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岡村 知拓*; 西原 健司; 方野 量太; 大泉 昭人; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*
JAEA-Data/Code 2021-016, 43 Pages, 2022/03
今後の核燃料サイクルの確立・高度化には、将来の原子力発電シナリオに応じて発生する多様なマスバランスを定量的に予測・分析することが求められる。しかし、核燃料サイクルはフロントエンドからバックエンドまでの多様な工程によって構成されており、モデル化の複雑さ、想定されるシナリオの多様さなどからシナリオの分析は容易ではない。そこで日本原子力研究開発機構と東京工業大学は、天然ウランの採掘から地層処分の核種移行工程までのマスバランスを統合的に解析するためのツールとしてNMBコードを開発した。NMBコードは、汎用性のある各工程の記述、広範なデータベース、高速な核種変換計算などを備え、ユーザーが指定する発電量や再処理容量などの条件に基づいて、各工程におけるマスバランスを定量化することができる。またNMBコードは多様なステークホルダーが利用できるように実行プラットフォームをMicrosoft Excel(R)としている。本ユーザーマニュアルでは、NMB4.0版のデータベースならびにシナリオ入力を作成する方法を述べる。
岡村 知拓*; 方野 量太; 大泉 昭人; 西原 健司; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 10 Pages, 2022/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)動的な核燃料サイクルシミュレーションの燃焼計算への適用を目的に、行列指数法を修正してOkamura explicit method (OEM)を開発した。OEMは、長いタイムステップであっても、短半減期核種の計算の発散を抑制することが可能である。OEMの計算コストはオイラー法と同等で小さく、燃料サイクルシミュレーションに十分な精度を保つことができる。
三成 映理子*; 樺沢 さつき; 三原 守弘; 牧野 仁史; 朝野 英一*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 11 Pages, 2022/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)As a series of studies to evaluate impact of mixed-oxide (MOX) fuel in light-water reactors (LWRs), post-closure long-term safety for various vitrified high-level radioactive waste (HLW) arising from the different fuel cycle intends to recycle Pu are examined. In this study, four fuel cycle scenarios with different ratio of spent MOX generated and two reprocessing options for each fuel cycle scenario are considered. One reprocessing option considers disposal of vitrified HLW generated separately from the reprocessing of spent UO fuel and MOX fuel (separated HLW), and the other is blended vitrified UO
-MOX HLW (blended HLW) generated during reprocessing whereby MOX spent fuel is diluted by UO
spent fuel. First, the radionuclide inventories of those vitrified HLWs are discussed. Next, radionuclide migration analyses for geological disposal of those vitrified HLWs are evaluated. It has revealed that the disposal of blended HLW will not have an adverse effect on the long-term radiological impact compared to separated HLW. Results of this study can be used as a basis for considering the blending option as a viable alternative approach in the future for managing MOX fuel used in light-water reactors.
佐々木 祐二; 金子 政志; 伴 康俊; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Separation Science and Technology, 57(16), p.2543 - 2553, 2022/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)TALSPEAK法を参考に、DGA抽出剤を用いてマスキング剤にDTPAとその類縁体であるDTBAを用いてLnとAnの相互分離を検討した。この系では、pH緩衝液に乳酸(LA)と、pH調整にエチレンジアミン(ED)を用いた。実験により、TODGA-DTPA-LA-NaOH, TODGA-DTPA-LA-ED, TODGA-DTBA-LAで同じ分配比や分離比を示した。多段抽出によるLn, Anの相互分離により、DGA-DTPA-LA-EDで水相へLnの平均回収率は3.73%でAmは98.1%、DGA-DTPA-LA-NaOH系で3.1(Ln) and 97.0(Am)%、DGA-DTBA-LA系で1.61(Ln) and 98.7(Am)%であった。
