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安邊 啓明; 星 博幸*; 羽地 俊樹*; 佐藤 活志*; 仁木 創太*; 平田 岳史*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*
地質学雑誌(インターネット), 131(1), p.59 - 70, 2025/04
紀伊半島南西部に分布する下部-中部中新統田辺層群の堆積時期制約のため、堆積岩8試料から分離した砕屑性ジルコンのU-Pb年代を測定した。測定した330粒子中221粒子からコンコーダントな年代値が得られた。最若粒子年代値は約19.4Maであり、田辺層群の堆積年代の上限はこれより若いと考えられる。浮遊性有孔虫化石が示唆する堆積時期(約16.3Ma以降)より若い粒子は含まれなかった。紀伊半島周辺では15Ma以降に噴出物を伴う火成活動が起こったが、中期中新世のジルコンが含まれなかったことは、現存する田辺層群が15Ma以前の堆積物であることを示唆する。また、15Ma以前には火成活動が低調であり、このために砕屑性ジルコンの最若年代値と浮遊性有孔虫化石の示唆する堆積時期が乖離した可能性がある。
中嶋 徹; 福田 将眞; 末岡 茂; 仁木 創太*; 河上 哲生*; 檀原 徹*; 田上 高広*
Geochronology (Internet), 6(3), p.313 - 323, 2024/07
本研究ではモナズ石の化学組成と放射線損傷がフィッション・トラックのエッチング時間に与える影響を調べた。モナズ石のフィッション・トラック年代測定法は超低温熱年代としての応用が期待されているが、モナズ石の化学組成や放射線損傷がフィッション・トラックのエッチング時間に与える影響は明らかになっておらず、分析方法が確立していない。私たちはモナズ石のラマン分光分析と化学組成の定量分析から、日本国内のモナズ石試料について放射線損傷の蓄積レベルを見積もった。またフィッション・トラックのエッチング実験を行い、これらの変数がエッチングの時間に与える影響を調べた。
沢田 輝*; 仁木 創太*; 長田 充弘; 平田 岳史*
Minerals (Internet), 12(1), p.107_1 - 107_15, 2022/01
被引用回数:5 パーセンタイル:43.18(Geochemistry & Geophysics)大江山オフィオライトは日本において最も古い地質体の一つであり、原日本における沈み込み帯の開始時期を検討する上で重要である。本研究ではジルコンのU-Pb-Hf同位体および微量元素組成分析から検討した。ジルコンU-Pb年代測定から約544Maの年代値を得た。微量元素組成分析から大江山帯の起源が中央海嶺玄武岩のようなマントル起源であることが判明した。ジルコンのLu-Hf同位体からは先行研究よりもより枯渇的であることを示すデータを得た。これらの結果は、原日本弧に沿った海洋プレートの沈み込みに古い地殻物質が関与していたことを示唆している。
安邊 啓明; 星 博幸*; 羽地 俊樹*; 佐藤 活志*; 仁木 創太*; 平田 岳史*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*
no journal, ,
西南日本前弧域では15Ma頃に広域的な不整合が形成されたと考えられているが、ほとんどの堆積盆では堆積終了時期ないし現存する地層の堆積時期の上限が制約されていない。本研究は、田辺層群の堆積岩試料から分離した砕屑性ジルコンのU-Pb年代を測定し、堆積時期の上限を制約することを目的とする。8試料から分離し測定した330粒子のうち、221粒子からコンコーダントな年代値が得られた。最若粒子年代値は約19.4Maであり、田辺層群の堆積年代の上限はこの年代より若いと考えられる。しかしこの最若粒子年代値は、浮遊性有孔虫化石が示唆する堆積年代(約16.3Ma以降)より古く、かつ浮遊性有孔虫化石の産出層準より上位であることから、実際の堆積年代とは乖離していると考えられる。紀伊半島周辺では15Ma以降に噴出物を伴う火成活動が起こった。本研究で測定を行った試料中にこれら火成活動起源の中期中新世ジルコンが含まれなかったことは、現存する田辺層群が15Ma以前の堆積物であることを示唆する。砕屑性ジルコンの最若粒子年代値と浮遊性有孔虫化石の示唆する堆積時期が乖離している原因として、15Ma以前に紀伊半島周辺では火成活動が低調だったことが考えられる。本研究の結果は、砕屑性ジルコンの年代から推定された最大堆積年代が、その直後の後背地において火山活動が少ない場合には、実際の堆積年代と大きく乖離し得ることを示唆している。よって、砕屑性ジルコンから最大堆積年代を推定した際には、その直後の火山活動の状況を検討する必要がある。
山田 来樹*; 長田 充弘*; 沢田 輝*; 仁木 創太*; 小北 康弘; 大内 航*; 青山 慎之介*; 平田 岳史*
no journal, ,
飛彈帯は西南日本の背弧側に位置する地質帯であり、古生代から中生代ジュラ紀の変成岩類や花崗岩類からなる。これらは大陸起源であるため、大陸成長の情報を保持していることが大いに期待される。本研究では、飛彈帯を形作った大陸地殻成長史の全容を解明するために、飛彈帯の変成岩類及び花崗岩類に対してジルコンU-Pb年代測定を行った。年代測定の結果、変成岩類からは300Maや265-245Maの変成年代が得られた他、ミグマタイトから190Maの変成年代を得た。花崗岩類からは、飛彈古期花崗岩類及び新期花崗岩類に対応する240Ma及び200Maの火成年代を得た。これらの結果に基づき、飛彈帯の形成史を考察した。
長田 充弘; 福田 将眞; 末岡 茂; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 仁木 創太*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 小北 康弘; 梶田 侑弥*; et al.
