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小島 邦洸; 原田 寛之; 地村 幹; 永山 晶大*; Saha, P. K.
Proceedings of 22nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.104 - 108, 2026/03
3GeVシンクロトロン(Rapid cycling synchrotron: RCS)では、僅かな割合のビーム損失でも深刻な装置の放射化をもたらし、ビーム出力を制限する。陽子シンクロトロンにおける主要なビーム損失原因の一つとして共鳴現象がある。ビームは進行方向に直行する平面で印可される収束力に応じた周期で振動している。ビームの振動と収束場の周期とが一定の条件(共鳴条件)を満たすとき、粒子の振幅は増大しビームパイプに衝突して損失する。ビームに印可する収束力を慎重に制御することで共鳴条件への抵触は回避できる。一方で、ビームの大強度化は粒子間クーロン斥力の影響を増大させ、共鳴条件に抵触しないビームの振動数の範囲を狭める。そこで本研究では、ビーム損失を引き起こす可能性がある線形和共鳴に着目し、その駆動力を打ち消す操作(補正)によるビームへの影響低減を試みた。線形和共鳴の補正に一般に用いられる歪み四極電磁石がRCSには備わっていないため、六極電磁石中にバンプ軌道を形成する特殊な手法による同共鳴の補正を行った。この補正手法の確立は、RCSのビーム損失を低減し運転の高度化に寄与する。
永山 晶大; 金正 倫計; 原田 寛之; 山田 逸平; 地村 幹; 小島 邦洸; 山本 風海; 下川 哲司*; 佐藤 篤*
Proceedings of 16th International Particle Accelerator Conference (IPAC25) (Internet), p.1025 - 1028, 2025/11
シンクロトロンからのビームの遅い取り出し手法は、原子核・素粒子物理学実験や放射線治療等の様々な分野にて活用されている。遅い取り出しの過程において、周回側から取り出しビームを分離する役割を持つセプタム電極でのビーム損失は、装置の放射化と損傷を誘発する。この問題を解決するため我々が開発を進めている非破壊型静電セプタムに対し、この装置の二次元電場分布を評価するための"ビーム分離試験装置"と名付けた電場測定装置を考案した。この装置は、非破壊型静電セプタム試作機、水平・垂直ワイヤスキャナ、駆動装置に固定された可動ステージに設置された電子銃から構成される。本装置は、電場中に電子ビームを入射し、ビーム軌道の曲げ角度を測定することで電場分布の計測を可能とする。本装置の開発にあたって、電場分布の測定精度の向上のために、電子ビームをより細く形成するための追加の光学系を設計した。加えて、粒子が物質に衝突する際のエネルギー損失を利用し、二次電子放出を低減するビームダンプを設計した。二次電子放出量の計算では、このビームダンプにより、チャンバー内への二次電子放出量を最大98%減少させることを確認した。
永山 晶大; 原田 寛之; 下川 哲司*; 佐藤 篤*; 山田 逸平; 地村 幹; 小島 邦洸; 山本 風海; 金正 倫計
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.526 - 530, 2023/11
本研究では、ビームの遅い取り出しのための非破壊型静電セプタムを開発している。従来型と異なり、この装置はビームと衝突しないようにビーム周辺に配置した多段電極で構成されており、発生させた電場によって非破壊でビームを分離する。本研究ではその電場分布を評価すべく、電子銃とビームモニタで構成された試験装置を開発した。その装置に試作電極を設置し、細い電子ビームで電場分布測定の実験を実施した。その測定結果は計算結果との良好な一致を示した。しかし、ビームの分離能力はまだ十分ではない。そこで、電場分布の改良に向けた電極形状や配置の最適化の検討を行った。本発表では、試験装置を用いた電場分布測定実験の結果や改良案を報告する。さらに、本開発の今後の展望についても述べる。
永山 晶大; 原田 寛之; 下川 哲司*; 山田 逸平; 地村 幹; 山本 風海; 金正 倫計
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.503 - 507, 2023/01
リング型粒子加速器であるシンクロトロン加速器ではリング内にビームを溜め込み、周回させながら加速したビームを徐々に供給する「遅い取り出し」技術で最先端の物理実験や放射線がん治療を実現している。従来の手法では、周回ビームと取り出しビームの間に電場分布を切り分ける電極を挿入する必要がある。現在の手法では、取り出し時に発生するビーム衝突が原理的に解決できず、機器の故障や出力制限の原因となっている。そこで、ビーム軌道上に挿入される電極を廃した新たな手法に基づく非破壊型静電セプタムを考案し、現在開発を進めている。従来型の静電セプタムと同等に粒子を周回ビームから蹴り出す為には、境界面で不連続のギャップを持つ階段関数のような分布の力を発生させるのが理想である。本発表では階段関数に近い分布のローレンツ力を真空中に発生させるための電極・電流路配置の最適化の計算方法や、発生させるローレンツ力によるビーム軌道の計算結果について報告する。また、現在進行中である本手法の原理実証に向けて開発した小型原理実証機についても紹介し、今後の展望についても議論する。
