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伊藤 成胤*; 向井 智久*; 鈴木 裕士; 南部 禎士*; 鈴木 淳一*; 松沢 晃一*; 衣笠 秀行*
日本建築学会技術報告集, 27(65), p.99 - 103, 2021/02
本研究では、意図的に未充填部を有するエポキシ系接着剤を用いたあと施工アンカー試験体、および高温加熱により空隙部の進展が確認されたあと施工アンカー試験体を対象に、中性子イメージングによる空隙部の定量評価を行った。まず、中性子計測により得られた3次元画像のCT値に着目した未充填部長さの評価手法を提案した。次に、加熱した空隙部が存在するあと施工アンカー試験体に対して、上述した評価手法により接着剤の未充填部の位置を評価した結果、試験体を切断し得られた実際の空隙部位置にほぼ一致することを確認した。さらに、空隙部とその周辺部のCT平均値を比較したところ、空隙部ではその数値が小さくなること、また、CT値そのものにより劣化空隙部を定義することは難しいが、空隙部とその周辺部のCT値の相対関係より、空隙部を特定できることを確認した。
海老原 健一; 山口 正剛; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
Journal of Nuclear Materials, 414(2), p.328 - 335, 2011/07
被引用回数:4 パーセンタイル:31.43(Materials Science, Multidisciplinary)中性子照射された原子炉圧力容器鋼における実験結果は、脆化の原因となる粒界リン偏析を示しているが、偏析の照射量,照射速度などへの依存性は、実験データの不足のため明らかではない。本論文では、炭素の影響を組み入れたレート理論モデルによって、中性子照射された原子炉圧力容器鋼の粒界リン偏析をシミュレーションした。結果として、空孔と自己格子間原子のシンク強度を選ぶことにより、実験で得られた粒界リン偏析量が再現された。また、炭素の有無にかかわらず粒界リン偏析量の照射速度への依存性は見られなかった。さらに、空孔によるリンの輸送は自己格子間原子による輸送に比べ非常に小さいことを確認し、炭素は、おもに、空孔の移動を抑制することによって照射誘起リン偏析に影響することがわかった。これらの結果は、照射誘起リン偏析の数値的予測の高精度化に寄与するものであり、原子炉圧力容器鋼の経年変化の理解に向け、必須な知見を得たことを意味している。
西山 裕孝; 山口 正剛; 鬼沢 邦雄; 岩瀬 彰宏*; 松澤 寛*
Journal of ASTM International (Internet), 6(7), 8 Pages, 2009/07
日本の原子炉圧力容器鋼における不純物含有量を有するA533B鋼について、粒界偏析とその脆化、すなわち延性脆性遷移温度(DBTT)について調べた。中性子照射は、材料試験炉により、照射温度563Kで、中性子照射量が1.310
n/m
(E
1MeV)まで行った。中性子照射によって、粒界におけるリン(P),ニッケル(Ni)の濃度上昇と、炭素(C)の濃度低下が生じた。中性子照射による粒界におけるP濃度の上昇は、Pの含有率が0.02wt.%未満の場合、高中性子照射量領域(
5
10
n/m
)でも、15%未満であることがわかった。このような粒界におけるP濃度の増加、あるいは、粒界の強度を低下させてCの濃度低下は、粒界脆化への影響はほとんどなく、DBTTの上昇は照射硬化によるものであることを明らかにした。
鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
Proceedings of 2009 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2009) (CD-ROM), 8 Pages, 2009/07
加圧熱衝撃(PTS)時の原子炉圧力容器の構造健全性は、破壊靱性,荷重条件,照射脆化等の重要因子を考慮して破壊力学解析手法により決定論的に評価される。確率論的破壊力学に基づく解析コードPASCAL2を用いて、原子炉圧力容器の破損確率を指標としてこれらの重要因子の評価を行った。各因子に対する感度解析の結果から、破壊靱性曲線については高温域における曲線形状の相違が大きく破壊確率に影響することが示された。新照射脆化予測法は若干高めの破壊確率を与えること、PTS解析時の熱伝達係数や肉盛溶接残留応力もある程度破壊確率に影響を及ぼすことが示された。また、関連温度シフトに対する不確かさについて、マージンを用いた現行の決定論的手法とバラ付を考慮した確率論的手法について比較検討を行った。
海老原 健一; 山口 正剛; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
Proceedings of 2009 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference (PVP 2009) (CD-ROM), 8 Pages, 2009/07
第一原理計算によって得たパラメータをBCC格子用に開発した反応速度論モデルに組み込み、そのモデルによりBCC鉄中の照射誘起リン偏析をシミュレーションした。さらに、そのシミュレーションから評価した粒界リン濃度の照射量,照射速度,照射温度への依存性を既存の結果と比較し考察した。結果として、今回のシミュレーション条件の範囲において、照射速度は粒界リン濃度にほとんど影響しないこと、また照射温度依存性が、既存の計算結果と大きく異なることがわかった。
