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平田 悠歩; 佐藤 達彦; 渡辺 賢一*; 小川 達彦; Parisi, A.*; 瓜谷 章*
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(7), p.915 - 924, 2022/07
被引用回数:7 パーセンタイル:90.45(Nuclear Science & Technology)放射線測定において、検出器の線量応答を高い信頼性を持って評価することは、放射線治療,放射線防護,高エネルギー物理学など、多様な分野で共通した課題となる。しかし、多くの蛍光現象を利用する放射線検出器では、高い線エネルギー付与(LET)を持つ放射線に対して消光効果と呼ばれる検出効率の低下を示すことが知られている。また、この消光現象は、異なる種類の粒子線による微小領域へのエネルギー付与分布の変化にも依存する。先行研究では、PHITSコードのマイクロドジメトリ計算により消光現象を予測する手法が開発されていた。本研究では、この成果を活用して、PHITSのマイクロドジメトリ計算により、BaFBr:Eu検出器の光刺激蛍光(OSL)効率を予測した。また、He, C, Neのイオンビーム照射実験を行い、BaFBr:Eu検出器の発光効率変化を測定し、計算による予測値を検証した。本検証では、PHITSのマイクロドジメトリ計算でターゲット球の直径を30-50nmと設定することで、発光効率の予測値が実験値を再現した。また、計算によりBaFBr:Euの発光効率の粒子線種に対する依存性を明らかにし、PHITSのマイクロドジメトリ計算がBaFBr:EuのOSL測定結果を正確に予測できることを示した。
Walter, H.*; Colonna, M.*; Cozma, D.*; Danielewicz, P.*; Ko, C. M.*; Kumar, R.*; 小野 章*; Tsang, M. Y. B*; Xu, J.*; Zhang, Y.-X.*; et al.
Progress in Particle and Nuclear Physics, 125, p.103962_1 - 103962_90, 2022/07
被引用回数:51 パーセンタイル:96.94(Physics, Nuclear)原子核-原子核衝突や原子核の状態方程式の研究において、反応計算モデルは重要なツールとなり、世界中で開発が進んでいる。本論文は、原子力機構のJQMD-2.0を含め、現在開発中の複数のコード開発者の協力により、これらコードを同じ条件で比較することで共通点や差異を明らかにしたプロジェクトTransport Model Evaluation Project (TMEP)を総括したものである。参加したコードはBoltzmann-Uehling-Uhlenbeck(BUU)法に基づく13のコードと、Quantum Molecular Dynamics (QMD)法に基づく12のコードであった。プロジェクトでは、Au原子核同士を衝突させてその終状態を観測する現実的な計算や、一辺が640nmの箱に核子を詰めて時間発展させる仮想的な計算を行った。その結果、BUU法コードとQMD法コードは計算原理が異なるため、計算の設定に関係なく系統的な差異が生じることが明らかになった。その一方で、同じ方法を採用するコード間の比較では、時間発展を細かく計算することでコード間の差は埋まっていき、一定の収束値を持つことが示された。この結果は今後開発される同分野のコードのベンチマークデータとして有用なものであるだけでなく、原子核基礎物理学の実験や理論研究の標準的な指針としても役に立つことが期待される。
村瀬 清華*; 片岡 龍峰*; 西山 尚典*; 西村 耕司*; 橋本 大志*; 田中 良昌*; 門倉 昭*; 冨川 喜弘*; 堤 雅基*; 小川 泰信*; et al.
Journal of Space Weather and Space Climate (Internet), 12, p.18_1 - 18_16, 2022/06
被引用回数:1 パーセンタイル:20.65(Astronomy & Astrophysics)巨大な太陽フレアによってもたらされる太陽風により磁気圏内にエネルギーが溜まり、そのエネルギーが一気に解放されるサブストームが発生する。そのサブストームが発生する際、高エネルギー電子が大量に中間圏まで降り注ぐ事象(EEP)がしばしば観測されるが、その詳細な発生メカニズムは解明されていない。本研究では、あらせ衛星により観測された2つのEEPに対して、3次元グローバル電磁流体力学的(MHD)シミュレーションや放射線挙動解析コードPHITSを使った解析によりその発生メカニズムを検討した。その結果、カレントシート散乱とwave-particle散乱がEEPの初期及びサブストーム発生後に重要な役割を果たしていることが示唆された。
普天間 章; 眞田 幸尚; 石崎 梓; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 佐藤 一彦*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 菊池 陽*; et al.
