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小山 真一; 逢坂 正彦; 関根 隆; 両角 勝文; 滑川 卓志; 伊藤 正彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(2), p.998 - 1013, 2003/02
被引用回数:23 パーセンタイル:80.59(Nuclear Science & Technology)核燃料サイクル開発機構の「常陽」MK-II炉心において、0.03125.8GWd/tの範囲で照射された集合体に装荷された燃料ピンの同位体希釈分析による燃焼率測定を行った。運転用ドライバ-燃料及び照射試験集合体用燃料から、それぞれ75試料及び54試料分析した。得られた燃焼率の誤差は4%以内であった。このデ-タを炉心管理用核計算コ-ド「MAGI」及び「ESPRI-J」で計算される燃焼率デ-タと比較した結果,照射による核分裂生成物の蓄積と炉内の反射体による中性子エネルギ-の軟化に伴うと考えられる僅かな差が認められた。しかしながら燃焼率測定値と計算値の差は5%以内であり、良く一致していた。このことは、「常陽」MK-II炉心管理用コ-ドの信頼性が高いことを示している。
廣沢 孝志; 佐藤 勇; 両角 勝文; 滑川 卓志; 高井 俊秀; 中桐 俊男; 宮原 信哉
JNC TN9430 2001-002, 108 Pages, 2001/05
原子炉事故時に環境へ放出される核分裂生成物(FP)を中心とした放射性物質の種類と量(ソースターム)の評価を目的として、照射MOX燃料からのFP放出挙動試験を実施した結果を報告する。試験は2回実施しており、それぞれFP-1、FP-2と称す。試験時の加熱パターンはFP-1で室温200030分300030分、FP-2で室温150030分250030分であり、昇温速度はいずれも15K/sである。試料は燃焼度約65GWd/tの「常陽」照射MOX燃料(Pu濃度29wt%、初期O/M比1.99)から被覆管を除去したもの(重量約10g)を用いた。試験時及び試験後において、付帯する分析機器(ガス質量分析、ガスクロマトグラフ、線スペクトロメトリ)でFP放出挙動を観察した結果は以下のとおりである。(1)線スペクトロメトリでは主にCsの放出及びサンプリング部品への付着挙動を観察し、以下の結果を得た。・Csは昇温と同時に急激に放出された。生成過程が異なるCs-134とCs-137とでは放出の量が最も多くなる時刻がずれており、これらの核種における燃料内分布の差異によるものと考えられる。・Csサンプリング管に対する付着量はサンプリング管温度600以下で著しく、試験体から放出される量が小さい時又は試験体温度が低い時は450付近でピークを持つことがわかった。・Csの付着先は7割近くが焼結金属フィルタであり、これはFP-1とFP-2であまり変化が無かった。また、FP-1とFP-2においてサンプリング管と焼結金属フィルタに対する測定の計数率は同程度であった。・Rh(Ru)-106及びEu-154は本試験では燃料からほとんど放出しなかったことがわかった。(2)ガス分析では、主にKr、Xeの放出挙動を観察し、以下の結果を得た。・Krについては放出ガスのガス分析においてバースト的濃度上昇が観測された。その後遅れてXeの緩やかな濃度上昇が計測されたが、この時間遅れはヨウ素フィルタである銀ゼオライトの影響であった。・ペレット内からの全放出量はXeはFP-1試験で4.3610の-5乗mol/g、FP-2試験では4.6810の-5乗mol/gであった。また、Xeの放出ピークは摂氏1500度摂氏2000度付近にあると推定される。・本試験では、ペレット内に保持されたFPガス全量が放出したと推
逢坂 正彦; 小山 真一; 三頭 聡明; 両角 勝文; 滑川 卓志
JNC TN9400 2001-016, 54 Pages, 2000/08
高速炉における237Np核変換特性評価に資するため、高速実験炉「常陽」にて照射されたNpサンプルの高精度な化学分析技術を確立し、Npサンプル中の核種を定量することにより、237Npの炉内における中性子との反応数(以下、反応量とする)を評価した。(1)化学分析技術の確立キャプセル材バナジウムの除去及び高率Nd回収による核分裂反応量定量化技術を含めて、試験条件を最適化することにより、Npサンプルの化学分析技術を確立した。本技術を用いて「常陽」にて照射された計4試料のNpサンプル中核種を定量した。結果は以下のとおり。・237Npを2.2%以内の誤差で定量することができた。・核分裂反応量モニター核種148Ndの誤差を137Csモニターに比べて半分以下に低減した。・極微量生成核種である236Puを定量することができた。(2)237Np反応量の評価核種定量結果より捕獲反応量、核分裂反応量及び237Np(n,2n)236mNp反応量を評価し、反応量より237Npの高速炉内における核変換特性を評価した。評価結果は以下のとおり。・初期237Np原子数に対する捕獲反応量及び核分裂反応量の割合は、それぞれ6.125.5at%、0.73.6at%となった。・237Np(n,2n)236mNp反応量は、初期237Np原子数に対してその比率が最大で7.010のマイナス6乗であることが明らかとなった。・高速中性子割合に対して核分裂反応量/捕獲反応量比が同じ集合体間では比例関係を有すること等から、237Np反応量の中性子エネルギ-スペクトルに対する依存性が明らかとなった。
