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落合 政昭
日本原子力学会誌, 43(11), p.1070 - 1074, 2001/11
民生用の冷房,暖房,給湯を中心とするエネルギー源として、分散型小型炉利用の有用性について述べ、社会受容性の高い原子炉としての要件をまとめ、その具体的な様式について言及した。この炉は大型船舶用原子炉MRXの概念を発展させたものであり、多くの技術要素を共有する。MRXは島嶼等の小規模発電網への利用も可能である。これらの分散型小型炉により、原子力の新市場開拓や化石燃料消費量の大幅削減に貢献しうるものと期待している。熱供給用の分散型小型炉は、いずれも自然循環方式、一体型とし、温度も233と比較的低温に設定している。このため、動的機器,原子炉容器の貫通配管の徹底的な削減,圧力の低減等が図られることにより、自然力を利用した長期信頼性の高い原子炉システムの設計が可能となった。これにより、原子炉の安全性が高くなると同時に、小型軽量化が図られ、コスト削減にも多大の効果が期待される。
小田野 直光; 石田 紀久; 落合 政昭
JAERI-Research 2001-044, 53 Pages, 2001/10
MR-1Gは都市のオフィスビルへの熱供給のための熱出力1MWtの超小型原子炉である。MR-1Gの炉心設計として、原子炉負荷率44%を仮定した場合に燃料無交換で10年間の長期炉心寿命を達成する炉心の核的検討を行った。燃料棒配置,U濃縮度について検討し、濃縮度を8.5wt%とすることで設計条件を満足できる炉心仕様を得た。種々の核的安全性にかかわるパラメータについて確認を行うとともに、反応度係数,出力分布等の核特性を評価し、設計条件を十分満足するものであることを明らかにした。また、受動的原子炉停止系に採用した反射体落下による炉停止性能の解析を行い、炉物理の観点から成立性を確認した。
山岸 秀志; 曽山 和彦; 角田 恒巳; 落合 政昭; 岩村 公道; 最首 貞典*; 浦上 正雄*; 増田 尚宏*; 山内 祐樹*; 大谷 順一*; et al.
JAERI-Tech 2001-053, 19 Pages, 2001/08
高中性子束かつ高線下で使用可能な位置検出型核分裂計数管(PSFC)と中性子分布計測システムの開発を進めている。今回、有感長1000mmを有するPSFCを試作し、その出力信号特性の詳細と中性子空間分布の計測試験を実施した。この結果、PSFCは、特殊電極構造で製作されているにもかかわらず、一般の有感長200mm程度の核分裂計数管と比較して、同等以上の出力信号特性を有していることを確認できた。また、PSFCによりグラファイトパイル側壁の中性子空間分布をリアルタイムで計測できることを確認できた。本開発試験により、ソレノイド電極構造のPSFCの実現性を実証でき、また、PSFCが中性子分布計測用として、極めて有効であることを証明できた。
石田 紀久; 今吉 祥*; 頼経 勉; 布川 浩*; 落合 政昭; 石坂 雄一*
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(7), p.557 - 570, 2001/07
被引用回数:16 パーセンタイル:71.85(Nuclear Science & Technology)改良舶用炉用に原子炉容器内に設置する制御棒駆動装置(INV-CRDM)を開発した。本装置により、原子炉システムの小型化,簡素化を図ることができるとともに、制御棒飛出事故発生の可能性を排除できる。本制御棒は、一次水中の高温高圧水(310,12MPa)条件下で作動する。駆動力は、水中で作動できるよう開発した同期モータによる。軸のラッチ及びスクラムのためのデラッチは、分割ボールナットを採用したラッチ機構による。駆動軸の位置検出器は、本INV-CRDM用に、ウイーデマン効果を利用し磁歪式細線を採用した検出器を開発し、その誤差が1.2mmであることを確認した。高温水中で作動するスラスト及びラヂアル軸受けを開発した。高温高圧水中下で、ラッチ,保持,スクラム,上下動の機能試験及び耐久試験を実施し、設計条件を満たすことを確認した。