佐々木 祐二; 金子 政志; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Solvent Extraction and Ion Exchange, 40(6), p.620 - 640, 2022/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)イオン半径の酷似する3価Ln, An分離は今でも挑戦的な研究である。ここでは、TODGAとDTBA(ジエチレントリアミントリ酢酸ジアミド)を使っての相互分離を検討した。過去の結果から我々はより安定な分離条件設定と高い分離性能を得ることを目的とした。希硝酸、DTBA濃度とpH緩衝液の乳酸を使ってpH条件を安定化した。その結果、有機相には97.1% Ndと1.59% Amを、及び水相には98.4% Amと2.95%のNdを分離回収できることを確認した。
岡村 知拓*; 方野 量太; 大泉 昭人; 西原 健司; 中瀬 正彦*; 朝野 英一*; 竹下 健二*
EPJ Nuclear Sciences & Technologies (Internet), 7, p.19_1 - 19_13, 2021/11
東京工業大学と日本原子力研究開発機構の共同研究開発により、Nuclear Material Balance code version 4.0 (NMB4.0)が開発された。従来の核燃料サイクルシミュレーションコードは、主にアクチノイドの解析を行い、フロントエンドのマスバランス解析に特化していた。しかし、近年、研究開発戦略や持続的な原子力利用を考える上で、バックエンドの定量的なシミュレーションのニーズが高まっている。そこで、フロントエンドからバックエンドまでを統合した核燃料サイクルシミュレーションを実現するために、NMB4.0が開発された。NMB4.0には3つの技術的特徴がある。(1)179核種を核燃料サイクル全体で追跡していること、(2)半減期の短い核種の枯渇計算の精度を維持しつつ、数値計算コストの削減に貢献するOkamura explicit method (OEM)を実装していること、(3)バックエンドシミュレーションの柔軟性を実現していることである。本論文の目的は、統合的な核燃料サイクルシミュレーションのために新たに開発された機能を示し、他のコードとのベンチマークを行い、NMB4.0の計算性能を示すことである。
金子 政志; 佐々木 祐二; 和田 恵梨子*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Chemistry Letters, 50(10), p.1765 - 1769, 2021/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)密度汎関数計算を用いて、マイナーアクチノイドとランタノイドの新規分離試薬の分子設計に向けて水溶液中におけるEu及びAm
錯体の安定度定数を予想した。実験値の安定度定数の対数と計算した錯生成エンタルピーは、一次の決定係数R
0.98で相関した。さらに、新規キレート配位子の安定度定数の予測を試み、ジエチレントリアミン五酢酸キレート配位子の誘導体が、酸性条件での使用やAm
分離性能の観点から有用であることが示唆された。
金子 政志; 佐々木 祐二; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(5), p.515 - 526, 2021/05
被引用回数:2 パーセンタイル:31.22(Nuclear Science & Technology)マイナーアクチノイドの分離変換技術開発で重要であるAmとEu
の金属イオン選択性を理解することを目的として、密度汎関数計算をジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びそのビスアミド(DTPABA)キレート配位子との金属錯体の分子構造及び錯生成反応のモデル化に適用した。構造最適化計算により得られたDTPA及びDTPABAの錯体構造は、既に報告されている単結晶構造を再現した。錯生成反応におけるギブズエネルギー解析の結果、どちらのキレート配位子ともEu
イオンよりAm
イオンと安定な錯体を生成することが示され、実験結果のAm
/Eu
選択性と一致した。金属イオンと配位子との化学結合解析の結果、Am
の5f軌道とDTPA及びDTPABAの窒素ドナー原子との強い共有結合が、高いAm
選択性が発現した一因であることが示唆された。
福田 達弥*; 高橋 亮*; 原 卓飛*; 尾原 幸治*; 加藤 和男*; 松村 大樹; 稲葉 優介*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(4), p.399 - 404, 2021/04
被引用回数:4 パーセンタイル:44.39(Nuclear Science & Technology)As a result of the Fukushima nuclear power plant accident in March 2011, massive amounts of soil were contaminated with radioactive Cs. To remediate the contaminated soil, we are developing a desorption technique for removing Cs from soil using subcritical water. We found that rapid ion exchange of Cs with multivalent cations in subcritical water is an effective desorption technique. To understand the mechanism and structural aspects of this process, in situ observations of the soil layer in subcritical water were carried out by high-energy X-ray diffraction together with pair distribution function analysis, and extended X-ray absorption fine structure analysis. Both the desorption experiments and structural studies indicated that conformational changes of the layer containing Cs under subcritical water conditions promoted intercalation of the hydrated Mg and trapped Cs
, which facilitated a rapid ion-exchange reaction of Mg
and Cs
.
