマ中の電子熱輸送について研究を行った。本論文では、摂動磁場に沿った粒子の平行方向軌道に起因する熱輸送が、捕捉粒子軌道の効果によって低減されることを明らかにした。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
Physics of Plasmas, 24(10), p.102522_1 - 102522_9, 2017/10
被引用回数:4 パーセンタイル:20.19(Physics, Fluids & Plasmas)軸対称磁場閉じ込め装置であるトカマク型プラズマにおいて、誤差磁場等に起因する3次元的な非軸対称成分を持つ摂動磁場の効果が閉じ込め性能向上や不安定性制御の観点から注目されている。近年、3次元摂動磁場が駆動する衝突性粘性について、従来より広く用いられてきたバウンス平均理論モデルと大域的運動論シミュレーションの両者で得られた結果が一致しないことが指摘され、その物理機構の解明が課題となっていた。本研究では、二つの異なるモデルに基づいた大域的運動論シミュレーションを用いて詳細な解析を行い、上記の差異が生じる物理機構について検討した。その結果、理論モデルと大域的シミュレーションの不一致が、(1)粒子軌道の効果によって粒子軌道の共鳴構造が失われ、粒子が実効的に感じる摂動磁場強度が弱まること、(2)粒子軌道に沿った位相混合により速度空間構造内に微細構造が生成され輸送量の減衰が起きること、の二つが原因であることを明らかにした。
Huang, B.*; 佐竹 真介*; 菅野 龍太郎*; 洲鎌 英雄*; 松岡 清吉
Physics of Plasmas, 24(2), p.022503_1 - 022503_19, 2017/02
被引用回数:11 パーセンタイル:51.14(Physics, Fluids & Plasmas)プラズマ中の衝突性輸送(新古典輸送)を記述するドリフト運動論方程式に関して、近年、ゼロ軌道幅(ZOW)モデルと呼ばれる新たな局所近似近似モデルが提案されている。本研究では、ZOWモデルに基づく新古典輸送評価の妥当性を検証することを目的として、典型的な3つのヘリカル型磁場配位LHD, HSX, W7-Xのプラズマについて、種々の近似モデルを用いた新古典輸送及び平行方向フローのベンチマーク計算を実施した。その結果、ZOWモデルによる新古典輸送は径電場が大きく粒子のドリフトが大きい時には従来型の近似モデルをほぼ再現することを示した。また、従来型近似モデルを用いた場合には、ドリフトが小さく磁場ドリフトと同程度になった際に生じる非物理的な大きな新古典輸送が生じるが、このような非物理的な輸送の増大がZOWモデルでは生じないことも明らかになった。
菅野 龍太郎*; 沼波 政倫*; 佐竹 真介*; 松岡 清吉; 高丸 尚教*
Contributions to Plasma Physics, 56(6-8), p.592 - 597, 2016/08
被引用回数:2 パーセンタイル:10.95(Physics, Fluids & Plasmas)共鳴摂動磁場と径電場の効果を含む準定常状態の衝突性輸送を計算するための法に基づくドリフト運動論コードを開発した。本論文では、コードの妥当性を複数のテスト問題によって確認した。その結果、径電場がない場合に磁力線のカオス的振る舞いによって強く影響を受ける電子輸送が、正の径電場によって低減されることを明らかにした。
井戸村 泰宏; 朝比 祐一; 伊奈 拓也; 松岡 清吉
Proceedings of 24th International Congress of Theoretical and Applied Mechanics (ICTAM 2016), p.3106 - 3107, 2016/08
核融合プラズマにおける乱流輸送はITERにおける重要課題の一つである。この課題を5次元ジャイロ運動論モデルで研究するために新たな計算技術を開発し、ジャイロ運動論的トロイダル5次元オイラーコードGT5Dの強スケーリングを京コンピュータ上で約60万コアまで向上した。この計算技術は多次元/多階層領域分割、通信と計算のオーバーラップ、計算カーネルのマルチコアCPUへの最適化から構成される。この計算性能によって乱流輸送の装置サイズ依存性等のITERの重要課題の研究が可能になった。次世代の核燃焼プラズマ乱流シミュレーションに向けて、運動論的電子や多種イオンを含む物理モデルの拡張を進め、さらに最新のメニーコア環境で計算カーネルを最適化した。
洲鎌 英雄*; 松岡 清吉; 佐竹 真介*; 菅野 龍太郎*
Physics of Plasmas, 23(4), p.042502_1 - 042502_11, 2016/04
被引用回数:7 パーセンタイル:35.55(Physics, Fluids & Plasmas)ドリフト運動論方程式について、及び磁気面に沿ったドリフトの両者を含む新たな径方向局所近似モデルを構築した。このモデルは保存系で表現されており定常解を得るための追加のソース項を必要としない為、数値計算に適したモデルとなっている。このモデルから得られる解は、準対称性を持つ磁場配位における性質として重要な、衝突性粒子輸送の両極性条件を満たす。また、逆に、両極性条件を故意に破るような近似モデルを考えた場合には、衝突性輸送によるエントロピー生成の正値性及び拡散係数のオンサーガー対称性が得られることを示した。
石澤 明宏*; 井戸村 泰宏; 今寺 賢志*; 糟谷 直宏*; 菅野 龍太郎*; 佐竹 真介*; 龍野 智哉*; 仲田 資季*; 沼波 政倫*; 前山 伸也*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 92(3), p.157 - 210, 2016/03
