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岡村 浩之
ぶんせき(インターネット), 2025(11), p.368 - 372, 2025/10
深共晶溶媒は、水素結合のような強い分子間相互作用が働く2種類以上の物質から構成される液体の総称であり、近年、新たな媒体として注目されている。深共晶溶媒は、水や有機溶媒などの分子液体とは異なる魅力的な特性を有することから、分離化学、蓄電池、触媒、医薬品などの幅広い分野で注目を集めている。本稿では、深共晶溶媒の分類と特徴、調製方法について解説し、液液抽出媒体および固液抽出媒体、次世代蓄電池の電解液として利用した最近の研究について紹介する。
岡村 浩之
深共晶溶媒の開発と応用, p.46 - 53, 2025/07
深共晶溶媒は、水素結合ドナー性の物質と水素結合アクセプター性の物質とを一定の比で混合することで、共晶融点降下により室温で液体となる物質である。金属イオンの溶媒抽出で用いられているクラウンエーテルは、水素結合アクセプター性を有することから、水素結合ドナー性の物質と混合することで深共晶溶媒を創製することが可能と考えられる。本稿では、種々のクラウンエーテル系疎水性深共晶溶媒を創製し、希土類金属イオンの抽出分離に利用した研究成果について紹介する。
木下 貴博*; 岡村 茂樹; 西野 裕之; 山野 秀将; 栗坂 健一; 二神 敏; 深沢 剛司*
International Journal of Pressure Vessels and Piping, 211, p.105299_1 - 105299_5, 2024/10
被引用回数:1 パーセンタイル:15.75(Engineering, Multidisciplinary)ナトリウム冷却高速炉(SFR)の地震確率論的リスク評価(S-PRA)において、原子炉容器などの主要機器の耐震評価は重要である。多くの機器は、地震動時に疲労損傷のような蓄積された損傷によって破損する。本研究では、振動試験および疲労試験で算出されるエネルギーを比較することにより、エネルギーを用いた破損確率評価手法を開発した。振動試験では、エネルギーバランス式を用いて破損時の累積振動エネルギーを評価し、疲労試験では、実験結果に基づいて破損時の累積振動エネルギーを評価した。その結果、振動試験によって破損時の累積エネルギーを推定し、その値が疲労試験結果に基づくエネルギーの範囲内であることが示された。
-wave resonance of 
+
奥平 琢也*; 中部 倫太郎*; Auton, C. J.*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; Gudkov, V.*; 井出 郁央*; 猪野 隆*; 石角 元志*; 神原 理*; et al.
Physical Review C, 109(4), p.044606_1 - 044606_9, 2024/04
被引用回数:3 パーセンタイル:42.78(Physics, Nuclear)We measured the spin dependence in a neutron-induced p-wave resonance by using a polarized epithermal neutron beam and a polarized nuclear target. Our study focuses on the 0.75 eV
-wave resonance state of
La+n, where largely enhanced parity violation has been observed. We determined the partial neutron width of the
-wave resonance by measuring the spin dependence of the neutron absorption cross section between polarized
La and polarized neutrons. Our findings serve as a foundation for the quantitative study of the enhancement effect of the discrete symmetry violations caused by mixing between partial amplitudes in the compound nuclei.
-odd/
-odd interactions on the 0.75 eV
-wave resonance in
+
forward transmission determined using a pulsed neutron beam中部 倫太郎*; Auton, C. J.*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; Gudkov, V.*; 広田 克也*; 井出 郁央*; 猪野 隆*; 石角 元志*; 神原 理*; et al.
Physical Review C, 109(4), p.L041602_1 - L041602_4, 2024/04
被引用回数:2 パーセンタイル:7.93(Physics, Nuclear)Neutron transmission experiments can offer a new type of highly sensitive search for time-reversal invariance violating (TRIV) effects in nucleon-nucleon interactions via the same enhancement mechanism observed for large parity violating (PV) effects in neutron-induced compound nuclear processes. In these compound processes, the TRIV cross-section is given as the product of the PV cross-section, a spin-factor
, and a ratio of TRIV and PV matrix elements. We determined
to be 0.59
0.05 for
La+n using both (n,
) spectroscopy and (
+
) transmission. This result quantifies for the first time the high sensitivity of the
La 0.75 eV
-wave resonance in a future search for
-odd/
-odd interactions in (
+
) forward transmission.
