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論文

Benchmark analyses on control rod worths of TRIGA reactor modeled in the ICSBEP handbook using continuous-energy Monte Carlo code MVP version 3

柳澤 宏司; 梅田 幹; 求 惟子; 村尾 裕之

Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 10 Pages, 2023/10

国際臨界安全ベンチマーク評価プロジェクト(ICSBEP)ハンドブックのIEU-COMP-THERM-013(ICT-013)のTRIGA原子炉について、MVPコード第3版を用いたベンチマーク解析をJENDL-5を含む日米欧の核データライブラリにより実施した。中性子実効増倍率(k$$_{eff}$$)に関する解析は、ICT-013と同様にICT-003で定義された別のTRIGA原子炉に対しても実施した。その結果、計算されたk$$_{eff}$$はライブラリによって0.8%の範囲で変わることが確認された。またICT-013では、計算されたk$$_{eff}$$に未知のバイアスが含まれていることが示唆された。ICT-013の制御棒価値に関する解析では、制御棒価値のライブラリ間の差異はk$$_{eff}$$の差異よりも小さくなることが確認された。制御棒価値は二種類のk$$_{eff}$$の逆数の差として得られるため、k$$_{eff}$$の誤差の多くは相殺されると考えられる。ICT-013で定義された制御棒価値のベンチマーク計算方法と代替計算方法の違いについて、これらの方法による水平方向の中性子束分布の違いの観点から検討することを試みた。その結果、遅発臨界状態で全引き抜き状態の2本のシム制御棒については、制御棒価値の違いを上記の試みにより良く理解することができたが、一方遅発臨界を達成するために部分挿入された調整用制御棒については、その違いが十分に説明できないことが分かった。

報告書

連続エネルギーモンテカルロコードMVPとJENDL-5によるTRIGA型原子炉体系の臨界ベンチマーク解析

柳澤 宏司; 梅田 幹; 求 惟子; 村尾 裕之

JAEA-Technology 2022-030, 80 Pages, 2023/02

JAEA-Technology-2022-030.pdf:2.57MB
JAEA-Technology-2022-030(errata).pdf:0.11MB

連続エネルギーモンテカルロコードMVPと評価済み核データライブラリJENDL-5によって、ウラン水素化ジルコニウム燃料棒を用いるTRIGA型原子炉体系の臨界ベンチマーク解析を行った。解析対象は、国際臨界安全ベンチマークプロジェクト(ICSBEP)のハンドブックに掲載されているIEU-COMP-THERM-003とIEU-COMP-THERM-013の二種類のデータであり、中性子実効増倍率、制御棒等の反応度価値について旧バーションのJENDLを使用した結果と比較した。その結果、JENDL-5による中性子実効増倍率はJENDL-4.0よりも0.4から0.6%大きく、制御棒等の反応度価値は、JENDL-5とJENDL-4.0との有意な差は無いことが分かった。これらの解析結果は今後予定しているNSRRの制御棒反応度価値等の解析において、計算精度の確認の参考になるものと考えられる。

論文

Evaluation of radiation effects on residents living around the NSRR under external hazards

求 惟子; 秋山 佳也; 村尾 裕之

Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 6(2), p.021115_1 - 021115_11, 2020/04

NSRR(Nuclear Safety Research Reactor)は、TRIGA-ACPR型(Annular Core Pulse Reactor: 円環炉心パルス炉; GA社製)の研究炉で、反応度事故時の原子炉燃料の安全性を研究するため、燃料照射実験を行っている。福島第一発電所の事故後の新規制基準において、研究炉は施設のリスクに応じた規制(グレーデッドアプローチ)が行われている。グレーデッドアプローチを適用するにあたってNSRR施設のリスクレベルを明らかにするため、外的事象によって受ける周辺の公衆の放射線影響について評価した。そのうち、地震及び地震に伴って発生する津波並びに竜巻によってNSRRの安全機能を喪失した場合の影響評価の結果について報告する。評価の結果、地震及びそれに伴って発生する津波並びに竜巻よってNSRRの安全機能を喪失した場合においても、周辺の公衆の実効線量が5mSv/eventを下回ることから、NSRR施設のリスクが小さいことを確認した。

論文

Evaluation of the radiation effects of residents living around the NSRI under the external hazards

