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國分 祐司; 中田 陽; 瀬谷 夏美; 小池 優子; 根本 正史; 飛田 慶司; 山田 椋平*; 内山 怜; 山下 大智; 永井 信嗣; et al.
JAEA-Review 2023-046, 164 Pages, 2024/03
核燃料サイクル工学研究所では、「日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所再処理施設保安規定、第IV編環境監視」に基づき、再処理施設周辺の環境放射線モニタリングを実施している。本報告書は、2022年4月から2023年3月までの間に実施した環境放射線モニタリングの結果及び大気、海洋への放射性物質の放出に起因する周辺公衆の線量算出結果について、取りまとめたものである。なお、上記の環境放射線モニタリングの結果において、2011年3月に発生した東京電力株式会社(2016年4月1日付けで東京電力ホールディングス株式会社に変更)福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質の影響が多くの項目で見られた。また、環境監視計画の概要、測定方法の概要、測定結果及びその経時変化、気象統計結果、放射性廃棄物の放出状況、平常の変動幅の範囲を外れた値の評価について付録として収録した。
川久保 雄基*; 野口 雄也*; 水城 達也*; 鳴海 一雅; 境 誠司; 浜屋 宏平*; 宮尾 正信*; 前田 佳均
no journal, ,
ホイスラー合金FeSiは、スピンFETのソース電極およびドレイン電極の候補の一つである。本研究では、FeSi/Siの熱安定性を明らかにするために、ラザフォード後方散乱(RBS)/チャネリング法を用いて、アニール温度によるFeSi/Si試料の結晶軸配向性について検討した。低温MBE法によって膜厚50nmのFeSiをSi(111)上に成長させ、赤外線ランプアニールにより高真空中にて100C及び200Cで2時間アニールをした。各試料についてチャネリングディップ曲線を測定し、軸配向性を評価する最小収量()と半値角()を求めた。これまでの研究により、FeSi/Si未アニール試料のは18%であり、は0.99であることが明らかとなっている。100C及び200CでアニールしたFeSi/Si試料のはそれぞれ19%と20%であり、は0.85と0.83であった。未アニール試料と200Cアニール試料を比較するとが2 %程度増大し、が0.16程度減少した。これは、アニールをしたことで界面での結晶性が乱れたためであると推測される。講演ではチャネリングパラメータ(、)とDebyeモデルおよびBarette-Gemmellモデルから原子の静的変位uの計算結果、およびRBSスペクトルからFeSi薄膜内部の組成比の変化、界面における拡散の程度からアニールの影響について考察する。
平田 智昭*; 香川 成矢*; 永露 友宏*; 柴原 幸平*; 岩本 遼太郎*; 川久保 雄基*; 野口 雄也*; 水城 達也*; 鳴海 一雅; 境 誠司; et al.