布川 浩*; 頼経 勉; 今吉 祥*; 笠原 芳幸*; 落合 政昭; 石田 紀久
JAERI-Tech 2001-040, 115 Pages, 2001/06
改良舶用炉MRXで採用している原子炉容器内装型制御棒駆動装置の重要な要素技術の一つである高温水中軸受の開発を完了した。本報告書は、軸受けの開発の成果として軸受材料の調査検討から始まって、オートクレーブによる材料浸漬試験、小型試験片での各種転がり摩耗試験、そして、実機軸受による高温水中耐久試験についてまとめたものである。実機高温水中軸受の材料としては、内外輪にステライトNo.1、玉にサーメット、保持器にグラファイトを用いた組み合わせが有望であることがわかった。
藪内 典明; 高橋 政男*; 中澤 利雄; 佐藤 和夫*; 島崎 潤也; 落合 政昭
JAERI-Research 2000-064, 76 Pages, 2001/02
浮体式海上立地方式による原子力発電施設(以下、「浮体式原子力発電施設」という。)について、前報では、モデルとして110万kW級の発電用加圧水型原子炉施設を搭載する浮体構造物を水深20m程度の沖合に係留することを想定した概念検討を行い、また、波浪等による応答解析を行って、浮体構造物の運動が安定したものであることを示した。本報告書では、浮体式原子力発電施設の安全性に関し、基本的な設計方針,設計で考慮する自然現象の設定の考え方,安全上の機能について検討した。加えて、大型浮体構造物の運動特性解析技術の現状に関する調査を行った。調査検討の結果、浮体構造物の安定性の確保が浮体式原子力発電施設の健全性確保の基本となること、また、浮体構造物の安定性評価では、S1及びS2地震に加え、S1及びS2暴風雨のような規模の暴風雨を考慮する必要があること、さらに、設計で考慮する暴風雨の規模の設定が浮体式原子力発電施設の現実に向けた主要な課題の1つであることを明らかにした。
藪内 典明; 高橋 政男*; 中澤 利雄; 佐藤 和夫*; 島崎 潤也; 落合 政昭
JAERI-Research 2000-063, 69 Pages, 2001/02
原子炉施設の海上立地方式は、浮体式,着定式及び埋立式に分類することができる。浮体式海上立地方式による原子力発電施設(以下、「浮体式原子力発電施設」という。)は、免震性,設計標準化,工期短縮など多くの特長を有している反面、陸上原子力発電所とは異なる安全体系の確立が必要であるとされる。しかしながら、これらの検討はこれまで必ずしも十分行われていない現状にある。本報告書では、浮体式原子力発電施設の安全を設計上どのように考慮すべきかを検討するために、検討対象とする浮体式原子力発電施設の概念検討及び浮体構造物の安全性評価に関する調査を行った結果を述べている。前提として、日本の外洋に面した水深20m程度の沖合で、防波堤により得られる静穏海域に、110万kW級の発電用加圧水型原子炉施設を搭載する浮体構造物を係留することを想定した。調査検討の結果、浮体構造物は長さ300m幅80m
高さ35m,総排水量約30万トンの規模となり、既存の造船所のドックで十分建造し得ることがわかった。また、波浪等による浮体構造物の運動シミュレーションを実施した結果、防波堤に防護された浮体構造物は、原子炉施設を搭載するのに十分な安定性を有していることが確認された。
岩村 公道; 落合 政昭
Proceedings of 1st Asian Specialist Meeting of Future Small-Sized LWR Development, p.7_1 - 7_9, 2001/00
原研では、持続可能性,エネルギー利用の多様化等の革新的原子炉の目的を達成するため、2種類の中小型軽水炉の研究開発を実施中である。一つは、受動安全性を具備した低減速スペクトル炉で、炉心は中性子の減速を抑えるためMOX燃料稠密炉心から構成され、電気出力は330MW,運転サイクル26ヶ月,転換比1.01,負のボイド反応度係数,60GWd/tの燃焼度を達成した。もうひとつは地域熱供給や海水脱塩等を目指した分散型小型炉で、改良舶用炉MRXをバージに搭載して熱と電気の供給を行う設計と、需要地の地下に立地して熱供給を行う小型炉の設計を実施した。
