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論文

Root endophytic bacterial and fungal communities in a natural hot desert are differentially regulated in dry and wet seasons by stochastic processes and functional traits

谷口 武士*; 磯部 一夫*; 今田 省吾*; Eltayeb, M. M.*; 赤路 康朗*; 中山 理智; Allen, M. F.*; Aronson, E. L.*

Science of the Total Environment, 899, p.165524_1 - 165524_13, 2023/11

乾燥地の生態系は強度の乾燥と適度な降水の季節的なサイクルを経験する。乾燥地の植物は典型的にはパッチ状に分布しており、多くは繰り返す乾湿ストレスを生き抜くために根の内生微生物と共生している。群集合体は多くのシステムで見出されているが、乾燥地における機能微生物によるコロニー形成や季節の移り変わりとの関係は不明である。ここでは、米国南西部の高温砂漠における乾季と雨季の根の内生微生物分類群、およびその根のコロニー形成と関連した形質を調べた。5種類の砂漠性低木について、16S rRNAおよびITSの遺伝子プロファイリングを行い、内生微生物系統の季節変化を分析した。また、微生物形質との関係における中立的な群集モデルへの適合度を評価した。夏には、属特異的ではないものの、放線菌(グラム陽性菌)が増加した。真菌類では、夏に糸状菌が選択的に増加した。冬期には、窒素固定や植物成長促進を行うグラム陰性菌属が増加した。中立モデル解析の結果、内生細菌については確率的な影響が強いが、菌類については特に夏季に弱い影響が見られた。中立モデルで予測された頻度よりも高い頻度を示した分類群は、環境適応性と共生形質を共有していたが、病原性真菌の頻度は予測値以下であった。これらの結果は、細菌と真菌の群集形成が異なる制御を受けていることを示唆している。細菌群集は、乾燥に対する細菌の反応(反応形質)と植物に対する有益な効果(効果形質)を介して、確率的および決定論的なプロセスの影響を受けていた。菌類については、夏期に菌根菌が植物によって選択された。乾季と雨季の両方で植物による有益な微生物の制御が行われていることから、この砂漠の自然生態系には植物-土壌の正のフィードバックが存在することが示唆された。

論文

Atmospheric ammonia deposition and its role in a cool-temperate fragmented deciduous broad-leaved forest

堅田 元喜*; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 福島 慶太郎*; 中山 理智*; 永野 博彦*; 小嵐 淳; 舘野 隆之輔*; 久保田 智大

Atmospheric Environment, 298, p.119640_1 - 119640_12, 2023/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:62.67(Environmental Sciences)

Moderately elevated reactive nitrogen (Nr) deposition due to anthropogenic activities can have an impact on forest production via throughfall and canopy retention processes. Forest fragmentation can increase dry deposition of atmospheric ammonia volatilized from agricultural areas, and consequently increase spatial variability of Nr deposition even within the same forest (edge effect). However, little is known about the edge effect and its impact on forest production in a deciduous broad-leaved forest in Asian countries. Here, we performed the field observations of atmospheric concentration and deposition of inorganic Nr gases and particles in a Japanese fragmented forest from May 2018 to April 2019. The results demonstrated that annual dry deposition of ammonia was dominant in the annual total dissolved inorganic Nr deposition at the forest edge, including the edge effect. Additionally, agricultural activities such as fertilization in the area surrounding the forest likely enhanced the potential of canopy retention of NH$$_{4}$$$$^{+}$$, known as Nr species readily absorbed by tree canopy.

