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平田 芳信*; 中川 洋; 山内 宏樹; 金子 耕士; 萩原 雅人; 山口 秀幸*; 大元 智絵*; 勝野 那嘉子*; 今泉 鉄平*; 西津 貴久*
Food Hydrocolloids, 141, p.108728_1 - 108728_7, 2023/08
被引用回数:9 パーセンタイル:87.85(Chemistry, Applied)結晶化度は食品や材料の機械的性質に反映される。結晶化度は澱粉の構造ダイナミクスと関係しているはずである。本研究では、中性子準弾性散乱(QENS)を用いて、炊飯澱粉の老化に伴う分子ダイナミクスの変化を調べた。測定されたQENSの幅は老化に伴い狭くなった。また、弾性非干渉散乱構造因子(EISF)は増加し、老化現象に伴い分子ダイナミクスが空間的に抑制されることが示された。低移動度と高移動度をそれぞれ結晶相と非晶質相に対応させた2値分布の連続拡散モデルを用いてEISFを解析したところ、低移動度成分の割合が老化によって増加することが示された。
伊藤 正泰; 川又 一夫; 田山 義伸; 金澤 賢治; 米川 実; 中川 哲也; 近江 正男; 岩松 重美
JAEA-Technology 2011-022, 44 Pages, 2011/07
ホットラボ施設は、材料試験炉等で照射された試料の照射後試験を実施する施設である。JMTR(Japan Materials Testing Reactor)ホットラボでは、平成23年度のJMTR再稼働にあわせ、高燃焼度燃料の取扱いを計画している。本報告書は、JMTRホットラボにおいて高燃焼度燃料を取扱うホットセルのしゃへい評価及びしゃへい体の製作・据付けについてまとめたものである。
相沢 静男; 中川 哲也; 岩松 重美; 林 光二; 田山 義伸; 川又 一夫; 米川 実; 田口 剛俊; 金澤 賢治; 近江 正男
JAEA-Technology 2009-070, 27 Pages, 2010/03
原子力機構では重要な安全基盤研究施設の1つとして位置づけられた材料試験炉(JMTR: Japan Materials Testing Reactor)を安定して運転するための改修を進めている。経済産業省原子力安全・保安院からの受託事業「軽水炉燃材料詳細健全性調査」では、これと並行して照射試験装置を整備し軽水炉の燃料及び構造機器の健全性評価にかかわる基準等の整備に資するための照射試験を実施する計画である。同試験の遂行に必要となるホットラボ施設の整備として、平成20年度は、(1)セル中性子しゃへい強化にかかわる申請図書作成等、(2)キャプセル組立装置の詳細設計、(3)燃料照射試験のための国内輸送装置の安全解析、(4)燃料棒中心孔加工装置用ダイヤモンドドリルの刃の確証試験の4項目について検討及び試験を進めた。
柴田 晃; 川又 一夫; 田口 剛俊; 加治 芳行; 清水 道雄*; 金澤 賢治; 松井 義典; 岩松 重美; 相沢 静男; 田山 義伸; et al.
