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関根 恵; 松木 拓也; 鈴木 敏*; 蔦木 浩一; 西田 直樹; 北尾 貴彦; 富川 裕文; 中村 仁宣; LaFleur, A.*; Browne, M.*
JAEA-Technology 2019-023, 160 Pages, 2020/03
国際原子力機関(IAEA)は、再処理施設の保障措置をより効果的・効率的に実施するための手法として、再処理施設全体の核物質の動きをリアルタイムに監視する測定技術開発の必要性を研究開発計画(STR-385)で技術的課題として掲げている。この課題に対応するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)では、再処理施設の入量計量槽を含めFP及びマイナーアクチニド(MA)存在下においてもPu量のモニタリングが可能な検出器の技術開発を、2015年から3年間の計画で、東海再処理施設の高放射性廃液貯蔵場にて日米共同研究として実施した。まず、MCNPシミュレーションモデルを作成するためにサンプリングによる高放射性廃液(HALW)組成・放射線調査及びHALW貯槽の設計情報の調査を実施し、シミュレーションモデルを作成した。一方、検出器設計とこのモデルの妥当性を確認するため、コンクリートセル壁内外における線量率分布測定を実施した。さらに、新しく設計された検出器を使用して、コンクリートセル内外においてガンマ線と中性子線を連続的に測定し、放射線特性を把握するとともに検出器の設置位置を最適化した。最後に、シミュレーション結果とガンマ線及び中性子線測定結果に基づいて、Puモニタリング技術への適用性を評価した。その結果、ガンマ線測定と中性子線測定の両方を組み合わせることで、溶液中のPu量の変化を監視できる可能性があることが分かった。この研究において、FPを含むPuを扱う再処理工程全体の保障措置を強化するためのPuモータリングが適用可能であることが示唆された。本稿は、本プロジェクトの最終報告書である。
Quinay, P. E. B.; 市村 強*; 堀 宗朗*; Wijerathne, M. L. L.*; 西田 明美
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.516 - 523, 2011/10
本論文では、地震による地盤応答と地表面の構造応答を同時に扱うために、断層-構造物システムを基礎とする数値実験を実施している。断層や不整な地殻構造、地表面近くの柔らかい埋土,地表面の構造物を含む広域の3次元詳細モデルを解析するには、膨大な計算コストが必要となる。市村・堀(2009a)は、計算コストを削減するために特異摂動展開を基礎とするマクロ-ミクロ解析手法を提案した。本手法を用いて、地表面の構造物の地震応答と複雑な地殻構造内の大規模波動伝播の双方を扱うための、マクロ-ミクロ解析システム用に高度に調整された有限要素法コードを開発した。開発したコードの精度をグリーン関数の解析解との比較により検証した後、原子力発電施設構造のシンプルなモデルを用いた地震応答を数値実験した。本手法により、原子力発電施設の詳細な地震応答予測や、施設の耐震安全性のより現実的な評価が期待される。
Bakhtiari, M.; 玉井 広史; 河野 康則; Kramer, G. J.*; 諫山 明彦; 仲野 友英; 神谷 健作; 芳野 隆治; 三浦 幸俊; 草間 義紀; et al.