岡村 知拓*; 大泉 昭人; 西原 健司; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
JAEA-Data/Code 2020-023, 32 Pages, 2021/03
核燃料サイクルで発生する放射性廃棄物のマスバランスを評価するためには、原子炉運転に始まり、再処理,ガラス固化,中間貯蔵,地層処分まで含めた、分野横断的な解析が求められる。日本原子力研究開発機構では核燃料サイクルのマスバランス解析を可能とする、Nuclear Material Balanceコード(NMBコード)を開発している。しかし、従来のNMBコードの解析対象は26核種のアクチノイドに対して核分裂生成物(FP)が2核種のみであり、アクチノイドのマスバランス解析に特化している。よって、バックエンドのマスバランス解析を精度良く行うために、NMBコードの計算で扱われるFP数を拡充する必要がある。本研究ではNMBコードにおいて解析対象とすべき主要なFPが選定され、NMBコードに実装するべきFPのリストが作成された。軽水炉ウラン燃料,軽水炉MOX燃料,高速炉MOX燃料の2炉型、3燃料の条件でORGIENを用いた燃焼・崩壊計算を行い、質量,発熱量,放射能量,被ばく線量,固化体阻害因子の5つの評価指標においてFPが選定された。また、ORIGENと同等の計算精度を有する簡易的な燃焼チェーンをNMBコード内で構成するために必要なFPが選定された。その結果、核種数が異なる2つのリスト(詳細リストと簡易リスト)が作成された。
岡村 知拓*; 大泉 昭人; 西原 健司; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Bulletin of the Laboratory for Advanced Nuclear Energy, 5, P. 31, 2021/02
東京工業大学竹下研究室では日本原子力研究開発機構(JAEA)と共同で、Nuclear Material Balance code (NMBコード)の開発に着手した。本レポートは2019年に実施した共同研究の成果をまとめたものである。
松宮 正彦*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二; 小野 遼真*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 327(1), p.597 - 607, 2021/01
被引用回数:2 パーセンタイル:31.22(Chemistry, Analytical)軽,重希土類元素とAmの3分割法を達成するため、有機酸からTODGAを使ったバッチ式多段抽出法が検討された。マロン酸は水への溶解度が高く、水相の主成分として利用された。マロン酸からNd/Am分離比と、マロン酸+硝酸からLa/Am分離比はいずれも30程度であり、これらの水溶液を用いた。La+Ceは1Mマロン酸+0.05M硝酸、Amは3Mマロン酸、中,重希土類元素は0.1M TEDGAの水溶液で分離した。これにより、95%以上のAmを回収でき、希土類元素の共存量は16%以下であることを確認した。
佐々木 祐二; 中瀬 正彦*
ペトロテック, 43(11), p.782 - 787, 2020/11
優れた中心骨格を持つDGAの改良であるMIDOA(メチルイミノジアセトアミド)やTDGA(チオジグリコールアミド)を用いて、貴金属抽出についての結果をまとめた。これら抽出剤は全元素の中でもHSAB則に従い貴金属やオキシアニオン抽出に有効であることが分かった。また、高い金属濃度でも抽出できることを確認した。金属の錯体研究は抽出剤の性能や役割についての情報を提供し、今後の新抽出剤開発研究に役立つ。
佐々木 祐二; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Chemistry Letters, 49(10), p.1216 - 1219, 2020/10
被引用回数:8 パーセンタイル:50.67(Chemistry, Multidisciplinary)TODGAを使って、有機酸からドデカンへの希土類元素抽出を行った。乳酸,マロン酸,酒石酸,クエン酸の4つの有機酸を用いた。これら有機酸は水相で希土類元素を安定化するが、1以上の分配比が得られた。希土類元素パターンはHoとErで最も高い値を示し、分配比を増大させるには硝酸を添加することが効果的であることが分かった。
佐々木 祐二; 森田 圭介; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*
Radiochimica Acta, 108(9), p.689 - 699, 2020/09
被引用回数:9 パーセンタイル:83.55(Chemistry, Inorganic & Nuclear)AmとCmをNdとSmから分離する技術は原子力分野で重要である。すべてのランタノイド(Ln)と3価のアクチノイド(An)イオンはDGA化合物で抽出される。加えて、TODGAと水溶性のDTPAを組み合わせると比較的高いLn/An分離比を得ることができる。ここでは、DTPAを改良したDTPA-BAを用いてLn/An分離を試み、比較的高い分離比(8)を得ることができた。次に多段抽出を行い、その結果94.7%のNdと4.7%のAm+Cmを有機相に、5.3%のNdと95.3%のAm+Cmを水相に回収することができた。
筒井 菜緒; 伴 康俊; 鈴木 英哉*; 中瀬 正彦*; 伊藤 紗弓*; 稲葉 優介*; 松村 達郎; 竹下 健二*
Analytical Sciences, 36(2), p.241 - 246, 2020/02