JAEA-Technology 2008-029, 40 Pages, 2008/03
照射誘起応力腐食割れ(IASCC: Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)は軽水炉の高経年化を考えるうえで最も重要な課題の一つである。IASCCの機構解明のためには、原子炉内でき裂進展試験や定荷重引張試験を行うことが必要とされているが、この試験を実現するためには、JMTRで所定の照射量まで照射をした試験片をホットセル内で遠隔操作により、IASCC試験用キャプセルに組込み、かつキャプセルの組立てを行うという技術的ハードルをクリアしなくてはならなかった。本報告書では照射済みの試験片を装荷したIASCC試験用キャプセルの組み立てのために必要不可欠な、遠隔操作による試験片装荷やキャプセル溶接等の組立技術の確立、すなわち、新たな遠隔操作型溶接装置の開発及び、TIG溶接による肉厚3mmの突き合せ溶接手法の開発について報告する。なお、開発されたこれらの技術を用いて合計8体のIASCC試験用キャプセルをセル内で組立て、JMTRにおいて照射下試験を実施されている。
熊田 博明; 山本 和喜; 松村 明*; 山本 哲哉*; 中川 義信*
Journal of Physics; Conference Series, 74, p.021010_1 - 021010_7, 2007/00
原子力機構では、JRR-4で実施されているホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の臨床研究に不可欠な線量評価システム、JCDSを開発している。JCDSは、中性子照射によって患者に付与される線量をモンテカルロ計算によって評価し、最適な照射条件を導出できる治療計画用ソフトウェアである。JCDSによる評価方法は、医療画像データを用いて患者の3次元モデルを作成し、輸送計算可能なボクセルモデルに変換して、中性子,光子輸送モンテカルロ計算コード,MCNPでの計算を実行し、患部及び周辺組織の線量分布を求めるシステムである。最新のシステムはボクセルのサイズを222mmまで微細化することにより、線量評価精度を向上させている。また最近のがん診断技術であるPETの画像を活用し、腫瘍領域を適切に評価対象領域として抽出して評価することが可能となった。さらに現在、計算コードをMCNPからPHITSに変更しており、これによりBNCTだけでなく、陽子線治療,重粒子線治療に対する線量評価も実施できるように高度化している。本学会において、JCDSによる評価手法とその評価性能と、最新の技術開発について報告を行う。
影治 照喜*; 溝渕 佳史*; 永廣 信治*; 中川 義信*; 熊田 博明
Proceedings of 12th International Congress on Neutron Capture Therapy (ICNCT-12), p.35 - 36, 2006/10
原子力機構のJRR-4を用いて実施した悪性脳腫瘍に対するBSHを用いた術中BNCTにおけるBNCT線量と病理組織異常発生の相関関係を解析した。BNCT後の悪性脳腫瘍の完全な沈静化のための線量は、JCDSの線量で腫瘍領域とターゲット領域の最低線量をそれぞれ65Gy-Eq, 45Gy-Eqであった。これまでの症例の金線による線量評価とJCDSの計算による線量値を比較し、これらの数値と治療効果の相関関係について報告する。
影治 照喜*; 溝渕 佳史*; 永廣 信治*; 中川 義信*; 熊田 博明
Proceedings of 12th International Congress on Neutron Capture Therapy (ICNCT-12), p.60 - 61, 2006/10
BNCT時の患者に付与される線量について、脳表面に配置した金線と原子力機構で開発した線量評価システム(JCDS)の計算結果とを比較し、BNCTの線量特性を解析した。金線での測定では患部の腫瘍の最低線量値,最大線量値を計測し、JCDS値と比較した。この結果から、JCDSはBNCTの線量を高精度で評価することができ、BNCTの治療計画に対して高い信頼性があることを確認した。
影治 照喜*; 溝渕 佳史*; 永廣 信治*; 中川 義信*; 熊田 博明
Proceedings of 12th International Congress on Neutron Capture Therapy (ICNCT-12), p.62 - 63, 2006/10
原子力機構で開発したBNCT用線量評価システム(JCDS)を用いて、JRR-4でこれまで実施したBSHを用いた術中BNCTの線量と現在実施しているBSHとBPAを併用した非術中BNCTの線量を比較し、それぞれのBNCTの線量特性を解析した。この解析によってBSHでの術中BNCTでの線量はBSHとBSHを併用する非術中BNCTの線量に対して、1.4から2.1倍であることが明らかとなった。それぞれの線量特性と、その臨床結果について報告する。
高田 幸生*; 中川 貴*; 徳永 仁寿*; 福田 泰成*; 田中 貴佳*; 山本 孝夫*; 橘 武司*; 川野 眞治*; 石井 慶信; 井川 直樹
Journal of Applied Physics, 100(4), p.043904_1 - 043904_7, 2006/08
被引用回数:73 パーセンタイル:89.35(Physics, Applied)CoZ型六方晶フェライト(Ba, Sr)CoFeOの高温中性子粉末回折を行い、回折パターンのRietveld解析から結晶構造及び磁気構造の温度依存性を調べた。BaCoFeO及びBaSrCoFeOでは、磁気モーメントが523-573Kにおいてc面方向からc軸方向へと変化することがわかった。また、SrCoFeOではその磁化容易方向の変化温度が50K低下することを見いだした。
