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論文

Optimization of a 9 MeV electron accelerator bremsstrahlung flux for photofission-based assay techniques using PHITS and MCNP6 Monte Carlo codes

Meleshenkovskii, I.*; 小川 達彦; Sari, A.*; Carrel, F.*; Boudergui, K.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 483, p.5 - 14, 2020/11

核分裂性物質の検知を目的として、制動放射線を検知対象に照射して光核分裂反応を発生させ、放出される中性子線を観測する技術が注目されている。この技術で制動放射線を発生させるための電子加速器は、同等の性能を発揮する中性子源と比べて放射化や即発線量が低く、装置の小型化が容易という利点がある。一方、光核分裂反応は中性子誘導核分裂反応より断面積が低いため、電子線ターゲットや制動放射線の取り出し口、照射野などを最適化することが検知効率の向上に必要となる。本研究では、汎用モンテカルロ放射線輸送計算コードMCNPとPHITSを用いて、最適化に必要な要素を明らかにした。その結果、ターゲットでの制動放射線の生成は原子番号の高い元素の方が有利であるが、発生した光子がターゲット周辺で($$gamma$$,n)二次反応を起こし、中性子を生成するため、光子によって起こる早い光核分裂反応と、中性子による遅い核分裂が混在し、最終的な検出対象である核分裂の発生時間が広がる問題が明らかとなった。また、中性子を生じる二次反応は電子線ターゲットだけではなく、ターゲット周辺の遮蔽材でも発生するため、中性子放出スレッショルドが高い元素を遮蔽材として選択するなどの工夫が必要であることが明らかになった。

論文

観測量などの評価

小川 達彦; 岩元 洋介

放射線遮蔽ハンドブック; 応用編, p.68 - 74, 2020/03

日本原子力学会では放射線遮蔽に携わる国内の研究者・技術者に対する指針として、「放射線遮蔽ハンドブック-応用編-」を取りまとめた。本稿はその中の「観測量などの評価」について論じる。遮蔽計算においては、線源から生じる多数の放射線が評価点にもたらす線量や発熱など、多数の放射線による平均の量が重要とされている。しかし、放射線の挙動を表す量は、基本的に平均と分散の両方を定義することができ、放射線検出器の応答、中性子照射による材料損傷評価などでは、分散を示す量が重要な役割を果たす。核反応断面積データライブラリは、放射線輸送計算において分散の情報を必ずしも持たない。そのため、放射線挙動解析のうち分散を示す量が必要とされる場合、放射線輸送計算コードPHITSのイベントジェネレータモードのように、分散の情報を復元するアルゴリズムが必要になる。本稿では、放射線挙動に関する分散の意義、イベントジェネレータモードが分散を計算する原理やその計算例を示し、分散が観測量等の評価に与える影響を解説する。

論文

Depth profiles of energy deposition near incident surface irradiated with swift heavy ions

小川 達彦; 石川 法人; 甲斐 健師

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 461, p.272 - 275, 2019/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Instruments & Instrumentation)

物質中に局所的にエネルギーを付与する重イオン照射は、新しい材料改質方法の開発や放射線損傷原理の解明などを目的として広く用いられている。ここで、重イオンによって弾かれた電子($$delta$$線)と、それがさらに散乱する二次電子のエネルギー付与について、イオンの進行と垂直方向に対する分布は研究されてきた。一方、重イオンの進行方向に対するエネルギー付与分布は一定と仮定されてきたが、電子は重イオンの進行方向に押されるため、表面付近はエネルギー付与が少ないと推定される。そこで、本研究では、飛跡構造解析コードRITRACKSを用いて、重イオン照射を受けた物質内での二次電子のエネルギー付与の空間分布を詳細に求めた。その結果、水中では表面2nmまでの領域はエネルギー付与が少なく、それ以降は一定にエネルギーが付与されることを明らかにした。この結果を電子密度でスケーリングすることで水以外にも適用可能と期待され、核分裂生成物により損傷を受ける原子炉の燃料被覆管や、重イオンビーム照射で改質を受ける材料物質において、表面1-2nmでは放射線の影響が深部より少なくなり得ることを示唆している。

