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増野 敦信*; 棟方 咲衣*; 岡本 芳浩; 家路 豊成*; 小杉 佳久*; 島川 祐一*
Inorganic Chemistry, 63(12), p.5701 - 5708, 2024/03
浮遊法を用い、透明で褐色のLaO-MoO二元系ガラスをバルク状に調製した。ガラス形成範囲は限定されており、主な組成は約25mol%のLaOであった。このガラスは、546Cで明確な結晶化を示した一方で、ガラス転移温度の決定は困難であった。注目すべきことに、アモルファスであるにもかかわらず、このガラスは結晶性のLaMoOに匹敵する密度と充填密度を有することが分かった。X線吸収微細構造解析とラマン散乱解析により、ガラス構造は孤立したMoOユニットの存在により、LaMoOに酷似していることが明らかになったが、La原子周辺の原子配列は無秩序であることが確認された。このガラスは378から5500nmの透明性を示し、1.0mでの屈折率は2.0と見積もられた。光学バンドギャップエネルギーは3.46eVで、LaMoOよりわずかに小さかった。さらに、このガラスは6.58.0mの透明領域を示した。この現象は、MoOユニットの多様性が減少し、Mo-O-Moの連結性が低下した結果、マルチフォノン吸収の重なりが減少したことに起因する。このガラス形成は、従来のガラス形成規則から逸脱しており、結晶のような原子配列を持つ特徴的なガラスとなっている。
羽賀 勝洋; 粉川 広行; 涌井 隆; 原田 正英; 二川 正敏; 神永 雅紀; 加藤 崇; 岡元 義尚
PSI-Proceedings 07-01, p.55 - 65, 2008/01
J-PARCプロジェクトの核破砕中性子源として世界最高レベルである1MWビーム出力に対応可能な水銀ターゲットが完成した。ここでは核破砕中性子源の核となるターゲット容器,水銀循環設備及びターゲット台車について、システムの概要及びこれらの製作・組立途上で生じた幾つかのトピックスについて紹介する。すなわち、ターゲット容器については、製作過程においてビーム窓部に容器の寿命に悪影響を及ぼす残留応力が生じたことが懸念されたため、これを評価し、問題ないレベルであることを確認した。また、水銀循環ポンプについては、水銀漏洩のない機械式電磁ポンプを開発し、400kWまでのビーム出力に対応可能な見通しを得た。さらに、ターゲット台車は300tの車体重量をシステム運転に必要な1mmの精度で位置決めできることを確認した。
羽賀 勝洋; 粉川 広行; 涌井 隆; 岡元 義尚; 二川 正敏; 神永 雅紀; 加藤 崇
Proceedings of 18th Meeting of the International Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-18) (CD-ROM), 14 Pages, 2007/00
現在、J-PARCプロジェクトの核破砕中性子源として世界最高レベルである1MWビーム出力に対応可能な水銀ターゲットを建設中である。ここでは核破砕中性子源の核となるターゲット容器,水銀循環設備及びターゲット台車について、システムの概要及びこれらの製作・組立途上で生じた幾つかのトピックスについて紹介する。すなわち、ターゲット容器については、製作過程においてビーム窓部に容器の寿命に悪影響を及ぼす残留応力が生じたことが懸念されたため、これを評価し、問題ないレベルであることを確認した。また、水銀循環ポンプについては、水銀漏洩のない機械式電磁ポンプを開発し、400kWまでのビーム出力に対応可能な見通しを得た。さらに、ターゲット台車は300tの車体重量をシステム運転に必要な1mmの精度で位置決めできることを確認した。
大野 善久; 浅見 哲夫; 岡本 浩一; 井出野 一実
JAERI 1030, 42 Pages, 1962/03
JAERI中性子クリスタルモノクロメータは、Dr. V. L. SAILORによって米国のBNLに作られたものと類似の高分解能のものである。この装置の特長は、角度送りが自動化され、また装置のalignmentに必要な調整、特に結晶の傾き,方向位置及びスリット幅などの調節が遠隔操作によって行われ、それぞれの位置が操作盤に表示されるので、alignmentが非常に容易に、またすみやかに可能なことである。角度の自動送りは20", 40", 60"の任意の値に設定できて、モニターの計数値によって原子炉の出力変動を補正した上で、検出器の計数値をそれぞれの角度位置で10進記録することができる。この装置は現在建設中の JRR-2(CP-5型,10MW)に設置するために作ったが、その前にJRR-1(Water Boiler型,50kW)を用いて、予備実験を行った。使用した結晶は8cm8cm1cmのLiF単結晶で、装置のrocking curveの半値幅は24'である。この報告では装置の構造,alignmentの詳しい説明、及びLiF結晶を用いたときの特性などを述べた。また低速中性子に対するLiF単結晶のいろいろな格子面の反射率、及び中性子計数管の効率の計算を行ってある。さらに、JRR-1実験孔からの中性子のエネルギー・スペクトルの測定、及びCdとInの最も低い中性子共鳴付近の中性子の透過度の測定を行った。
羽賀 勝洋; 粉川 広行; 涌井 隆; 岡元 義尚; 二川 正敏; 相澤 秀之*; 木下 秀孝; 星野 吉廣; 神永 雅紀; 加藤 崇
no journal, ,
J-PARCプロジェクトの核破砕中性子源として世界最高レベルである1MWビーム出力に対応可能な水銀ターゲットシステムが完成した。ここでは核破砕中性子源の核となるターゲット容器,水銀循環設備及びターゲット台車について、システムの概要,特徴及びこれらの製作・組立途上で生じた幾つかのトピックスについて紹介する。すなわち、ターゲット容器については、熱流動,構造などの設計課題とその対処方法。製作過程においてはビーム窓部に容器の寿命に悪影響を及ぼす残留応力が生じたことが懸念されたため、これを評価し、問題ないレベルであることを確認したことを報告する。また、水銀循環設備については三次元CADと遠隔シミュレーション,模擬試験体を用いた遠隔操作試験による遠隔対応機器の開発過程と、実機の遠隔操作試験状況を紹介する。