熊田 博明; 山本 和喜; 松村 明*; 中川 義信*
放射線, 31(4), p.287 - 297, 2005/10
原研JRR-4で実施されているホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に対し、患者に付与される線量を数値シミュレーションによって評価するBNCT線量評価システム、JCDSを開発した。JCDSは、患者の医療画像データをもとに頭部3次元モデルを作成し、このモデルを5mmボクセルと10mmボクセルに分割したマルチボクセルモデルに変換し、中性子,光子輸送モンテカルロコード,MCNPを使って線量分布計算を実行するシステムである。円筒水ファントム実験をJCDSで模擬し、実験値とJCDSの計算値との比較による検証を行った結果から、BNCTの線量評価に対しJCDSが十分な評価性能を有していることを確認した。JCDSの実用化によって、JRR-4において熱外中性子ビームによるBNCTが平成15年度から開始された。本報告は、BNCTの線量評価に要求される基本事項をまとめるとともに、JCDSによる線量評価手法と検証結果について報告するものである。
高田 幸生*; 中川 貴*; 福田 泰成*; 徳永 仁寿*; 山本 孝夫*; 橘 武司*; 川野 眞治*; 井川 直樹; 石井 慶信
Japanese Journal of Applied Physics, 44(5A), p.3151 - 3156, 2005/05
被引用回数:4 パーセンタイル:17.70(Physics, Applied)CoZ型六方晶フェライト、BaCoFeOの透磁率の温度変化を測定した結果、540Kと680Kに磁気低下が観察された。原研・JRR-3に設置した高分解能中性子粉末回折装置(HRPD)を用いた高温中性子回折実験を行い、さらにRietveld解析した結果、523573Kで磁気構造が変化し、磁気容易方向がc面方向からc軸方向へ変化していることがわかった。この変化はコバルトの磁気構造に対する寄与の消失によるものであることを明らかにした。
熊田 博明; 山本 和喜; 村山 洋二; 松村 明*; 中川 義信*
モンテカルロ計算法高度化の現状; 第3回モンテカルロシミュレーション研究会報文集, p.185 - 194, 2004/12
原研の研究用原子炉であるJRR-4の医療照射設備を利用してホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の臨床研究が行われている。原研では、BNCTによる中性子ビーム照射によって患者に付与される吸収線量を数値シミュレーションによって正確に評価することのできるBNCT線量評価システム(JCDS)を開発した。JCDSは、ファントム実験値,JRR-4で実施されたBNCTの臨床データ等との比較検証を経て公開コードとして2002年に公開し、実際のBNCTの臨床研究に2003年から適用されている。現在JCDSは、より高精度な線量計算を効率的に実行するため、MCNP5のメッシュタリーへの対応,PCクラスタと組合せた高速計算環境の構築等のさらなる高度化を進めている。
影治 照喜*; 永廣 信治*; 溝渕 佳史*; 戸井 宏行*; 中川 義信*; 熊田 博明
Applied Radiation and Isotopes, 61(5), p.1063 - 1067, 2004/11
被引用回数:9 パーセンタイル:52.01(Chemistry, Inorganic & Nuclear)本研究は、悪性グリオーマに対する熱外-熱混合中性子ビームによるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)実施後の急性もしくは晩発的な放射線障害について明確にすることを目的としている。1998年から2004年までの間に熱外-熱混合中性子ビームによるBNCTを18症例実施した。この18症例に対して3つの照射線量コントロール(プロトコルA,B,C)を適用して照射を行った。これらの評価結果からわれわれは、遅発的放射線障害を避けるためには血管線量で12Gyを超えないこと、言語野に存在する腫瘍に対しては10Gy以下とすることを結論とする。
熊田 博明; 山本 和喜; 山本 哲哉*; 中井 啓*; 中川 義信*; 影治 照喜*; 松村 明*
Applied Radiation and Isotopes, 61(5), p.1045 - 1050, 2004/11
被引用回数:13 パーセンタイル:63.33(Chemistry, Inorganic & Nuclear)JRR-4で実施されているBNCTにおいて、各患者に付与される吸収線量を評価するために、原研ではJCDSを開発した。従来のJCDSでの線量計算方法は、頭部モデルを101010mmメッシュに分割したモデル(ボクセルモデル)を作成して計算を実行する。このJCDSの線量計算精度を向上させるために、頭部モデルを5, 10, 20mmの数種類のボクセルを組合せたボクセルモデルを作成して計算を実行できるマルチボクセル手法を開発した。この計算精度を検証するため、ファントム実験値等との比較を行った。この検証結果によって、JCDSのマルチボクセル手法によって効率的に線量計算精度を向上させることができることを確認した。
高松 邦吉; 中川 繁昭; 坂場 成昭; 高田 英治*; 栃尾 大輔; 島川 聡司; 野尻 直喜; 後藤 実; 柴田 大受; 植田 祥平; et al.