JAEA-Technology 2021-029, 132 Pages, 2022/02
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後より、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、航空機等を用いた空からの測定方法が適用されている。日本原子力研究開発機構では、有人ヘリコプターを使用した航空機モニタリングを福島第一原子力発電所周辺において継続的に実施してきた。本報告書では、令和2年度に実施した福島第一原子力発電所周辺におけるモニタリング結果について取りまとめると共に、過去のモニタリング結果から空間線量率等の変化量を評価し、変化量に寄与する要因について考察した。また、航空機モニタリングによる空間線量率の計算精度向上に資するために、航空機モニタリングデータを用いて地形の起伏を考慮に入れた解析を行った。地形の起伏を考慮に入れる前後での解析結果を比較し、本手法による精度向上効果を評価した。さらに、空気中のラドン子孫核種の弁別手法を測定結果に適用して、空気中のラドン子孫核種が航空機モニタリングに与える影響について評価した。
石丸 恒存; 尾方 伸久; 國分 陽子; 島田 耕史; 丹羽 正和; 島田 顕臣; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; et al.
JAEA-Research 2021-007, 65 Pages, 2021/10
本報は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度令和3年度)における令和2年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第3期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適宜反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで進めている。本報では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。
石丸 恒存; 國分 陽子; 島田 耕史; 島田 顕臣; 丹羽 正和; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; 小北 康弘; et al.
JAEA-Review 2021-012, 48 Pages, 2021/08
本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度令和3年度)における令和3年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第3期中長期計画に基づき、これまでの研究開発成果、関係研究機関の動向や大学等で行われている最新の研究成果、地層処分事業実施主体や規制機関のニーズ等を考慮した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:44 パーセンタイル:97.1(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
小野 章*; Xu, J.*; Colonna, M.*; Danielewicz, P.*; Ko, C. M.*; Tsang, M. B.*; Wang, Y,-J.*; Wolter, H.*; Zhang, Y.-X.*; Chen, L.-W.*; et al.
Physical Review C, 100(4), p.044617_1 - 044617_35, 2019/10
被引用回数:60 パーセンタイル:98.59(Physics, Nuclear)2017年4月に開催された国際会議Transport2017において、重イオン核反応モデルの国際的な比較が議論された。重イオン加速器の安全評価や宇宙飛行士の被ばく評価等で重要な役割を果たすため、世界中で重イオン核反応の様々な理論モデルが開発されている。本研究では、辺の長さが20fmの直方体に320個の中性子と陽子をランダム配置し、それらが70fm/cの間に起こす散乱の回数やエネルギーを計算した。ここでは、特にパイオンやその前駆体であるデルタ共鳴の生成に注目して比較を行った。参加コードは、個々の粒子の時間発展を追うQMD型コードと、粒子の位置や運動量の確率分布を決めておき、散乱や崩壊が発生したときそれらを乱数サンプリングするBUU型コードがあり、発表者が用いたJQMDは前者に属する。本研究により、計算における時間刻みが各コードによる結果の差の主な原因であることが分かった。さらに、今後のJQMDの改良方針の策定に有益な知見を得ることができた。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 荒井 武彦*; 仲内 悠祐*; 中村 智樹*; 松岡 萌*; et al.
Science, 364(6437), p.272 - 275, 2019/04
被引用回数:262 パーセンタイル:99.73(Multidisciplinary Sciences)小惑星探査機はやぶさ2のターゲット天体であるリュウグウは、始原的な炭素質物質で構成されていると考えられている。はやぶさ2に搭載された近赤外分光計(NIRS3)によって、天体の表面組成を得た。天体全体の観測で、弱く細い吸収が2.72ミクロンに確認され、OHを含む鉱物の存在を示している。弱いOH吸収と低いアルベドは熱やショックによって変質を受けた炭素質コンドライトに似ている。OHバンドの位置はほとんど一定であり、衝撃片の集合によって形成されたリュウグウは組成的に均質であることを示している。
Zhang, Y.-X.*; Wang, Y,-J.*; Colonna, M.*; Danielewicz, P.*; 小野 章*; Tsang, M. B.*; Wolter, H.*; Xu, J.*; Chen, L.-W.*; Cozma, D.*; et al.