被引用回数:14 パーセンタイル:74.35(Chemistry, Analytical)ランタノイドからのアクチノイドの効果的な分離について調べるため、新規抽出剤テトラドデシル-1,10-フェナントロリン-2,9-ジアミド(TDdPTDA)と3-ニトロベンゾトリフルオリド(F-3),ニトロベンゼン, -ドデカンなど様々な希釈剤並びにAm, Cm及びLnを用いて単段のバッチ試験を行った。抽出速度は実際の抽出フローシートを実行するにあたり十分な速さであった。分配比対TDdPTDA濃度及び分配比対硝酸濃度のグラフの傾きは、F-3系及びニトロベンゼン系では似ていたが、
-ドデカン系とは異なっていた。これらの違いは希釈剤の特徴によるものである。この研究ではTDdPTDAが高い
及び
を示し、AmのLnに対する分離係数(
)は分離するのに十分な値であることを明らかにした。
三島 理愛; 稲葉 優介*; 立岡 壮太郎*; 針貝 美樹*; 渡邊 真太*; 尾上 順*; 中瀬 正彦*; 松村 達郎; 竹下 健二*
Chemistry Letters, 49(1), p.83 - 86, 2020/01
被引用回数:2 パーセンタイル:13.53(Chemistry, Multidisciplinary)使用済燃料の再処理で生じる高レベル放射性廃液を最終処分するにあたり質の良いガラス固化体に成型するためには、白金族元素(PGM)を分離することが重要である。新たな収着材としてフェロシアン化アルミニウム(AlHCF)を合成し、濃硝酸中におけるPGM収着挙動を調べた。その結果、硝酸によりAlHCFが顕著な溶出をすることがわかった。同様にPGMであるRhの単成分溶液においてもAlHCFが溶出しRh収着が確認されなかった。しかしPd単成分溶液においてはPd収着が確認でき、AlHCFは大きく溶出せず構造が安定化した。そこでPdとRhが共在する二成分系溶液での収着試験を行ったところPd収着によりAlHCFの構造が保たれRhは収着された。また、Pd収着量とAlとFeの溶出量について、AlとFeの溶出比はAlHCF中の元素比と一致しなかったがその理由としてFeの再収着が考えられ新しい構造の形成が示唆された。AlHCFによるPGMの収着メカニズムは、単純なイオン交換だけでなく酸化還元反応と収着速度論も重要な法則である。この収着と溶出の挙動を理解することがAlHCFのPGM収着性能向上に役立つ。
小林 徹; 阿久津 和宏*; 中瀬 正彦*; 鈴木 伸一; 塩飽 秀啓; 矢板 毅
Separation Science and Technology, 54(13), p.2077 - 2083, 2019/02
被引用回数:5 パーセンタイル:26.8(Chemistry, Multidisciplinary)ランタノイドを効率よく分離できる分離剤の開発は、レアアースの精錬やリサイクル技術の確立に関連する重要なテーマである。アクチノイド化学研究グループでは、酸素と複素環窒素をドナー元素とするヘテロドナー型配位子をいくつか開発し、これらの配位子が特定のランタノイドと選択的に錯形成することを見出している。本論文では、窒素ドナーとしてベンズイミダゾール基を有する配位子(-methyl-
-phenyl-2-(1
-benzimidazol-2-yl)-pyridine-6-carboxamide)のランタノイドとの錯形成特性について、結晶構造解析による構造化学的な検討に基づいて議論する。
中瀬 正彦*; 小林 徹; 塩飽 秀啓; 河村 卓哉*; 竹下 健二*; 山村 朝雄*; 矢板 毅
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.56 - 60, 2018/11
3価アクチノイドと3価ランタノイドの選択的分離を実現することを目的にゲル/液抽出に関する検討を行った。本研究では、N,N,N',N'-tetraallylpyridine-2,6-dicarboxamine (PDA)を含む温感ハイドロゲルを合成し、そのランタノイドとの錯形成についてSPring-8での広域X線吸収微細構造法により検討した。その結果、配位子を含むゲルと含まないゲルとでは、試料温度を変化させた時の動径構造関数(RSF)の変化が異なることが分かった。試料温度を上昇させると、熱振動の増大により動径構造関数のピークは減少するが、PDAを含むゲルではこれに加えピーク位置が近距離側にシフトする様子が観測された。このシフトは、ランタノイド-PDA錯体の化学量論比の変化、もしくは、ハイドロゲル高分子鎖のコンフォメーション変化による親水/疎水特性が変化することに伴う水分子の配位数の変化に由来すると考えられる。
中瀬 正彦*; 竹下 健二*; 小林 徹; 塩飽 秀啓; 矢板 毅
Separation Science and Technology, 50, p.2832 - 2835, 2015/05
被引用回数:1 パーセンタイル:5.27(Chemistry, Multidisciplinary)3価ランタノイドや3価アクチノイドの分離は高レベル廃液処理における重要な課題である。本研究では、2,2'-ビピリジルとランタノイドの錯体の構造と配位能力の関係をX線回折法やUV滴定法により検討した。その結果、NdからErへとイオン半径が減少するのに伴い、2,2'-ビピリジルの窒素とランタノイド間の結合距離やN-Ln-Nの結合角は減少し、2,2'-ビピリジルのピリジル基間の2面角が大きくなること、また、錯形成定数は増大することが分かった。このような構造と錯形成能力との関係に関する情報は、より高効率なランタノイドやアクチノイド分離剤を設計するうえで重要である。