論文

Shift in the rhizosphere microbial communities between growing- and low-temperature dormant seasons in a northern hardwood forest

中山 理智; 舘野 隆之輔*

Plant and Soil, 17 Pages, 2023/00

植物細根の周辺土壌(根圏)の微生物は根滲出物や根との共生によって非根圏の微生物とは異なっており、植物の生育に重要な役割を担っている。しかし、特に冷温帯林の植物の休眠期に関して、根圏微生物の季節的な変動は不明である。我々は根圏の微生物群集を冷温帯の落葉広葉樹林において、休眠期の開始時、終了時そして成長期において調査した。外生菌根菌の相対優占度は成長期には根圏で高かったが、休眠期はその違いが不明瞭であり、共生している植物からの炭素供給の季節性が重要であることが示唆された。一方で、主に細菌から構成される根圏の主要な小グループは季節的な変動をせず、pHや含水率などの物理化学性に強く影響されていた。これらの結果は、根圏の真菌、細菌群集は植物の休眠期に対して異なる適応をしており、微生物同士および微生物と植物根との関係性が根圏において季節的に異なることを示唆するものである。

論文

Soil microbial community responding to moderately elevated nitrogen deposition in a Japanese cool temperate forest surrounded by fertilized grasslands

永野 博彦; 中山 理智*; 堅田 元喜*; 福島 慶太郎*; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 近藤 俊明*; 安藤 麻里子; 久保田 智大*; 舘野 隆之輔*; et al.

Soil Science and Plant Nutrition, 67(5), p.606 - 616, 2021/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:20.69(Plant Sciences)

北海道の牧草地に囲まれた冷温帯林において、大気からの窒素沈着量と土壌の微生物群集特性との関係を調査した。窒素沈着量の緩やかな増大(年間10kg N/ha未満)が土壌微生物群集に及ぼす影響について明らかにすることを本研究の目的とした。調査対象の森林において6つの実験区画を設置し、そのうち3つを草地に隣接した林縁、他の3つを草地から少なくとも700m離れた林内に設置した。2018年5月から11月まで、各プロットでの窒素沈着を測定した。2018年8月には、すべての実験区画からリター層と表層土壌(深さ0-5cm)を収集し、微生物活性の指標として正味の窒素無機化と硝化速度、また微生物量の指標として微生物バイオマス炭素・窒素およびさまざまな微生物の遺伝子量(すなわち、細菌16S rRNA,真菌のITS,細菌のamoA、および古細菌のamoA遺伝子)を測定した。森縁の窒素沈着量は、林内の窒素沈着の1.4倍多かった一方、最も沈着量が多い場合でも3.7kg N/haであった。窒素沈着は、正味の窒素無機化および硝化速度、16S rRNAおよび細菌のamoA遺伝子の存在量と有意に相関していた。環境DNA解析に基づく土壌微生物群集構造は、リター層と表層土壌で異なっていたが、林縁と林内では類似していた。土壌の炭素/窒素比、および硝酸とアンモニウムの含有量に対する窒素沈着の有意な相関も観察された。以上より、窒素可給性の低い森林では、林縁における緩やかな窒素沈着の増大が土壌微生物の活性と存在量を増大させることが示された。

論文

非定常電気泳動とEPMAによるコンクリート中の塩化物イオン拡散係数の迅速測定

荻野 正貴*; 大脇 英司*; 白瀬 光泰*; 中山 雅

コンクリート工学年次論文集(DVD-ROM), 39(1), p.703 - 708, 2017/07

塩化物イオンの拡散係数はコンクリートの耐久性を評価する重要な指標であるが、耐久性の高いコンクリートは物質透過抵抗性に優れるため、測定に時間を要する。われわれは非定常の電気泳動操作にEPMAを組み合わせた迅速法について検討した。浸入した塩化物イオンについて、浸入範囲と濃度分布を求め、塩化物イオンの分布から電気泳動が主たる輸送機構ではないと判断される浸入範囲を除外し、Nernst-Planckの式により拡散係数を求めた。この拡散係数は、塩水浸せき試験により得られる値とほぼ同等である。従来の試験と比較し、試験期間を1$$sim$$2割程度に短縮できる可能性があることが確認できた。

報告書

低レベル放射性廃棄物の搬出施設の設計研究(II)

