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論文

Oxygen interstitials make metastable $$beta$$ titanium alloys strong and ductile

Chong, Y.*; Gholizadeh, R.*; Guo, B.*; 都留 智仁; Zhao, G.*; 吉田 周平*; 光原 昌寿*; Godfrey, A.*; 辻 伸泰*

Acta Materialia, 257, p.119165_1 - 119165_14, 2023/09

 被引用回数:4 パーセンタイル:84.87(Materials Science, Multidisciplinary)

$$beta$$チタン合金は、優れた歪み硬化能を有する反面、降伏強度が低いという問題を抱えている。ここでは、Ti-12Mo(wt.%)準安定$$beta$$チタン合金の降伏強度の向上における結晶粒の微細化と格子間物質の添加の寄与について検討した。その結果、結晶粒の微細化は材料を強化するどころか、この合金の極限引張強度を低下させることがわかった。この予想外の異常な挙動は、ひずみ誘起$$alpha^{primeprime}$$マルテンサイト相変態が著しく促進されたことに起因しており、その場観察放射光X線回折分析により、この相が$$beta$$相よりはるかに軟らかいことが初めて明らかになった。また、酸素添加と結晶粒微細化の組み合わせにより、Ti-12Mo-0.3O(wt.%)合金において前例のない強度と延性の相乗効果が得られることが判明した。この三元合金における酸素溶質には2つの有利な点がある。第一に、溶質酸素は、微細な組織においても、歪みによる$$alpha^{primeprime}$$マルテンサイト相への変態を大きく抑制し、過剰な$$alpha^{primeprime}$$マルテンサイトによる軟化効果を回避することができる。次に、アトムプローブトモグラフィーで明らかになったように、酸素溶質が双晶境界に偏析しやすい。これにより、$${332}langle113rangle$$変形双晶の成長が抑制され、より広範な双晶の核生成が促進される。本研究で得られた知見は、強靭な準安定$$beta$$チタン合金を設計するための費用対効果の高い根拠となり、この高強度対重量構造材料のさらなる普及に大きな意味を持つ。

論文

High-temperature creep properties of 9Cr-ODS tempered martensitic steel and quantitative correlation with its nanometer-scale structure

大塚 智史; 静川 裕太; 丹野 敬嗣; 今川 裕也; 橋立 竜太; 矢野 康英; 鬼澤 高志; 皆藤 威二; 大沼 正人*; 光原 昌寿*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(3), p.288 - 298, 2023/03

 被引用回数:4 パーセンタイル:78.52(Nuclear Science & Technology)

原子力機構では、ナトリウム冷却高速炉(SFR)用燃料被覆管材料として9Cr-酸化物分散強化型(ODS)鋼の開発を進めている。燃料被覆管材料にとって、クリープ特性は重要特性の一つである。よって、SFRに9Cr-ODS鋼を導入するためには、9Cr-ODS鋼の炉内クリープ強度の信頼性高い予測評価が不可欠である。本研究では、700$$^{circ}$$Cでの9Cr-ODS鋼のクリープ強度とナノ組織の定量的相関性について調査を行った。また、9Cr-ODS鋼照射材のナノ組織解析に基づく炉内クリープ特性予測の可能性について議論を行った。9Cr-ODS鋼の700$$^{circ}$$Cでのクリープ破断寿命は、そのナノ組織と密接な相関を有することがわかった。9Cr-ODS鋼のクリープ破断寿命とナノ組織の相関を既存のクリープモデルに基づき解析し、両者をつなぐ相関式を示した。本相関式の信頼性を高めるためには、9Cr-ODS鋼の2次クリープ速度の応力指数と酸化物分散状態の関係を明らかにする必要がある。

論文

9Crまたは12Cr系酸化物分散強化鋼の高温力学特性と微細組織

光原 昌寿*; 栗野 晃一*; 矢野 康英; 大塚 智史; 外山 健*; 大沼 正人*; 中島 英治*

鉄と鋼, 109(3), p.189 - 200, 2023/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