岡村 浩之
日本イオン交換学会誌, 35(1), p.1 - 8, 2024/01
イオン液体は従来の分子性液体とは大きく異なる特殊な性質を有することから、新たな機能性媒体としてさまざまな分野で注目されている。溶媒抽出における抽出媒体としてイオン液体を用いた場合は、"液状イオン交換体"としても働くため、従来の有機溶媒系よりも優れた抽出分離能を示すことが期待される。著者は、このようなイオン液体の特性に着目し、高性能溶媒抽出系の開発を目指して、イオン液体を抽出媒体とした金属イオンの抽出分離に関する研究を行ってきた。本稿では、金属イオン抽出におけるイオン液体の溶媒特性評価、イオン液体系での協同効果による希土類金属の分離、大環状抽出剤の開発とイオン液体に抽出された金属錯体の構造解析について紹介する。
木下 貴博*; 岡村 茂樹*; 西野 裕之; 山野 秀将; 栗坂 健一; 二神 敏; 深沢 剛司*
Transactions of the 26th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-26) (Internet), 7 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR)で、原子炉容器のような重要な機器の地震評価は、地震リスク評価(S-PRA)において、原子炉容器のような重要な機器の破損を評価できる評価方法は必要である。疲労破損と機器に累積した振動エネルギーの関係は、過去の研究において確かめられている。また、振動エネルギーによる破損評価は検討されている。本研究では、地震時に機器に累積する振動エネルギーを評価した破損確率評価手法を開発する。
上田 祐生; 江口 綾乃; 徳永 紘平; 菊池 圭*; 杉田 剛; 岡村 浩之; 長縄 弘親
Industrial & Engineering Chemistry Research, 61(19), p.6640 - 6649, 2022/05
被引用回数:3 パーセンタイル:6.55(Engineering, Chemical)近年の世界的なカーボンニュートラルの潮流から廃電子機器などの二次資源からの白金族金属の効果的な分離・精製の向上が求められている。本研究では、Pt(IV)とPd(II)をpH変化のみで分離可能なウレア基を導入したイミダゾリウム型イオン液体(L1)を合成し、その抽出挙動を評価した。従来の有機溶媒-水抽出系におけるウレア型抽出剤では、Pt(IV)とPd(II)を同じpH領域で抽出してしまい、相互分離ができなかった。それに対し、本研究で合成したL1は、低pH領域ではPt(IV)選択性を、高pH領域ではPd(II)選択性を示した。UV-visおよびEXAFSスペクトルによる解析から、L1によるPt(IV)抽出では、外圏錯体を形成し、Pd(II)抽出では内圏錯体を形成していることが示された。さらに、従来の有機抽出系では第三相を生成するような高濃度のPt(IV)抽出後も、L1は第三相を生成することなくPt(IV)を抽出可能であった。
岡村 浩之; 平山 直紀*
Analytical Sciences, 37(1), p.119 - 130, 2021/01
被引用回数:49 パーセンタイル:65.89(Chemistry, Analytical)本総説は、抽出溶媒としてイオン液体(IL)を用いた希土類元素(REE)の溶媒抽出における最近の進展をまとめたものである。これらのイオン液体抽出系は、従来の有機溶媒抽出系とは異なり、荷電疎水性種と無電荷疎水性種の両方に対して親和性を有することが大きな利点である。本稿では、イオン液体を用いた希土類元素抽出研究を抽出系の種類に基づいて分類し詳述する。イオン液体抽出系では、有機溶媒系とは異なる抽出錯体が形成されやすく、希土類元素の抽出効率および分離効率が大幅に向上することが多い。イオン液体協同効果抽出は、希土類元素の抽出能および分離能を向上させるための効果的な方法である。イオン液体抽出系に適した新しいTSIL (task-specific ionic liquid)の開発も希土類元素分離に有効である。
from nitrate media; Comparison with a conventional organic phosphate上田 祐生; 菊池 圭*; 徳永 紘平; 杉田 剛; 青柳 登; 田中 万也; 岡村 浩之
Solvent Extraction and Ion Exchange, 39(5-6), p.491 - 511, 2021/00
被引用回数:4 パーセンタイル:15.00(Chemistry, Multidisciplinary)本研究では、三価のランタノイドイオン(Ln)に関する新規フルオラス抽出剤(TFP)を開発し、その抽出分離能力を市販リン酸エステル抽出剤であるリン酸トリブチル(TBP)と比較した。興味深いことに、一般的に炭化水素のフルオロ化は抽出能力を低下させる傾向があるにもかかわらず、TFPはTBPよりも遙かに高いLn抽出および分離性能を発揮した。幾つかの分光的手法および抽出相の組成分析に基づいた微視的および巨視的なLnに関する配位環境の比較から、Ln-TFP錯体は水和水をほとんど有しないだけでなくフルオラス相中にはほとんど水分子が含まれていなかった。これらの結果は、フルオラス溶媒の強力な疎水性が、TFPのLnに対する高い抽出および分離性能をもたらしていることを示唆している。
scattering length from
photoproduction on the proton near the reaction threshold石川 貴嗣*; 藤村 寿子*; 深澤 宏司*; 橋本 亮*; He, Q.*; 本多 佑記*; 保坂 淳; 岩田 高広*; 甲斐田 俊*; 笠木 治郎太*; et al.