朝比奈 潔*; 曽家 正孝*; 小川 光*; 赤坂 孝之*; 岩田 俊雄*; 福留 豊*; 中山 準平*

PNC TJ4058 89-005, 178 Pages, 1989/06

PNC-TJ4058-89-005.pdf:27.12MB

東海再処理施設では、貯蔵されているアスファルト固化体等の廃棄物を搬出するための搬出施設の建設が計画されているが、この搬出施設の仕様を決定するにあたっては、適用技術の評価が必要となる。本研究では、検査設備、搬送・荷役設備について広く調査を行い、その適用性を評価した。評価の結果、ほぼ全ての設備に対して、従来の技術を合理的に利用できることが判った。ただし、ドラム缶内の放射性核種量の測定設備については、現状では測定すべき核種の種類及び要求される測定精度が明らかでないため、多くの核種を定量する要求がある場合を想定して、計算手法を用いることが最適であると評価した。施設の機能については、受入れる廃棄物の種類を決定するための検討を行った。本施設は、アスファルト固化体を搬出するためには不可欠であるが、他の低レベル廃棄物については、本施設あるいは、貯蔵施設で対応でき、個別に施設を設置するメリットはないことが判った。

口頭

非定常状態の電気泳動試験へのEPMAの適用によるコンクリートの拡散係数の測定方法

荻野 正貴*; 大脇 英司*; 白瀬 光泰*; 中山 雅

no journal, , 

コンクリートの塩化物イオン(Cl$$^{-}$$)の拡散係数の迅速測定法として、JSCE-G571が規準化されている。これは、Cl$$^{-}$$を電気泳動で輸送しコンクリートを貫通したCl$$^{-}$$の量から定常状態での拡散係数を算出する手法である。しかし、われわれの経験では、拡散係数が1$$times$$10$$^{-13}$$m$$^{2}$$/s未満の場合、測定に1年以上を要することがある。より迅速に算出する方法としてNT BUILD 492があり、電気泳動でCl-が輸送されコンクリートを貫通する前に、Cl$$^{-}$$の浸入深さを硝酸銀の沈殿反応から測定し、非定常状態での拡散係数を算出する。しかし、普通ポルトランドセメント以外に適用する場合、沈殿反応を生じるときのCl$$^{-}$$-の濃度を予め得る必要がある。そこで、われわれはコンクリートの結合材の種類によらず拡散係数を最長3ヶ月で求められる測定方法を考案した。Nernst-Planckの式に基づいて電気泳動で輸送された全Clの分布を予想した式と、全Clの濃度分布のうち電気泳動で輸送された範囲を抽出したものとを回帰分析して拡散係数を算出した。JSCE-G571によって得た実測値と比較し、同等であることを確認した。

口頭

落葉広葉樹林における窒素沈着量と土壌微生物特性の関係

永野 博彦; 安藤 麻里子; 福島 慶太郎*; 中山 理智*; 堅田 元喜*; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 近藤 俊明*; 舘野 隆之輔*; 小嵐 淳

no journal, , 

窒素沈着量と土壌微生物特性の関係を明らかにするため、周囲を牧草地に囲まれ窒素沈着量が空間的に変動する落葉広葉樹林(北海道標茶町)において調査を行った。調査対象である森林の林縁部と林内部で、調査プロットを3か所ずつ選定し、2018年8月にリター層と表層土壌(0-5cm)を採取した。各試料の微生物バイオマス炭素・窒素を測定するとともに、試料から抽出したDNAについて、全細菌と全真菌のそれぞれに特異的な遺伝子領域の存在量をリアルタイムPCR法によって測定し、細菌量と真菌量の指標とした。5月から6月までの2か月間での窒素沈着量は、200から300mg m$$^{-2}$$程度で、林内部よりも林縁部で多い傾向を示した。調査した微生物特性のうち、表層土壌の細菌量は、窒素沈着量に対して正の相関を示し、変動の80%以上が窒素沈着量によって説明された。表層土壌の真菌量も窒素沈着量に対して正の相関を示したが、窒素沈着量によって説明された変動は全変動の30%程度であった。以上より、窒素沈着の増大は少なくとも表層土壌の細菌量を増加させる可能性があることが示唆された。今後、より詳細な解析を行うことで、窒素沈着量と細菌量の比例関係が成立したメカニズムを解明する。

口頭

空間的に不均一な窒素沈着は落葉広葉樹林の窒素・炭素動態に影響するか?

