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山本 風海; 守屋 克洋; 沖田 英史; 山田 逸平; 地村 幹; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 山本 昌亘; 森下 卓俊; et al.
Journal of Neutron Research, 26(2-3), p.59 - 67, 2024/01
J-PARC Linacおよび3GeVシンクロトロン(RCS)は、1MWの大強度ビームを中性子実験施設および主リングシンクロトロンに供給するために運転している。これまで進めてきたビーム調整および機器改良により、当初想定よりもはるかに低いビームロス量で1MWのビーム運転を行うことが出来ている。現在のビーム出力はビームロスではなくRCSの高周波加速空胴の電源容量によって制限されている。近年、RCSグループではより少ない消費電力でビームを加速することのできる新しい構造の加速空胴の開発に成功した。この空胴によって、利用運転中に加速空胴で消費される電力を大幅に削減することが出来、さらに1MW以上の大出力での運転も可能となる。これまでの試験結果から、RCSの加速空胴を全て新しい物へ更新すれば、1.5MW以上の大出力も可能となる事が判っている。今後、中性子利用および主リングシンクロトロンの更なる成果創出のため、2MWを目標にRCSで必要な改良について検討を行った。その結果、高周波空胴の更新以外にも、高周波増幅器の増強やビームモニタの増強が必要であることが判ったため、今後順次更新を進める。
北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*
Journal of Physics; Conference Series, 2687(7), p.072006_1 - 072006_6, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)大強度陽子ビームを計測するビームモニタにおいて熱負荷の緩和は重要な課題の一つである。近年、大強度陽子加速器施設(J-PARC)のフロントエンドでは、バンチシェイプモニタの標的プローブに高配向熱分解グラファイト(HOPG)材料が使用した。HOPGは熱伝導率が高いため、高熱負荷条件下でのビームプロファイルの測定に適している。HOPGの応用として、例えば、ワイヤスキャナモニタなどの横方向プロファイルモニタのターゲットワイヤの代替材料として、薄いHOPGを使用することが考えられる。ビームプロファイルモニタ用HOPGターゲットの可能性についてテストスタンドでの3MeV負水素イオンビームを用いた実験結果の一部から考察する。
山本 風海; 守屋 克洋; 沖田 英史; 山田 逸平; 地村 幹; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 山本 昌亘; 森下 卓俊; et al.
Proceedings of 68th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High Intensity and High Brightness Hadron Beams (HB2023) (Internet), p.270 - 273, 2023/10
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、1MWの大強度ビームを中性子実験施設および主リングシンクロトロンに供給するために運転している。これまで進めてきたビーム調整および機器改良により、当初想定よりもはるかに低いビームロス量で1MWのビーム運転を行うことが出来ている。そのため、現在のビーム出力はビームロスではなく高周波加速空胴の電源容量によって制限されている。近年、RCSグループではより少ない消費電力でビームを加速することのできる新しい構造の加速空胴の開発に成功した。この空胴によって、利用運転中に加速空胴で消費される電力を大幅に削減することが出来、さらに1MW以上の大出力での運転も可能となる。これまでの試験結果から、RCSの加速空胴を全て新しい物へ更新すれば、1.5MW以上の大出力も可能となる事が判っている。今後、中性子利用および主リングシンクロトロンの更なる成果創出のため、2MWを目標にRCSで必要な改良について検討を行った。その結果、高周波空胴の更新以外にも、高周波増幅器の増強やビームモニタの増強が必要であることが判ったため、今後順次更新を進める。
田村 潤; 二ツ川 健太*; 近藤 恭弘; Liu, Y.*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 岡部 晃大; 吉本 政弘
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1049, p.168033_1 - 168033_7, 2023/04
被引用回数:2 パーセンタイル:43.92(Instruments & Instrumentation)J-PARCリニアックは、ビーム損失が重要な課題となる大強度加速器である。J-PARCリニアックでは、Hビームが機能分離型ドリフトチューブリニアック(SDTL)で191MeVまで加速され、その後、環結合構造型加速管(ACS)で400MeVまで加速される。H