幅広いアプローチ協定に基づいて国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)の計算機シミュレーションセンター(CSC)に設置された高性能計算機システムHeliosは、2012年1月に運用を開始し、日欧の磁気核融合シミュレーション研究に供用され、高い利用率の実績を示すとともに、炉心プラズマ物理から炉材料・炉工学にわたる広い分野で多くの研究成果に貢献している。本プロジェクトレビューの目的は、国内の大学や研究機関においてHeliosを利用して進められているシミュレーション研究プロジェクトとその成果を一望するとともに、今後予想される研究の進展を紹介することである。はじめにIFERC-CSCの概要を示した後、各研究プロジェクト毎にその目的、用いられる計算手法、これまでの研究成果、そして今後必要とされる計算を紹介する。
松岡 清吉*; 佐竹 真介*; 井戸村 泰宏; 今村 俊幸*
Proceedings of Joint International Conference on Mathematics and Computation, Supercomputing in Nuclear Applications and the Monte Carlo Method (M&C + SNA + MC 2015) (CD-ROM), 13 Pages, 2015/04
プラズマ輸送のモンテカルロ粒子コードを用いて並列擬似乱数発生ライブラリKMATH_RANDOMの特性と性能を評価した。本ライブラリはジャンプルーチンを伴うメルセンヌ・ツイスタに基いて実装されており、京コンピュータのような超並列スーパーコンピュータに適し、容易に利用可能である。本ライブラリは擬似乱数発生器の特性と性能を劣化させることなく粒子コードの並列化を数千プロセスまで向上する。その結果、大量の乱数を効率的に発生させることが可能となり、粒子コードで数値ノイズに起因する非物理的な現象を除去できるようになった。
渡邉 智彦*; 沼波 政倫*; 洲鎌 英雄*; 佐竹 真介*; 松岡 清吉*; 石澤 明宏*; 前山 伸也; 田中 謙治*
Proceedings of 24th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2012) (CD-ROM), 8 Pages, 2012/10
Gyrokinetic simulation of ion temperature gradient turbulence and zonal flows for helical plasmas has been validated against the Large Helical Device experiments with high ion temperature, where a reduced modeling of ion heat transport is also considered. It is confirmed by the entropy transfer analysis that the turbulence spectrum elongated in the radial wavenumber space is associated with successive interactions with zonal flows. A novel multi-scale simulation for turbulence and zonal flows in poloidally-rotating helical plasmas has demonstrated strong zonal flow generation byturbulence, which implies that turbulent transport processes in non-axisymmetric systems are coupled to neoclassical transport through the macroscopic flows determined by the ambipolarty condition for neoclassical particle fluxes.
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
核融合炉発電を目指したプラズマ輸送研究において、ジャイロ運動論方程式を第一原理的に解くことでプラズマ分布関数全体の時間発展を求めるFull-fシミュレーション手法が注目されている。これまで、Full-fジャイロ運動論シミュレーションは、JT-60やITERのような軸対称性を有したトカマク型装置へ適用されてきたが、ヘリカル・ステラレータ型装置のような磁場構造が本質的に3次元性をもつプラズマについては、数値計算手法の複雑さや計算コストの観点から適用が難しかった。本研究では、Full-fジャイロ運動論コードであるGT5Dについて、3次元磁場を取り扱えるよう座標系の拡張を行い、併せて3次元磁場平衡コードVMECとのインターフェースを開発した。これにより、任意の3次元磁場平衡中のプラズマについて、初めてFull-fジャイロ運動論シミュレーションを可能にした。本発表では、GT5D+VMECで用いられている計算手法とコードの開発状況、及び初期計算結果などについて報告する。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
プラズマ輸送研究において、トカマク型プラズマ閉じ込め装置内における非軸対称成分を持つ摂動磁場の効果が閉じ込め性能向上や不安定性制御の観点から注目されている。近年、摂動磁場が駆動する衝突性粘性について、従来より広く用いられてきたバウンス平均理論モデルと大域的運動論シミュレーションの両者で得られた結果が一致しないことが指摘され、その物理機構の解明が課題となっていた。本研究では、二つの異なるモデルに基づいた大域的運動論シミュレーションを用いて解析を行い、従来型のバウンス平均理論との差異について検討した。その結果、理論モデルと大域的シミュレーションの不一致が、(1)大域的な粒子軌道の効果によって粒子が実効的に感じる摂動磁場強度が弱まること、(2)大域的な粒子軌道に沿った位相混合によって速度空間構造が減衰すること、の二つに起因することを明らかにした。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