堅田 元喜*; 福島 慶太郎*; 小嵐 淳; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 永野 博彦; 中山 理智*; 舘野 隆之輔*

no journal, , 

大気中の反応性窒素の生態系への過剰負荷による窒素飽和は、植物-土壌間での窒素動態だけでなく、森林の炭素蓄積機能にも影響を及ぼす。発表者らは、過去のデータからこのような影響は反応性窒素の乾性沈着の空間的不均一性に依存するという仮説を立て、大気・土壌・植物・陸水等の複数分野の専門家で構成される新しいプロジェクトを立ち上げた。研究対象地域として、源流域から窒素飽和が進行している可能性がある北海道標茶町の北海道研究林(落葉広葉樹林)の林内部と農畜産由来の大気アンモニアの沈着の影響を受けやすい林縁部に複数の調査区を設けた。2018年生育期の観測結果により、以下のことが明らかになった:林縁部では林内部に比べて、(1)大気アンモニアの地上濃度とその窒素沈着量は高く、(2)O層における有機物の炭素貯留量とC/N比は低かったが$$delta$$$$^{15}$$Nは高く、(3)表層土壌(0-5cm層)の細菌量が多く、(4)土壌中の硝酸態窒素の現存量と硝化活性がO層および表層土壌で高く、(5)立木の胸高断面積合計の増加量が高かった。発表では、これらの結果を紹介しながら本プロジェクトの仮説の妥当性を議論する。

口頭

林縁と林内の窒素沈着量の違いが森林の生産性と光合成窒素利用特性に与える影響

渡辺 誠*; 則定 優成*; 黄瀬 佳之*; 山口 高志*; 中山 理智*; 福島 慶太郎*; 舘野 隆之輔*; 永野 博彦; 小嵐 淳; 堅田 元喜*

no journal, , 

近年問題となっている人為起源の反応性窒素の大気から森林生態系への沈着は、自然の窒素循環を乱して富栄養化をもたらすだけでなく、森林の生産性にも影響をおよぼす。一方、森林における窒素沈着には空間的な不均一性がある。特に風上側の林縁においては乾性沈着や霧沈着による窒素沈着が多くなることが指摘されている。そのため、林縁では森林の中心部分(林内)に比べて、森林の生産性や樹木の窒素利用特性が異なる可能性がある。そこで本研究では畜産地域に隣接し、窒素沈着の影響を受けやすいと考えられる森林の林縁と林内において、窒素沈着量の違いが森林の生産性および立木の窒素利用特性に与える影響に関する比較調査を行った。北海道標茶町のミズナラが優占する落葉広葉樹林を調査対象とした。この森林の中で畜産地帯に隣接した林縁部と林内部に、調査区(10m$$times$$40m)を3か所ずつ設置した。2018年5月から11月まで各調査区で林内雨による窒素沈着量および大気アンモニア濃度の観測を行った。5月と10月に各調査区において立木の胸高直径測定を行い、1成長期間における胸高断面積合計の増加量を算出した。また林床植生であるササの乾重量を測定した。7月に各調査区のミズナラ成木(平均樹高16m)に登はんし、樹冠内の5高度から、当年に伸張したシュート(枝および葉)を採取した。採取したシュートについて、乾重量、単位葉面積あたりの葉乾重量(LMA)、および葉のRubisco、クロロフィルおよび窒素の各濃度を測定した。林縁部の窒素沈着量および大気アンモニア濃度は林内に比べて有意に高かった。また立木の胸高断面積合計の増加量とササの乾重量も林内よりも林縁で高く、特に胸高断面積合計の増加量は窒素沈着量と有意な正の相関を示した。ミズナラのシュート乾重量およびRubiscoへの窒素分配割合は樹冠下部から上部にかけて増加し、葉の窒素濃度およびクロロフィル濃度への窒素分配割合は樹冠上部から下部にかけて低下した。しかし、LMAと森林位置(林縁・林内)を説明変数とした逸脱度分析の結果、いずれのパラメータについても、林縁と林内の間に有意な違いは認められなかった。以上より、調査対象とした畜産地帯に隣接した落葉広葉樹林において、(1)林縁の窒素沈着量は林内に比べて高いこと、(2)窒素沈着量の違いはミズナラの光合成の窒素利用特性に影響を与えないが、林分レベルのバイオマス生産を増加させることが明らかになった。