no journal, ,
本研究は東北日本の仁左平層のNSTと呼ばれる試料のジルコンのU-Pb年代とフィッショントラック(FT)年代を複数の施設で測定し、新たにHf同位体について分析を実施したので、それらの結果について報告する。NSTはジルコンによるU-Pb年代とFT年代や黒雲母K-Ar年代といった閉鎖温度の異なる複数の放射壊変系列の年代がいずれも約22-21Maを示し、標準試料として有効な可能性がある。京都大学より提供されたNSTジルコンからはいずれの施設でも約23-21MaのU-Pb年代を得た。これらの結果は先行研究ともおおむね整合的である。ただし、約30-26Maのジルコンも確認される例や4
面でのFT年代が古くなる傾向については、今後検討を要する。Hf同位体比(
Hf/
Hf)の加重平均値として0.282895
29を得た。また、Lu/Hf比とYb/Hf比は他のジルコンHf同位体比標準試料のそれに比べて高い傾向にある。Hf同位体分析では、LuやYbなどのHfに干渉する同重体を正しく補正する必要があり、こうした特徴を持つNSTは、Hf同位体分析の精確さを評価する上で重要な試料となる可能性もある。
中嶋 徹; 仁木 創太*; 工藤 駿平*; 河上 哲生*; 東野 文子*; 平田 岳史*; 酒井 治孝*
no journal, ,
造山運動に伴う地殻物質の生成・改変は、大陸地殻進化の基本的なプロセスであるが、古い造山運動の記録は新しい造山運動により上書きされ、変成鉱物の内部組織や包有物にのみ残されている場合が多い。本研究では中央ヒマラヤに分布する正片麻岩に産するジルコンの内部組織と包有物に着目し、ヒマラヤ造山運動に伴う高温変成作用によって上書きされた古生代初期の造山運動に伴うマグマ-流体活動履歴の解読を試みた。
中嶋 徹; 福田 将眞; 仁木 創太*; 末岡 茂; 河上 哲生*; 檀原 徹*; 田上 高広*
no journal, ,
本研究では第四紀モナザイト試料の年代測定に向けて、モナザイトのフィッション・トラック(MFT)のエッチング実験を行った。MFT系は非常に低温条件でアニールすることが指摘されており(Jones et al. 2021)、超低温熱年代系としての応用に期待が寄せられている。MFT年代測定が実用化されれば、地殻浅部における隆起・侵食運動や断層運動にアプローチすることが可能となる。MFTのエッチング条件を検討したJones et al. (2019)は、エッチング速度が粒子ごとの放射線損傷の蓄積度合に依存することを指摘した。先行研究では放射線損傷が蓄積した古いモナザイト試料が用いられているため、より若いモナザイトは試薬に対するエッチング耐性が高いことが予想される。本研究では放射線損傷が十分に蓄積していないと予想される第四紀のモナザイト試料を用いてMFTのエッチング実験を行うことで、適切なエッチング条件と検討するともに、放射線損傷とエッチング速度の関係性を議論する。
鏡味 沙耶; 横山 立憲; 仁木 創太*; 坂田 周平*; 梅田 浩司*; 岡田 里奈*; 近藤 美左紀*
no journal, ,
海底火山を給源とするテフラは、二次堆積や変質の影響を受けやすく、その年代学的検討が困難な場合がある。本研究では、津軽海峡の海底にある銭亀火山を給源とし、酸素同位体ステージ3の年代指標として有効な銭亀-女那川テフラ(Z-M)を対象とし、年代情報を保持する頑強な鉱物であるジルコンに着目した年代制約を検討した。岡田ほか(2023)で報告されているZ-M(T-L3とT-U1)を用い、LA-ICP-MSによりU-Th非平衡年代測定を実施した。ジルコン標準試料(91500、OD-3、Plesovice)及び洞爺軽石に含まれるジルコン(Toya)を分析することで、分析手法の精確性を評価した。また、本研究では、91500に比べてPlesoviceのウラン濃度は高く、その(
Th/
U)(放射能比)は放射平衡に達しているとして、分析中の
Th/
Uにおける元素分別の補正用の標準として用いた。Toyaのアイソクロン年代は、128kaと得られ、本研究と同手法による年代値と整合的な結果となった。T-U1から75点、T-L3から55点のジルコンを分析した結果、(
Th/
Th)-(
U/
Th)ダイアグラム上で平衡線にのるような噴火年代を記録していないジルコンも多く、約100kaのU-Th非平衡モデル年代をもつ粒子が多く含まれていることが分かった。今後は、各ジルコンの形状や化学組成等の特徴を把握しつつ、U-Th非平衡年代測定を試みる。