Physical Review C, 101(5), p.052201_1 - 052201_6, 2020/05
被引用回数:8 パーセンタイル:49.51(Physics, Nuclear)Photoproduction of the omega meson on the proton has been experimentally studied near the threshold. The total cross sections are determined at incident energies ranging from 1.09 to 1.15 GeV. The 1/2 and 3/2 spin-averaged scattering length 
and effective range 
between the CO meson and proton are estimated from the shape of the total cross section as a function of the incident photon energy: 
= (-0.97
+
(0.07
) fm and 
= (+2.78
) +
(-0.01
) fm, resulting in a repulsive force. The real and imaginary parts for 
and 
are determined separately for the first time. A small
-wave contribution does not affect the obtained values.
岡村 浩之; 水野 正義*; 平山 直紀*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*
Industrial & Engineering Chemistry Research, 59(1), p.329 - 340, 2020/01
被引用回数:15 パーセンタイル:41.20(Engineering, Chemical)本研究では、イオン液体1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
mim][Tf
N])において2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)とトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を用いたランタノイド(III) (Ln(III))イオンのイオン液体協同効果抽出と抽出平衡を検討した。[C
mim][Tf
N]においてHttaとTOPOを併用すると重Ln(III)イオン選択的な協同効果が発現し、Ln(III)イオン間の分離能が向上した。Htta-TOPO系におけるLn(III)の抽出種と抽出定数を三次元抽出平衡解析により求めた。その結果、Htta-TOPO系における重Ln(III)イオン選択的な協同効果は、[C
mim][Tf
N]中におけるLn(tta)
(TOPO)
, Ln(tta)(TOPO)
などの疎水性の荷電付加物の形成に起因することが示された。
O(
He,
)
F reaction; Identification of the low-energy "super" -Gamow-Teller state藤田 浩彦*; 藤田 佳孝*; 宇都野 穣; 吉田 賢市*; 足立 竜也*; Algora, A.*; Csatl
s, M.*; Deaven, J. M.*; Estevez-Aguado, E.*; Guess, C. J.*; et al.
Physical Review C, 100(3), p.034618_1 - 034618_13, 2019/09
被引用回数:18 パーセンタイル:78.62(Physics, Nuclear)大阪大学のリングサイクロトロンにて
O(
He,
)
F反応実験を行い、その荷電交換反応の断面積から、
のガモフテラー遷移分布
の励起エネルギー分布を測定した。その結果、
Fの基底状態への
が3.1と非常に大きく、その他の励起状態への遷移強度は小さいことがわかった。この実験結果を大規模殻模型計算や乱雑位相近似計算と比較し、基底状態への強い遷移が理論計算によってよく説明されることがわかった。
Atanassova, M.*; 岡村 浩之; 江口 綾乃; 上田 祐生; 杉田 剛; 下条 晃司郎
Analytical Sciences, 34(8), p.973 - 978, 2018/08
被引用回数:20 パーセンタイル:55.99(Chemistry, Analytical)疎水性イオン液体1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
C
im][Tf
N])と水相間における4-ベンゾイル-3-フェニル-5-イソオキサゾロン(HPBI)および脱プロトン化体(PBI
)の分配定数とHPBIの酸解離定数を求め、硝酸水溶液から[C
C
im][Tf
N]へのHPBIによる3種類のランタノイドイオン(La
, Eu
, Lu
)の溶媒抽出を研究した。抽出相としてイオン液体を利用することにより、クロロホルム系と比較してランタノイドイオンに対するHPBIの抽出能が大幅に向上した。イオン液体系における軽,中,重ランタノイドイオンの抽出化学種の組成は、アニオン性錯体Ln(PBI)
であることが示された。
岡村 浩之
化学と教育, 66(6), p.286 - 287, 2018/06
エマルションフロー法は、近年開発された液液系を利用した抽出技術である。送液以外の機械的な外力は不要で、簡便・低コストと高性能・高効率を兼ね備えた革新的な手法として注目されている。エマルションフロー法は、カラム分離と同様の簡便さで溶媒抽出を行うことが可能である。本稿では、エマルションフロー法の仕組みを解説し、応用例としてウランの回収・除去について紹介した。
畠山 瑞央*; 西山 嘉男*; 永谷 広久*; 岡村 浩之; 井村 久則*
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 25(2), p.79 - 89, 2018/00