JAERI-Tech 2004-063, 61 Pages, 2004/10
高温工学試験研究炉(High Temperature engineering Test Reactor: HTTR)は原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度(定格運転850C/高温試験運転950C)の黒鉛減速ヘリウムガス冷却型の高温ガス炉である。HTTRでは高温試験運転として単独運転を2004年3月31日に開始し、4月19日に最大熱出力30MWの状態で1次冷却材原子炉出口温度950Cを達成した後、4月23日に使用前検査として冷却材飽和値確認検査を受検した。その後、徐々に出力を降下し、5月1日に原子炉を停止した。単独運転終了後、2次側の除熱性能の改善等を目的として炉容器冷却系熱交換器の洗浄等の作業を経て、並列運転を6月2日に開始し、6月24日に使用前検査として冷却材飽和値確認検査,放射性物質濃度の測定検査等を受検した。これにより、高温試験運転にかかわる原子炉の性能試験はすべて終了し、使用前検査合格証を受領した。高温ガス炉による原子炉出口冷却材温度950Cの達成は、今回HTTRが世界で初めて成功したものである。これにより、高温ガスタービンによる高効率発電が可能となるとともに、水を原料とした水素製造に十分な温度を達成したこととなり、原子力の非発電分野での利用の可能性が広がったことになる。本報は、高温試験運転の方法及び結果の概要を示したものである。
熊田 博明; 山本 和喜; 鳥居 義也; 松村 明*; 中川 義信*
Japanese Journal of Medical Physics, Vol.23, Supplement 3, p.292 - 295, 2003/09
現在原研では、JRR-4で実施されているホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に対して、より精度の高い線量評価を行うため、患者頭部内の照射線量を計算によって評価するBNCT線量評価システム(JCDS)の開発を行っている。JCDSは患者の医療画像データをもとに患者頭部の3次元モデルを作成し、モンテカルロコード:MCNP-4Cによって線量計算を行うものである。このJCDSの計算精度とBNCTへの適用性を明らかにするため、円筒水ファントム実験値との比較、これまで熱中性子ビームを使って行われたBNCTから得られた実測データとの比較により検証を行った。ファントム実験値に対しては表面を除く領域で5%以下の制度であることを確認した。実際のBNCTの実測データとの比較では、熱中性子束の最大値に対して標準偏差で8%以下であった。これらの評価結果と今後の開発について報告を行う。
中川 義信*; Pooh, K. H.*; 古林 徹*; 影治 照喜*; 宇山 慎一*; 松村 明*; 熊田 博明
Journal of Neuro-Oncology, 62(1), p.87 - 99, 2003/04
被引用回数:126 パーセンタイル:83.31(Oncology)ホウ素中性子捕捉療法は、選択的に悪性腫瘍に集まったホウ素と中性子との反応を使って悪性腫瘍のみを破壊する治療法である。1968年から183例の脳腫瘍の患者に対してBNCTを実施され、1978年から1997年にかけて日本で実施された105例の患者に対して事後評価を行った。新しいプロトコルでは、腫瘍細胞に対して最小線量を15Gy(物理線量)照射、もしくはターゲット領域に対して18Gy照射を行った。また最大血管線量は15Gy以下とし、線量は10Gy以下とした。このプロトコルに基づいて熱-熱外中性子ビーム混合ビームを使って治療した10例の結果について報告する。
坂場 成昭; 中川 繁昭; 高田 英治*; 野尻 直喜; 島川 聡司; 植田 祥平; 沢 和弘; 藤本 望; 中澤 利雄; 足利谷 好信; et al.