論文

飛跡構造計算に基づく無機シンチレータ発光強度の予測

小川 達彦; 佐藤 達彦; 八巻 徹也*

放射線化学(インターネット), (108), p.11 - 17, 2019/11

電子線, $$alpha$$線,陽子,重イオンなどの多様な種類の放射線を検知するシンチレータは、付与されたエネルギー量に応じた光を発する。ここで、エネルギー付与密度の高い重イオンのような粒子に対してはクエンチング現象が起こり、エネルギー付与量と比して発光が少なくなることが知られている。さらに、励起した蛍光分子が他の蛍光分子にエネルギーを受け渡すメカニズム(F$"{o}$rster効果やDexter効果)によって、クエンチング現象を説明できることが有機シンチレータに関する過去の研究で示されている。そこで、本研究では、CsI(Tl), NaI(Tl), BGOの3種類のシンチレータにおいて、様々なエネルギー・線種の放射線の照射を受けた際のエネルギー付与を飛跡構造計算コードRITRACKSにより計算し、発光準位に励起する励起子の空間配置や量を予測した。また、各励起子が相互作用によりエネルギーを受け渡す確率を計算し、発光に寄与しない励起子を除いた数を計算した。その結果、相互作用の伝播距離を適切に選択することにより、MeV-GeV範囲の光子・陽子・重イオンによる発光の実験値を正確に再現することができた。特に光子による発光におけるエネルギーに対する非線形性や、低速で原子番号の大きい重イオンの入射の場合に、発光がとりわけ抑制されることなど、重要な特性を再現できたことで、本手法の有効性が示された。

論文

Comparison of heavy-ion transport simulations; Collision integral with pions and $$Delta$$ resonances in a box

小野 章*; Xu, J.*; Colonna, M.*; Danielewicz, P.*; Ko, C. M.*; Tsang, M. B.*; Wang, Y,-J.*; Wolter, H.*; Zhang, Y.-X.*; Chen, L.-W.*; et al.

Physical Review C, 100(4), p.044617_1 - 044617_35, 2019/10

 被引用回数:13 パーセンタイル:2.33(Physics, Nuclear)

2017年4月に開催された国際会議Transport2017において、重イオン核反応モデルの国際的な比較が議論された。重イオン加速器の安全評価や宇宙飛行士の被ばく評価等で重要な役割を果たすため、世界中で重イオン核反応の様々な理論モデルが開発されている。本研究では、辺の長さが20fmの直方体に320個の中性子と陽子をランダム配置し、それらが70fm/cの間に起こす散乱の回数やエネルギーを計算した。ここでは、特にパイオンやその前駆体であるデルタ共鳴の生成に注目して比較を行った。参加コードは、個々の粒子の時間発展を追うQMD型コードと、粒子の位置や運動量の確率分布を決めておき、散乱や崩壊が発生したときそれらを乱数サンプリングするBUU型コードがあり、発表者が用いたJQMDは前者に属する。本研究により、計算における時間刻みが各コードによる結果の差の主な原因であることが分かった。さらに、今後のJQMDの改良方針の策定に有益な知見を得ることができた。

論文

Effects of the nuclear structure of fission fragments on the high-energy prompt fission $$gamma$$-ray spectrum in $$^{235}$$U($$n_{rm th},f$$)

牧井 宏之; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; Orlandi, R.; L$'e$guillon, R.; 小川 達彦; Soldner, T.*; K$"o$ster, U.*; Pollitt, A.*; Hambsch, F.-J.*; et al.