西山 裕孝; 鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/10
中性子照射した原子炉圧力容器鋼で、粒界のリン偏析と照射硬化が延性脆性遷移温度(DBTT)に及ぼす影響を、オージェ電子分光分析,局所電極型アトムプローブ、及び陽電子消滅法による組織分析を用いながら検討した。中性子照射により粒界のリン偏析が誘起されることを示した。また、材料中のリン含有率が高くなると照射硬化が大きくなることを示した。これは、照射によって生成した空孔によって安定化されたリン集合体によるものであることを明らかにした。粒界のリン濃度及び照射硬化とDBTTの関係、並びに破面観察から、中性子照射によって粒界におけるリンの脆化能が小さくなる現象を見いだし、脆化の主要因は照射硬化によることを示した。これらの結果に基づき、原子炉圧力容器の長期使用により粒界脆化が顕在化する可能性について議論した。
鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
日本機械学会M&M2008材料力学カンファレンス講演論文集(CD-ROM), p.OS0305_1 - OS0305_2, 2008/09
確率論的手法による原子炉圧力容器の構造健全性評価手法に関して、米国NRCにより進められているBeaver-Valley発電所の原子炉容器に対する破損確率解析をもとに、き裂存在確率及び過渡事象についての比較検討を行った、応力拡大係数と温度の関係などを比較するとともに、確率論的破壊力学解析コードPASCAL2を用いた決定論及び確率論的解析を実施し、両解析結果の相関について検討した。PASCAL2による破損確率の試計算では、初期き裂分布及び過渡事象が破損確率に及ぼす影響を検討した。破損確率に及ぼすき裂分布の影響は大きく、米国代表プラント解析例のき裂分布は低い破壊確率を示した。また、過渡事象は、破損確率と決定論的な安全裕度との相関には大きな影響を及ぼさないことが明らかになった。
山口 正剛; 西山 裕孝; 志賀 基之; 蕪木 英雄; 松澤 寛*
Proceedings of 3rd International Conference on Multiscale Materials Modeling, p.733 - 735, 2006/09
bcc鉄(Fe)の対称傾角粒界3(111)に不純物や固溶原子を加えることにより発生する粒界脆化に対し、第一原理計算を用いてその脆化メカニズムを調べた。不純物及び固溶原子としては、B, C, N, O, Si, P, S, Mn, Ni, Cuを用いて、粒界の原子間結合に与える影響を調べた。その結果、固溶原子の偏析エネルギー,引っ張り強さ,粒界の結合エネルギー等の値を導出することに成功した。また、これらの値は実験結果をよく説明していることが明らかになった。
海老原 健一; 山口 正剛; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
no journal, ,
第一原理計算で見積もった拡散係数を組み込んだ反応拡散方程式を用いた原子炉圧力容器鋼における照射偏析シミュレーションにより、リンの粒界偏析量を評価し、粒界リン偏析量に対する照射量及び照射速度の影響について考察した。さらに、照射欠陥の移動に対する炭素の効果を考慮し、粒界リン偏析への影響についても考察した。
山口 正剛; 海老原 健一; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
no journal, ,
原子炉圧力容器鋼の照射脆化機構解明のため、第一原理計算(VASP)によりbcc鉄やfccニッケルにおける欠陥-リン原子複合体の生成エネルギーや移動エネルギーを計算した。われわれの計算では、Fe-P混合ダンベルの方が格子間リン原子よりも生成されやすいという結果を得た。これは、以前に別の計算コード(SIESTA)を用いて計算された結果と逆であったが、われわれの用いているコードの方が高精度のため信頼できると考えられる。また、ニッケル中においてはNi-P混合ダンベルが形成されず、格子間リン原子の方がずっと安定であった。
山口 正剛; 西山 裕孝; 志賀 基之; 蕪木 英雄; 松澤 寛*
no journal, ,
原子炉圧力容器材料に含まれる種々の溶質原子(C, Si, P, S, Mn, Cr, Cu, Mo等)の偏析によるbcc鉄粒界の脆化の機構を調べるため、第一原理計算を行った。計算では、bcc鉄の3(111)対称傾角粒界を用いて、種々の溶質原子に対する脆化機構,脆化の割合を求めた。また、この結果から種々の溶質原子の脆化機構に与える相対的な強さ及び粒界への偏析エネルギーを評価した。
海老原 健一; 山口 正剛; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
no journal, ,
中性子照射された原子炉圧力容器鋼において、粒界脆化を引き起こすリンの照射による粒界偏析が見られる。しかし、既存の実験結果は、粒界リン偏析の照射量や照射速度依存性を明らかにするほど十分でない。そのため、レート理論モデルによる照射誘起粒界リン偏析の評価がなされている。本発表では、炭素の効果を空孔や自己格子間原子のトラップとして組み入れたレート理論モデルによって、中性子照射された原子炉圧力容器鋼における粒界リン偏析を見積った。結果として、空孔と自己格子間原子のシンク強度を適切に選ぶことによってオージェ電子分光解析によって測定した粒界リン偏析を数値的に再現した。また、炭素の有無にかかわらず、粒界リン偏析の照射速度依存性はほとんど見られなかった。さらに、炭素は、空孔と強く結合するため、リンの輸送にほとんど関与しない空孔を介して粒界リン偏析に影響を与えることがわかった。このため、たとえ空孔がリンをほとんど輸送しなくても、適切な粒界リン偏析を評価するためには、空孔を考慮する必要があると考えらる。
鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
no journal, ,
高経年化した原子炉圧力容器の加圧熱衝撃時における構造健全性評価手法に関して、確率論的評価手法の検討を進めている。国内脆化予測式の改定や米国における規則改定案等の最新の知見をもとに、確率論的破壊力学解析コードPASCAL2を用いて、原子炉圧力容器の破壊確率解析を行った。初期き裂分布,照射脆化予測式や破壊靱性評価式等が破壊確率に及ぼす影響に関する知見を得た。また、決定論的評価と確率論的評価の結果を比較し、過渡事象によらず、破損確率と決定論的な安全裕度には良い相関があることが示された。
西山 裕孝; 山口 正剛; 鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
no journal, ,
高照射量領域で信頼性の高い原子炉圧力容器鋼の照射脆化予測を行うためには、中性子照射により材料中の不純物元素であるリン(P)等が結晶粒界に偏析し、粒界強度が弱められて延性脆性遷移温度(DBTT)が上昇する、いわゆる粒界脆化が顕在化する可能性について検討しておく必要がある。このため、高照射量領域まで中性子照射された原子炉圧力容器鋼を用いて、オージェ電子分光による粒界分析を行い、リン(P)等の粒界偏析濃度の中性子照射による変化を明らかにした。また、この結果と延性脆性遷移温度の関係を検討するとともに、Pによる粒界強度の低下メカニズムの理論解析を行った。
西山 裕孝; 海老原 健一; 山口 正剛; 鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
no journal, ,
中性子照射した原子炉圧力容器鋼で、照射誘起による粒界リン偏析に対する中性子照射速度の影響を、オージェ電子分光による分析を行って検討した。中性子照射条件は、照射温度が290Cで、中性子照射量は最大1
10
n/cm
、中性子照射速度の範囲は1
10
to 1
10
n/cm
/secである。分析結果及び速度論に基づくモデル計算から、上記の中性子照射速度の範囲では、粒界リン偏析の中性子照射速度にほとんど依存しないことを明らかにした。
山口 正剛; 海老原 健一; 蕪木 英雄; 松澤 寛*
no journal, ,
高経年化による原子炉圧力容器鋼の脆化の原因の一つとして、リン(P)の粒界偏析による粒界脆化が懸念されている。そのため、照射誘起偏析の基本的メカニズムに基づいたシミュレーション法を構築する必要がある。そこで、照射偏析シミュレーションモデルに必要な拡散素過程のパラメータ(移動エネルギー)を第一原理から計算する試みを行った。今回はNi-P系のパラメータを計算し、Murphyらによって用いられた経験パラメータと比較した。その結果、従来の常識とはかなり異なる結果が得られた。
海老原 健一; 山口 正剛; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
no journal, ,
原子炉圧力容器鋼における照射によるリンの粒界偏析量を数値的に見積るため、bcc鉄用に開発した速度論に基づく方程式に、第一原理計算から得たパラメータを組み込み、照射実験の条件でのリンの照射偏析シミュレーションを実施した。その結果以下のことがわかった。(1)粒界リン偏析量は空孔や格子間原子のシンク強度を大きくすることで実験値に近づく。(2)シミュレーション条件の範囲において、粒界リン偏析量の照射速度依存性は見られない。(3)粒界リン偏析量の温度依存性は、既存の結果と異なっている。
山口 正剛; 海老原 健一; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
no journal, ,
従来の照射偏析シミュレーションモデルにおける拡散素過程のパラメータ、すなわち格子欠陥(空孔,格子間原子)や不純物原子(P原子)の鉄中における原子移動エネルギーは、シミュレーション結果が実験結果に一致するようにFitting Parameterとして扱われていた。しかし近年の計算機と計算コード双方の進歩により、原子移動エネルギーを第一原理計算によって原子・電子レベルから正確に求めることが可能になった。本研究では比較的計算精度の高いVASPコードを使い、bcc Feの基本セル(2Fe原子/cell)を44
4倍したスーパーセルを用いて空孔,格子間原子,リン原子の移動エネルギーや相互作用エネルギー等を求めた。
西山 裕孝; 山口 正剛; 海老原 健一; 鬼沢 邦雄; 松澤 寛*
no journal, ,
高照射量領域で信頼性の高い原子炉圧力容器鋼の照射脆化予測を行うためには、中性子照射により材料中の不純物元素であるリン(P)等が結晶粒界に偏析し、粒界強度が弱められて粒界破壊が生じて延性脆性遷移温度(DBTT)が上昇するという、いわゆる粒界脆化が顕在化する可能性についても検討しておく必要がある。このため、高照射量領域まで中性子照射された原子炉圧力容器鋼で、オージェ電子分光による粒界分析を行い、照射速度が粒界P偏析に及ぼす影響を調べた。その結果、中性子照射によりPの粒界濃度が増加したが、照射速度の影響は顕著でなかった。