no journal, ,
半導体-FeSiは光通信の光源用レーザの材料として注目されているが、実用化には発光強度が不十分である。我々はこれまでに-FeSiナノ結晶へのCuドープによる発光増強を確認している。本研究では、このCuドープ効果をフォトルミネッセンス(PL)測定およびフォトキャリアインジェクション(PCI)測定によって検討した。用いた試料はn-Si中に析出させた平均サイズ10nmの-FeSiナノ結晶である。析出後、Cu蒸着と急速熱アニール(800C)とでナノ結晶層にCuを拡散させた。Cu薄膜成膜後、800Cで5.5時間アニールしたCuドープ試料と2時間アニールしたノンドープ試料のPLスペクトルの比較により、Cuドープによって固有発光(Aバンド)、不純物発光(Cバンド)ともに発光増強を確認した。また、同じノンドープ試料においてもアニール時間の延長によってPL強度は増強した。しかし、同時間程度アニールしたノンドープ試料とCuドープ試料を比較しても、発光強度は増強した。以上のことから、Cuドープによる純粋な増強効果があることを見出した。また、同時間程度アニールを行ったノンドープ試料と比較したCuドープ試料のA及びCバンドのPL増強率は、総アニール時間5.5時間のときにいずれの試料においても両バンドで最大となり、Aバンドは2.1倍、Cバンドは5.7倍に増強した。さらにアニール時間を増加させると、PL増強率は減少した。これらの結果を基に、発光増強へのCuドープ効果について考察する。
野口 雄也*; 水城 達也*; 川久保 雄基*; 平田 智昭*; 香川 成矢*; 永露 友宏*; 岩本 遼太郎*; 柴原 幸平*; 鳴海 一雅; 前田 佳均
no journal, ,
半導体-FeSiは、石英系光ファイバの伝搬損失が最小となる波長1.55mで固有発光が観測されているため、光通信の光源に用いられている分布帰還レーザの活性層の材料として注目されている。しかし、実用化には発光強度が不十分である。我々はこれまでに-FeSi多結晶薄膜及びナノ結晶にCuを蒸着後、熱処理することで発光増強することを確認している。本研究では、ラザフォード後方散乱(RBS)法を用いて-FeSi多結晶薄膜及びナノ結晶へのCu原子の拡散挙動を拡散距離と拡散係数から検討した。-FeSi多結晶薄膜及びナノ結晶試料は、イオンビーム合成法を用いてCZ-Si(100)基板中に-FeSiを析出させて作製した。その後、試料表面にCu薄膜を蒸着して800Cで2-10時間熱処理した。熱処理前後のRBSスペクトルの変化から、Cu原子がSi基板側へ、-FeSiの膜厚55.3nmよりも深くまで拡散していることを見出した。-FeSi/Cu/Siを熱処理すると、Cu原子は-FeSi同士の結晶粒界やSi基板との界面に偏析し、-FeSi粒内にも微量に存在することが報告されていることから、-FeSi粒内にCu原子がドープされていることがわかった。さらに、RBSスペクトルの解析から得られた多結晶薄膜試料及びナノ結晶試料中のCuの拡散係数は、Si中のCuの拡散係数よりも9桁程度小さくなった。これは、-FeSi中のCuの拡散係数が非常に小さいためであると考えられる。
大野 雅子*; 野口 瑞貴*; 永岡 美佳; 前原 勇志; 藤田 博喜
no journal, ,
2011年3月11日、東北地方太平洋沖でマグニチュード9.0の巨大地震が発生し、大津波が発生した。この津波による浸水で炉心冷却機能が喪失し、福島第一原子力発電所13号機の原子炉圧力容器内の水が蒸発、炉心が損傷する事故が発生した。事故後、廃炉作業は段階的に進められ、今後は、燃料デブリの回収を含めた本格的な廃炉に向け、未知の領域に挑戦する段階に入る。廃炉作業に従事する放射線作業員は、原子炉建屋に入り、ストロンチウム90やアクチニドなど、比較的高濃度の放射性核種が常時存在する作業環境下で、様々な作業を行わなければならない。作業員が適切な保護具を着用したとしても、予期せぬ状況で放射性物質を摂取・吸入することにより、作業員の内部被ばくが発生する可能性がある。事象発生時に体内に取り込まれた放射性物質の測定は、WBCや肺モニタを用いた生体内バイオアッセイや、便や尿の分析を用いた生体内バイオアッセイで行うことができる。FDNPSでは、管理区域に入るすべての作業員が、WBCによる内部被ばくの定期的な個人モニタリングを受けている(スクリーニング目的)。アクチニドなどの線放出核種やストロンチウム90などの線放出核種については、一般的に体外バイオアッセイ測定が行われる。内部被ばくが発生した場合、医療処置の判断や対策立案を目的とした情報収集のため、迅速なバイオアッセイの確立が必要である。本発表では、FDNPSにおける廃止措置作業の概要と、Pu, Am, Cm, U, Srの混合核種に対する迅速バイオアッセイ手法の適用について紹介する。