Physical Review C, 100(4), p.044610_1 - 044610_7, 2019/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:60.45(Physics, Nuclear)

The prompt fission $$gamma$$-ray energy spectrum for cold-neutron induced fission of $$^{235}$$U was measured in the energy range $$E_{rm gamma}$$ = 0.8 - 20,MeV, by gaining a factor of about 10$$^{5}$$ in statistics compared to the measurements performed so far. The spectrum exhibits local bump structures at $$E_{rm gamma}approx$$4,MeV and $$approx$$6,MeV, and also a broad one at $$approx$$15,MeV. In order to understand the origins of these bumps, the $$gamma$$-ray spectra were calculated using a statistical Hauser-Feshbach model, taking into account the de-excitation of all the possible primary fission fragments. It is shown that the bump at $$approx$$4,MeV is created by the transitions between the discrete levels in the fragments around $$^{132}$$Sn, and the bump at $$approx$$6,MeV mostly comes from the complementary light fragments. It is also indicated that a limited number of nuclides, which have high-spin states at low excitation energies, can contribute to the bump structure around $$E_{rm gamma}approx$$15,MeV, induced by the transition feeding into the low-lying high-spin states.

論文

陽子入射反応における最前方方向の中性子生成二重微分断面積の測定

佐藤 大樹; 岩元 洋介; 小川 達彦

2017年度量子科学技術研究開発機構施設共用実施報告書(インターネット), 1 Pages, 2019/08

数10MeV以上のエネルギー領域での陽子入射反応における前方方向の中性子生成に関して、理論模型および核データともに実験データの不足から予測精度の検証が十分になされていない。本研究では、原子力機構が開発している汎用放射線輸送計算コードPHITSの精度向上に資するため、最前方方向(入射軸に対して0$$^{circ}$$方向)の中性子生成二重微分断面積の系統的な実験データ整備を進めている。平成28年度までに20, 34, 48, 63および78MeV陽子入射の測定を実施したが、絶対値に関する精度改善のため34MeV陽子入射に対しては、より薄い標的を採用して再測定した。実験では、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所TIARAのAVFサイクロトロンから供給される陽子ビームをC, Al, FeおよびPb標的に入射し、生成中性子を最前方方向に開いたコリメータを通して測定室に導き、シンチレーション検出器で測定した。また、PHITSでは、核内カスケード模型に基づくINCLおよび評価済み核データライブラリJENDL-4.0/HEにより、中性子生成の計算を行った。実験値と計算値との比較から、INCLはすべての反応に対して実験値よりも大きな値を与え、JENDL-4.0/HEはFeの結果を良好に再現するが、Alに対しては過大評価し、Pbに対しては過小評価した。本実験により、数10MeV領域の系統的な実験データ整備が完了したため、今後は断面積の入射エネルギー依存性等を解析し、計算コードの高度化に貢献する。

論文

Cathodoluminescence induced in oxides by high-energy electrons; Effects of beam flux, electron energy, and temperature

Constantini, J.-M.*; 小川 達彦; Bhuian, A. S. I.*; 安田 和弘*

Journal of Luminescence, 208, p.108 - 118, 2019/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:67(Optics)

カソードルミネッセンスは結晶中の格子欠陥の検知に利用されており、特に酸化物材料で電子線照射による酸素原子欠陥の定量に多くの適用例がある。しかし、カソードルミネッセンスが試料温度、入射電子のフラックス、エネルギーの各影響因子にどのように依存するかは明らかでなく、測定結果の定量的な解釈の妨げとなっていた。本研究では、単結晶のAl$$_{2}$$O$$_{3}$$, ZrO$$_{2}$$:Y(イットリウム安定化ジルコニア), MgAl$$_{2}$$O$$_{4}$$, TiO$$_{2}$$の4試料に400-1250keVの電子線を照射して酸素原子欠陥を作り、光ファイバープローブとCCDを組み合わせた検出器でカソードルミネッセンスに由来する発光を観測した。試料温度に対する発光強度の依存性はキャリアのトラッピング頻度と蛍光効率が影響し、入射電子フラックスに対しては、蛍光センターの生成・消滅速度に依存することを明らかにした。入射電子エネルギーに対する依存性について、放射線輸送計算コードPHITSで二次電子線エネルギースペクトルを計算したところ、欠陥生成に有効なエネルギー範囲の二次電子生成量によって説明できることが明らかになった。