プラズマ輸送研究においてジャイロ運動論方程式をスケール分離を仮定せずに第一原理的に解くことでプラズマ分布関数全体の時間発展を求めるFull-fシミュレーション手法が注目されている。これまで、Full-fジャイロ運動論シミュレーションは、これまでJT-60やITERのような軸対称性を有したトカマク型装置へ適用されてきたが、磁場構造が複雑な3次元性を有するステラレータ型装置のプラズマへの適用例はこれまでになかった。本研究では、Full-fジャイロ運動論コードであるGT5Dについて3次元磁場を取り扱えるよう拡張を行った。3次元磁場平衡構築コードであるVMECコードとGT5D間のインターフェースを新たに開発し、VMECにより得られた磁場や座標情報をGT5Dへ取り込むことを可能にした。拡張したGT5Dを用いてステラレータプラズマで重要となる新古典輸送に関するベンチマークを行った結果、ステラレータ版GT5Dの結果が他の新古典輸送コードや理論解析モデルの結果をよく再現することを示した。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
プラズマ輸送研究において第一原理的なジャイロ運動論方程式をプラズマ分布に関するスケール分離を仮定せずに解く大域的full-fシミュレーション手法が注目されている。大域的full-fジャイロ運動論シミュレーションは、これまで主に磁場に軸対称性のあるトカマク型装置ターゲットとしており、複雑な3次元磁場形状を有するステラレータプラズマへ適用した例はなかった。本研究では、full-fジャイロ運動論コードであるGT5Dについて、3次元磁場形状を適切に取り扱えるような座標系を新たに構築し、併せて3次元磁場平衡構築コードであるVMECコードとGT5D間のインターフェースを開発した。ベンチマーク計算としてGT5Dを用いて衝突性輸送(新古典輸送)に対するシミュレーションを行った。その結果、他の新古典輸送コードや理論解析モデルの結果をよく再現することを示した。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
核融合炉を目指したプラズマ輸送研究において第一原理的なジャイロ運動論方程式をプラズマ分布に関するスケール分離を仮定せずに解く大域的full-fシミュレーション手法が注目されている。大域的full-fジャイロ運動論シミュレーションは、これまで2次元的な磁場形状を持つトカマク型装置に適用されてきたが、磁場が複雑な3次元形状を有するステラレータプラズマへ適用した例はなかった。本研究では、full-fジャイロ運動論コードであるGT5Dについて、3次元磁場形状を取り扱うための数値計算手法の改良及びコード拡張を行った。開発したGT5Dコードの妥当性検証を目的として、帯状流減衰、衝突性輸送(新古典輸送)及び両極性径電場に関するベンチマーク計算を行った。その結果、GT5Dコードの結果が、他の新古典輸送コードや理論解析モデルの結果をよく再現することを示した。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
プラズマ輸送研究において、ジャイロ運動論方程式をスケール分離を仮定せずプラズマ全体について第一原理に基づいて解き進める大域的full-fシミュレーション手法が注目されている。本研究では、full-fジャイロ運動論コードGT5Dについて、複雑な3次元磁場形状をもつステラレータ型プラズマを取り扱うため、標準的な3次元磁場平衡構築コードであるVMEC磁場とのインターフェースを開発し、併せてGT5Dコードの差分計算手法の拡張を行った。開発したコードの妥当性検証を目的としてベンチマーク計算を行った結果、GT5Dが標準的な理論解析モデルや他の新古典輸送コードの結果をよく再現することを示した。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 本多 充*; 佐竹 真介*; 鈴木 康浩*
no journal, ,
軸対称磁場を持つトカマク型装置の輸送現象において、コイル配置による誤差磁場など3次元摂動磁場の効果が注目されている。本研究では、最近開発された実験平衡版の大域的full-f運動論シミュレーションコードであるGT5Dを用いて、3次元摂動磁場を含んだJT-60U平衡を対象として実験解析を行い、既存の連成解析モデルと比較した。その結果、新古典輸送や径電場分布について定量的一致を確認し、摂動磁場により駆動される新古典トロイダル粘性についても定性的一致をみた。また、GT5Dを利用した実験解析では、従来手法と比べて数値計算コストの削減が可能であることも示した。
松岡 清吉*; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*; 本多 充*; 鈴木 康浩*
no journal, ,
ジャイロ運動論的トロイダル5次元full-fオイラーコードGT5Dをステラレータや摂動磁場を伴うトカマクといった3次元磁場配位に拡張した。GT5Dに入力するベクトルポテンシャルを生成するために、3次元平衡磁場計算コードVMECのインターフェースプログラムを構築した。大型ヘリカル装置配位における新古典輸送および測地線音響モードのベンチマーク計算によって開発コードの検証を実施した。計算結果は3次元delta-f粒子コードFORTEC3Dと定量的に一致した。
井戸村 泰宏; Obrejan, K.; 朝比 祐一*; 松岡 清吉*
no journal, ,
準局所的full-fジャイロ運動論シミュレーションによる低コストな実験解析に向けて、ジャイロ運動論的full-fオイラーコードGT5Dを従来の円筒座標系から磁束座標系に拡張した。この拡張にあたり、磁気軸付近で座標系を修正して磁気軸をまたぐ境界条件を設計するとともに、座標系を最外殻磁気面の外側にも拡張した。また、運動論的電子モデルも拡張し、ポロイダル非対称な対流セルの取扱いを可能とした。