求 惟子; 秋山 佳也; 村尾 裕之

Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 8 Pages, 2018/07

NSRR(Nuclear Safety Research Reactor)は、TRIGA-ACPR型(Annular Core Pulse Reactor:円環炉心パルス炉; GA社製)の研究炉で、反応度事故時の原子炉燃料の安全性を研究するため、燃料照射実験を行っている。福島第一発電所の事故後の新規制基準において、研究炉は施設のリスクに応じた規制(グレーデッドアプローチ)が行われている。グレーデッドアプローチを適用するにあたってNSRR施設のリスクレベルを明らかにするため、外的事象によって受ける周辺の公衆の放射線影響について評価した。そのうち、地震及び地震に伴って発生する津波並びに竜巻によってNSRRの安全機能を喪失した場合の影響評価の結果について報告する。評価の結果、地震及びそれに伴って発生する津波並びに竜巻よってNSRRの安全機能を喪失した場合においても、周辺の公衆の実効線量が5mSv/eventを下回ることから、NSRR施設のリスクが小さいことを確認した。

報告書

NSRR燃料棟燃料貯蔵庫の臨界解析; 地震及び津波発生時を想定

求 惟子; 村尾 裕之

JAEA-Technology 2017-007, 18 Pages, 2017/03

JAEA-Technology-2017-007.pdf:2.16MB

Nuclear Safety Research Reactor(NSRR)では、反応度事故時の原子炉燃料の安全性を研究するため、燃料照射実験を行っている。NSRR原子炉建家の附属建家である燃料棟の燃料貯蔵庫は、燃料照射実験で使用する未照射の試験燃料及び新品の原子炉運転用の燃料要素を貯蔵する。2011年に発生した東北地方太平洋沖地震を受け、NSRRの核燃料物質使用施設が設計要求を超える外的事象によって受ける影響を評価した。燃料貯蔵庫については、地震及び津波の重畳を考慮した臨界評価を実施し、地震及び津波の重畳を考慮しても燃料貯蔵庫の臨界安全性は確保されることを確認した。

口頭

NSRRの原子力人材育成への活用状況と今後の展開

小林 哲也; 求 惟子; 秋山 佳也; 吉田 颯馬; 安掛 寿紀; 會澤 和希

no journal, , 

原子炉安全性研究炉(NSRR)はきわめて安全性が高いことから、人材育成への活用として、学生に対して炉物理実習を行っている。国内の教育に供される試験研究炉は、新たな規制基準のもと、その多くが廃止措置となっている。そこで、次世代の原子力人材育成のため、NSRRの教育訓練への更なる活用を進めることとした。保安規定に基づく運転手引を改正することで、制御棒操作を伴う運転実習を2023年度より開始し、東大原子力専攻実習、ANEC実習、JAEA夏期休暇実習に参加した計22名の学生に対して、自ら制御棒を操作して原子炉の出力調整を行うなど、より実践的な実習の機会を提供した。また、NSRRの特徴であるパルス運転時に、学生が肉眼でチェレンコフ光を観察することで、即発臨界時の原子炉挙動について深い理解に繋げた。今後は、中高生・教員向けの実習やPA活動を進めていく。本報では、これらの活動状況と今後の展開について報告する。

口頭

NSRR施設における簡易的なPRAのための事故時放射線影響の評価

求 惟子; 玉置 等史; 与能本 泰介; 天谷 政樹

no journal, , 

本研究では、リスク重要度に応じた機器類の保全計画の策定に役立てるため、NSRR施設を対象として、簡易的な確率論的リスク評価(PRA)手法の整備を実施している。一般に事故シナリオの網羅的な分析のためにはFMEA(潜在的故障モード影響解析)を用いたボトムアップ分析及びMLD(マスターロジックダイアグラム)を用いたトップダウン分析が効果的とされていることを踏まえ、簡素化のためにNSRR施設の特徴や作業経験を考慮し、放射性物質の場所や施設運転状態等で定まる事故シナリオグループごとに個別検討用MLDを作成し、その結果を基にET(イベントツリー)を作成する方法を整備している。今回は、前回報告したETについて、過去に実施した事故評価、発生頻度の大まかな評価や保全活動の実績を基に、事故シナリオごとの放射線影響の保守的な評価を行った結果を報告する。

口頭

NSRR燃料貯蔵庫の臨界評価

村尾 裕之; 求 惟子

no journal, , 

NSRR(Nuclear Safety Research Reactor)では、反応度事故時の原子炉燃料の安全性を研究するため、燃料照射実験を行っている。東北地方太平洋沖地震の発生を受け、NSRRの核燃料物質使用施設が、設計要求を超える外的事象によって受ける影響について評価した。その一環として、実験で使用する未照射の試験燃料棒を貯蔵する燃料貯蔵庫に対して、地震及び津波の重畳を考慮した臨界評価を実施した。その結果、地震及び津波の重畳を考慮しても燃料貯蔵庫の臨界安全性は確保されることを確認した。