論文

Measurement of neutron-production double-differential cross sections of $$^{rm nat}$$C, $$^{27}$$Al, $$^{rm nat}$$Fe, and $$^{rm nat}$$Pb by 20, 34, 48, 63, and 78 MeV protons in the most-forward direction

佐藤 大樹; 岩元 洋介; 小川 達彦

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 920, p.22 - 36, 2019/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:56.06(Instruments & Instrumentation)

原子力機構が中心となり開発を進める粒子輸送計算コードPHITSは、加速器施設の遮蔽設計をはじめとして、多くの分野で利用されている。しかし、PHITSで用いられる核反応模型や核データは、陽子入射反応における最前方方向の中性子生成を適切に再現できないことが知られていた。そこで、本研究では、PHITSによる計算モデルの高精度化に資するため、20から78MeVの 陽子入射による$$^{rm nat}$$C, $$^{27}$$Al, $$^{rm nat}$$Feおよび$$^{rm nat}$$Pbの最前方方向における中性子生成二重微分断面積の実験データを取得した。量子科学技術研究開発機構のイオン照射研究施設(TIARA)において、サイクロトンから供給される陽子と標的物質との核反応で生成した中性子のうち、最前方方向に開くコリメータを通したフラックスと運動エネルギーを測定した。実験結果をPHITSの計算結果と比較したところ、計算で用いるINCLおよびJENDL-4.0/HEは原子核の離散的なエネルギー準位間の遷移を考慮していないため、軽核で観測されたピーク構造を再現できないことが分かった。また、エネルギー積分断面積に対して、JENDL-4.0/HEは実験値とファクター2以内で一致するが、INCLは最大で6倍程度大きな値を与えることが分かった。

論文

Establishment of a novel detection system for measuring primary knock-on atoms

Tsai, P.-E.; 岩元 洋介; 萩原 雅之*; 佐藤 達彦; 小川 達彦; 佐藤 大樹; 安部 晋一郎; 伊藤 正俊*; 渡部 浩司*

Proceedings of 2017 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (NSS/MIC 2017) (Internet), 3 Pages, 2018/11

一次はじき出し原子(PKA)のエネルギースペクトルは、モンテカロル放射線輸送コードを用いた加速器施設設計の放射線損傷評価において重要である。しかし、計算コードに組み込まれている物理モデルは、PKAスペクトル について実験値の不足から十分に検証されていない。これまで、従来の固体検出器を用いた原子核物理実験の測定体系において、劣った質量分解能や核子あたり数MeV以上と高い測定下限エネルギーのため、実験値は限られていた。そこで本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、PKAスペクトルを測定するための2つの時間検出器と1つのdE-Eガス検出器からなる新しい測定体系を設計した。その結果、本測定体系は、質量数20から30のPKAにおいて、核子当たり0.3MeV以上のエネルギーを持つPKA同位体を区別できる。一方で、質量数20以下のPKAにおいては、PKAの質量数を識別できる下限エネルギーは核子当たり0.1MeV以下に減少する。今後、原子力機構のタンデム施設、及び東北大学のサイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにおいて、設計した測定体系の動作テストを行う予定である。

論文

A New detector system for the measurement of high-energy prompt $$gamma$$-rays for low-energy neutron induced fission

牧井 宏之; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; Orlandi, R.; L$'e$guillon, R.*; 小川 達彦; Soldner, T.*; Hambsch, F.-J.*; A$"i$che, M.*; Astier, A.*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 906, p.88 - 96, 2018/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:38.72(Instruments & Instrumentation)

中性子誘起核分裂における即発高エネルギー$$gamma$$線を観測するための新しい測定システムの開発を行った。測定システムは核分裂片を観測するための多芯線比例計数管と$$gamma$$線測定用のLaBr$$_{3}$$(Ce)シンチレータから構成される。開発したシステムを仏国ラウエ・ランジュバン研究所にある高中性子束炉のPF1Bコースに設置して、$$^{235}$$U中性子誘起核分裂における即発$$gamma$$線を行った。測定ではエネルギー最大20MeVまでの$$gamma$$線スペクトルの観測に成功し、$$^{235}$$U中性子誘起核分裂において非常に高いエネルギーの$$gamma$$線が放出されていることを確認した。