リニアックでは陽子リニアックよりもビーム損失の要因事象が多いため、ビーム損失低減のためにはビーム損失の原因を詳しく調べることが必須である。制御不能なH
粒子を生成する電子ストリッピング現象は、H
リニアックに特有なビーム損失要因である。J-PARCリニアックにおけるビーム損失の原因を明らかにするため、SDTLとACSの間のビーム輸送部に新しいビーム診断系を設置した。ここでは、H
粒子をH
ビームから分離し、H
粒子が分布する範囲にグラファイト板を挿入してH
粒子の強度プロファイルを測定することに成功した。ビームライン真空圧力の違いによるH
粒子の強度変化を調べることで、SDTLセクションのH
粒子の半分は、J-PARCリニアックの残留ガスストリッピングによって生成されていることを明らかにした。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 小栗 英知
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 26(3), p.032802_1 - 032802_12, 2023/03
被引用回数:3 パーセンタイル:57.48(Physics, Nuclear)バンチシェイプモニター(BSM)はビーム輸送中にある地点での縦方向位相分布を測定して、縦方向ビームチューニングを行う際に有用な装置である。低エネルギー負水素(H)イオンビームの縦方向位相分布を測定するために、大強度ビーム負荷による熱負荷を軽減できるよう2次電子を放出する標的に高配向性グラファイト(HOPG)が採用した。このHOPGターゲットにより、50mA程度の高いピーク電流を持つ3MeV H
イオンビームの中心部で縦方向位相分布の測定が可能となった。テストスタンドでHOPG-BSMを用いて縦方向のバンチ幅を測定したところ、ビームシミュレーションと一致した。HOPG-BSMを用いて、ビーム横方向と縦方向の相関測定を実証した。HOPG-BSMを用いて、縦方向Qスキャン法により縦方向Twissとエミッタンスを測定した。
Cicek, E.*; 二ツ川 健太*; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 溝端 仁志*; 大谷 将士*; 近藤 恭弘; 森下 卓俊; 中沢 雄河*; 佐藤 福克*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1046, p.167700_1 - 167700_8, 2023/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)低レベルRF制御システムで用いられるデジタルフィードバック(DFB)系は、加速空洞内でのRF電場の安定化に決定的な役割をはたす。このための、多用途DFBの試作機を、J-PARCの様々なアプリケーションに用いるために開発した。低コストでコンパクトなことが要求仕様を満たすために重要である。本システムでは、FPGAによるデジタル信号処理を用いた。これにより、RFの位相ゆらぎや、振幅の変化を比例-積分フィードバックにより補正する。このシステムはミューオンリニアックの交差櫛形ドリフトチューブリニアック(IH-DTL)空洞の大電力試験で短パルスの試験を行った。また、J-PARCのバンチャー空洞2を用いて長バルスの試験を行った。IH-DTLの試験では、振幅ピーク間で0.25%、位相で
0.36
の安定度が得られた。バンチャー2では、振幅ピーク間で
0.18%、位相で
0.13
の安定度が得られた。本論文では、このシステムの設計と、大電力試験の詳細を述べる。
北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 宮尾 智章*; 三浦 昭彦; 森下 卓俊
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.212 - 214, 2023/01
大強度陽子加速器施設J-PARCリニアックでは出射ビームの横エミッタンス低減等ビーム品質の向上に向けて、フロントエンドでの縦方向分布を精度良くかつ迅速に測定するためのバンチシェイプモニタ(BSM)を開発している。大強度ビームからの熱負荷を克服するため、熱耐久性の高いグラファイト製標的を導入したことに伴い、BSM分解能への影響を評価した。BSMによる縦方向測定結果からエミッタンスを評価するためには、空間電荷効果の影響を考慮できる3D PICコードであるIMPACTを用いた。ビーム試験を通して評価したBSMの不確かさを計算に考慮することで、より厳密にエミッタンスを評価する手法を開発した。本講演では一連の測定結果、開発したビーム評価手法、及びビームシミュレーションとの比較検討結果について報告する。
小田 航大; 高柳 智弘; 小野 礼人; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 杉田 萌; 森下 卓俊; 飯沼 裕美*; 徳地 明*; 亀崎 広明*; et al.