Physical Review C, 97(3), p.034625_1 - 034625_20, 2018/03
被引用回数:100 パーセンタイル:99.11(Physics, Nuclear)2017年4月に開催された国際会議Transport2017において、重イオン核反応モデルの国際的な比較が議論された。重イオン加速器の安全評価や宇宙飛行士の被ばく評価等で重要な役割を果たすため、世界中で重イオン核反応の様々な理論モデルが開発されている。本研究はモデル間の共通点と差異を明らかにし、各モデルの問題点を明らかにした。比較において、辺の長さが20fmの直方体に320個の中性子と320個の陽子をランダム配置し、それらが時間発展に伴って起こす散乱の回数や散乱時のエネルギーなどを計算する条件が設定された。また、結果以外にも、理論モデルを構成するアルゴリズムについても比較を行った。発表者は重イオン核反応モデルJQMD(JAERI Quantum Molecular Dynamics)を用いて計算を行い、世界で開発されている15の計算コードによる計算結果と比較した。コードアルゴリズムの比較では、JQMDは必ず陽子から 優先的に衝突確率を計算し、その後に中性子の衝突を計算するため、物理描像の妥当性が指摘された。一方、JQMDは他のモデルとほぼ同じ計算結果を出すことも判明した。衝突回数や運動量の計算値が平均から2倍以上乖離するモデルもある中で、JQMDは本計算条件で安定した性能を発揮することが確認された。
小川 数馬*; 水野 覚瑛*; 鷲山 幸信*; 柴 和弘*; 高橋 成人*; 小阪 孝史*; 渡辺 茂樹; 篠原 厚*; 小谷 明*
Nuclear Medicine and Biology, 42(11), p.875 - 879, 2015/11
被引用回数:24 パーセンタイル:70.61(Radiology, Nuclear Medicine & Medical Imaging)Sigma receptors are overexpressed in a variety of human tumors, making them potential targets for radionuclide receptor therapy. We have previously synthesized and evaluated I-labeled (+)-2-[4-(4-iodophenyl)piperidino]cyclohexanol [(+)-[I]pIV], which has a high affinity for sigma receptors. Therefore, (+)-[I]pIV significantly inhibited tumor cell proliferation in tumor-bearing mice. In the present study, we report the synthesis and the in vitro and in vivo characterization of (+)-[At]pAtV, an At-labeled sigma receptor ligand, that has potential use in -radionuclide receptor therapy. The lipophilicity of (+)-[At]pAtV was similar to that of (+)-[I]-pIV. Uptake of DU-145, prostate cancer cell lines, and the biodistribution patterns in DU-145 tumor-bearing mice at 1 h post-injection were also similar between (+)-[At]pAtV and (+)-[I]-pIV. Namely, (+)-[At]pAtV demonstrated high uptake and retention in tumor via binding to sigma receptors.
芝間 祐介; 岡野 文範; 柳生 純一; 神永 敦嗣; 三代 康彦; 早川 敦郎*; 佐川 敬一*; 持田 務*; 森本 保*; 濱田 崇史*; et al.
Fusion Engineering and Design, 98-99, p.1614 - 1619, 2015/10
被引用回数:4 パーセンタイル:32.95(Nuclear Science & Technology)現在、建設中のJT-60SA装置では、高さ6.6m、大半径5mの二重壁トーラス構造で真空容器(150tons)を製作する。容器を10個のセクターに分割して製作し、これら分割セクターの製作が2014年に完了した。製作したセクターを現地で接続する段階にあり、この接続の初期では、セクターを直接突き合わせて溶接接続する。二つのセクター間を溶接接続するためには、溶接に必要な目違いやギャップの許容量を把握するという課題がある。他方、現地の組み立てでは、これらの許容量を満足するように管理されなければならない。本報告では、真空容器の最終セクターを含む組立方法の詳細について報告する。更に、分割製作されたセクターを直接接続する溶接技術、最終セクターの部分モックアップ溶接試験の結果を議論するとともに、現地製作の現状も報告する。
中嶋 享*; 寺本 高啓*; 赤木 浩; 藤川 高志*; 間嶋 拓也*; 峰本 紳一郎*; 小川 奏*; 酒井 広文*; 富樫 格*; 登野 健介*; et al.