論文

Analysis of scintillation light intensity by microscopic radiation transport calculation and F$"{o}$rster quenching model

小川 達彦; 八巻 徹也*; 佐藤 達彦

PLOS ONE (Internet), 13(8), p.e0202011_1 - e0202011_19, 2018/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Multidisciplinary Sciences)

シンチレータは、電子線, $$gamma$$線,陽子,重イオンなどの多様な種類の放射線を検知するために広く利用され、付与されたエネルギー量に応じた光を発する。シンチレータにおいては、エネルギー付与密度の高い重イオンのような粒子に対してはクエンチング現象が起こり、エネルギー付与量と比して発光が少なくなることが知られている。さらに、クエンチング現象は励起した蛍光分子が他の蛍光分子にエネルギーを受け渡すメカニズム(F$"{o}$rster効果)によって発生すると推測されている。そこで本研究では、様々なエネルギー・線種の放射線の照射を受けたシンチレータ内でのエネルギー付与を飛跡構造計算コードRITRACKSや汎用放射線輸送計算コードPHITSのT-SED機能により計算し、励起する蛍光分子の空間配置や量を予測した。この計算結果に基づき、各励起分子に対してF$"{o}$rster効果が発生する確率を計算し、励起した分子のうち発光する分子の数を計算した。その結果、電子入射の場合は入射エネルギーと発光量が比例するが、陽子入射の場合は入射エネルギーに対して発光量が非線形に増加し、特に低エネルギーの重イオンに対してはその非線形性がより強くなる実験値を正確に再現することができた。

論文

Cluster formation in relativistic nucleus-nucleus collisions

小川 達彦; 佐藤 達彦; 橋本 慎太郎; 仁井田 浩二*

Physical Review C, 98(2), p.024611_1 - 024611_15, 2018/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Nuclear)

GeVからTeV級の原子核-原子核衝突による粒子生成は、重イオン加速器の安全設計や宇宙線被ばく評価などで非常に重要で、様々な反応モデルが考案されてきた。しかし、従来のモデルは核子間に働く相互作用が座標系に依存しており、運動する入射核と静止しているターゲット核が同じ座標系に移行すると本来は安定な核が壊れる問題があった。ここでは、人為的なバイアスを計算アルゴリズムに導入することで安定性を補っていたが、その副作用として残留核の質量や粒子の放出量が過小評価される問題があった。そこで、核子間の相互作用を座標系に依存しないよう記述した反応モデルJAMQMDを構築した。このモデルでは、原子核-原子核衝突反応を再現した際に核は座標系によらず安定を保ち、重陽子を含む多様な残留核の形成と二次粒子の生成も実験値をよく再現することも確認できた。さらに、3年前に開発された原子核-原子核衝突反応モデルJQMD Ver.2は3AGeV以下の入射エネルギーでしか適用できなかったが、JAMQMDでは入射エネルギーの制限をなくすことができた。そのため、JAMQMDは、放射線防護研究のみならず基礎研究の解析や計画などにも有益なモデルといえる。

論文

Features of particle and heavy ion transport code system (PHITS) version 3.02

佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; Tsai, P.-E.; 松田 規宏; 岩瀬 広*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 55(6), p.684 - 690, 2018/06

 被引用回数:190 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

粒子・重イオン輸送計算コードPHITS Version 3.02を開発して公開した。核反応モデルや原子反応モデルを改良することにより、適応エネルギー範囲や精度を向上させた。また、計算効率を向上させる新しいタリーや、放射性同位元素を線源とする機能、医学物理分野にPHITSを応用する際に有用となるソフトウェアなど、様々なユーザーサポート機能を開発して、その利便性を大幅に向上させた。これらの改良により、PHITSは、加速器設計、放射線遮へい及び防護、医学物理、宇宙線研究など、幅広い分野で3000名以上のユーザーに利用されている。本論文では、2013年に公開したPHITS2.52以降に追加された新機能を中心に紹介する。