JAERI-Tech 2003-043, 59 Pages, 2003/03
HTTRは、原子炉出口冷却材温度950の達成を目指した高温試験運転による出力上昇試験を平成15年度に計画している。高温試験運転の実施にあたっては、被覆粒子燃料を使用し、ヘリウムガス冷却を行う我が国初の高温ガス炉であることを念頭に、これまで実施してきた出力上昇試験(定格運転30MW及び原子炉出口冷却材温度850までの試験)での知見をもとに計画する。高温試験運転においては、温度の上昇に従ってより厳しくなる、原子炉の核熱設計,放射線遮へい設計及びプラント設計が適切であることを確認しながら実施する。本報では、HTTRの安全性確保に重要な燃料,制御棒及び中間熱交換器について、定格運転モードでの運転データに基づき、高温試験運転時の安全性の再確認を行った結果を示すとともに、これまでに摘出された課題とその対策を示した。加えて、高温試験運転における試験項目摘出の考え方を示し、実施する試験項目を具体化した。その結果、原子炉施設の安全を確保しつつ、原子炉熱出力30MW,原子炉出口冷却材温度950の達成の見通しを得た。
熊田 博明; 山本 和喜; 鳥居 義也; 松村 明*; 山本 哲哉*; 能勢 忠男*; 中川 義信*; 影治 照喜*; 内山 順三
JAERI-Tech 2003-002, 49 Pages, 2003/03
JRR-4に整備した中性子ビーム設備によって、熱外中性子ビームを用いたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を実施することが可能となった。熱外中性子ビームBNCTの実施に必要な治療計画を作成するためには、患者への吸収線量を事前に評価することが不可欠である。患者頭部内の線量分布を数値シミュレーションによって評価し、治療計画作成を支援するBNCT線量評価システム(JCDS)の開発を行った。JCDSは、医療画像であるCT,MRIデータをもとに患者の頭部モデルを作成し、頭部内の中性子及び線の線束分布をモンテカルロ・コードMCNPで計算するための入力データを自動作成して線量計算を行い、この計算結果を医療画像上に表示させることのできるソフトウェアである。JCDSの特徴として、(1)CTデータとMRIデータの両方を取り扱うことにより、患者の正確な頭部モデルを簡便に作成する機能,(2)日本で実施されている開頭手術を伴ったBNCTに対応し、頭部モデルの形状を編集する機能,(3)計算によって導かれた照射位置に患者を正確にセッティングするための情報を出力する機能などを有している。本報告は、JCDSの基本設計と各処理機能、及びJCDSの計算性能を検証した結果について記述したものである。
熊田 博明; 松村 明*; 中川 義信*; 山本 哲哉*; 山本 和喜; 鳥居 義也
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.529 - 534, 2002/09
現在原研では、より正確な線量評価をともなったホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の実施を支援するため、患者頭部内の照射線量を計算によって評価するBNCT線量評価システム(JCDS)の開発を行っている。JCDSは患者の医療画像データを基に患者頭部の3次元モデルを作成し、モンテカルロコード:MCNP-4Cによって線量計算を行うものである。また、JCDSは照射線量を計算するだけでなく、患者を照射位置に正確かつ迅速にセッティングを行う「患者セッティングシステム」と連携し、患者の照射位置へのセッティングを支援する機能も有している。線量評価システムは初期バージョンが完成し、現在システムの検証を行っている。このJCDSの計算性能とBNCTへの適用性,有用性について報告を行う。