本研究では、高速炉通常運転時におけるODS鋼被覆管の使用環境に近い700または750$$^{circ}$$Cのクリープ試験と、事故時を模擬した900から1350$$^{circ}$$Cでの時効処理または高温引張試験での酸化物の成長挙動を確認した。9Cr-ODS鋼のクリープ試験後の組織では、初期状態と比較し、酸化物の成長や数密度の低下が無く、酸化物の分散強化がクリープ変形中に有効に機能していることが分かった。12Cr-ODS鋼のクリープ試験後の組織においては、亜粒界のような転位下部構造の発達はほとんど観察されず、粒内に可動転位が均一に観察された。転位密度は応力の増加とともに増える傾向であった。9Cr-ODS鋼の引張延性は、900から1100$$^{circ}$$Cまで温度上昇とともに低下したが、1200$$^{circ}$$Cで上昇し、1250$$^{circ}$$Cで劇的に低下し、1300$$^{circ}$$Cで再び増加する傾向を示した。12Cr-ODS鋼では、温度の上昇とともに減少する傾向を示した。9Cr-ODS鋼の1200から1300$$^{circ}$$Cにおける複雑な引張特性の変化にはデルタフェライト相の形成が影響していると推察される。なお、本研究は、文部科学省原子力システム研究開発事業JPMXD0219214482の助成を受けたものである。

論文

Grain refinement in titanium prevents low temperature oxygen embrittlement

Chong, Y.*; Gholizadeh, R.*; 都留 智仁; Zhang, R.*; 井上 耕治*; Gao, W.*; Godfrey, A.*; 光原 昌寿*; Morris, J. W. Jr.*; Minor, A. M.*; et al.

Nature Communications (Internet), 14, p.404_1 - 404_11, 2023/02

 被引用回数:6 パーセンタイル:93.59(Multidisciplinary Sciences)

チタンは格子間酸素によって脆化する。特に極低温では顕著な脆化挙動を示すため、チタンやその合金の製造において酸素含有量を厳しく管理する必要がある。この問題を解決するために、我々は結晶粒の微細化という構造戦略を提案した。77Kで非常に脆い粗粒の組織と比較して、Ti-0.3wt.%Oの超微細粒(UFG)組織(粒径$$sim$$2.0$$mu$$m)は、UFG組織特有の超高降伏強度を維持したまま均一延びを1桁上昇させることに成功した。UFG Ti-0.3wt.%Oにおけるこの特異な強度-延性相乗効果は、粒界凝集エネルギー向上に寄与する希薄な酸素の粒界偏析と優れたひずみ硬化能に寄与する$$<c+a>$$転位の活性化の複合効果によって達成された。この方法は、低温での高強度Ti-O合金の応用の可能性を高めるだけでなく、格子間固溶硬化による延性の低下を生じる他の合金系にも適用できる可能性がある。

論文

Effect of grain boundary on the friction coefficient of pure Fe under the oil lubrication

足立 望*; 松尾 泰貴*; 戸高 義一*; 藤本 幹也*; 日野 正裕*; 光原 昌寿*; 大場 洋次郎; 椎原 良典*; 梅野 宜崇*; 西田 稔*

Tribology International, 155, p.106781_1 - 106781_9, 2021/03

 被引用回数:7 パーセンタイル:58.99(Engineering, Mechanical)

Recent theoretical researches revealed that grain boundary affects tribological properties through the change in adsorption properties of additives in lubricants. Therefore, the effects of the grain boundary on the tribological properties were investigated by friction test of pure iron films under oil lubrication. We found that a friction coefficient decreases with increasing the fraction of the grain boundary in the lubricants forming chemisorbed film on sample surface. This suggests that the grain boundary enhances the formation of the chemisorbed films and reduces the friction coefficients by protecting the sample surface.

論文

Development of high-grade VPS-tungsten coatings on F82H reduced activation steel

徳永 知倫*; 渡辺 英雄*; 吉田 直亮*; 長坂 琢也*; 笠田 竜太*; Lee, Y.-J.*; 木村 晃彦*; 時谷 政行*; 光原 昌寿*; 檜木 達也*; et al.

Journal of Nuclear Materials, 442(1-3), p.S287 - S291, 2013/11

 被引用回数:11 パーセンタイル:64.2(Materials Science, Multidisciplinary)

VPS-W coating formed on F82H kept at about 873K in conventional plasma spray conditions has inhomogeneous texture; namely mixture of disarranged area composed of large re-solidified/un-melted grains, fine randomly oriented grains and pores, and well ordered area composed columnar grains. Heat load test indicate that elimination of the disarranged area is necessary to improve the heat load resistance of VPS-W. One can get W coating with texture of homogeneous columnar crystal grains by eliminating the re-solidified/un-melted large particles. Optimization of the W powder size was also effective to reduce number of randomly oriented fine grains and pores.