佐藤 大樹; 安部 晋一郎; 神田 浩樹*; 永山 啓一*; 福田 光宏*; 依田 哲彦*; Zhao, H.*; 松井 昇大郎*; 小林 信之*
no journal, ,
大阪大学核物理研究センター(RCNP)にて、宇宙線由来の中性子による半導体ソフトエラー評価に利用できる高エネルギー白色中性子場の大強度化を進めている。これまでに、放射線挙動解析コードPHITSを活用して、従来の10倍の強度(約10
A)を持つ392MeV陽子ビームに対応した中性子生成標的等を設計・導入した。本研究では、実施設で取得した測定データに基づき、PHITS計算の妥当性を検証する。PHITSの計算体系は、RCNP施設の図面をもとに構築した。放射線輸送計算には、PHITSのデフォルトであるINCL模型およびJENDL-5を用いた。測定では、高エネルギー中性子対応の減速型モニタWendi-2と有機シンチレータベースのDARWINを用いて、中性子とガンマ線の線量率を複数地点で取得した。その結果、PHITSの計算値は、半導体照射位置における中性子フルエンス率を適切に再現することを明らかにした。また、半導体照射実験時の測定機器設置を想定して配置した遮蔽体後方において、中性子およびガンマ線の線量率データとそれぞれ5%および15%以内で一致することを示した。
桜井 翔太*; 小田 僚平*; 新井 剛*; 永山 勝久*; 野村 和則; 佐野 雄一; 明珍 宗孝
no journal, ,
「高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究」において高速増殖炉再処理におけるMA回収技術として抽出クロマトグラフィ法が研究されている。しかし、MA分離時に発生する放射性分解ガス、腐食生成物由来のスラッジは吸着材の分離能の低下を招く可能性がある。そこで本研究では、粒径が異なるCMPO吸着材を充填したカラムにおける放射性ガス、溶解スラッジの移行挙動等を比較することにより、吸着材の基本構造がカラム内のガス・スラッジ滞留挙動に及ぼす影響について、吸着平衡特性、吸着速度、温度依存性等の観点から検討を加えて影響評価を行った。
永山 晶大; 原田 寛之; 下川 哲司*; 佐藤 篤*; 山田 逸平; 地村 幹; 小島 邦洸; 山本 風海; 金正 倫計
no journal, ,
従来型の静電セプタムは、陰極とビーム軌道上に配置したセプタム電極により形成した電場でビームを分離する装置である。したがって、セプタム電極とビームとの直接衝突が原理的に発生する。我々は、ビームが通過する領域の外側に多段電極が配置された構造を持ち、この多段電極の印加電圧を最適化することでビームの分離が可能な電場を形成する非破壊型静電セプタムを開発中である。本装置はビーム軌道上に物質を含まないためビームロスが発生しないという点で、従来型の静電セプタムの課題を克服できる。本装置の機能を計算により検証するため、J-PARCでのビームの遅い取り出し手法における粒子軌道を再現できるモデルを、既存の粒子軌道シミュレーションソフトウェア(SAD)を用いて構築した。加えて、非破壊型静電セプタムの電場計算結果を多重極展開し、シミュレーションに新たに導入した。シミュレーションでは、本装置の導入によってJ-PARCにおける遅い取り出のビーム強度を約1.3倍に増強可能であるという結果が得られた。本発表では、上述のシミュレーションの詳細について報告する。
永山 晶大; 原田 寛之; 下川 哲司*; 佐藤 篤*; 山田 逸平; 地村 幹; 小島 邦洸; 山本 風海; 金正 倫計
no journal, ,
従来型の静電セプタムは、陰極とビーム軌道上に配置したセプタム電極により形成した電場でビームを分離する装置である。したがって、セプタム電極とビームとの直接衝突が原理的に発生する。我々は、ビームが通過する領域の外側に多段電極が配置された構造を持ち、この多段電極の印加電圧を最適化することでビームの分離が可能な電場を形成する非破壊型静電セプタムを開発中である。本装置はビーム軌道上に物質を含まないためビームロスが発生しないという点で、従来型の静電セプタムの課題を克服できる。本装置の機能を計算により検証するため、J-PARCでのビームの遅い取り出し手法における粒子軌道を再現できるモデルを、既存の粒子軌道シミュレーションソフトウェア(SAD)を用いて構築した。加えて、非破壊型静電セプタムの電場計算結果を多重極展開し、シミュレーションに新たに導入した。シミュレーションでは、本装置の導入によってJ-PARCにおける遅い取り出のビーム強度を約1.3倍に増強可能であるという結果が得られた。本発表では、上述のシミュレーションの詳細について報告する。