逢坂 正彦; 小山 真一; 三頭 聡明; 両角 勝文; 滑川 卓志
JNC TN9400 2000-058, 49 Pages, 2000/04
高速炉におけるMA核種の核変換特性の評価に資するため、照射済MOX燃料中のCm分析技術の開発及び高速実験炉「常陽」照射済MOX燃料中のCm同位体の分析を行った。迅速性・簡便性等を考慮した上で、照射済MOX燃料中のCmの同位体分析において必要なCm分離のための手法として硝酸-メタノール系陰イオン交換法を選択した。本手法の基本的な分離特性を把握する試験を実施し、Cmの溶出位置、Am,Eu等の元素との分離能等を把握した。本手法を照射済MOX燃料中のCm分析に適用するにあたり、分離特性の把握試験の結果より分離条件を評価し、溶出液取得条件を最適化して、それぞれ不純物の除去及びAmの除去を目的とした2回の分離によりCmを回収するプロセスを考案した。本プロセスを適用することにより、Cmの高回収率及びAm、Eu・Cs等の不純物の高除去率を同時に達成することができた。本手法を用いて照射済MOX燃料中からのCmの分離試験を実施し、分離したCmを質量分析することにより、照射済MOX燃料中のCm同位体組成比データの測定が可能であることを確認した。一連の試験により、硝酸-メタノール系陰イオン交換法によるCm分離手法を用いた照射済MOX燃料中のCm分析技術を確立した。本分析技術を用いて高速実験炉「常陽」照射済燃料中のCm同位体の分析を行った。その結果、高速炉内で燃焼度が約60GWd/t以上まで照射されたMOX燃料中のCmの含有率は約1.44.010のマイナス3乗atom%であり、さらに極微量の247Cmが生成することを確認した。また燃焼度が60120GWd/tの範囲ではCm同位体組成比はほぼ一定となることが分かった。
高田 実*; 大橋 弘士*; 諸住 高*; 小川 徹; 福田 幸朔
JAERI-M 90-113, 46 Pages, 1990/07
本研究は原研・大学プロジェクト共同研究の一環として行われたものである。本研究ではUO中にPd及びPd+Moを添加した試料を調製し、1800Cで高温加熱することによりPd析出物がどのように生長するかをEPMA及び金相学的に調べた。さらに、UO表面にPdを蒸着させ、1400Cで長時間加熱した後、Pdの拡散をEPMAで調べた。
村上 裕彦*; 小川 徹; 福田 幸朔; 大橋 弘士*; 高田 実*; 諸住 高*
JAERI-M 89-092, 12 Pages, 1989/07
SNAM法の原液調製技術を応用して添加物(Pd、Mo)入りのUOペレットを製造し、O/U比および密度を測定するとともに、顕微鏡組織観察、EPMAによる析出物の同定を行った。添加したPdおよびMoについては良好な分布状態が得られていることを確認した。EPMA分析の結果、PdとMoとを含む析出物の組成は一定ではなく、両者を同時に含んだ析出物、あるいは、それぞれ単独に近い析出物として存在していることが明らかになった。
JRR-2管理課; 神原 豊三; 荘田 勝彦; 平田 穣; 庄司 務; 小早川 透; 両角 実; 上林 有一郎; 蔀 肇; 小金澤 卓; et al.
JAERI 1027, 57 Pages, 1962/09
1961年3月に行われたJRR-2の第1次出力上昇試験全般にわたって記してある。まず第1章に出力上昇の問題となった第1次燃料について、燃料要素の仕様・検査及び問題点と安全性についての検討をした結果を述べてある。この検討に従い、万一燃料被覆破損が生じた場合、でき得る限り早期に発見し、処置を容易にするために破損燃料検出装置を追加設置した。この破損燃料検出装置の検出の方法,装置の内容について第2章に記してある。最後に第3章に実施した第1次出力上昇試験の経過について述べてある。
JRR-2臨界実験グループ; 神原 豊三; 荘田 勝彦; 平田 穣; 庄司 務; 小早川 透; 両角 実; 上林 有一郎; 蔀 肇; 小金澤 卓; et al.
JAERI 1025, 62 Pages, 1962/03
第2号研究用原子炉JRR-2は、20%濃縮ウランのMTR型燃料を用いた重水減速・冷却の熱中性子研究炉である。この炉の最大熱出力は10MW,平均熱中性子束密度は110n/cmsecである。この論文は昭和35年10月1日、臨界に到達し、翌36年1月末まで実施した各種の特性試験についての報告書である。内容はJRR-2の臨界試験,制御棒の校正,重水上部反射体効果,燃料要素の反応度効果,温度係数等の特性試験,熱中性子束分布の測定と出力の校正について述べてある。これらの実験は、JRR-2管理課並びに技術研究室より特別に編成されたJRR-2臨界実験グループによって実施されたものである。
山本 一也; 廣沢 孝志; 吉川 勝則; 両角 勝文; 野村 茂雄
ANS/ENS 1992 International Conference, ,
「常陽」,Phenix等で照射したMOX燃料の融点および熱伝導率を測定,評価した。融点については,その測定精度が10°Cまで改善された結果,燃焼初期からほぼ直線的に10GWd/t当り5.5°Cの割合で低下することが分った(従来は50GWd/tあるいは80GWd/tまでは実験誤差の範囲内で融点の低下は認められないと報告されていた)。またこの融点低下の原因は燃料中のFPの蓄積である可能性が高いことが分った。 一方,熱伝導率については,35GWd/tまでの燃焼度範囲では,実験誤差の範囲内にすべてのデ-タがあり,明らかな燃焼度効果は見出すことはできなかった。