口頭

NSRRの事故時における放射線業務従事者の被ばく評価

求 惟子; 中塚 亨; 天谷 政樹; 与能本 泰介

no journal, , 

2020年4月から始まった原子力規制検査における監視領域のうち、「従業員に対する放射線安全」については、グレーデッドアプローチに基づく合理的な安全管理を行う上で、機器類の状態と事故時における放射線業務従事者への放射線影響の関係に基づき、機器類の安全上の重要性を定め、それに基づき検査の頻度や内容を定めることが重要である。しかしながら、従来、NSRRでは放射線業務従事者の事故時被ばく評価は行われていない。本研究では、これを背景とし、NSRRで想定される事故を網羅的に抽出し、放射線業務従事者への放射線影響を検討する。今回の報告では、本研究の第一段階として実施したカプセルシール部等破損事故時に照射カプセルから核分裂生成物が瞬時放出した場合の被ばく線量の評価結果について述べる。評価の結果、事故時における放射線業務従事者の被ばく線量は緊急作業時の線量限度を超えることはないことを確認した。

口頭

研究炉等の安全確保に係るグレーデッドアプローチ適用に向けた工学的手法整備の取組

中塚 亨; 津村 貴史; 求 惟子; 天谷 政樹; 与能本 泰介

no journal, , 

原子力機構では、原子力施設に対する規制や安全確保の方法へのグレーデッドアプローチの適用に関連し、まず、本概念の適用が非常に重要と考えられる研究炉等に対して、2021年1月に報告された原子力学会原子力アゴラ特別専門委員会等による「研究炉等へのグレーデッドアプローチ適用に係る課題と提言」に示される内容の検討に取り組んでいる。効果的な規則類の整備に活用可能な工学的手法の整備として、これまでに、自身が有する試験研究炉を例として、設計基準を超える事故時の公衆への放射線影響の評価方法や、規則類が総体として目指すべき安全確保の目的と水準の明確化等の検討を行うとともに、新たに、事故時の放射線作業従事者の被ばく影響や簡易的なリスク評価手法の検討に着手した。本報告では、上記の工学的手法検討の概要、及びこれらの手法を用いて研究炉等の保安活動等にグレーデッドアプローチを適用する方法の検討計画について報告する。

口頭

NSRR原子炉施設における新検査制度に対応した保全活動の将来像について

求 惟子; 天谷 政樹; 与能本 泰介

no journal, , 

新検査制度に係る規制要求への対応として、原子力機構では、本制度の円滑な導入のために従来の保全方法を活用した方法を整備するとともに、今後の高度化のための検討を開始している。本制度は、参考とした米国の原子炉監視プロセス(ROP)とは異なり、試験研究炉等も対象にしている。本研究は、NSRR原子炉施設を対象とし、より長期的にグレーデッドアプローチの視点から保全活動のあるべき姿の検討を行い、機構全体の取組に寄与することを狙いとする。ROPでは、安全の目標と機器類の保全状態の関係を客観的に評価できるように、定量指標やリスク情報を活用したことが特徴である。機構の原子力施設では、そのリスク特性から簡単化した手法でリスク情報を得ることが可能であることや、保全活動のうち安定運転のための活動の重要性が相対的に高いという特徴がある。本報では、これら特徴を踏まえ、NSRR原子炉施設における保全活動の高度化の方向性について検討した結果を発表する。

口頭

NSRR施設における簡易的なPRAのためのハザード分析

求 惟子; 玉置 等史; 与能本 泰介; 天谷 政樹

no journal, , 

本研究では、グレーデッドアプローチの視点での効果的な保全活動に資することを狙いとし、NSRR施設を対象に、保全活動の目標水準への影響を踏まえた機器類の重要度分類等を決定論的評価や工学的判断に基づき検討している。今回、このように策定された重要度分類の妥当性を確認するとともに、計画している簡易的なPRA(確率論的リスク評価)手法の整備に役立てるために、ボトムアップ及びトップダウンによるハザード分析を行った。ボトムアップ分析では、主に実験プロセスごとに構成機器の故障、その原因、影響等を抽出し、FMEA(潜在的故障モード影響解析)テーブルとしてまとめた。トップダウン分析では、マスターロジックダイアグラムを用いて、原子力災害を頂上事象とした場合に想定される放射性物質及び放射線の移行経路による異常事象の分類を行った。本報では、それらの結果を報告する。