論文

酸化物分散強化型9Crフェライト系耐熱鋼の3次元組織と高温強度

光原 昌寿*; 原田 絵梨香*; 山崎 重人*; 池田 賢一*; 波多 聰*; 中島 英治*; 大塚 智史; 皆藤 威二

可視化情報学会誌, 31(122), p.98 - 103, 2011/07

ODSフェライト鋼の高温強度には、酸化物や相が寄与すると定性的には理解されているものの、高温強度や変形機構の解明に繋がる定量的な組織評価の研究例は少ない。本研究では、この点に着目し、強化の主役と考えられる酸化物の3次元的分散状態を定量評価する手法を確立し、実際の高温変形挙動との対応について検討を行った。3次元分布の取得には電子線トモグラフィーを、高温強度の評価には、コイルばねクリープ試験をそれぞれ用いた。

論文

V,Nb添加10Crフェライト系耐熱鋼中の析出物の3次元形態観察

光原 昌寿*; 池田 賢一*; 波多 聰*; 中島 英治*; 若井 隆純

九州大学超高圧電顕室研究報告,32, 2 Pages, 2008/08

高Crフェライト系耐熱鋼において析出強化に寄与するV/Nb炭窒化物に対し、ADF(Annular Dark-Field)-STEM (Scanning Transmission Electron Microscope)法と電子線トモグラフィーを組合せて、3次元観察を行い、析出物の形態や分布を明らかにした。また、観察された析出物による強化機構について検討した。

論文

V添加高強度耐熱鋼におけるラス境界析出物のEDS分析と3次元形態観察

光原 昌寿*; 池田 賢一*; 波多 聰*; 中島 英治*; 若井 隆純

まてりあ, 47(6), P. 301, 2008/06

EDS分析と3次元電子線トモグラフィーを用いてV添加耐熱鋼の析出強化に寄与する新たな析出物を発見し、その形態を明らかにした。フィルム状の析出物はラス境界を被覆するように薄く生成し、クリープ変形中に起こるラス境界付近の転位運動を抑制し、クリープ強度向上に寄与すると推察される。

論文

V添加10Crフェライト鋼におけるラス境界析出物の3D電子線トモグラフィー観察

光原 昌寿*; 池田 賢一*; 波多 聰*; 中島 英治*; 若井 隆純

まてりあ, 46(12), P. 800, 2007/12

Vを添加した10Crフェライト系耐熱鋼において、ラス組織安定化に有効なラス境界上析出物に注目し、その元素分析と3次元形態観察を行った。その結果、塊状とフィルム状の2種類の異なる組成の析出物がラス境界に生成しているが、後者の方が被覆率が高いことがわかった。このような高被覆性析出物は、クリープ変形中のラス組織の回復抑制に有効であり、V添加によるクリープ強度向上の主要因と推察される。

論文

高Crフェライト系耐熱鋼におけるクリープ強度の強化機構

光原 昌寿*; 吉田 悠*; 池田 賢一*; 中島 英治*; 若井 隆純

九州大学超高圧電顕室研究報告,31, p.78 - 79, 2007/00

高Crフェライト系耐熱鋼のクリープ強化に及ぼすV及びNbの効果を、STEMを用いた観察結果に基づいて考察した。その結果、NbはMX粒子の微細分散析出による強化、Vはラス境界にフィルム状析出物として析出することによってラス境界の移動を妨げることにより、それぞれクリープ強度の向上に寄与していることがわかった。

論文

高Crフェライト系耐熱鋼の$$Omega$$法によるクリープ寿命評価とそのパラメータに及ぼすV$$cdot$$Nb添加量の効果

吉田 悠*; 光原 昌寿*; 池田 賢一*; 中島 英治*; 若井 隆純

耐熱金属材料第123委員会研究報告, 47(10), p.109 - 113, 2006/07

VとNbの添加が高Crフェライト系耐熱鋼におけるクリープ挙動及び寿命に与える影響を調査し、その傾向をつかむために、V$$cdot$$Nb添加量を変化させた11種の材料に対し、クリープ試験を行った。そのデータを$$Omega$$法により解析し、方位像顕微鏡による結晶方位解析結果と併せて、組織と$$Omega$$法の二つのパラメータの相関について検討を行った。その結果、$$Omega$$法による余寿命評価の有効性と、V$$cdot$$Nb添加量が$$Omega$$法パラメータに及ぼす影響が大きいことが示された。また、Nb添加に伴い、マルテンサイト組織が変化することがわかった。