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.610 - 614, 2023/01
J-PARCのキッカー電源は、取り出すビームのバンチ長に合わせ、フラットトップ幅が約1sの矩形パルスを数十nsの短時間で瞬間的に出力する。現在、放電スイッチのサイラトロンの代替を目的に、次世代パワー半導体を用いた新キッカー電源の開発を進めている。パワー半導体のスイッチ動作のタイミングは、外部からのトリガ信号の入力で決まる。そのタイミングの時間軸方向に対するブレ(ジッタ)が大きいと、出力パルスの再現性が低下し、ビームロスの要因となる不安定なビーム軌道偏位を引き起こす。そのため、キッカー用半導体スイッチ電源には、
1.0ns以下の高再現性を実現する低ジッタ回路が求められる。ジッタの成分にはトリガ信号の揺らぎと半導体スイッチ動作のばらつきが含まれる。そこで、制御回路を構成する種々のデバイスに対する評価試験を実施し、最適なデバイスの選定、かつ、温度とノイズ対策を施した低ジッタ回路の試験機を製作した。発表では、制御回路を構成するアナログ回路とデジタル回路のデバイスに対し、環境とデバイスの温度、サンプリングクロックの周波数、パルスエッジのブレに対する評価試験の結果と、構築した低ジッタ回路の構成について報告する。
北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.330 - 332, 2023/01
大強度陽子加速器施設J-PARCリニアックでは、フロントエンドの大強度・低速Hビームを測定するためにビーム熱負荷への耐久性を向上させた改良型バンチシェイプモニタ(BSM)を開発している。ビームと相互作用させるプローブに新素材であるグラファイト製標的を導入することで、これまで不可能であった大強度ビーム中心領域でのプロファイル測定を実現した。改良型BSMではビーム全体のプロファイルが測定可能になったため、BSMの特徴を生かした応用的なビーム診断手法を提案する。本講演では、二次電子計測による横プロファイル測定、横プロファイルからのビーム電流測定等、BSM本来の目的である縦方向測定の枠組みを超えてBSMの多様な運用可能性について議論する。
中沢 雄河*; Cicek, E.*; 二ツ川 健太*; 不破 康裕; 林崎 規託*; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 岩田 佳之*; 近藤 恭弘; 三部 勉*; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 25(11), p.110101_1 - 110101_9, 2022/11
被引用回数:3 パーセンタイル:43.00(Physics, Nuclear)J-PARCにおけるミューオン-2/EDM実験のための324MHz交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアック(IH-DTL)試作機の大電力試験を行った。この試作機(short IH)は一体型ドリフトチューブ構造を持つ実機IH-DTLの製作方法を検証するために作られた。40時間のコンディショニング後、88kWの電力を安定に投入できることを確認した。これは設計加速電圧3.0MV/mの10%増しに相当する電力である。さらに、3次元シミュレーションモデルの妥当性を検証するために、熱特性と周波数応答を測定した。この論文では、このIH-DTL試作機の大電力試験の詳細について述べる。
竹内 佑甫*; 東城 順治*; Yamanaka, T.*; 中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 近藤 恭弘; 北村 遼; 森下 卓俊; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; et al.
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.562 - 564, 2022/10
J-PARCにおけるミューオンg-2/EDM実験のためのミューオンリニアックを開発中である。ミューオンリニアックは核磁気共鳴型電磁石を用いた小型ストレージリングに212MeVのミューオンビームを供給する。メッシュと円筒電極で構成される初段加速の後、ミューオンは4種類の高周波加速構造で加速される。ミューオンリニアックの設計を総合的に評価するために、General Particle Trackerコードを用いた全体シミュレーションを行った。さらに、加速器部品の様々な誤差を考慮したエラースタディーも行った。この論文ではこの全体シミュレーションの結果を述べる。
中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 岩田 佳之*; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 溝端 仁志*; 大谷 将士*; et al.