口頭

NSRR施設の保全活動における機器類の重要度分類

求 惟子; 飛田 徹; 与能本 泰介; 天谷 政樹

no journal, , 

本研究は、NSRR施設を対象とし、グレーデッドアプローチの視点からの効果的な保全活動の実施を狙いとし、(1)保全活動の目的(通常運転及び事故時の公衆の防護、放射線業務従事者の防護、安定運転・財産保護等)に応じた目指すべき目標水準の明確化、(2)目標水準への影響度を踏まえた機器類の重要度分類、(3)重要度に応じた保守管理の方法等を検討している。本報では、前報で実施したNSRR原子炉施設の機器類に加え、NSRR使用施設の機器類も対象とし、原子力安全に係る目標水準について、法令等で要求される水準と規制側が期待する合理的に達成可能(ALARA)な水準の二つの安全水準に対する機器類の故障等による影響度から、保全重要度を分類した結果を報告する。

口頭

NSRR施設における簡易的なPRAのための事故シナリオ分析

求 惟子; 玉置 等史; 与能本 泰介; 天谷 政樹

no journal, , 

本研究は、効果的な保全活動のための機器類の重要度の分類等に資することを狙いとし、原子力機構の様々な施設に適用できる簡易的なPRA(確率論的リスク評価)手法の整備を目的としている。まず、NSRR施設を対象とし、放射線業務従事者の防護が相対的に重要という特徴を踏まえ、重要な事故シナリオを網羅的に抽出する方法を整備している。このため、FMEA(潜在的故障モード影響解析)手法を用いたボトムアップ分析により、構成機器の故障等の影響を検討するとともに、MLD(マスターロジックダイアグラム)を用いたトップダウン分析により、論理的に起こり得るすべての可能性を検討し、起因事象の抽出を行なっている。今回は、前回報告した基本MLDを基に、放射性物質の場所や施設運転状態等で定まる事故シナリオグループごとに起因事象を詳細に抽出するための個別MLDを作成し、その結果を基にET(イベントツリー)を作成した結果を報告する。

口頭

NSRRのカプセルシール部等破損事故時におけるFPの移行挙動

求 惟子; 中塚 亨; 天谷 政樹; 与能本 泰介

no journal, , 

グレーデッドアプローチに基づく合理的な安全管理を行うためには、安全の目的を明確にし、その達成を目指した管理を行う必要がある。NSRRでは、施設の特性と敷地外までの位置関係により公衆の安全が十分高い水準で確保されているため、敷地内の安全確保が安全管理の主たる目的となる。これらを踏まえ、本研究では、従来検討されていない放射線業務従事者の事故時の放射線影響を検討している。前回の報告では、カプセルシール部等破損事故時に、照射カプセル内の試験燃料中に生成されたFPが瞬時に原子炉建家1階に放出されると仮定し、FPの吸入摂取による内部被ばく線量及びガンマ線による外部被ばく影響を示した。今回は、より現実的な被ばく線量評価のために、FPガスが照射カプセルから原子炉建家1階に放出するまでの移行挙動について熱水力解析コードRELAP5を用いて解析した結果及びその結果を施設管理に活用する考え方について報告する。

口頭

NSRR制御棒校正表の妥当性の検証

安掛 寿紀; 求 惟子; 柳澤 宏司; 小林 哲也

no journal, , 

NSRRでは、定期事業者検査の反応度抑制効果確認検査(正ペリオド法、制御棒落下法)において、制御棒校正表を使用している。制御棒校正表は、「逆時間方程式により即発臨界未満でのステップ状の反応度投入量と正ペリオドの関係を計算した表」と「遅発臨界状態からステップ状の負の反応度を投入した場合の中性子束の減衰曲線から改良落下法により反応度量を計算した表」から構成される。NSRRは、パルス運転が主な運転方式であり、燃料の燃焼度が極めて低いため、1975年の初臨界以降炉心構成を変更していない。核特性データに大きな変化がないことから、最初の検査から継続してこの表を用いて反応度抑制効果を確認している。しかしながら、この制御棒校正表には、数値の出典や計算に使用したデータ等の記録が十分に示されていないため、その妥当性について改めて検証を行った。本報では、その結果を報告する。

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