口頭

放牧・耕作地由来の窒素が分水嶺を超えて森林渓流水質に与える影響

福島 慶太郎*; 岩崎 健太*; 小田 義也*; 境 優*; 堅田 元喜*; 山口 高志*; 中山 理智*; 久保田 智大*; 永野 博彦; 渡辺 誠*; et al.

no journal, , 

森林における水・窒素の流出および収支を定量的に把握する上で、「集水域」が空間スケールの最小単位となる。大気から集水域内に流入した反応性窒素が、植物-土壌間の内部循環系に取り込まれ、その一部が渓流を通して集水域外へと流出する。この流入と流出のバランスをもって、生態系内の窒素保持機能が評価される。本発表では、集水域の水収支が閉じていない可能性のある森林における、渓流水の窒素濃度の形成メカニズムについて考察する。

口頭

森林炭素・窒素循環研究; 学術分野を超えた連携は必要か?

堅田 元喜*; 福島 慶太郎*; 小嵐 淳; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 永野 博彦; 中山 理智*; 舘野 隆之輔*; 黄瀬 佳之*

no journal, , 

地球温暖化をはじめとした地球環境問題の理解と解決には、複数の学術分野の研究者らが連携する研究(学際研究)が必要という考えが広まりつつある。このような認識は、森林物質循環に関する研究課題に対しても当てはまると思われ、学際研究を通じた新たな発見が個別研究を推進するなどの研究者へのメリットもある。一方で、研究者にとって学際研究を追求することにはリスクもある。例えば、助成金の確保、業績の評価、論文出版などに困難があるといわれている。また、専門性の違いによるコミュニケーションや手法の創意工夫は学際研究を進める上で最も重要かつ労力を要する部分であるが、それらが評価される機会は限られている。我々は、2017年に大気・水文・生態・微生物・地球化学などの専門家で構成されるプロジェクトチームを結成し、京都大学北海道研究林標茶区の天然林を対象に窒素沈着の影響評価を行ってきた。本発表では、このプロジェクトで行われた学術分野間の交流や挑戦を振り返りながら、学際研究のメリットとリスクについて考える。

口頭

Characterizations of formed biofilms and microbial communities on microplastics in coastal rivers of Japan

Battulga, B.; 中山 理智; 安藤 麻里子; 小嵐 淳

no journal, , 

水環境中のプラスチックは長期間生態系への影響が懸念されることから関心が高まっている。本研究では、バイオフィルムが水環境中の有機物循環に与える影響を明らかにするため、日本の沿岸河川におけるマイクロプラスチックに含まれる微生物群の構成とバイオフィルムの特徴に着目した。本研究の目的は、マイクロプラスチックの微生物バイオフィルムを抽出して、マイクロプラスチック・表層水・土壌に含まれる微生物群の構成等を明らかにすることである。試料は2021年から2022年の異なる季節において2つの沿岸河川で採取した。マクロプラスチックからバイオフィルムを抽出するため、超音波シリンジ処理を用いた分析法を新たに開発した。分析の結果、マイクロプラスチックの形態や微生物の分類とともに、それらの季節変動が明らかになった。