楠 剛; 小田野 直光; 中島 伸也; 福原 彬文*; 落合 政昭
日本原子力学会誌, 42(11), p.1195 - 1203, 2000/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)地球環境保全のために、二酸化炭素を放出しないエネルギー源の活用が求められている。このための一案として、オフィスビルでの冷暖房及び給湯に原子炉を利用し、燃料交換時に、原子炉ごと交換できる「カセット式熱供給システム構想」が提唱されている。著者らは、オフィスビルの地下での利用に適した原子炉の要件を整理するとともに、要件を満足する原子炉プラントの概念を構築した。ビルの地下に設置する原子炉の要件は次の4項目に整理した。(1)工場で完全に組み立て、トレーラー等でビルの地下に搬入できる可能性、(2)原子炉事故時に原子炉の安全確保を運転操作及び外部電源に頼らない受動安全性、(3)設置するビルの耐震設計及び防火設計に特段の要求を必要としない独立した耐震性と耐火性及び(4)無人での長期連続運転性である。これらの要件を満たす原子炉MR-1Gの概念を構築し、基本的な特性を明らかにした。
落合 政昭
エネルギー, 33(10), p.49 - 53, 2000/10
21世紀の社会を支える安価で、温室効果ガスを発生せず、長期安定供給が可能な民生用エネルギー源として、エネルギー消費地に設置するための原子力エネルギー供給システムが必要とされる。そのための原子炉として、受動安全系と自然循環・自己加圧方式等による単純化プラントである小型軽水炉PSRDの設計検討を進めている。利用システムとしては、大深度地下利用の地域熱供給原子力システムとバージ搭載型小規模発電システムを想定している。PSRDを大深度地下の空洞の中に、または洋上でバージに搭載して設置すれば、地震等の災害に強く、重大な事故が発生しても付近の住民は避難する必要はなく、地価、人口密度の高い大都市でも利用できる。小型軽水炉を分散型エネルギー源として導入することは、エネルギー消費地域が地球温暖化やオゾン層破壊等を防止しつつ、エネルギー供給面で自立するための一つの方策であると考えられる。
高橋 照雄; 島崎 潤也; 中澤 利雄; 藪内 典明; 福原 彬文*; 楠 剛; 落合 政昭
JAERI-Tech 2000-039, p.94 - 0, 2000/03
原子力船研究開発室は、将来の原子力船動力源として軽量・コンパクトで安全性の高い出力100MWtの一体型炉MRXの設計研究を実施し、工学設計を完了した。本一体型炉の設計性能及び運転性能を確認するとともに、一体型炉の運転操作の自動化研究に使用するため、リアルタイムのエンジニアリングシミュレータを開発した。本シミュレータは、原子力船「むつ」の実験航海データにより精度検証された「むつ」シミュレータと同様のモデル化手法を用い開発した。事故事象等のプラント全体の挙動については、安全解析コードによる解析結果と照合し、整合していることを確認した。今後実機の運転結果あるいは実験結果との照合による検証が必要であるが、リアルタイムのエンジニアリングシミュレータとして利用可能である見通しが得られた。
石田 紀久; 楠 剛; 小田野 直光; 頼経 勉; 福原 彬文*; 落合 政昭; 星 蔦雄*
Proceedings of International Workshop on Utilization of Nuclear Power in Oceans (N'ocean 2000), p.55 - 66, 2000/02
改良舶溶炉MRXは、船舶推進用動力源として熱出力100MWの一体型PWRである。軽量・小型化、安全性向上及び信頼性向上を図るためいくつかの新技術を採用している。水張式格納容器の採用は軽量小型化に有効であり、「むつ」と比較して約半分の1600ton,1210mの原子炉が得られている。また、工学的安全系には、簡素化された受動的安全系を採用しており安全解析によりその性能が確認されている。MRXを電力-熱供給用エネルギー源として利用することが可能である。原子力バージとして、電力100MW,造水35,000m