Scientific Reports (Internet), 5, p.14065_1 - 14065_11, 2015/09
被引用回数:38 パーセンタイル:83.96(Multidisciplinary Sciences)X線自由電子レーザーを利用することで、レーザーによって整列したI分子からのX線光電子回折(XPD)パターンを観測した。X線自由電子レーザーの偏光方向に整列したI分子のXPDは我々の理論計算とよく一致した。さらに、実験で得られるXPDを分子構造決定に利用する際の適応基準を提案した。
Kim, Y.*; Kim, J.*; 山中 暁*; 中島 啓*; 小川 孝*; 芹沢 毅*; 田中 裕久*; 馬場 将亮*; 福田 竜生; 吉井 賢資; et al.
Advanced Energy Materials, 5(13), p.1401942_1 - 1401942_6, 2015/07
被引用回数:18 パーセンタイル:60.17(Chemistry, Physical)空中に廃棄されている自動車排ガスの廃熱の再利用は、現在社会のエネルギー問題の重要な位置を占めるが、その一つとして強誘電体(焦電体)の誘電・焦電効果を応用したエネルギー回生技術の研究が進められている。焦電体を自動車排ガス中に設置するとともに、エンジン運転に伴う熱振動に同期した電場を外部から加えることで、回生エネルギーは大幅に上昇する。本研究ではこの時用いる取り出し電気回路の改良を行うとともに、典型的な焦電体PbZrTiO(PZT)を用いて実際に有効活用できる回生エネルギーが非常に小さいながらもプラスであることを初めて確認した。また回生運転と同時測定した時分割X線回折により、焦電体の結晶構造の変化やドメイン比といったミクロな機構に関する知見を得るとともに、さらに実機エンジンを用いた試験でも実際に有効活用できる回生エネルギーの取得を確認できた。
富樫 格*; 高橋 栄治*; 緑川 克美*; 青山 誠; 山川 考一; 佐藤 尭洋*; 岩崎 純史*; 大和田 成起*; 沖野 友哉*; 山内 薫*; et al.
Optics Express (Internet), 19(1), p.317 - 324, 2011/01
被引用回数:96 パーセンタイル:96.43(Optics)自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域のシード型自由電子レーザーの研究開発を進めている。高次高調波を発生させるドライブレーザーである高出力フェムト秒・チタンサファイアCPAレーザーシステムは、これまで原子力機構で培ったレーザー技術を設計に活かし、レーザーシステムの構築を行った。そして、このドライブレーザーをXeガス中に集光して得られる13次高調波(波長61.2nm)をシード光としてFELへインジェクションし、極端紫外領域でシード型FEL(波長61.2nm)の発振に世界で初めて成功した。高次高調波のシーディングによりSASE方式特有のスパイク構造がなくなり、スムーズなスペクトルが得られた。
小川 数馬*; 河嶋 秀和*; 絹谷 清剛*; 柴 和弘*; 小野口 昌久*; 木村 寛之*; 橋本 和幸; 小谷 明*; 佐治 英郎*
Annals of Nuclear Medicine, 23(10), p.843 - 848, 2009/12
被引用回数:9 パーセンタイル:31.33(Radiology, Nuclear Medicine & Medical Imaging)レニウム-186及び188は、がんの放射免疫療法に適した物理的性質を有する核種であるにもかかわらず、臨床への応用は十分に検討されていない。これは、抗体(高分子)に標識する方法が複雑であることが問題点としてあげられる。そこで、われわれは、簡便な標識法として、Re(I)トリカルボニル錯体とモノクローナル抗体(A7)を直接反応させる方法を検討した。その結果、2時間の反応で、収率23%及び28%でRe標識抗体が合成できることを確認した。また、精製直後の放射化学的純度は95%以上であった。次に、本Re標識抗体を腫瘍モデルマウスへ投与した結果、投与24時間後において、腫瘍へ集積(13.1, 13.2% Dose/g)すること及び選択的集積性の指標となる腫瘍と血中の放射能濃度比が2以上であることが観察された。以上、レニウムトリカルボニル錯体により抗体(A7)が簡便に標識可能であること、標識体であるRe(CO)-A7は高い安定性を有し、担癌モデル動物において腫瘍への選択的な集積を示すことを明らかにした。今後は、収率を増加させるための標識法の改良が必要である。