口頭

Moderately elevated nitrogen deposition altering soil carbon dynamics

永野 博彦*; 中山 理智; 堅田 元喜*; 福島 慶太郎*; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 安藤 麻里子; 舘野 隆之輔*; 平舘 俊太郎*; 小嵐 淳

no journal, , 

Even a moderately elevated nitrogen (N) deposition alters soil carbon (C) dynamics which produces one of the largest C effluxes to the atmosphere in the global C cycle. In a Japanese northern deciduous forest, we found that moderately elevated N deposition in forest edge areas significantly increased soil microbial activity without changing soil microbial species composition. Laboratory incubation studies showed that N addition equivalent to 1% of total N content in soils significantly stimulated carbon dioxide (CO$$_{2}$$) release in Andosol. Moreover, the N addition showed no significant effect on the CO$$_{2}$$ release rate under dry-wet cycles, whereas an increasing fluctuation in soil water content was found to simulate the CO$$_{2}$$ release rate. These results demonstrate complicated effects of moderately elevated N deposition on soil C dynamics, and encourage further work to improve our understanding and predictability of future environments under progressive climate change and increasing N availability.

口頭

化合物組成の異なる根滲出物が森林土壌の微生物および窒素循環に与える影響

中山 理智; 舘野 隆之輔*

no journal, , 

植物が根から周辺の土壌(根圏)へ滲出する根滲出物は微生物の成長速度への影響などを介して根圏における窒素循環速度に影響することが知られている。一方で、根滲出物の化合物組成の違いや多様性が土壌微生物を介して窒素循環に与える影響は不明な点が多い。本研究では根滲出物の違いによる土壌微生物および窒素循環速度の変化を明らかにするために、化合物組成の異なる根滲出物を模した3種類の溶液(Artificial root exudates; ARE)を添加する室内土壌培養実験を行った。培養には黒ボク土を用い、AREは添加する総炭素量を一定にしつつ、培養容器ごとに1$$sim$$3種類添加した。コントロールとして純水の添加も行った。土壌の真菌,細菌,古細菌の遺伝子量は添加したAREの種類で異なり、また、添加した種類が多いほど少なくなる傾向がみられたが、その差は統計的に有意ではなかった。さらに、純窒素無機化速度、純硝化速度に対してもAREの種類および多様性の違いによる有意な差はみられなかった。このことから、黒ボク土の土壌微生物群集および窒素循環に対し、根滲出物の化合物組成および多様性は短期的には影響が小さいことが示唆された。

口頭

森林土壌の母材の違いが下層土壌の微生物呼吸量に与える影響

阿部 有希子; 中山 理智; 丹下 健*; 安藤 麻里子; 小嵐 淳

no journal, , 

土壌には莫大な量の炭素が土壌有機物として蓄積されており、微生物の分解によって二酸化炭素として大気中へ放出(微生物呼吸)される。近年、下層土壌に蓄積された有機物の分解が微生物呼吸に大きく寄与している可能性が指摘されているが、その実態は明らかではない。森林土壌からの炭素放出の実態と環境変化に対する応答を正確に把握するためには、下層土壌も含めた炭素循環を明らかにする必要がある。本研究では、土壌有機物の存在状態や分解特性が異なると想定される火山灰と非火山灰を母材とする森林土壌を対象に、表層から下層までの土壌プロファイルにおける微生物呼吸量を明らかにすることを目的とした。火山灰土壌(CHI, HSB)と非火山灰土壌(AKZ, HIR)が分布する計4か所の調査地において、土壌を深さ別(0-10、10-25、30-45、45-60cm)に採取した。採取した土壌は根などを除去した後に20$$^{circ}$$Cの条件下で培養し、二酸化炭素濃度を定期的に測定した。本発表では、土壌理化学性や有機物特性と微生物呼吸量との関連性について報告するとともに、土壌炭素量あたりの微生物呼吸量を土壌有機物の分解性の指標として算定し、調査地間及び深さによる違いについても議論する。

口頭

Microbial life on plastics and its implication on elemental cycling in the aquatic environment