/day及び温水供給システムの概念検討を行った。ただし、MRXの熱出力は300MWへ出力増としている。
中島 伸也; 楠 剛; 小田野 直光; 落合 政昭
第7回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集 (00-11), p.225 - 228, 2000/00
21世紀のエネルギー、中でも今後増大化が予想されている民生用の冷房、暖房、給湯のエネルギー源として、超小型原子炉による熱供給システムについて提案した。この原子炉は社会的受容性に高いものが要求され、その要件をまとめるとともに、具体的に、地域熱供給用には熱出力100MWt、それを補完するオフィスビルの地下に設置する1MWtの2種類について言及した。いづれも出口温は233、自然循環方式の一体型であり、制御棒駆動装置も内装型を採用し、動的機器、配管類を極力排除したきわめて信頼性の高い受動安全炉となっている。100MWtの炉は都市の大深度地下に空洞を造りそこに設置する。そのため、万が一の事故時においても住民が避難する必要がないよう設計されている。炉心は8年間の長期燃焼を目標とし、経済性にも配慮した原子炉となっている。
楠 剛; 小田野 直光; 頼経 勉; 福原 彬文*; 中島 伸也; 落合 政昭
Proceedings of the 4th JSME-KSME Thermal Engineering Conference, p.1_61 - 1_66, 2000/00
地球環境保全のために、二酸化炭素を放出しないエネルギー源の活用が求められている。このための一案として、オフィスビルの熱供給に原子炉を利用し、燃料交換時に、原子炉ごと交換する「カセット式熱供給システム構想」が提唱されている。MR-1Gはビルの地下に設置して、熱供給を行うために設計された超小型の原子炉である。原子炉プラントは、一次冷却水ポンプ、加圧器、原子炉補助系を持たない極めて単純な構成であり、すべての構成要素が格納容器に収められている。格納容器は輸送容器を兼ねており、プラント全体をトレーラで輸送することができる。またMR-1Gは、自然循環を利用した受動的な安全設備を備えている。安全設備の機能は、汎用原子炉プラント応答解析プログラムを用いた解析により確認された。
中島 伸也; 落合 政昭
JAERI-Conf 99-014, p.218 - 0, 1999/12
軽水炉によるPu利用が本格的に開始されようとしており、今後全MOX炉心、高燃焼、高転換等にかかわる軽水炉によるPu利用の高度化の重要性が高まる。当研究部では、Pu利用の高度化に重点を置いた研究を進めており、関連する研究・開発を行っている大学、機関、電力及びメーカーとの情報交換の機会を持つことは有意義である。当該研究会では基調講演、研究発表6件及び意見交換「Pu利用高度化研究の展望」が行われた。本報告は、これらの発表論文等をまとめたものであり、付録として研究会当日発表者が使用したOHPを収録するとともに、研究会のプログラムならびに参加者名簿を添付した。
久語 輝彦; 嶋田 昭一郎*; 大久保 努; 落合 政昭
JAERI-Research 98-059, 40 Pages, 1998/10
将来型軽水炉の一つのオプションとして、高燃焼度フルMOX PWRの炉心概念の検討を進めている。燃料ピン間隔を13.8mmに広げることにより減速材対燃料体積比を2.6に増加させて、電気出力60万kW、平均取り出し燃焼度100GWd/tを達成する炉心を提案し、核的成立性について検討した。本炉心には、12%の核分裂性プルトニウム富化度を要した。B-10を40%濃縮したホウ酸水を使用すれば、ホウ素タンクの増強をせずに、燃焼反応度の制御は可能である。また、天然ボロンカーバイド(BC)を使用した制御棒クラスターを集合体3体につて1体を設置すれば、2%dk/kk'以上の炉停止余裕を確保することができる。減速材ボイド係数及び減速材温度係数は運転中は負であり、可燃性毒物等の使用は不可欠ではないが、Gd
O