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.275 - 278, 2022/09
J-PARCにおけるミューオンg-2/EDM実験のための324MHz交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアック(IH-DTL)試作機の大電力試験を行った。この試作機は一体型ドリフトチューブ構造を持つ実機IH-DTLの製作方法を検証するために作られた。40時間のコンディショニング後、88kWの電力を安定に投入できることを確認した。これは設計加速電圧3.0MV/mの10%増しに相当する電力である。さらに、3次元シミュレーションモデルの妥当性を検証するために、熱特性と周波数応答を測定した。この論文では、このIH-DTL試作機の大電力試験の詳細について述べる。
近藤 恭弘; 北村 遼; 不破 康裕; 森下 卓俊; 守屋 克洋; 高柳 智弘; 大谷 将士*; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; 深尾 祥紀*; et al.
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.636 - 641, 2022/09
J-PARCにおいて、現代の素粒子物理学で最も重要な課題の一つである、ミューオン異常磁気モーメント、電気双極子モーメントを精密測定する実験のためのミューオンリニアック計画が進行中である。J-PARCミューオン施設からのミューオンはいったん室温まで冷却され、212MeVまで加速される。横エミッタンスは1.5mm mradであり、運動量分散は1%である。高速で規格化した粒子の速度で0.01から0.94におよぶ広い範囲で効率よく加速するため、4種類の加速構造が用いられる。計画は建設段階に移行しつつあり、初段の高周波四重極リニアックによるミューオン再加速はすでに2017年に実証済である。次段の交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアックのプロトタイプによる大電力試験が完了し、ディスクアンドワッシャ型結合セルリニアックの第一モジュールの製作が進行中である。さらに円盤装荷型加速管の設計もほぼ終了した。本論文ではこれらミューオンリニアックの最近の進捗について述べる。
田村 潤; 近藤 恭弘; 森下 卓俊; 内藤 富士雄*; 大谷 将士*
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.177 - 179, 2022/09
ハドロンリニアックでは、ビーム粒子のエネルギー範囲に応じて、一般的に様々なタイプの空洞構造が使用されている。特に常伝導リニアックでは、同期粒子の速度によって空洞の加速効率が変化するため、このような構造になっている。低エネルギー陽子加速においては、アルバレ型ドリフトチューブリニアック(DTL)が最も普及しているが、最初の高周波四重極リニアック(RFQ)の直後には、Hモード構造とも呼ばれるTEモード加速構造も広く使用されている。現在、TEモードの代表的な構造として、インターデジタルHモード(IH)DTLとクロスバーHモード(CH)DTLがあり、それぞれTE11, TE21の電磁場モードを基本としている。本発表では、TE31やTE41といった高次のTEモードを含むTEモード構造の加速効率をアルバレ型DTLと比較検討した。本研究では、10MeV以下の陽子加速において、IH-DTLとCH-DTLはアルバレスDTLよりもシャントインピーダンスが大きく、さらにTEm1モードの構造では、角度指数mの増加とともに電場の回転対称性が改善することを示した。
竹内 佑甫*; 東城 順治*; 中沢 雄河*; 近藤 恭弘; 北村 遼; 森下 卓俊; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; et al.