論文

日本原子力学会「2018年春の年会」部会・連絡会セッション,核データ部会「シグマ」特別専門委員会共催; 我が国における核データ計算コード開発の現状と将来ビジョン,4; PHITSコードにおける核反応モデルの役割と高度化

橋本 慎太郎; 佐藤 達彦; 岩元 洋介; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 仁井田 浩二*

核データニュース(インターネット), (120), p.26 - 34, 2018/06

放射線の挙動を模擬できる粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、加速器の遮へい設計や宇宙線・地球科学、放射線防護研究等の広範な分野で利用されている。PHITSでは、放射線が引き起こす物理現象を輸送過程と衝突過程の2つに分けて記述しており、さらに核反応が含まれる衝突過程を「核反応の発生」、「前平衡過程」、「複合核過程」の3段階的に分けて計算することで模擬している。これらの計算では断面積モデルKurotamaや核反応モデルINCL4.6やJQMDといった数多くの物理モデルが使用されており、PHITSの信頼性を高めるために、我々は各モデルの高度化を行ってきた。本稿は、日本原子力学会2018年春の年会の企画セッション「我が国における核データ計算コード開発の現状と将来ビジョン」における報告を踏まえ、PHITSにおける核反応モデルの役割を解説するとともに、近年我々が行ってきた様々なモデルの高度化や今後の展開についてまとめたものである。

論文

Integrated simulation of fragmentation, evaporation, and gamma-decay processes in the interaction of cosmic-ray heavy ions with the atmosphere using PHITS

小川 達彦; 橋本 慎太郎; 佐藤 達彦; 仁井田 浩二*; 釜江 常好*

Proceedings of 3rd International Conference on Particle Physics and Astrophysics (ICPPA 2017) (Internet), p.391 - 398, 2018/04

宇宙線重イオンに起因する高エネルギー$$gamma$$線生成の反応において、重イオンは高速で地表に向かって進み、その破砕片から生じる即発$$gamma$$線はドップラー効果により数100MeV程度の高いエネルギーを持ち、地表でも観測できる。そのため、近年、宇宙放射線物理においてこの反応への高い関心が寄せられている。しかし、この高エネルギー$$gamma$$線の生成を計算で再現するためには、破砕反応を個々のイベントに分けて計算し、核破砕片の励起エネルギーや角運動量を計算し、さらに原子核構造データをもとにした脱励起計算をする必要がある。粒子重イオン輸送計算コードPHITSは、他のコードにはないこのような過程を模擬できるモデル等を含んでいる。例えば、近年PHITSは破砕片生成を計算するJAERI Quantum Molecular Dynamics (JQMD)モデルを改良し、破砕片の電荷や質量分布をより正確に再現することが可能となった。また、近年実装されたモデルEBITEMは、励起エネルギーや角運動量の情報に基づき、蒸発過程後の$$gamma$$脱励起を再現できる。以上のように、最新のPHITSは、宇宙線重イオンに起因する$$gamma$$線生成に対して優れた再現性を発揮できる。本研究は、PHITSを用いた宇宙線重イオンに起因する反応の統合的なシミュレーションにより、重イオンに起因する高エネルギー$$gamma$$線生成の再現について貴重なアプローチを図ったものである。

論文

Comparison of heavy-ion transport simulations; Collision integral in a box

Zhang, Y.-X.*; Wang, Y,-J.*; Colonna, M.*; Danielewicz, P.*; 小野 章*; Tsang, M. B.*; Wolter, H.*; Xu, J.*; Chen, L.-W.*; Cozma, D.*; et al.