赤羽 温; 青山 誠; 杉山 僚; 久保 亮一; 小川 奏; 辻 公一; 山川 考一
Optics Letters, 33(5), p.494 - 496, 2008/03
被引用回数:2 パーセンタイル:14.65(Optics)低温冷却Yb:LuLiF結晶を用いたダイオード励起再生増幅レーザーを世界で初めて開発した。シード光は周波数チャープさせパルス伸張させた状態で再生増幅器に入力され、増幅器中で増幅と同時にパルス圧縮を受ける。このためこの装置ではパルス圧縮器なしでエネルギー6mJ,パルス幅13psの999nm増幅パルスが発生可能である。またこの再生増幅器では999nmと1024nmの2波長同時発振も可能で、THz領域での差周波発生に応用することができると思われる。
青山 誠; 赤羽 温; 小川 奏; 辻 公一; 杉山 僚; 張本 鉄雄*; 河仲 準二*; 西岡 一*; 藤田 雅之*; 山川 考一
レーザー研究, 35(6), p.398 - 399, 2007/06
高輝度アト秒光量子ビーム生成を目指し高強度数サイクル光パラメトリックチャープパルス増幅(OPCPA)システムの開発を行っている。このレーザーシステムに要求される条件の一つに、パルス幅が光電場の数サイクルに相当する400nm程度の超広帯域レーザー光の増幅が挙げられる。この増幅帯域を実現するため、広帯域光源によりOPAを励起する方法を用い、システム開発を進めている。この励起光源には所属グループで開発した半導体直接励起Yb CPAレーザーシステムを用いる。この励起レーザーシステムは、われわれが提唱しているOPCPA方式に必要とされる広帯域レーザー光を発生させることが可能であり、Yb結晶を半導体直接励起することで、非常に高い電力-光変換効率を実現している。この論文では、おもに増幅帯域,増幅利得の実験結果について報告する。
中山 王克; 小川 博志*; 木村 暢之; 林 謙二; 飛田 昭; 上出 英樹
Proceedings of 15th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-15) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/04
局所的に鉛直方向の速い流れを有する原子炉容器におけるスクラム時温度成層化現象について、1/10スケール炉上部プレナム試験体を用いた原子炉トリップ時の温度分布計測を実施した。その結果、界面の上昇速度がリチャードソン数によって整理でき、界面の温度勾配は温度差及び炉心出口流速によって影響されることがわかった。また、プレナム内の構造物位置を変更することで、界面の温度勾配は大きく緩和されることがわかった。
星野 克道; 井戸 毅*; 永島 芳彦*; 篠原 孝司; 小川 宏明; 神谷 健作; 川島 寿人; 都筑 和泰*; 草間 義紀; 大麻 和美; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
JFT-2Mトカマクでのプラズマポテンシャルや密度の揺動とポロイダル流の研究について発表する。測地的音波モード(GAM)を同定し、その電場構造を明らかにした。GAMは背景乱流と3波相互作用をし、ドリフト波-帯状流理論と整合することを明らかにした。さらにGAMは背景密度揺動を変調し、揺動抑制は流速の方向や勾配に依存するという動的性質をもち理論と整合する。Hモード中は負電場が形成され、乱流の抑制によるGAMの消滅がある。周辺輸送障壁に帯状流があるかどうかは興味深い。そこで、Hモード中の低周波ポテンシャル揺動に着目しウェーブレット解析を行い、ごく低周波(数百Hz)領域にLモード時やELM時に消滅する特徴的ポテンシャル揺動を見いだした。ポロイダル流と揺動の抑制は強く関係するが、Hモードの径電場は、GAM径電場の約20倍程度でありポロイダル流も強い。定常帯状流はGAMと異なり、周波数がゼロで揺動観測にかからないはずであるが、ポテンシャル構造の不均一性がある場合は流速から、その周波数は数百Hzと近い。この低周波静電揺動が径電場流や帯状流に由来する可能性があると考えられる。