Proceedings of 13th International Particle Accelerator Conference (IPAC 22) (Internet), p.1534 - 1537, 2022/06
ミューオンg-2/EDM実験がJ-PARCで計画されており、そのための線形加速器を開発中である。ディスクアンドワッシャ型加速空洞が中エネルギー部に使用され、ミューオンが加速周波数1.296GHzで高速の0.3から0.7まで加速される。試験セルの加工、ロー付けによる接合を行った結果、ワッシャの位置ずれがあったので治具類の改良を行うこととした。また、低電力測定も行い、予想される電磁場分布が得られた。本論文ではこれらの結果について報告する。
森下 卓俊
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011013_1 - 011013_6, 2021/03
J-PARCリニアックでは加速器整列精度の維持のため、定期的に精密測量を実施し、必要に応じて再アライメントを実施している。近年は、直線上流部に局所的な沈下傾向が継続しており、直線性にしておよそ1.5mm程度の修正アライメントをおよそ3年おきに実施し、他の年度は各区間のスムージング(0.2mm程度)を実施している。トラッカー測量においては、精度を確保しつつ座標系を連結させるため、補助基準点を壁面に配置して短間隔でトラッカーを移動しながらの測定となり、精密測量作業と平均計算に時間を要する。そのため、水平横方向の直線性においても常時モニタリングまたは短期間での測定が可能であることが望ましい。本発表では、定期測量に基づいた修正アライメント結果とともに、トンネル直線性に関してワイヤーを用いた長基線水平方向のモニタリング手法を考案し、その試験結果を報告する。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011012_1 - 011012_6, 2021/03
J-PARCリニアックフロントエンドの大強度3MeV Hのバンチ幅を測定するためには、新たなバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。カーボンナノチューブワイヤーとグラフェンスティックは大強度ビームを測定するために十分な強度を持つ素材であるため、BSMの標的ワイヤーの良い候補である。しかしながらBSMではワイヤーに数kV以上の負極性高電圧を印加するために放電抑制が課題であった。ワイヤーからの放電による影響を調査するための高電圧試験の後、グラフェンスティックを用いてピーク電流55mAでビーム中心部における信号検出に初めて成功した。本講演ではバンチ幅測定のプレリミナリーな結果を報告する。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知
Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.251 - 253, 2020/09
大強度・低エミッタンスな陽子ビーム加速を実現するため、空間電荷効果の影響が大きい低エネルギー領域での縦方向分布モニター(バンチシェイプモニター: BSM)の運用試験を進めている。BSM内部でビームを受ける二次電子生成標的に熱負荷耐性の良い高配向性グラファイト(HOPG)を導入したことで、既存のタングステン製標的で問題となっていた標的破損による計測中断が無くなり、安定した計測が可能となった。しかしHOPGを導入したBSMで初めて測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションによる予想より広がっており、改善の余地がある。J-PARCリニアック棟テストスタンドのビームを利用して、BSMの応答特性を調査した。この試験ではBSMを構成する電子増倍管,偏向電磁石及びRFデフレクタの各パラメータの応答特性を調査・調整した。調整後に測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションの予想分布と一致した。
須江 祐貴*; 四塚 麻衣*; 二ツ川 健太*; 長谷川 和男; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 居波 賢二*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; 北村 遼; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 23(2), p.022804_1 - 022804_7, 2020/02
被引用回数:2 パーセンタイル:20.23(Physics, Nuclear)低エネルギー、低インテンシティーミューオンビームのビーム進行方向のバンチ幅を測定するための破壊的モニターを開発した。このバンチ幅モニター(BWM)は、1つずつのミューオンを高い分解能で測定するためにマイクロチャンネルプレートを用いている。それに加え、タイミングウオークを抑制するために、コンスタントフラクションディスクリミネータ回路を用いている。時間分解能は精密パルスレーザーを用いて65psと測定された。この分解能は、J-PARC E34実験で要求される性能を満たしている。我々は、このBWMを用いて、高周波四重極リニアックによって加速された負ミューオニウムイオンのバンチ幅を測定した。バンチ幅5411nsと測定することに成功した。
近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 伊藤 崇; 菊澤 信宏; 北村 遼; 森下 卓俊; 小栗 英知; 大越 清紀; 篠崎 信一; 神藤 勝啓; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012077_1 - 012077_7, 2019/12
被引用回数:2 パーセンタイル:69.74(Physics, Particles & Fields)J-PARC加速器の要素技術試験に必要な3MeV Hリニアックを高度化した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用した30mA RFQに代わり新たに製作した50mA RFQを設置した。したがって、このシステムはエネルギー3MeV、ビーム電流50mAとなる。このリニアックの本来の目的は、このRFQの試験であるが、J-PARC加速器の運転維持に必要な様々な機器の試験を行うことができる。加速器は既に試運転が終了しており、測定プログラムが開始されつつある。この論文では、この3MeV加速器の現状について報告する。