Physical Review C, 97(3), p.034625_1 - 034625_20, 2018/03

 被引用回数:48 パーセンタイル:0.51(Physics, Nuclear)

2017年4月に開催された国際会議Transport2017において、重イオン核反応モデルの国際的な比較が議論された。重イオン加速器の安全評価や宇宙飛行士の被ばく評価等で重要な役割を果たすため、世界中で重イオン核反応の様々な理論モデルが開発されている。本研究はモデル間の共通点と差異を明らかにし、各モデルの問題点を明らかにした。比較において、辺の長さが20fmの直方体に320個の中性子と320個の陽子をランダム配置し、それらが時間発展に伴って起こす散乱の回数や散乱時のエネルギーなどを計算する条件が設定された。また、結果以外にも、理論モデルを構成するアルゴリズムについても比較を行った。発表者は重イオン核反応モデルJQMD(JAERI Quantum Molecular Dynamics)を用いて計算を行い、世界で開発されている15の計算コードによる計算結果と比較した。コードアルゴリズムの比較では、JQMDは必ず陽子から 優先的に衝突確率を計算し、その後に中性子の衝突を計算するため、物理描像の妥当性が指摘された。一方、JQMDは他のモデルとほぼ同じ計算結果を出すことも判明した。衝突回数や運動量の計算値が平均から2倍以上乖離するモデルもある中で、JQMDは本計算条件で安定した性能を発揮することが確認された。

論文

Recent improvements of particle and heavy ion transport code system: PHITS

佐藤 達彦; 仁井田 浩二*; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松田 規宏; 奥村 啓介; et al.

EPJ Web of Conferences, 153, p.06008_1 - 06008_6, 2017/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:9.6

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、原子力機構を中心とする日本やヨーロッパの研究所が共同で開発しているモンテカルロ放射線輸送計算コードである。PHITSには、様々な物理モデルやデータライブラリが含まれており、ほぼ全ての放射線の挙動を1TeVまで解析可能である。現在、国内外2500名以上のユーザーが、加速器設計、放射線遮へい、放射線防護、医学物理、地球惑星科学など様々な分野で利用している。本発表では、PHITS2.52からPHITS2.82までの間に導入した新しい物理モデルや計算機能などを紹介する。

論文

Measurement of high-energy prompt $$gamma$$-rays from neutron induced fission of U-235

牧井 宏之; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; Orlandi, R.; L$'e$guillon, R.; 小川 達彦; Soldner, T.*; Hambsch, F.-J.*; Astier, A.*; Pollitt, A.*; et al.

EPJ Web of Conferences, 146, p.04036_1 - 04036_4, 2017/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:9.6

核分裂に伴い放出される即発$$gamma$$線スペクトルの測定は高励起状態にある中性子過剰な核分裂片の脱励起過程を理解する上で重要であると同時に、革新的原子炉の設計といった応用分野においても重要である。これまで$$^{252}$$Cfの自発核分裂においては、核分裂片の巨大共鳴振動が励起されていることを示唆する、8MeVから20MeVにおいて膨らみを持つ高エネルギー$$gamma$$線が観測されていることが知られている。巨大共鳴振動励起の起源を理解するためには$$^{252}$$Cfの自発核分裂以外で即発$$gamma$$線スペクトルを測定する必要があるが、中性子誘起核分裂においては最近の測定においても9MeV程度までしか観測されていない。我々は$$^{235}$$U(n,f)においても20MeVまでの即発$$gamma$$線スペクトルの観測を目的とした測定を仏国ラウエ・ランジュバン研究所にある高中性子束炉の大強度冷中性子ビームを用いて行った。発表では測定で得られた結果について報告する。

論文

PHITS version 2.88の特徴

佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松田 規宏; 岩瀬 広*; 仁井田 浩二*

放射線, 43(2), p.55 - 58, 2017/05

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、原子力機構が中心となって開発しているモンテカルロ放射線輸送計算コードである。PHITSには、様々な物理モデルやデータライブラリが含まれており、ほぼ全ての放射線の挙動を1TeVまで解析可能である。これまでに、放射線施設の設計、医学物理計算、放射線防護研究、宇宙線・地球惑星科学など、工学,医学,理学の様々な分野で国内外2,500名以上の研究者・技術者に利用され、現在もその応用範囲は拡がっている。本稿では、その最新版であるPHITS2.88の特徴をまとめる。

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