及びEr
O
等の可燃性毒物の使用により、径方向ピーキング係数を約0.1低減できる。
大久保 努; 久語 輝彦; 白川 利久*; 嶋田 昭一郎*; 落合 政昭
Proc. of Workshop on Advanced Reactors with Innovative Fuels, p.127 - 137, 1998/10
原研で実施されている新型炉の概念設計のうち、中性子の減速の程度を現行のものから増加あるいは減少させた水冷却型原子炉に関する検討の結果を紹介する。その一つは、100GWd/tの燃焼度と3年サイクル運転が可能なフルMOX炉心である。このタイプのPWR型炉として、減速度を2.5~3程度に幾分増加させた設計を検討しており、核分裂性Pu富化度7%の場合に、60GWd/tの燃焼度と2年サイクル運転が可能で、同富化度12%の場合に最終目標が達成可能である。また、BWR型炉として、やや低減速の炉心により同様の目標を達成可能なものを提案している。さらに別なタイプの炉心として、1以上の転換比を目指した高転換炉を減速度を著しく減少させることにより検討している。その一つのPWR型炉として、燃料棒間隔を1mm程度とし、減速材として重水を用いたものを検討しており、有望な結果を得ている。
中島 伸也; 落合 政昭
JAERI-Conf 98-013, 279 Pages, 1998/09
本報告書は、平成10年3月4,5日に開催された低減速スペクトル炉に関する原研主催の研究会の内容をまとめたものである。高転換型炉心研究のレビューとして、PWR及びBWRでの既往研究のまとめが説明された。低減速スペクトルMOX炉心研究では、超臨界圧水炉、RBWR及び先進的核燃料サイクル及び加圧型増殖炉についての最新の開発状況が報告された。また原研における研究現状と将来計画として、低減速スペクトル炉心の設計計画及びアクチニド研究施設について報告された。最後に、低減速MOX炉心研究会の今後の展開と技術的課題と題するパネルディスカッションが行われ、研究の進め方、社会の受容性、電力の協力、原研への要望等の意見が述べられ、幅広い質疑応答があった。
白川 利久*; 大久保 努; 落合 政昭
JAERI-Research 98-047, 46 Pages, 1998/08
運転サイクル3年程度、燃料交換頻度4バッチそして燃焼度100GWd/t以上を目指した全MOX高燃焼度BWR炉心の核的検討を行った。ベース炉心は、135万kWe級US版ABWRに99型燃料集合体を装荷して構成した。可燃性毒物ガドリニアの濃度を調製するとともに水棒の有無や被覆管直径変更により水対燃料体積比を変えて検討した。比較的高減速、中間減速と比較的定減速の燃料集合体について、2次元XY燃料集合体セル計算を汎用核計算コードシステムSRAC95で実施した。3ケースとも上記目標が達成可能と考えられる。比較的定減速の燃料集合体は、プルトニウム使用量は多くなるが、長期間燃焼により総発熱量は多くなる。加工費、使用済み燃料貯蔵費の観点からは有利と思われる。このケースについては、3次元XYZ炉心燃焼計算を同コードシステムで実施した。線出力密度が低く、全制御棒引き抜き運転が可能と思われる結果が得られた。
大久保 努; X.Jiang*; 新谷 文将; 落合 政昭
JAERI-Research 98-042, 49 Pages, 1998/08
原研型受動安全炉(JPSR)の定常時及びポンプトリップ事象時の熱的な裕度を評価するため、COBRA-IV-I及びRETRAN-02/Mod3コードを用いた解析を実施した。定常時において、流体混合係数等のパラメータに関する感度解析を実施した。過渡解析に対しては、主冷却水ポンプの慣性等のパラメータに関する感度解析を実施した。計算結果によれば、定常時には大きな熱的裕度が有るが、ポンプトリップ時に対しては、炉心入口での流量低下が速いことにより、最小DNBRが非常に小さな値になる。この熱的裕度を増加させるためには、主冷却水ポンプの慣性を増加させる設計とすることが最も効果的であることを明らかにするとともに、本過渡変化における最小DNBRを増加させる方策に関する提案を行っている。