中嶋 徹; 仁木 創太*; 工藤 駿平*; 河上 哲生*; 東野 文子*; 平田 岳史*; 酒井 治孝*
no journal, ,
本研究では中央ヒマラヤに分布する正片麻岩に産するジルコンの内部組織と包有物に着目し、ヒマラヤ造山運動に伴う高温変成作用によって上書きされた古生代初期のマグマ-流体活動履歴の解読を試みた。中央ヒマラヤ、カリガンダキ川沿いに分布する正片麻岩のジルコン中には石英、カリ長石、斜長石、黒雲母、燐灰石、ゼノタイム、モナズ石、トール石、黄鉄鉱、チタン鉄鉱などの鉱物包有物に加えて、流体包有物や珪長質な多相固体包有物が観察される。本研究ではジルコンの内部組織を内側より、(1) inner-core, (2) outer-core, (3) dark annulus, (4) metamorphic rimに区分した。outer-coreはCL像で振動累帯構造を示し、U-Pb年代は510-460Maである。outer-coreには石英や黒雲母などの鉱物包有物に加え、中塩濃度の初生的な流体包有物、珪長質な多相固体包有物が多く見られる。一部の多相固体包有物中には自形性の良い石英やカリ長石、黄銅鉱、蛍石、閃亜鉛鉱、金属ビスマスなどが産する。このことから、outer-coreは高度に分化したS-type花崗岩質メルトから晶出したと考えられる。dark annulusはCL像で暗色を呈する円弧状の領域として認識され、P, Y, REE, Uに富み、U-Pb年代は490-440Maである。dark annulusには燐灰石、ゼノタイム、モナズ石、トール石などの鉱物包有物のほか高塩濃度の初生的な流体包有物が多くみられる。この組織は高塩濃度の流体の流入と、それに伴うジルコンの溶解再沈殿反応により形成されたものと考えられる。outer-coreとdark annulus中の包有物とU-Pb年代は、これらの領域がビンフェディアン造山運動に伴う地殻の部分溶融とそれに伴うS-type花崗岩の活動、その後の高塩流体の活動に伴い溶解・成長したことを示唆する。metamorphic rimはジルコン最外縁に薄く成長した弱い振動累帯構造を呈する領域として認識され、一部がdark annulusを脈状に切る。U-Pb年代は45-17Maであり、Gd/Yb比から複数の成長ステージが認められる。このことからヒマラヤの衝突型造山運動に伴う高温変成作用でジルコンの一部が溶解、複数のステージで成長したことが示唆される。以上の結果は、ジルコンのouter-coreとdark annulusに記録されたビンフェディアン造山運動に伴うマグマ-流体活動の痕跡は、後のヒマラヤの高温型変成作用でもリセットされていないことを示唆している。
小北 康弘; 仁木 創太*; 長田 充弘; 平田 岳史*; 湯口 貴史*
no journal, ,
花崗岩類の地下深部での変質現象は、地下水の移行経路となる微小割れ目の形成等において重要な地質現象である。変質現象のタイムスケールを制約する手法は限定的であるが、変質に伴って生成されるチタン石(スフェーン)の晶出年代を決定できれば、その変質現象に時間的制約を与えることが可能となる。そこで本研究では、深成岩中に生じた変質現象の時期に制約を与えることを目的として、深成岩中に二次的に生じたチタン石に対してU-Pb年代測定を行い、先行研究の放射年代値と比較して年代値の解釈を行う。試料は、東北日本、北上山地の遠野複合深成岩体(以下、遠野岩体)の岩石を用いた。岩石薄片の観察から、黒雲母の緑泥石化に関連する産状を示すチタン石が認められた。薄片中でのチタン石の分析領域の確保が困難であったため、分離したチタン石に対してレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法によりU-Pb同位体分析を実施し、118.7
1.5Ma(n=10)の年代値を得た。分離チタン石が黒雲母の緑泥石化により生じたとすると、チタン石の年代値は黒雲母の変質をもたらした熱水の活動時期を反映すると考えられる。また、遠野岩体からはジルコンU-Pb年代や黒雲母K-Ar年代が報告されており、それらの年代値と本研究で得られたチタン石U-Pb年代は不確かさの範囲で重なる。このことは、チタン石を生じた熱水変質が岩体の冷却過程においてごく短期間に生じた可能性を示す。