Nuclear Fusion, 45(5), p.318 - 325, 2005/05
被引用回数:46 パーセンタイル:79.12(Physics, Fluids & Plasmas)これまで、われわれは、大量の水素ガスと小量のアルゴンガスを組合せて注入することにより、ディスラプション緩和のためにトカマク放電を急速にまた逃走電子の発生を回避しつつ停止することが可能であることを示している。今回は、アルゴンに加えて他のガス種を用いた同様の実験を実施した。具体的には、アルゴンガス,クリプトンガス,キセノンガスのそれぞれについて水素ガス注入の有る無しのケースをディスラプション緩和効果の観点から比較した。その結果、どのガス種についても、水素ガスと合わせて注入した場合には、水素ガス無しの場合と比べて逃走電子の発生が少なくまた放電停止がより早くなることを観測した。また、中でもクリプトンガス注入が(水素ガスの有る無しにかかわらず)、ダイバータ板への熱負荷低減や逃走電子の発生回避に最も効果的であったことから、放電停止のために用いるガス種の良い候補としてクリプトンが考えられることを見いだした。
Bakhtiari, M.; 河野 康則; 玉井 広史; 三浦 友史; 芳野 隆治; 西田 靖*
Nuclear Fusion, 42(10), p.1197 - 1204, 2002/10
被引用回数:51 パーセンタイル:81.09(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク型核融合炉では、プラズマのディスラプション時に急激に放出される熱エネルギーと逃走電子の発生とによって、第一壁等が損傷を受けることが懸念され、その緩和・抑制を行う手法の開発が進められている。その中で、プラズマ電流を急激に減少させてディスラプションを模擬し、そこへアルゴンと水素の混合ガスをプラズマ中に入射して、逃走電子の発生を防ぎつつ放電を速やかに停止するシナリオを考案し、JT-60Uにおいて実験的に証明した。この結果、アルゴンガスは放射損失を高めて放電の高速遮断に寄与する一方、水素ガスは電子密度を高めるとともに逃走電子の抑制に寄与することが明らかとなり、混合ガスパフの有効性が示された。
Bakhtiari, M.; 芳野 隆治; 西田 靖*
Fusion Science and Technology, 41(2), p.77 - 87, 2002/03
被引用回数:6 パーセンタイル:38.99(Nuclear Science & Technology)トカマク装置のディスラプションは、閉じ込め磁場のひとつであるプラズマ電流が急激に消滅する現象であり、電磁力と熱及び生成される高速電子によるエロージョン等により、装置に大きなダメージを与える。その一方で、装置にダメージを与えることなく、制御してプラズマを緊急停止することも必要である。本論文では、重水素あるいは重水素と不純物の混合したものを入射することにより、プラズマ温度を緊急に減少させる手法について検討した。この時、高速電子生成を避けるために、温度低下を50eV程度に制限することで一周電圧(電界)上昇を制限し、入射すべき重水素あるいは重水素と不純物の量と、その時間を計算した。実際の緊急停止では、短時間に多くの粒子をプラズマ中心まで入射する必要があるのでペレット入射などの手法を用いる必要がある。
Saito, J.*; 須田 孝徳*; 山下 真一郎*; 大貫 惣明*; 高橋 平七郎*; 赤坂 尚昭; Nishida, M.; 鵜飼 重治
Journal of Nuclear Materials, 258-263(Part 2), p.1264 - 1268, 1998/10
被引用回数:40 パーセンタイル:92.53(Materials Science, Multidisciplinary)異なった再結晶処理を施したODSフェライト鋼の照射損傷のため,超高圧電子顕微鏡にて12dpaまで電子線照射した。再結晶処理により転位密度は減少したが,分散粒子は大きさ,数密度ともに明確な変化は無かった。再結晶材を電子線照射した結果,分散粒子は安定に存在し,転位密度もほぼ一定であったが,少量のボイド形成が認められた。しかし加工材ではボイド形成が減少したことから,高密度の転位はボイドの抑制効果があることが確認された。
鵜飼 重治; 原田 誠; Okada, H.; 井上 賢紀; 野村 茂雄; 鹿倉 栄; Asabe, K.*; Nishida, T.*; Fujiwara, M.*
Journal of Nuclear Materials, 204, p.65 - 73, 1993/00
被引用回数:288 パーセンタイル:99.89(Materials Science, Multidisciplinary)酸化物分散強化型(ODS)フェライト鋼は優れた耐スエリング性と高温強度が期待され、長寿命燃料被覆管の本命とされている。ODSフェライト鋼の合金設計と試作材の評価を行い、Ti添加によりY2O3粒子が微細化することを明らかにした。また、この微細化によりマルテンサイト系ODS鋼成分で、/
変態を利用して結晶粒を等軸化することが有効であることが示された。