口頭

V$$cdot$$Nb添加12Cr-1Mo鋼の$$Omega$$法解析

吉田 悠*; 光原 昌寿*; 池田 賢一*; 中島 英治*; 若井 隆純

no journal, , 

近年、耐熱鋼のクリープ破断寿命を評価し、そのクリープ挙動を解析する技術は多くの方法が提唱されている。その中でも$$Omega$$法はクリープひずみと時間の関係を定式化し、クリープ曲線を推定する方法であるが、パラメータの数が少なく、非常に簡便なことから注目されている。$$Omega$$法は加速クリープ域においてひずみとひずみ速度の関係が経験的に表せることを用いて、クリープ寿命を仮想的初期ひずみ速度とひずみ速度加速因子$$Omega$$の2つのパラメータにより表現する解析法である。これらのパラメータは析出物の有無やその大きさに依存することが知られている。耐熱鋼の有効なクリープ強化機構としてMXによる析出強化がある。MXの構成元素であるV$$cdot$$Nbの組成比に関連したMXのタイプや析出量の違いが、$$Omega$$法のパラメータに対して及ぼす影響について調査するで$$Omega$$法に対する知見を深めることができる。そこで本研究では異なるV$$cdot$$Nb添加量を持つ12Cr-1Mo鋼のクリープデータに対し$$Omega$$法を適用し、組織観察をふまえてクリープ挙動について検討を行った。

口頭

高クロムフェライト系耐熱鋼のクリープ変形に伴うマルテンサイト組織変化に及ぼすV$$cdot$$Nb添加量の効果

吉田 悠*; 光原 昌寿*; 池田 賢一*; 中島 英治*; 若井 隆純

no journal, , 

Nb添加による旧オーステナイト粒径の微細化や、V添加によるMX等微細析出物の増加などの初期組織強化が、長時間のクリープ破断過程においてどのような効果があるのかについて明らかにすることを目的として、V$$cdot$$Nb添加量を変化させた高クロム鋼のクリープ変形に伴うマルテンサイト組織の変化について調査した。その結果、破断寸前に生じる大きな塑性変形に及ぼす初期組織の影響はほとんどないが、クリープ寿命には大きな影響があることがわかった。これらのことから、マルテンサイト組織の崩壊が始まるまでの安定性が、クリープ強度を支配していると考えることができる。

口頭

V$$cdot$$Nb添加高Crフェライト系耐熱鋼のクリープ変形に伴うマルテンサイト組織変化

吉田 悠*; 光原 昌寿*; 池田 賢一*; 中島 英治*; 若井 隆純

no journal, , 

クリープ後期での破断に至る組織変化及び破断過程に、MX(V$$cdot$$Nbの炭窒化物粒子)がどのように寄与するかについて、V$$cdot$$Nb添加量をパラメトリックに変化させた試作鋼のクリープ破断材に対するTEMによる観察及びOIMによる結晶方位解析を実施して考察した。その結果、破断に至る大きな塑性変形の過程に及ぼす初期組織や析出物の析出状態の影響は小さいこと、さらにこれらの試作鋼のクリープ寿命はラスマルテンサイト組織の崩壊が始まるまでの組織安定性に支配されることなどを見通した。

口頭

V$$cdot$$Nb添加高Crフェライト系耐熱鋼の強化機構と$$Omega$$値の相関

吉田 悠*; 光原 昌寿*; 池田 賢一*; 中島 英治*; 若井 隆純

no journal, , 

高クロムフェライト系耐熱鋼の$$Omega$$値の変化に及ぼすにおける析出強化元素量の影響を理解するため、V$$cdot$$Nbの添加量を調整した10Crフェライト鋼について$$Omega$$法によるクリープ曲線解析と組織観察を行った。その結果、Nb添加による強化はラス内の微細析出物による転位運動の抑制によること、V添加による強化はラス境界を被覆する析出物によるラス境界の移動の抑制によること、複合添加による強化はこれらの加算により説明できることなどを明らかにした。