Battulga, B.; 中山 理智; 安藤 麻里子; 小嵐 淳

no journal, , 

水環境におけるプラスチック、特にマイクロプラスチックへの微生物付着と有機付着物形成に注目が集まっている。本研究では、沿岸域の水環境におけるマイクロプラスチックが元素循環に及ぼす潜在的な影響を明らかにするため、マイクロプラスチック上の有機付着物に含まれる細菌と真菌の群集組成,多様性及び構造に注目した。日本の対照的な2つの沿岸域において、マイクロプラスチック,表層水,底土及び沿岸砂の試料を季節ごとに収集した。マイクロプラスチックの表面形態と付着微生物は走査型電子顕微鏡(SEM)により目視で観察した。収集した試料に対して、Illumina MiSeqを用いたハイスループットシーケンス処理を実施し、異なる試料間の微生物群集組成と多様性を解析した。

口頭

北海道の分断化した落葉広葉樹林における大気アンモニアの樹冠吸収の重要性

堅田 元喜*; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 福島 慶太郎*; 中山 理智; 永野 博彦*; 小嵐 淳; 舘野 隆之輔*; 久保田 智大

no journal, , 

農業活動に伴い排出される反応性窒素の沈着は、森林の生産力や炭素循環に影響を及ぼす。本研究では、農地に面している森林の林縁で大気アンモニア(NH$$_{3}$$)の乾性沈着量が高まる「林縁効果」に着目し、北海道の落葉広葉樹林の林縁と林内においてNH$$_{3}$$濃度、林内窒素沈着量、樹木・下層植生の形質・成長量などを観測し比較した。さらに、樹冠収支モデルを適用して樹冠へのNH$$_{3}$$吸収量を推計し、窒素沈着量に対する寄与を調べた。その結果、溶存無機態窒素の沈着量の主要成分は樹冠へのNH$$_{3}$$の乾性沈着であった。また、本調査地のミズナラの樹木葉の形質には林縁と林内の間に差が見られなかったが、ミズナラと下層植生(ササ)の成長速度は林縁で増加傾向にあった。このことは、NH$$_{3}$$の乾性沈着を主とした年間2kgN/ha程度の窒素沈着量が森林生産力を変化させうることを示唆している。

口頭

Soil microbial fluctuation and CO$$_{2}$$ release increase under dry-wet cycles

鈴木 優里*; 永野 博彦*; 平舘 俊太郎*; 安藤 麻里子; 阿部 有希子; 小嵐 淳; 中山 理智

no journal, , 

Recently, precipitation patterns are changing to less frequent events but stronger intensities with the progress of global warming. Such changes in precipitation raise concerns about increasing dry-wet cycles and CO$$_{2}$$ release in soil. However, the mechanisms of soil CO$$_{2}$$ release increase by dry-wet cycles are still unclear. In our soil incubation experiment for ten soils, dry-wet cycles significantly increased the CO$$_{2}$$ release rate for all soils. Microbial biomass for all soils were significantly lower under the dry-wet cycles than under the constant moisture conditions. Quantitative PCR showed that fungal DNA concentrations were significantly lower under the dry-wet cycles. These results may suggest that the CO$$_{2}$$ release increase is associated with soil microbial fluctuations caused by the dry-wet cycles.

口頭

水分変動増大が土壌微生物に及ぼす影響; 国内6ヶ所10土壌による検証

鈴木 優里*; 永野 博彦*; 平舘 俊太郎*; 安藤 麻里子; 阿部 有希子; 中山 理智; 小嵐 淳

no journal, , 

本研究では水分変動増大が土壌微生物に及ぼす影響を調査するため、水分変動増大を想定した乾湿サイクル条件の培養実験を実施し、培養終了時の微生物バイオマスと真菌および細菌DNA量の測定、また走査電子顕微鏡を用いた団粒表面の観察を行った。培養終了時の乾湿サイクル処理区(D-W区)の微生物バイオマスと真菌DNA量は対照区に対し有意に小さく、細菌DNA量と真菌/細菌比はD-W区と対照区で同程度であった。D-W区と対照区間で団粒表面の構造に明確な違いは見られなかったが、火山灰土壌では大きな鉱物-有機物複合体様の物体が対照区で多く観察された。また、乾湿サイクル処理はすべての土壌で二酸化炭素放出速度を大きく増大させた。以上の結果より、乾湿サイクルは土壌微生物の減少などを引き起こすことが強く示唆された。

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