被引用回数:15 パーセンタイル:41.29(Chemistry, Multidisciplinary)イオン液体(IL)1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([Bmim][Tf
N])におけるベンゾイルアセトン(Hba)とトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を用いた三価ランタノイドイオン(Ln(III))の協同効果抽出を検討した。TOPO存在下において、HbaによるLn(III)の抽出性は著しく向上した。三次元平衡解析により、各Ln(III)の抽出化学種の組成と抽出定数を求めたところ、HbaとTOPOによりすべてのLn(III)は、Ln(ba)
(TOPO)
やLn(ba)(TOPO)
といったカチオン性三元錯体として抽出されていることが示された。さらに、イオン液体中におけるカチオン性三元錯体の生成定数を算出し、Lu(ba)(TOPO)
が最も安定な錯体であることが明らかになった。
岡村 浩之
分析化学, 66(7), p.531 - 532, 2017/07
本論文は、分析化学に関する著者の博士論文を簡潔にまとめたものである。本研究では、イオン液体抽出の特異性および優位性を調べ、イオン液体の溶媒効果を明らかにすることを目的として、さまざまな大環状およびアニオン性キレート配位子を用いた金属(II, III)のイオン液体抽出を検討した。1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
mim][Tf
N])において、2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)によるEu(III)の抽出平衡解析と時間分解レーザー励起蛍光分光法からEu(tta)
と[C
mim][Tf
N]間に特異的な溶質-溶媒相互作用があることが明らかになった。また、Httaと
-ジシクロヘキサノ-18-クラウン-6を用いたイオン液体協同効果系では、協同効果により軽希土の抽出性が大幅に向上することが示された。さらに、ジアザ-18-クラウン-6に2つの1-フェニル-3-メチル-4-アシル-5-ピラゾロンを結合した大環状配位子(H
DA18C6)を合成し、Sr(II)の抽出に応用した。その結果、分子内での協同作用により、[C
mim][Tf
N]でのみH
DA18C6の抽出能が劇的に向上することが明らかになった。
杉田 剛; 藤原 伊織*; 岡村 浩之; 大島 達也*; 馬場 由成*; 長縄 弘親; 下条 晃司郎
Solvent Extraction Research and Development, Japan, 24(2), p.61 - 69, 2017/05
ジグリコールアミド酸型抽出剤を用いた金属イオン抽出におけるアミド基の影響を調べた。本研究では、二級アミドである
-dodecyldiglycolamic acid (C
DGAA)と三級アミドである
-dioctyldiglycolamic acid (DODGAA)の抽出挙動の違いを、56種類の金属イオンを対象とした網羅的抽出によって評価した。C
DGAAはDODGAAと比較してSc(III)を除くレアアースに対する抽出分離能が低下した。一方で、比較的イオン半径の小さな金属に対して優れた抽出能を示した。さらに、C
DGAAは二価金属イオン混合液からHg(II)を選択的に分離できることが明らかとなった。
N
anions in the ionic liquid-water distribution of europium(III) chelates岡村 浩之; 青柳 登; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*
RSC Advances (Internet), 7(13), p.7610 - 7618, 2017/01
被引用回数:20 パーセンタイル:49.91(Chemistry, Multidisciplinary)液-液分配および時間分解レーザー励起蛍光分光法(TRLFS)によって、2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)によるEu(III)キレートのイオン液体-水分配系におけるビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Tf
N
)アニオンの役割を研究した。Eu(tta)
の分配定数に対するイオン液体の効果を正則溶液論に基づいて評価したところ、1-アルキル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C
mim][Tf
N])におけるEu(tta)
の分配定数は、[C
mim][Tf
N]中のEu(tta)
の溶媒和効果により著しく増加することがわかった。また、合成した[Eu(tta)
(H
O)
]のTRLFSから、一連の[C
mim][Tf
N]中ではEu(tta)
キレートはほぼ完全に脱水和することが明らかになった。さらに、20Mの水を含む過塩素酸1-エチル-3-メチルイミダゾリウム([C
mim][ClO
])中では、2あるいは3分子の水が配位していたのに対して、0.50 MのTf
N
と20 Mの水を含む[C
mim][Tf
N, ClO
]中では水和数は約1となった。これらの結果から、[Eu(tta)
(H
O)
]の配位水がTf
N
アニオンに置換されることが示された。実際、[C
mim][Tf
N]存在下におけるエレクトロスプレーイオン化質量分析法により、アニオン性の付加物[Eu(tta)
(Tf
N)]
が観測された。
岡村 浩之; 下条 晃司郎
イオン液体研究最前線と社会実装, p.220 - 227, 2016/12
溶媒抽出法は、二液相間における溶質の分配性の違いを利用した分離法である。近年、新たな抽出媒体としてイオン液体が広く研究されている。イオン液体は、カチオンおよびアニオン成分の組み合わせによって溶媒特性を調節することが可能であり、抽出媒体として魅力的な反応場を提供することができる。本稿では、金属イオンのイオン液体抽出系で起こる特異的な抽出現象について紹介した。