口頭

フェライト系耐熱鋼の$$Omega$$値に及ぼす微細構造の影響

光原 昌寿*; 吉田 悠*; 池田 賢一*; 中島 英治*; 若井 隆純

no journal, , 

MX型析出物の構成元素であるVとNbを添加した高Crフェライト系耐熱鋼において、V及びNb添加量による組織の微細構造変化を調査し、微細構造の変化に対応した$$Omega$$値の遷移から、添加元素によるクリープ強化が$$Omega$$値に及ぼす影響について考察した。その結果、V添加によりラス境界上の塊状及びフィルム状の析出物がラス境界の移動を抑制することによって、一方、Nb添加によりラス内の微細な析出物による転位運動の阻害によって、それぞれクリープ強度が向上していることが明らかになった。また、VとNbの複合添加の場合、それぞれの強化元素による強化の加算が成り立つことがわかった。

口頭

Effect of Vanadium and Niobium on creep strength in 10% Chromium steel analyzed by STEM-EDS

光原 昌寿*; 吉田 悠*; 池田 賢一*; 中島 英治*; 若井 隆純

no journal, , 

10Cr鋼のクリープ強度に及ぼすバナジウムとニオブの影響を調べた。バナジウムとニオブの添加量を変えた11種類の試作材を準備し、それらのクリープ変形挙動から、閾応力を推定した。STEM-EDSによって析出物の分布状態を調べた。ラス内に析出物は見られなかった0.06%バナジウム添加材では、クリープ強度の増加はわずかであり、このことはラス内の析出物によって強化されなかったことを示している。バナジウム添加材においてラス境界に見られたクロムとバナジウムを含有する塊状及び膜状の析出物は、ラス境界が移動するのを妨げる。この効果は、バナジウム添加鋼の強化メカニズムである。ニオブ単独添加の場合、ラス内の微細析出物による分散強化により、クリープ強度が向上することがわかった。閾応力は、析出物間隔から定量的に評価された。評価された閾応力は、クリープ変形挙動から得られる値と一致した。これらの結果から、バナジウムとニオブにはクリープ強度を改善する役割がそれぞれあることがわかった。バナジウムとニオブ複合添加鋼で、クリープ強度への影響は各元素による影響、すなわち、ラス境界移動の抑制とラス内の転位のピン止めの和として説明できる。

口頭

Mechanism of creep strengthening in high Cr ferritic heat resistant steel added V and Nb

光原 昌寿*; 吉田 悠*; 池田 賢一*; 中島 英治*; 若井 隆純

no journal, , 

V及びNbは、高Crフェライト系耐熱鋼のクリープ強度を改善する元素として知られる。本研究では、高Crフェライト系耐熱鋼のクリープ強化に及ぼすV及びNbの効果について調べた。析出物の分布状況を透過型電子顕微鏡により観察し、Nb添加鋼では閾応力は析出物間距離に依存して定量的に測定された、クリープ強度はMX粒子による分散硬化によって向上した。0.06%V添加鋼では、MX粒子は観察されなかったが、クリープ強度はわずかに向上した。これは、Vを含む薄い析出物がラス境界に析出し、ラス境界の移動を妨げるためと考えられる。この結果、VとNbのそれぞれが、クリープ強度向上の役割を持っていることがわかった。

口頭

Effects of addition of V and Nb on omega in high Cr ferritic steels

光原 昌寿*; 吉田 悠*; 池田 賢一*; 中島 英治*; 若井 隆純

no journal, , 

$$Omega$$法解析のパラメータである$$Omega$$値に及ぼすV及びNb添加効果を明らかにするため、V及びNbを添加した幾つかの高Crフェライト系鋼に対するクリープ試験と組織観察を行った。V添加量の増加に伴ってクリープ強度は向上したが、Nb添加量の増加に伴ってクリープ強度は小さくなった。V添加鋼・Nb添加鋼ともに、$$Omega$$値は無添加鋼に比べて大きくなったが、$$Omega$$値のV添加量依存性とNb添加量依存性は異なる。V添加鋼では、V添加量の増加に伴って$$Omega$$値は大きくなったが、Nb添加鋼ではNb添加量の増加に伴って$$Omega$$値は小さくなった。この結果、添加元素の強化効果を用いて$$Omega$$値を見積もることが可能であり、$$Omega$$値はクリープ強度に密接に関係することが明らかになった。

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